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第九章 前に進むため、動き出す(十九歳)
084 希少種、ロドニール2
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まるで海の底に沈められたかのような、重苦しい私の空気が部屋を支配する。
先程私は、この空気を何とか変えようとロドニールに言葉をかけ見事失敗した。そんな私は、何を口にするのが正解なのかわからなくなり押し黙る。
いたたまれない、どんよりと重い空気を引き裂いたのは、ロドニールの優しい声だった。
「最初に君と出会った時、なんて生意気な子だろうと思ったんだ」
「え?」
何を突然言い出したのだろうかと、私はロドニールの顔を見上げる。
「自分からやりたいと志願しておきながら、トレーニングはすぐにサボろうとするし、ルドウィン様の愚痴ばっかり言ってただろう?」
「くっ」
確かにそれは否めない。あの頃の私は、ルーカスに食べられたくないという思いを抱え、自ら頼みこみ父に鍛錬をつけてもらおうと、モリアティーニ侯爵家を訪れていた。
ただ、苦手なランニングに、筋トレばかりやらされ不満を抱え、その愚痴をトレーニング仲間であるロドニールに吐き出していた記憶がある。
今となっては、何一つ無駄な事だとは思わない。基礎体力がついてこそ、長時間の戦闘でも集中力が持つようになったし、何より仕事のあとに余暇を楽しむ事ができる。
(全ては体力あってこそ)
今は純粋に、父の意見に賛成だ。
「だから、懲らしめる為に、嘘をついた」
「え、嘘?」
私はロドニールに探る視線を送る。
「君に好意がある。何度かそういう態度を取っていたけれど、それは全部嘘だ。君を困らせるつもりで、気のある素振りをしていただけだ。すまない」
ロドニールは、おどけたように私に笑顔を向ける。しかしその青い瞳は揺らいでおり、本音を隠そうとしているのが見え見えだった。
いつもなら、ここで冗談の一つでも返し、ロドニールを揶揄うところだ。けれど、私を好きではないと告げる彼はとても辛そうに見える。そんな姿を目の当たりにし、私は何も言えずじっと彼の言葉を待った。
「それでも、君が解放軍に参加するようになって毎日が楽しかった。君がいて、支え合う仲間がいる。戦闘は苦しい事も多い。しかし俺は充実していた。だけど、その間ルーカスは一人苦しんでいた。しかも、自分の父親によって苦しめられていたんだ」
ロドニールは目を伏せる。
「俺は自分に罪を与えたい」
「罪?」
(それって、ルーカスの苦しみに気づけなかったからって、そういうこと?)
私はそれが罪になるのだろうかと疑問に思いつつ、ロドニールの言葉を待つ。
「君がルーカスと結婚すれば、ルーカスも救われるし、俺も安心できる。そう思う事さえ、自分勝手なものであると自覚している。だけど、君にはルーカスと残された時間を穏やかに過ごして欲しい。何より俺は、そうなる未来を望まなければいけないんだ」
「……」
「押し付けて、すまない」
「そんなこと、ないよ」
ロドニールの言葉を聞いているうちに、私の中に彼に対する罪悪感が芽生え始める。
(だって私の方が、ずっと酷い人間だもん)
今までさんざんロドニールが自分に気がある事を自覚して、それを利用してきた。そして、未練がましくルーカスと揃いの指輪をはめた私を、ロドニールは文句も言わず、ずっと支えてくれていた。しかも、ロドニールは全てを見通した上で私に優しく接し、いつも気にかけていてくれたのだ。
この広い世の中には、自分にとっての損得だけではなく、人の痛みをまるで自分の事のように、思い巡らす事の出来る人間が存在する。
それが、奇跡的に私の前に存在する、ロドニールという人だ。
「ごめん」
私は思わず、謝る。
「どうして謝るんだ?君は悪くない。全部俺のエゴだし」
そう言って笑う彼は、どこか寂しげだった。
「ただ、俺は騎士科に通っていたし、友の苦しみを見過ごせないし、正々堂々と正しい道を歩みたい」
ロドニールは、まるで自分に無理矢理言い聞かせるように、口にした。
何だか自分の気持を誤魔化し、押し込もうとしているかのような、とても辛そうな表情だ。
「そろそろ行こうか」
話は終了とばかり、ロドニールに促された私は足を進める。すると、慣れないロングドレスの裾に足がもつれてよろけてしまう。
「大丈夫か?」
倒れそうになった私を、咄嵯に抱きとめたロドニール。思わず見つめ合う形になり、私は気恥ずかしさから、すぐに離れようとする。
「あ、ありがとう」
しかし、私の腰に回された腕が緩む気配はなく、それどころかぐっと力が込められ、彼の腕の中に抱きしめられてしまった。
「ロ、ロドニール?」
私は戸惑いつつ、何とか抱き込まれた自分の身体と彼の間に隙間を作り、顔を上げた。すると、意外にも至近距離に彼の端正な顔があり、私の心臓は跳ね上がる。
「……やっぱり無理だ」
「え?」
「ルーカスに君をとられたくない。それが俺の本音みたいだ」
切なげに眉根を寄せたロドニールは、私の唇に自身のそれを重ね合わせた。
「ん!?」
驚いて身を引こうとするものの、いつの間にか後頭部と背中に手を添えられていた私は身動きが取れなくなっていた。
(なにこれ)
頭の中が混乱する。キスされているという事実に、思考が追いつかない。しかし次の瞬間、私を拘束していた力は弱まり、あっさりと解放された。
「すまない」
謝罪を口にしたロドニールの顔はバツが悪そうで、何故か少しだけ赤い。
私はというと、未だに驚きで固まったまま、動く事が出来なかった。
「君はルーカスと結婚すべきだと、そう願う俺。それから、君を自分の物にしたいと思う俺。多分、どちらも俺の本音だ」
ロドニールは、そっと私の右手を取った。
「君が好きだ。本当に」
「あ、ありがとう」
自然と私の口から飛び出したのは、曖昧な、だけど感謝の気持ちだった。するとロドニールは私の右手を取ったまま、突然足元にしゃがみ込んだ。
そして驚く私をロドニールが見上げる。
「全てが落ち着いたら、あなたさえ良ければ、私と結婚して欲しい」
「……えっと」
真剣そのものといった表情。
これは、冗談ではないらしい。
「ちゃんと考えて答えを出して欲しいから、返事は今すぐにはいらない」
ロドニールは立ち上がると、「困らせて、ごめん」と言って私の頭をポンと撫でる。そして、彼はすぐに表情を引き締めると、一歩後ろに下がり背筋を伸ばす。そして私に向かって敬礼をした。
「それでは参りましょう。皆をお待たせしてはいけませんから」
「わ、わかった」
私は、混乱したままロドニールと共に集合場所へ向かうのであった。
先程私は、この空気を何とか変えようとロドニールに言葉をかけ見事失敗した。そんな私は、何を口にするのが正解なのかわからなくなり押し黙る。
いたたまれない、どんよりと重い空気を引き裂いたのは、ロドニールの優しい声だった。
「最初に君と出会った時、なんて生意気な子だろうと思ったんだ」
「え?」
何を突然言い出したのだろうかと、私はロドニールの顔を見上げる。
「自分からやりたいと志願しておきながら、トレーニングはすぐにサボろうとするし、ルドウィン様の愚痴ばっかり言ってただろう?」
「くっ」
確かにそれは否めない。あの頃の私は、ルーカスに食べられたくないという思いを抱え、自ら頼みこみ父に鍛錬をつけてもらおうと、モリアティーニ侯爵家を訪れていた。
ただ、苦手なランニングに、筋トレばかりやらされ不満を抱え、その愚痴をトレーニング仲間であるロドニールに吐き出していた記憶がある。
今となっては、何一つ無駄な事だとは思わない。基礎体力がついてこそ、長時間の戦闘でも集中力が持つようになったし、何より仕事のあとに余暇を楽しむ事ができる。
(全ては体力あってこそ)
今は純粋に、父の意見に賛成だ。
「だから、懲らしめる為に、嘘をついた」
「え、嘘?」
私はロドニールに探る視線を送る。
「君に好意がある。何度かそういう態度を取っていたけれど、それは全部嘘だ。君を困らせるつもりで、気のある素振りをしていただけだ。すまない」
ロドニールは、おどけたように私に笑顔を向ける。しかしその青い瞳は揺らいでおり、本音を隠そうとしているのが見え見えだった。
いつもなら、ここで冗談の一つでも返し、ロドニールを揶揄うところだ。けれど、私を好きではないと告げる彼はとても辛そうに見える。そんな姿を目の当たりにし、私は何も言えずじっと彼の言葉を待った。
「それでも、君が解放軍に参加するようになって毎日が楽しかった。君がいて、支え合う仲間がいる。戦闘は苦しい事も多い。しかし俺は充実していた。だけど、その間ルーカスは一人苦しんでいた。しかも、自分の父親によって苦しめられていたんだ」
ロドニールは目を伏せる。
「俺は自分に罪を与えたい」
「罪?」
(それって、ルーカスの苦しみに気づけなかったからって、そういうこと?)
私はそれが罪になるのだろうかと疑問に思いつつ、ロドニールの言葉を待つ。
「君がルーカスと結婚すれば、ルーカスも救われるし、俺も安心できる。そう思う事さえ、自分勝手なものであると自覚している。だけど、君にはルーカスと残された時間を穏やかに過ごして欲しい。何より俺は、そうなる未来を望まなければいけないんだ」
「……」
「押し付けて、すまない」
「そんなこと、ないよ」
ロドニールの言葉を聞いているうちに、私の中に彼に対する罪悪感が芽生え始める。
(だって私の方が、ずっと酷い人間だもん)
今までさんざんロドニールが自分に気がある事を自覚して、それを利用してきた。そして、未練がましくルーカスと揃いの指輪をはめた私を、ロドニールは文句も言わず、ずっと支えてくれていた。しかも、ロドニールは全てを見通した上で私に優しく接し、いつも気にかけていてくれたのだ。
この広い世の中には、自分にとっての損得だけではなく、人の痛みをまるで自分の事のように、思い巡らす事の出来る人間が存在する。
それが、奇跡的に私の前に存在する、ロドニールという人だ。
「ごめん」
私は思わず、謝る。
「どうして謝るんだ?君は悪くない。全部俺のエゴだし」
そう言って笑う彼は、どこか寂しげだった。
「ただ、俺は騎士科に通っていたし、友の苦しみを見過ごせないし、正々堂々と正しい道を歩みたい」
ロドニールは、まるで自分に無理矢理言い聞かせるように、口にした。
何だか自分の気持を誤魔化し、押し込もうとしているかのような、とても辛そうな表情だ。
「そろそろ行こうか」
話は終了とばかり、ロドニールに促された私は足を進める。すると、慣れないロングドレスの裾に足がもつれてよろけてしまう。
「大丈夫か?」
倒れそうになった私を、咄嵯に抱きとめたロドニール。思わず見つめ合う形になり、私は気恥ずかしさから、すぐに離れようとする。
「あ、ありがとう」
しかし、私の腰に回された腕が緩む気配はなく、それどころかぐっと力が込められ、彼の腕の中に抱きしめられてしまった。
「ロ、ロドニール?」
私は戸惑いつつ、何とか抱き込まれた自分の身体と彼の間に隙間を作り、顔を上げた。すると、意外にも至近距離に彼の端正な顔があり、私の心臓は跳ね上がる。
「……やっぱり無理だ」
「え?」
「ルーカスに君をとられたくない。それが俺の本音みたいだ」
切なげに眉根を寄せたロドニールは、私の唇に自身のそれを重ね合わせた。
「ん!?」
驚いて身を引こうとするものの、いつの間にか後頭部と背中に手を添えられていた私は身動きが取れなくなっていた。
(なにこれ)
頭の中が混乱する。キスされているという事実に、思考が追いつかない。しかし次の瞬間、私を拘束していた力は弱まり、あっさりと解放された。
「すまない」
謝罪を口にしたロドニールの顔はバツが悪そうで、何故か少しだけ赤い。
私はというと、未だに驚きで固まったまま、動く事が出来なかった。
「君はルーカスと結婚すべきだと、そう願う俺。それから、君を自分の物にしたいと思う俺。多分、どちらも俺の本音だ」
ロドニールは、そっと私の右手を取った。
「君が好きだ。本当に」
「あ、ありがとう」
自然と私の口から飛び出したのは、曖昧な、だけど感謝の気持ちだった。するとロドニールは私の右手を取ったまま、突然足元にしゃがみ込んだ。
そして驚く私をロドニールが見上げる。
「全てが落ち着いたら、あなたさえ良ければ、私と結婚して欲しい」
「……えっと」
真剣そのものといった表情。
これは、冗談ではないらしい。
「ちゃんと考えて答えを出して欲しいから、返事は今すぐにはいらない」
ロドニールは立ち上がると、「困らせて、ごめん」と言って私の頭をポンと撫でる。そして、彼はすぐに表情を引き締めると、一歩後ろに下がり背筋を伸ばす。そして私に向かって敬礼をした。
「それでは参りましょう。皆をお待たせしてはいけませんから」
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