2 / 7
2
……腰がとても痛い。
本当、どうなってんの。
ここの世界の人って体力って言葉はない?
身体の力は無限にあるの??
私も体力あるほうだと思っていたけれど、正直死ぬかと思った。
ここの世界っていうより、最早この人がおかしいんだと思うんだけれど……。
すっきりとした顔でスヤスヤと眠る男を恨めしそうに見つめた。
絶対この人の精力は異常だと思う。
学生のころ陸上競技で長距離をやって来たけれど、フルマラソンを完走することよりもキツいんだけど……。
ちょっとだけ自慢だった私の肺活量が悲鳴を上げるなんて……。
異世界、恐ろしい……。
さっきまでのフルマラソンよりも激しい運動に眩暈を覚え、思わず遠い目をしていたら「コンコン」と遠慮がちに扉を叩く音が聞こえた。
「陛下、起きていらっしゃいますか?」
「ああ、時間か……」
気だるそうに色気をたっぷりと撒き散らせながら起き上がる男に”イケメンもげろ!!”と心の中で吠えた。
「あとで連れていく」
「かしこまりました」
ぶっきらぼうに返事を返しただけで、一向にベッドから降りる気配のない男に”早くフェロモンをしまえ!!”と念じつつ、近くのシーツを手繰り寄せ、首元までしっかりと覆ってから声を掛ける。
「あのぅ……仕事なら早く行った方がいのでは」
おずおずと声を掛けた私に、無駄に色気を乗せた流し目を寄こしながら、呆れを多分に含んだ言葉を寄こしてきた。
「お前も一緒に行くんだよ」
バカだな、とも聞こえたが、あえてスルーさせていただく。
「え、なんで?」
何で私が一緒に行くのかわからなくて、思わずポカーンと口を空けてしまう。
「当たり前だろ。今日はお前のドレスの採寸合わせをするんだから」
「……はい?」
「おい、国王である俺の隣に立つんだぞ。そのままでは見劣りするだろ」
上から下までを舐めるように見られ、鼻で笑われた気がしてムカッとした。
「いつ、何のために、私があなた様の隣に立つのでしょうか……?」
「そんなの俺との結婚式に決まっているだろ。言ったよな結婚式は三か月後だって」
ええええ~~~~!!!
ちょっと待って!!
確かに最高潮に盛り上がった時に、そんな言葉を聞いたような気がしたけれど、
あれ、本気だったの?!
何言ってんの?! バカじゃないの?!
そんな重要なこと、あんなことしながら簡単に決めていいの?!
やっぱりバカじゃないの?!
思いっきり顔に出ていたと思うが、気にしない。
「そんなのお断り、」
『させていただきます』という前に私のお腹に手を当て、優しくお腹をさすり始めた。
「?? 何?? どうしたの?」
「昨日からたっぷりと種を注いであるからな。もしかしたら今頃根ついているんじゃないか? 国王である俺の子供だから皆泣いて喜ぶぞ」
ニヤリと笑う。
!? こ、こいつ!!
「そんなこ、」
「ああ、それと、思いっきり怪しいお前の身寄りは、俺が信頼を寄せる男に後見を頼んでおいたから心配するな。ここを出てしまえば、身よりも職もないお前は一瞬で獣の餌になるかのたれ死ぬかしかないだろうけど、実に運が良かったな。俺が一生守ってやるんだから、これ以上のないほどにお前は幸せ者だ」
それはもう、とてつもなく恩着せがましく、高貴なオーラを背に輝かせ自信満々に、最高に悪い笑顔で。
「ハイ、幸せ者でゴザイマス……? でもそれは、」
「もう一つ、俺とお前の関係は、昨日ここにきた騎士たちが正確に情報を漏らしてくれたから、国民たちも歓迎ムード満載だってさ」
昨日の夜からお祭り騒ぎだという。
~~~~!!
ベッドの上で胡坐をかいて頬杖をついたまま私を面白そうに見るこの男。
どんだけ用意周到で策略家なの!?
あぁ……外堀がガションガションとものすごい勢いで埋まっていく音が聞こえる……。
いろいろ突っ込みたいところが満載なんだけど、とりあえず一番大事なことだけを伝えておこう。
「はぁ……、疲れたし、お腹減った……」
本当、どうなってんの。
ここの世界の人って体力って言葉はない?
身体の力は無限にあるの??
私も体力あるほうだと思っていたけれど、正直死ぬかと思った。
ここの世界っていうより、最早この人がおかしいんだと思うんだけれど……。
すっきりとした顔でスヤスヤと眠る男を恨めしそうに見つめた。
絶対この人の精力は異常だと思う。
学生のころ陸上競技で長距離をやって来たけれど、フルマラソンを完走することよりもキツいんだけど……。
ちょっとだけ自慢だった私の肺活量が悲鳴を上げるなんて……。
異世界、恐ろしい……。
さっきまでのフルマラソンよりも激しい運動に眩暈を覚え、思わず遠い目をしていたら「コンコン」と遠慮がちに扉を叩く音が聞こえた。
「陛下、起きていらっしゃいますか?」
「ああ、時間か……」
気だるそうに色気をたっぷりと撒き散らせながら起き上がる男に”イケメンもげろ!!”と心の中で吠えた。
「あとで連れていく」
「かしこまりました」
ぶっきらぼうに返事を返しただけで、一向にベッドから降りる気配のない男に”早くフェロモンをしまえ!!”と念じつつ、近くのシーツを手繰り寄せ、首元までしっかりと覆ってから声を掛ける。
「あのぅ……仕事なら早く行った方がいのでは」
おずおずと声を掛けた私に、無駄に色気を乗せた流し目を寄こしながら、呆れを多分に含んだ言葉を寄こしてきた。
「お前も一緒に行くんだよ」
バカだな、とも聞こえたが、あえてスルーさせていただく。
「え、なんで?」
何で私が一緒に行くのかわからなくて、思わずポカーンと口を空けてしまう。
「当たり前だろ。今日はお前のドレスの採寸合わせをするんだから」
「……はい?」
「おい、国王である俺の隣に立つんだぞ。そのままでは見劣りするだろ」
上から下までを舐めるように見られ、鼻で笑われた気がしてムカッとした。
「いつ、何のために、私があなた様の隣に立つのでしょうか……?」
「そんなの俺との結婚式に決まっているだろ。言ったよな結婚式は三か月後だって」
ええええ~~~~!!!
ちょっと待って!!
確かに最高潮に盛り上がった時に、そんな言葉を聞いたような気がしたけれど、
あれ、本気だったの?!
何言ってんの?! バカじゃないの?!
そんな重要なこと、あんなことしながら簡単に決めていいの?!
やっぱりバカじゃないの?!
思いっきり顔に出ていたと思うが、気にしない。
「そんなのお断り、」
『させていただきます』という前に私のお腹に手を当て、優しくお腹をさすり始めた。
「?? 何?? どうしたの?」
「昨日からたっぷりと種を注いであるからな。もしかしたら今頃根ついているんじゃないか? 国王である俺の子供だから皆泣いて喜ぶぞ」
ニヤリと笑う。
!? こ、こいつ!!
「そんなこ、」
「ああ、それと、思いっきり怪しいお前の身寄りは、俺が信頼を寄せる男に後見を頼んでおいたから心配するな。ここを出てしまえば、身よりも職もないお前は一瞬で獣の餌になるかのたれ死ぬかしかないだろうけど、実に運が良かったな。俺が一生守ってやるんだから、これ以上のないほどにお前は幸せ者だ」
それはもう、とてつもなく恩着せがましく、高貴なオーラを背に輝かせ自信満々に、最高に悪い笑顔で。
「ハイ、幸せ者でゴザイマス……? でもそれは、」
「もう一つ、俺とお前の関係は、昨日ここにきた騎士たちが正確に情報を漏らしてくれたから、国民たちも歓迎ムード満載だってさ」
昨日の夜からお祭り騒ぎだという。
~~~~!!
ベッドの上で胡坐をかいて頬杖をついたまま私を面白そうに見るこの男。
どんだけ用意周到で策略家なの!?
あぁ……外堀がガションガションとものすごい勢いで埋まっていく音が聞こえる……。
いろいろ突っ込みたいところが満載なんだけど、とりあえず一番大事なことだけを伝えておこう。
「はぁ……、疲れたし、お腹減った……」
あなたにおすすめの小説
兄妹じゃないとわかったのでお兄様と結婚したら、全部仕込みでした
こじまき
恋愛
【20260401読みやすいように話を分割しました】
伯爵令嬢ヘイゼルは、兄アリステアに恋をしている。叶わないと知りながら、それでも諦めきれなかった。
しかし子ども時代の「取り違え」が発覚し、子爵令嬢ロレッタとして“正しい場所”で生き直すことに。
そして妹ではなくなった彼女に、アリステアは求婚する。
運命のねじれは正されて、望んだとおりに最愛の人と結ばれた――
けれど――その「正しい運命」は、兄アリステアによって用意されたものだった――
※「小説家になろう」にも投稿しています。
世継ぎは他の妃が産めばいい——子を産めない私ですが、帝の寵愛を独占して皇后になりました
由香
恋愛
後宮に入る女の価値は、ただ一つ。
——皇子を産めるかどうか。
けれど私は、産めない。
ならば——
「世継ぎは他の妃に任せます。私は、陛下に愛される女になります」
そう言い放ったその日から、すべてが狂い始めた。
毒を盛られても、捨てられず。
皇子が生まれても、選ばれたのは私だった。
「お前は、ここにいろ」
これは、子を産めない女が
ただ一つの武器“寵愛”だけで頂点に立つ物語。
そして——
その寵愛は、やがて狂気に変わる。
逃げて、追われて、捕まって (元悪役令嬢編)
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で貴族令嬢として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
*****ご報告****
「逃げて、追われて、捕まって」連載版については、2020年 1月28日 レジーナブックス 様より書籍化しております。
****************
サクサクと読める、5000字程度の短編を書いてみました!
なろうでも同じ話を投稿しております。
地味令嬢の私が婚約破棄された結果、なぜか最強王子に溺愛されてます
白米
恋愛
侯爵家の三女・ミレイアは、控えめで目立たない“地味令嬢”。
特に取り柄もなく、華やかな社交界ではいつも壁の花。だが幼いころに交わされた約束で、彼女は王弟・レオンハルト殿下との婚約者となっていた。
だがある日、突然の婚約破棄通告――。
「やはり君とは釣り合わない」
そう言い放ったのは、表向きには完璧な王弟殿下。そしてその横には、社交界の華と呼ばれる公爵令嬢の姿が。
悲しみも怒りも感じる間もなく、あっさりと手放されたミレイア。
しかしその瞬間を見ていたのが、王家随一の武闘派にして“最強”と噂される第一王子・ユリウスだった。
「……くだらん。お前を手放すなんて、あいつは見る目がないな」
「よければ、俺が貰ってやろうか?」
冗談かと思いきや、なぜか本気のご様子!?
次の日には「俺の婚約者として紹介する」と言われ、さらには
「笑った顔が見たい」「他の男の前で泣くな」
――溺愛モードが止まらない!
閉じ込められた未亡人は、当主となった義息と契約する。
黒蜜きな粉
恋愛
借金の肩代わりとして後妻に入った私は、
妻と呼ばれながら屋敷の離れで「いないもの」として暮らしていた。
ある雪の日、夫が事故死したと告げられる。
だが、葬儀に出ることすら許されず、私は部屋に閉じ込められた。
新たに当主となった継子は言う。
外へ出れば君は利用され奪われる、と。
それが保護であり、同時に支配なのだと理解したとき、
私はその庇護を条件付きの契約に変えることを選ぶ。
短いお話です。
※第19回恋愛小説大賞にエントリーしております。
行き遅れ王女、重すぎる軍団長に肉で釣られる
春月もも
恋愛
25歳、独身、第四王女システィーナ。
夜会でも放置されがちな行き遅れ王女の前に、ある夜突然現れたのは、ローストビーフを差し出す重すぎる第三軍団長だった。
形のない愛は信じない。
でも、出来立ての肉は信じてしまう。
肉に釣られ、距離を詰められ、気づけば下賜され、そして初夜へ。
これは、行き遅れ王女が重たい愛で満たされるまでの、ちょっとおかしなお話。
異世界に逃げたシングルマザー経理は、定時退勤だけは譲れない
木風
恋愛
DV夫から一歳の娘を抱えて逃げた鈴木優子は、光に飲まれて異世界の王宮へ転移してしまう。
生きるために差し出した武器は簿記と経理経験――崩壊寸前の王宮会計を『複式簿記』で立て直すことに。
ただし譲れない条件はひとつ、「午後五時の定時退勤」。娘の迎えが最優先だからだ。
その姿勢に、なぜか若き国王ヴィクトルが毎日経理室へ通い始めて――仕事と子育ての先に、家族の形が芽吹いていく。