まさか私にも異世界転移が……

もちごめ

文字の大きさ
4 / 6

しおりを挟む
「いまは何時だろう……」

薄暗い部屋のなか、丸テーブルに置かれているランプの灯りが怪しげに光っている。
そして異様に喉の奥がかさつく。
声もガラガラで、なんか飲み物が欲しい。

 くそう。鬼畜の絶倫め……。
 あいつ、絶対に鬼だ。

テーブルに置かれている水差しのような置物の中身が水でありますようにと願いながら手に取ってみた。
これは花瓶ではなく、水差しで合っていたようなので、ありがたくいただくことにした。
これを、いつ、だれが用意してくれたものなのかは考えなううようにしつつ……。

あぁ、美味しい。
カラカラだった喉が一気に癒される。

喉の渇きは癒されたが、お腹の下の辺りの違和感は解消されそうにもない。
あのあと、まるで野獣に襲われてるんじゃないかというくらいに貪られ、ここの人達の体力と精力はどうなってんの!? と疑問を抱きたくなるほどに体力も気力もヘトヘトになっていた。
それでもまだ、四回目をいたそうとしていた時には、泣いてやめてっ!、てお願いしたのに……。
「その顔そそられる」 って心底嬉しそうな顔で、中に入りっぱなしのモノをさらに大きくさせて、気を失うまで責め立ててきたため、今でもまだ中に入ったままのような違和感を感じる。

あの綺麗な天使みたいな顔に騙されてはいけない。やってることは悪魔の所業だ。




***
「うぅ……、身体中が痛いんだけど」

次の日の夕方、執務を終わらせたランスロットが食事も風呂も済ませて状態で部屋に戻って来た。

ちなみに私は、今日は一日中、部屋でまったりさせてもらっていた。
なんせ、身体中と、口には出せないあの場所がヒリヒリと痛いのだからしょうがない。

「そうか。まだ痛むか?」
「痛いというよりは、違和感があるし、筋肉が疲れているみたいな感じかな?」

「そうか。なら上出来だ」
「え?? なにが上出来なの? !?  ちょっと!」

 なぜか今、ランスロットにお姫様抱っこをされている状況である。
向かう先には大きなベッド。またもや嫌な予感しかしない。

「もしかして今日も?! てか、今日は朝までしてたよね? 私、あそこがヒリヒリとして痛いんだけど!」

「なら問題ない」

そっとベッドにおろされ、流れ作業の様に組み敷かれる。
真上から熱い視線が注がれ、中々見慣れない綺麗な顔を直視できなくて思わず目を逸らす。

それを満足げに眺めたランスは秘部の上に手を置き、何やら呪文を唱えた。

(???)

とたんに、ポワ~~ン、と秘部が温かくなった。
何が起きたのか理解が出来なく、キョトンとしてしまった。

「今のなに??」
「回復魔法をかけておいた。これで気になる事はもうないな。思い切り楽しめる」

はあ?! 回復魔法? そんなものがあるなら最初から使ってよね!!

一言文句を言ってやろうとしたが、すぐに熱い口づけが始まり、甘く痺れる感覚になにも考えられなくなってしまう。
相手の方が一枚も二枚も上手で、何一つ敵うものがない事が悔しいけれど、実は理想のタイプということもあり、本当は嫌じゃない。
だって、小さいころから憧れてた、おとぎ話の国に、イケメンの王子様が目の前にいるのに、乙女の私がときめかないわけがないじゃない!!
熱く求められればすぐに身体の力も抜け、ドロドロに溶かされてしまった――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)

かのん
恋愛
 気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。  わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・  これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。 あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ! 本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。 完結しておりますので、安心してお読みください。

暴君幼なじみは逃がしてくれない~囚われ愛は深く濃く

なかな悠桃
恋愛
暴君な溺愛幼なじみに振り回される女の子のお話。 ※誤字脱字はご了承くださいm(__)m

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました

らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。 そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。 しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような… 完結決定済み

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

おばさんは、ひっそり暮らしたい

波間柏
恋愛
30歳村山直子は、いわゆる勝手に落ちてきた異世界人だった。 たまに物が落ちてくるが人は珍しいものの、牢屋行きにもならず基礎知識を教えてもらい居場所が分かるように、また定期的に国に報告する以外は自由と言われた。 さて、生きるには働かなければならない。 「仕方がない、ご飯屋にするか」 栄養士にはなったものの向いてないと思いながら働いていた私は、また生活のために今日もご飯を作る。 「地味にそこそこ人が入ればいいのに困るなぁ」 意欲が低い直子は、今日もまたテンション低く呟いた。 騎士サイド追加しました。2023/05/23 番外編を不定期ですが始めました。

処理中です...