『お嬢様女子高「聖ローズ学院生徒会」に転生してきた絶対秘密の「令嬢仕置人フォアローゼス」!』

あらお☆ひろ

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「追跡戦」

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「追跡戦」
 
 先に個室ボックスを飛び出たリーダーは人込みをかき分け店を出た。店の前にたむろしていた、先ほど打倒したチンピラたちと同じエンブレムを付けたスモーク張りの国内最大クラスの大型ワゴン車に飛び乗ると改造マフラーからの爆音とタイヤのスキール音をたて、路面に前タイヤ2本のタイヤの跡ブラックマークを残し走り去った。
 その後、3メートル遅れてまりあと稀世が追跡を続けていた。走り去るワゴン車が視界に入り、まりあは「くそっ!逃げられたか!」と地団太を踏んだが「まりあさん、まだあきらめたらあかん!私の後ろに乗って!」と叫ぶと半グレグループのエンブレムを付けた皮ベストを着たスタンドを立てた改造バイクにまたがりタバコをくゆらせるチンピラにバットを投げつけた。
 投げたバットは男のこめかみを直撃し、男はバイクから転げ落ちた。稀世は男のバイクを奪うとまりあが後部席に飛び乗ると2人は叫んだ。
「逃がさへんぞ!街中で私のバイクから逃げ切った「獲物」はおれへんねや!行くでまりあさん!」
「あぁ、稀世に任せた!運転席の横につけてくれたらチェーンでぶち破ったるから攻撃は任さんかい!」
 女2人乗りの600ccの改造バイクはウイリーして信号無視を繰り返す前を行く3500ccの排気量で300馬力を誇る大型ワゴン車を追った。

 稀世の言葉に嘘はなく、2人乗りにもかかわらず、1キロとも走らぬうちにまりあと稀世のバイクはワゴン車に追いついた。ダークブラックのスモークが貼られているため中の様子はわからないが、リーダー格の男は助手席に乗っているはずである。
 本人から自供を取り付けるには運転者は瞬殺してもリーダーは生け捕りにする必要がある。バイクのバックミラーには稀世のスマホのGPSにリンクさせたユーチューバーの陽菜が空撮で使う高速カメラ付きドローンがついてきているのが分かる。ドローンはマップシンクロプログラムにより常に稀世の頭上1メートルに位置しているので、ワゴン車の信号無視、接触事故放置当て逃げ、歩行者優先義務違反を随時撮影している。
 車は東に向かい1号線から163号線に入り門真方面に向かっていたことは、ホームグランドの門真に向かうまりあと稀世には有利に働いた。
 深夜11時半を超えた163号線は1号線と違い車の通行量は少なくなったことで2車のスピードは上がった。130キロで爆走するワゴン車を反対車線にはみ出た稀世の運転する600ccのバイクが運転席横に並んだ。
「まりあさん!ってしまえ!」
稀世の叫びと同時に後部座席のまりあの持つ太いチェーンが運転席のサイドガラスを襲った。まりあの考えでは1撃目でガラスを砕き、2撃目で運転席の頭部を直撃させるプランだったのだが、その一撃目で目論見は崩れ、鎖は窓ガラスにはじかれた。

 「あかん、稀世!この車「防弾仕様」になってるみたいやわ!」
まりあが後部座席で叫ぶと同時に攻撃に気づいたワゴン車が思い切り右に幅寄せしてきた。稀世は運転席に渾身の蹴りを入れつつフルブレーキでワゴン車の後方に逃げた。
「稀世、ここは諦めて陽菜のドローンの撮った映像を警察に引き渡して今晩は引くか?生身なら負ける気はせんけど、バイクとワゴン車の体当たり合戦になったら勝ち目はあれへんやろ…。」
とまりあは少し弱音を吐いた。
 稀世はコンマ1ミリも戦闘心が揺らぐことなく、まりあにある作戦の指示を出した。稀世の説明を聞き終わったまりあは運転中の稀世に尋ねた。
「稀世を信じてないわけやないけど、それであいつらを止めることができるんか?ほんまにうまくいくんか?」
若干の不安を感じているまりあに稀世はどや顔で言った。
「任さんかい!この方法でパトカー30台はまいたったからな!しっかり私の言う通りやったら、バスでもトラックでも止まる!どんなにでかくて馬力があっても前が見えへんかったら運転できへんやろ!」
と稀世は作戦の詳細をまりあに話すと、再度、スピードを上げワゴン車の少し前に出た。その瞬間、まりあのチェーンが宙を舞い、ワゴン車のバンパーを襲った。


「おまけ」





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