県立冒険者高等学校のテイマーくん

丸八

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四章 二体目ですよ

七十六話

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「おはよう!もう身体は大丈夫なの?」


 朝から元気に牛牧さんが、今日何度目になるか分からない質問をしてきた。

 一週間以上も授業を欠席していたからな。みんな心配と同時に好奇心も働くんだろう。牛牧さんの場合はツクモにも会いたかっただろうしね。

 現に早速ツクモにちょっかいを出して塩対応されている。


「うん、もう大丈夫だよ。心配かけて悪かったね」


 そう今朝から繰り返している定型文を口にする。余計なオリジナリティは発揮せず、普通に受け答えをする。


「良かった。保健室に運び込まれて一週間以上も入院してるって聞いてたから、心配しちゃったよ」


 大屋敷先生から聞いたんだけど、俺とツクモはダンジョンの出口の真ん前で倒れていたそうだ。

 それを実習の監督を終えた白沢先生が発見して、保健室に運び込んでくれたらしい。


「ごめんごめん。俺ってもやしっこだからさ、しらない内に疲れが溜まってたみたいなんだ。でも、おかげさまで前より元気になったくらいだよ」


 今回の件、対外的には俺の過労ということになっているらしい。もちろん、政府関係には報告が上がってるらしいけど、エネミーが人間に力を与えるっていう話は、よっぽど繊細な話題のようだ。

 ましてや、異世界の存在も仄めかす内容でもあるので、取り扱いには注意が必要なんだろう。

 竜牙童子の次元の壁発言があってから、校内にあるダンジョンの総チェックが行われたらしい。生徒がまた異世界に飛ばされるのは避けたいからね。

 結果がどうなったかまでは聞いていないけど、授業も普通にあるし、何事も無かったんだろう。

 あと、竜牙童子は色々と事情聴取をされてたけど、詳しい事は聞けなかったみたいだ。生まれたばかりらしく、向こうの世界の知識はほとんど無かったらしい。

 ただ、持ち帰ったらしいあの剣は徴収された。当然ながら、お金は払ってもらったけどね。一千万円になったよ。

 やったね!いきなり大金持ちだ!

 素材や特殊効果には目新しさは無いみたいだけど、やっぱり異世界のものという希少性に資料的価値があるらしい。

 もちろん、そんなことはクラスメイトには話さないよう口止めされてるけどね。


「もやしっことかウケル。休んでた間のノートいる?良かったら貸してあげるよ?」
「大丈夫だよ。授業には出れなかったけど、ずっと課題のプリントやらされてたから」
「えっ!?一人で?」
「そう。大屋敷先生がずっと監視してた」
「うわぁ、あの先生いつも暇そうだよね」


 やっぱりみんなそう思うよね。実際は色々やることあるのかもしれないけど。


「でも残念。せっかく貸しを作れるチャンスだったのに」


 え、なにそれ怖い。

 危うく罠にかかるところだったの!?


「やだ、冗談よ?そんなに引かなくてもいいじゃない」
「あ、そうなんだ。冗談ね。鬼気迫るものがあったから、つい真に受けちゃった」
「え、ひどーい」


 そんな軽口を交わしていると、チャイムがなって白沢先生がやってきた。昨日もダンジョンの総点検で遅くまで残っていたらしく、眠たそうに欠伸をかみころしていた。

 俺のせいじゃないとはいえ、なんだか申し訳ない気持ちになった。
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