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第二章 どうやら美少年との日常は甘くて危険らしい
第十話 治安の話と天然女殺しの話
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――朝日家のMaps側リビングルームに真面目な雰囲気が漂っている。
テーブルを囲む深夜子らMapsの三人。その中でも特に真剣な表情をしている五月が口を開く。
「全員着任となってすでに二日……この事態はさすがに私も予想しておりませんでしたわ」
「ひょうじき。やふぁい」
お茶うけの和菓子をほうばりながら、深夜子も危機感の無い危機感を口にする。
問題になっているのは……そう。この三人が揃って、本日もまだ朝日を連れて警護任務が出来ていないというあるまじき事実だ。MapsのSランク二人にAランクが一人。雁首そろえて少年一人の保護がままならないなどあってはならない。
――原因は朝日の『治安認識』にあった。
当然ながら、朝日の治安認識は故郷である日本基準だ。深夜子は春日湊を治安が良い地域だと説明した。しかし、日本の治安を詳細に聞いて照らし合わせると『治安がいいと言ったな? アレは嘘だ』と言わざるを得ない。
単純に比較できるものでは無いが、この世界の治安基準は例えるならアメリカなど日本以外の大国に近い。
「まあな。それだけだったら、まだなんとかなんだけどよぉ」
そう、ただ単純にその治安だけならさして問題では無かった。微妙な表情の梅が手元で書類をペラペラとめくりながらぼやく。
「です……わね。我々に心を許し始めてくださっているのは嬉しいのですが……さすがに参りましたわ」
眼鏡の縁に手を添え、五月は嬉しいやら困ったやらとした表情を見せている。
「いや、待て一番ヤバいの俺だぞ?」
「梅ちゃん。うやらま。超うらやま」
謎の食い付きを見せる深夜子。
「てめぇ! 簡単に言いやがって、やられる方の身にもなれってんだ!」
心当たりがあるどころじゃない。そう言わんばかりの梅だ。
彼女らが悩む問題。それはこの世界にある『男性治安』なるもう一つの治安基準の存在である。
朝日にそんな感覚など皆無。むしろ、女性に対して好意的な分、マイナス方向に振り切っていると言っても過言ではない。
五月は昨日まで通常治安差を考慮し、外出時の警護ローテーションを組み上げていた。さらに春日湊の区域別で対応を変更できる細かい精査もしていたのだが、男性治安の観点から根本的に考え直さざるを得ない状況なのだ。
「とにかく。本日中に朝日様に合わせたハザードマップを再制作。警護ローテーションも見直し。明日こそはテストの意味も含めて実行しますわよ。朝日様もお買い物を楽しみにされておられましたし……」
「らじゃ、マップはあたしが作る」
肉体労働派を自称する深夜子が、実務を率先して引き受ける。本当に切羽詰っているのだ。ちなみに当人は対人、交渉以外の座学関係は成績優秀だったので、やる気さえ出せば問題はない。梅はお察しだ。
「それにしても、朝日様の無防備さ……想像以上でしたわね」
「まあな。家のセキュリティもまともに使ってんのがMapsだけとか、最初はなんかのギャグかと思ったぜ」
梅が言う理由。この世界の男性は警護官たちと生活圏をセキュリティで切り分けするのが普通である。ところが朝日はそうしようとしない。どころか何やら譲れない部分があるらしい。家の中はお互い出入り自由。個人の部屋の鍵はともかく、生活を共にする上で切り分けの必要はない。いや、できない。と拒絶したのだ。
これに対して五月が真っ向から反対。生体キーを含めたセキュリティ設備はフル活用。生活圏も切り分け、きっちり区分けすべきとした。おおよそ同意見だった深夜子と梅も五月に賛成。ちょっとした言い争いに発展してしまう。
当然、三対一では分が悪い。朝日がだんだんと理詰めで追いつめられ『で、でも……僕はみんなと……か、かぞっ、家族みたいに……ひぐっ……い、いっしょに……うっ』と半泣きになった瞬間に三人揃って顔面蒼白。『『『――という物語だったのさ(ですわっ)!』』』と華麗に手のひら返しを炸裂! 話はそこで終了した。実に甘々である。
「それでも家のセキュリティの件は我々が自重すれば問題ありませんわ」
「うん。だけど朝日君。まだ外に一人で行っても大丈夫とか思ってる」
「マズ過ぎんだろ……それ」
外出時に男性が一人歩きすること基本ありえない。春日湊を始めとする男性特区に例外はあるが、率先して一人歩きする男性など聞いたこともない。仮に男性特区以外で実行すればコンビニの件(プロローグ参照)同様、女性に襲われる事となる。
これは決して単純に治安が悪い。という理由ではない。男性が非常に少ない環境で長い歴史を重ねてきたこの世界。女性は男性に対しての性欲、つまり子孫を残すための本能が非常に強いのだ。
さらに男性には希少価値がある。痴女、強漢に誘拐。果ては人身売買など、重犯罪も加わることで男性事件は発生率が高い――男性治安が悪くなっているのだ。
余談ではあるが、男性事件の特徴として殺人は基本起きない。代わりに貞操は死ぬ。200%死ぬ。
「そう言えば、朝日様はどうなされました?」
朝日の気配が感じられないことに五月が気づく。
「ああ、ここ来る前にちょろっと見たけどよ。リビングのソファーで昼寝してたぜ」
「はぁ……昨晩も遅くまで深夜子さんとゲームされてましたわねぇ」
低めの声でそう呟き、じろりと深夜子に視線を送る。
「うっ……つ、つい」
「つい。ではありませんわ! 朝日様もゲームがお好きなのは存じてますが、少しは自重なさいませ」
夜な夜な美少年とゲームをして遊ぶ。世の女性たちからすれば爆発してしかるべき存在である。
「そもそも、あまり殿方に夜更かしをさせるものではありませんわ。健康管理もMapsの仕事の一環ですことよ」
「むう……」
「んでよ、朝日の昼寝の格好がまたひでぇんだ! 目を覆っちまったぜ……タンクトップにトランクス一丁とか――」
ガタッ!? 深夜子の鋭い両目がより鋭くキラーン! と輝きを見せる。
「菓子食ってる場合じゃねぇ!!」
深夜子発進!
「ちょおおおおっと、深夜子さんっ!? 貴女どちらに行かれるつもりですのっ!?」
「てっ、てめぇ!? いつの間に一眼レフなんぞ仕込んでやがった!?」
深夜子の首に一眼レフがぶら下がっている。撮影する気満々!
「んなあっ!? あ、朝日様を盗撮とか認めませんわよーーっ!!」
深夜子捕縛。
さて、ここで天井から吊るされている深夜子の件は忘れて貰い。朝日の家族構成を思い返していただきたい。
母と姉二人で四人暮らし。奇しくも深夜子、五月に梅を加えて四人となり人数、男女構成とも同じである。だんだんと周りに人が増えて家族構成と同じ状態になったこと。深夜子たちから非常に好意的で優しく扱われていること。その安心感からか、朝日は少しずつ生活面で素が出始めていた。
年の近い姉二人から色々と鍛えられていた朝日はかなり女性慣れをしている。さらに本人の穏やかで優しい性格もあり、この世界の女性にとってとんでもない天然女殺しになっているのだ。
それでは三人が危惧する理由。具体的な朝日の(この世界基準で)無防備兼女殺しっぷりの一例をご確認いただこう。
――時間は少し巻き戻り、昨晩の夕食時のことである。
「ねえ梅ちゃん。ご飯食べ終わったら僕とお風呂入る?」
「げぶぽぉあああああっ!!」
朝日のピンポイント爆撃を受けた梅の鼻と口から、豪快に咀嚼中の味噌汁とご飯が噴出された。
「いやあああああっ!! と、豆腐がーっ、ワカメがーっ」
対面は五月である。
「うぇほっ……ぶぇほっ……グホッ……あ、ああ朝日っ! てめえ、突然なんてことを言いやがる!?」
「え? んー、お兄ちゃん的な感じ?」
「なんだよそれ? 意味わかんねえっつーの! 俺はお前より年上だっつーの!」
「あ、ああああ朝日君。ふ、ふつつかものでしゅが……」
深夜子が三つ指ついて準備万端。ツーっと鼻から赤い線を一本垂らし、しっかりとお風呂セットが手元に置いてある。血走った目は、残念ながら獲物を狙う猛禽類のソレだ。
「あはは。冗談……のつもりだったんだけど。それに深夜子さん……ちょっと目付きが危険かな?」
「うぇえ? そ、そんなぁ……」
ガーン!! という効果音が聞こえんばかりの深夜子は落ち込み床に膝をつく。
「おいこら、なんでてめぇがソッコーで準備してやがんだよ?」
「ちょっと朝日様。ご冗談はその位で、深夜子さんが本気にしてしまいますから――」
あれやこれやと賑やかに食事を終え、やたらと妹扱いで、朝日に構われてしまう梅は自分の部屋へ逃げるように隠れる。一方、興奮冷めやらぬ深夜子。不屈の精神で朝日にお風呂アピールをし続け、五月の怒りを買い自室封印とあいなった。
こうして静かになったリビングで、朝日が食器の後片付けを始めようとしていた。それを見た五月が自分が代わるとあわてて朝日を止める。
「あっ、五月さん。ごめんなさい。片付けをさせた上に、僕だけお風呂いただくとか申し訳ないです」
「何をおっしゃいますの朝日様。食器の片付けなどは私たちがすることですから。ささ、殿方はごゆっくりお風呂に入ってらっしゃいませ」
洗いものを始めながら、朝日に風呂へと入るように勧める。
現在、朝日家の食事は出前中心となっている。簡単なものは五月か深夜子が準備することもあるが、台所は機能していない。その為、後片付けと言っても出前の食器を洗う程度である。
「それから朝日様。お風呂上がりのデザートにリンゴを用意しておきますわ。カットしてから冷蔵庫に入れて置きますわね」
五月雨五月は気遣いを忘れないのだ。
「わぁ、五月さんありがとうございます。お風呂から出たらいただきますね」
そう言ってから、朝日は風呂場へと向かった。
まな板と果物ナイフを取り出し、五月は鼻歌交じりにリンゴの皮をむき始める。非常に上機嫌なのも当たり前。普通の警護任務でこんな状況はありえないのだ。
過去の任務経験を思い返しても、ここまで女冥利に尽きる任務など一度も無かった。まるで、朝日がすでに自分の婚約者であるかと錯覚してしまうほどの親密感。おのずと表情筋はだらしなく緩んでしまう。
五月が少しばかり妄想を楽しんでいると、パタパタと足音が聞こえ部屋に誰かが入って来た。
「五月さん、ごめんなさい。ここにバスタオル置き忘れてました」
深夜子か梅かと思えば朝日であった。手を止めて振り返る。
「あら、朝日様? これは私としたことが……気がきかずに失礼しましたわ。確かソファあ゛――――ッ!?」
視線を向けた五月の目に、上半身裸でボディタオルを首にかけただけの朝日の姿が飛び込んで来た。そして、この世界の女性にとって男性の裸は、下半身は元より上半身もセックスアピールの塊である。
極上の美少年である朝日の引き締まった胸板。タオルの隙間から見え隠れする桜色の慎ましやかな突起。さらには脇から腰にかけての滑らかなボディライン。適度についている筋肉が艶かしさを倍増させる。視覚を通して、五月の身体に電気でも流したかのような衝撃が走った。
これはもう某怪盗よろしくジャンプしながら『あ~さひちゃ~ん♪』と服を脱ぎ捨て、飛びかかってもやむ無しの眼福である。こんな姿を見せつけられて理性を保てる女性など、この世にいないであろう。
「あら? あらあらあら朝日様! 上半身はきっちりとお隠しくださいませ。女性にとってそのお姿は非常に目に毒ですわ」
「あっ!? そうなんですね……うっかりしてました。ごめんなさい」
「いえいえ。朝日様はまだこちらに来て日が浅いですから仕方ありませんわ。でも、お気をつけ遊ばせ。これが深夜子さんでしたら、すでに野獣と化して襲いかかっていますわよ」
「あはは。うわー、そっかぁ……はい、今度から気をつけますね」
「ええ、是非そうしてくださいませ。オホホホホ……」
なんということでしょう!
これがAランクMapsの底力とでも言うのだろうか。まさに淑女の見本とでも呼ぶべき見事な対応を見せつけた。
ちなみに対面キッチンの為、朝日からは見えないが、五月の左手の甲には果物ナイフが突き刺さっている。気にしないで欲しい。
朝日が部屋を出た瞬間に、ナイフを抜きながら五月は崩れ落ちる。
「あ、あああ危なかったですわぁっ……私が! この私が朝日様を襲う!? あ、あっては、あってはならないことですわっ」
手の痛みなど感じる暇も無い。危うく理性を飛ばしかけた事実にどっと冷や汗をかく五月であった。少しして手の痛みに気付く――訳もない。頭の中には朝日のあられもない姿がフラッシュバックする。
「はっ、あっ、わたくし……あああさひさまのむ、むむむむね。みっ、見てしまいましたわ……ど、どどどどうしましょう……あの美しいお身体のラインがががが…………何よりもあああのすすす素敵な胸板にみっみえみえ……朝日様のちちちちくちくちく――――ぶばあっ!!」
鼻から鮮血を撒き散らし、五月雨五月――昇天! 実に満足そうな表情で気絶している。
しばらくして部屋から戻ってきた梅が、この惨劇を目の当たりにした。
「んなああああっ!? おっ、おい? 五月どうした!? ぞ、賊か? 賊でも入って来やがったのかーーーっ!?」
焦りながらも五月の介抱を始める梅であった。
――なんとか意識を取り戻した五月であったが『アサヒサマのチクビのルシがパージでコクーンでしたわ……』などと呟きながら、ほうほうのていで自室へと戻っていった。その夜は何かと捗ったようである。
「ちっ、五月のヤロー。結局俺が片付けるハメになっちまったじゃねぇか……」
ぶつぶつと愚痴りながら、残された梅は仕方なく五月の代わりに中途半端になっていた片付けを始める。するとそこに運良くと言うべきか、悪くと言うべきか、風呂を済ませた朝日が戻ってきた。
「あれっ、梅ちゃん。戻って来てたんだ? もう、せっかく僕といっしょにお風呂に入ろうって言ったのに逃げちゃうんだから」
背後から、冗談まじりでお兄ちゃんを演じる朝日の声が聞こえた。これは絶対わかって楽しんでいるな、と梅はため息をついて振り返る。
「はああ……あのなあ、朝日。お前、風呂風呂って俺はガキじゃねーつって――――はひいっ!?」
振り返った先には、上半身裸でボディタオルを首にかけただけの朝日再び! やはり習慣とは恐ろしいもので、先ほど五月に注意されてはいたが、思いっきり頭から抜けている朝日であった。
「ぬわああああああっ! 朝日なんてカッコしてやがんだっ、ちょっ、待て、それはやべえ――ゴクリ」
そうは言いながら、美少年のあられもない姿をついつい凝視してまう梅。
「えっ、あっ!? そうだった。ごめん梅ちゃん。五月さんにも言われてたっけ、す、すぐに上を着てくるか――あっ!」
五月の言葉を思い出し、シャツを着るために部屋から出ようと急ぎ踵を返した朝日。焦っていたせいか、スリッパのせいか、滑ってこけそうになってしまう。
「朝日危ねえっ!!」
「うわああああっ!!」
朝日が床に打ち付けられないように、梅が滑り込み自らをクッションがわりに受け止める。結果、二人は重なるように床に崩れ、ボディタオルはふわりと宙を舞った。
「あっ、梅ちゃん大丈夫? ごめんね、痛くなかった?」
ちょうど馬乗りに近い状態になっている朝日。その両腕は、梅の顔をまたぐように立てられている。つまりは――。
「ん、え? あれ、これ、なんで……ん、いいにおい――でなくてっ! ふおわああっ!? こここれ、ももももしかかかかかかして、あああ朝日のむむむむむ胸がががが――――ふうっ」
梅、失神! 真っ白に萌え尽きている。
「えええっ、ちょっと梅ちゃん。どしたの? もしかして頭でも打ったの? ねえ、大丈夫? だ、誰かぁーーーーっ!!」
朝日が呼ぶが早いか、廊下から猛ダッシュで近づいてくる足音が一つ。ずざあああっ、と言わんばかりの勢いで部屋へと滑り込んで来た。
「パンパカパーン! 呼ばなくてもあたしのこと呼んだ朝日君? もしや、やっぱり、あたしとお風呂に――ふへっ?」
「深夜子さん、ちょうど良かった。ちょっと梅ちゃんが気絶しちゃって……あっ!」
だから上半身裸ですってばよ。
「「………………」」
「ぷっしゅううううううう」
深夜子、轟沈! 部屋に入ってわずか五秒の早業。
「みっ、深夜子さーーーーん!?」
――とまあ、昨夜を思い出しながら三人とも何か感じるところがあり、大きなため息をつく。明日へ向けての準備を進めながら、不安が募る一方だ。
「俺……このままだとお嫁に行けねー身体にされそうだわ」
「ぷっ、梅ちゃんナイスジョーク。ざぶとんいちまい」
「大和さん……それは普通男性が使う言葉ですわ」
こうして、朝日家の平穏な夜は過ぎて行くのであった。
テーブルを囲む深夜子らMapsの三人。その中でも特に真剣な表情をしている五月が口を開く。
「全員着任となってすでに二日……この事態はさすがに私も予想しておりませんでしたわ」
「ひょうじき。やふぁい」
お茶うけの和菓子をほうばりながら、深夜子も危機感の無い危機感を口にする。
問題になっているのは……そう。この三人が揃って、本日もまだ朝日を連れて警護任務が出来ていないというあるまじき事実だ。MapsのSランク二人にAランクが一人。雁首そろえて少年一人の保護がままならないなどあってはならない。
――原因は朝日の『治安認識』にあった。
当然ながら、朝日の治安認識は故郷である日本基準だ。深夜子は春日湊を治安が良い地域だと説明した。しかし、日本の治安を詳細に聞いて照らし合わせると『治安がいいと言ったな? アレは嘘だ』と言わざるを得ない。
単純に比較できるものでは無いが、この世界の治安基準は例えるならアメリカなど日本以外の大国に近い。
「まあな。それだけだったら、まだなんとかなんだけどよぉ」
そう、ただ単純にその治安だけならさして問題では無かった。微妙な表情の梅が手元で書類をペラペラとめくりながらぼやく。
「です……わね。我々に心を許し始めてくださっているのは嬉しいのですが……さすがに参りましたわ」
眼鏡の縁に手を添え、五月は嬉しいやら困ったやらとした表情を見せている。
「いや、待て一番ヤバいの俺だぞ?」
「梅ちゃん。うやらま。超うらやま」
謎の食い付きを見せる深夜子。
「てめぇ! 簡単に言いやがって、やられる方の身にもなれってんだ!」
心当たりがあるどころじゃない。そう言わんばかりの梅だ。
彼女らが悩む問題。それはこの世界にある『男性治安』なるもう一つの治安基準の存在である。
朝日にそんな感覚など皆無。むしろ、女性に対して好意的な分、マイナス方向に振り切っていると言っても過言ではない。
五月は昨日まで通常治安差を考慮し、外出時の警護ローテーションを組み上げていた。さらに春日湊の区域別で対応を変更できる細かい精査もしていたのだが、男性治安の観点から根本的に考え直さざるを得ない状況なのだ。
「とにかく。本日中に朝日様に合わせたハザードマップを再制作。警護ローテーションも見直し。明日こそはテストの意味も含めて実行しますわよ。朝日様もお買い物を楽しみにされておられましたし……」
「らじゃ、マップはあたしが作る」
肉体労働派を自称する深夜子が、実務を率先して引き受ける。本当に切羽詰っているのだ。ちなみに当人は対人、交渉以外の座学関係は成績優秀だったので、やる気さえ出せば問題はない。梅はお察しだ。
「それにしても、朝日様の無防備さ……想像以上でしたわね」
「まあな。家のセキュリティもまともに使ってんのがMapsだけとか、最初はなんかのギャグかと思ったぜ」
梅が言う理由。この世界の男性は警護官たちと生活圏をセキュリティで切り分けするのが普通である。ところが朝日はそうしようとしない。どころか何やら譲れない部分があるらしい。家の中はお互い出入り自由。個人の部屋の鍵はともかく、生活を共にする上で切り分けの必要はない。いや、できない。と拒絶したのだ。
これに対して五月が真っ向から反対。生体キーを含めたセキュリティ設備はフル活用。生活圏も切り分け、きっちり区分けすべきとした。おおよそ同意見だった深夜子と梅も五月に賛成。ちょっとした言い争いに発展してしまう。
当然、三対一では分が悪い。朝日がだんだんと理詰めで追いつめられ『で、でも……僕はみんなと……か、かぞっ、家族みたいに……ひぐっ……い、いっしょに……うっ』と半泣きになった瞬間に三人揃って顔面蒼白。『『『――という物語だったのさ(ですわっ)!』』』と華麗に手のひら返しを炸裂! 話はそこで終了した。実に甘々である。
「それでも家のセキュリティの件は我々が自重すれば問題ありませんわ」
「うん。だけど朝日君。まだ外に一人で行っても大丈夫とか思ってる」
「マズ過ぎんだろ……それ」
外出時に男性が一人歩きすること基本ありえない。春日湊を始めとする男性特区に例外はあるが、率先して一人歩きする男性など聞いたこともない。仮に男性特区以外で実行すればコンビニの件(プロローグ参照)同様、女性に襲われる事となる。
これは決して単純に治安が悪い。という理由ではない。男性が非常に少ない環境で長い歴史を重ねてきたこの世界。女性は男性に対しての性欲、つまり子孫を残すための本能が非常に強いのだ。
さらに男性には希少価値がある。痴女、強漢に誘拐。果ては人身売買など、重犯罪も加わることで男性事件は発生率が高い――男性治安が悪くなっているのだ。
余談ではあるが、男性事件の特徴として殺人は基本起きない。代わりに貞操は死ぬ。200%死ぬ。
「そう言えば、朝日様はどうなされました?」
朝日の気配が感じられないことに五月が気づく。
「ああ、ここ来る前にちょろっと見たけどよ。リビングのソファーで昼寝してたぜ」
「はぁ……昨晩も遅くまで深夜子さんとゲームされてましたわねぇ」
低めの声でそう呟き、じろりと深夜子に視線を送る。
「うっ……つ、つい」
「つい。ではありませんわ! 朝日様もゲームがお好きなのは存じてますが、少しは自重なさいませ」
夜な夜な美少年とゲームをして遊ぶ。世の女性たちからすれば爆発してしかるべき存在である。
「そもそも、あまり殿方に夜更かしをさせるものではありませんわ。健康管理もMapsの仕事の一環ですことよ」
「むう……」
「んでよ、朝日の昼寝の格好がまたひでぇんだ! 目を覆っちまったぜ……タンクトップにトランクス一丁とか――」
ガタッ!? 深夜子の鋭い両目がより鋭くキラーン! と輝きを見せる。
「菓子食ってる場合じゃねぇ!!」
深夜子発進!
「ちょおおおおっと、深夜子さんっ!? 貴女どちらに行かれるつもりですのっ!?」
「てっ、てめぇ!? いつの間に一眼レフなんぞ仕込んでやがった!?」
深夜子の首に一眼レフがぶら下がっている。撮影する気満々!
「んなあっ!? あ、朝日様を盗撮とか認めませんわよーーっ!!」
深夜子捕縛。
さて、ここで天井から吊るされている深夜子の件は忘れて貰い。朝日の家族構成を思い返していただきたい。
母と姉二人で四人暮らし。奇しくも深夜子、五月に梅を加えて四人となり人数、男女構成とも同じである。だんだんと周りに人が増えて家族構成と同じ状態になったこと。深夜子たちから非常に好意的で優しく扱われていること。その安心感からか、朝日は少しずつ生活面で素が出始めていた。
年の近い姉二人から色々と鍛えられていた朝日はかなり女性慣れをしている。さらに本人の穏やかで優しい性格もあり、この世界の女性にとってとんでもない天然女殺しになっているのだ。
それでは三人が危惧する理由。具体的な朝日の(この世界基準で)無防備兼女殺しっぷりの一例をご確認いただこう。
――時間は少し巻き戻り、昨晩の夕食時のことである。
「ねえ梅ちゃん。ご飯食べ終わったら僕とお風呂入る?」
「げぶぽぉあああああっ!!」
朝日のピンポイント爆撃を受けた梅の鼻と口から、豪快に咀嚼中の味噌汁とご飯が噴出された。
「いやあああああっ!! と、豆腐がーっ、ワカメがーっ」
対面は五月である。
「うぇほっ……ぶぇほっ……グホッ……あ、ああ朝日っ! てめえ、突然なんてことを言いやがる!?」
「え? んー、お兄ちゃん的な感じ?」
「なんだよそれ? 意味わかんねえっつーの! 俺はお前より年上だっつーの!」
「あ、ああああ朝日君。ふ、ふつつかものでしゅが……」
深夜子が三つ指ついて準備万端。ツーっと鼻から赤い線を一本垂らし、しっかりとお風呂セットが手元に置いてある。血走った目は、残念ながら獲物を狙う猛禽類のソレだ。
「あはは。冗談……のつもりだったんだけど。それに深夜子さん……ちょっと目付きが危険かな?」
「うぇえ? そ、そんなぁ……」
ガーン!! という効果音が聞こえんばかりの深夜子は落ち込み床に膝をつく。
「おいこら、なんでてめぇがソッコーで準備してやがんだよ?」
「ちょっと朝日様。ご冗談はその位で、深夜子さんが本気にしてしまいますから――」
あれやこれやと賑やかに食事を終え、やたらと妹扱いで、朝日に構われてしまう梅は自分の部屋へ逃げるように隠れる。一方、興奮冷めやらぬ深夜子。不屈の精神で朝日にお風呂アピールをし続け、五月の怒りを買い自室封印とあいなった。
こうして静かになったリビングで、朝日が食器の後片付けを始めようとしていた。それを見た五月が自分が代わるとあわてて朝日を止める。
「あっ、五月さん。ごめんなさい。片付けをさせた上に、僕だけお風呂いただくとか申し訳ないです」
「何をおっしゃいますの朝日様。食器の片付けなどは私たちがすることですから。ささ、殿方はごゆっくりお風呂に入ってらっしゃいませ」
洗いものを始めながら、朝日に風呂へと入るように勧める。
現在、朝日家の食事は出前中心となっている。簡単なものは五月か深夜子が準備することもあるが、台所は機能していない。その為、後片付けと言っても出前の食器を洗う程度である。
「それから朝日様。お風呂上がりのデザートにリンゴを用意しておきますわ。カットしてから冷蔵庫に入れて置きますわね」
五月雨五月は気遣いを忘れないのだ。
「わぁ、五月さんありがとうございます。お風呂から出たらいただきますね」
そう言ってから、朝日は風呂場へと向かった。
まな板と果物ナイフを取り出し、五月は鼻歌交じりにリンゴの皮をむき始める。非常に上機嫌なのも当たり前。普通の警護任務でこんな状況はありえないのだ。
過去の任務経験を思い返しても、ここまで女冥利に尽きる任務など一度も無かった。まるで、朝日がすでに自分の婚約者であるかと錯覚してしまうほどの親密感。おのずと表情筋はだらしなく緩んでしまう。
五月が少しばかり妄想を楽しんでいると、パタパタと足音が聞こえ部屋に誰かが入って来た。
「五月さん、ごめんなさい。ここにバスタオル置き忘れてました」
深夜子か梅かと思えば朝日であった。手を止めて振り返る。
「あら、朝日様? これは私としたことが……気がきかずに失礼しましたわ。確かソファあ゛――――ッ!?」
視線を向けた五月の目に、上半身裸でボディタオルを首にかけただけの朝日の姿が飛び込んで来た。そして、この世界の女性にとって男性の裸は、下半身は元より上半身もセックスアピールの塊である。
極上の美少年である朝日の引き締まった胸板。タオルの隙間から見え隠れする桜色の慎ましやかな突起。さらには脇から腰にかけての滑らかなボディライン。適度についている筋肉が艶かしさを倍増させる。視覚を通して、五月の身体に電気でも流したかのような衝撃が走った。
これはもう某怪盗よろしくジャンプしながら『あ~さひちゃ~ん♪』と服を脱ぎ捨て、飛びかかってもやむ無しの眼福である。こんな姿を見せつけられて理性を保てる女性など、この世にいないであろう。
「あら? あらあらあら朝日様! 上半身はきっちりとお隠しくださいませ。女性にとってそのお姿は非常に目に毒ですわ」
「あっ!? そうなんですね……うっかりしてました。ごめんなさい」
「いえいえ。朝日様はまだこちらに来て日が浅いですから仕方ありませんわ。でも、お気をつけ遊ばせ。これが深夜子さんでしたら、すでに野獣と化して襲いかかっていますわよ」
「あはは。うわー、そっかぁ……はい、今度から気をつけますね」
「ええ、是非そうしてくださいませ。オホホホホ……」
なんということでしょう!
これがAランクMapsの底力とでも言うのだろうか。まさに淑女の見本とでも呼ぶべき見事な対応を見せつけた。
ちなみに対面キッチンの為、朝日からは見えないが、五月の左手の甲には果物ナイフが突き刺さっている。気にしないで欲しい。
朝日が部屋を出た瞬間に、ナイフを抜きながら五月は崩れ落ちる。
「あ、あああ危なかったですわぁっ……私が! この私が朝日様を襲う!? あ、あっては、あってはならないことですわっ」
手の痛みなど感じる暇も無い。危うく理性を飛ばしかけた事実にどっと冷や汗をかく五月であった。少しして手の痛みに気付く――訳もない。頭の中には朝日のあられもない姿がフラッシュバックする。
「はっ、あっ、わたくし……あああさひさまのむ、むむむむね。みっ、見てしまいましたわ……ど、どどどどうしましょう……あの美しいお身体のラインがががが…………何よりもあああのすすす素敵な胸板にみっみえみえ……朝日様のちちちちくちくちく――――ぶばあっ!!」
鼻から鮮血を撒き散らし、五月雨五月――昇天! 実に満足そうな表情で気絶している。
しばらくして部屋から戻ってきた梅が、この惨劇を目の当たりにした。
「んなああああっ!? おっ、おい? 五月どうした!? ぞ、賊か? 賊でも入って来やがったのかーーーっ!?」
焦りながらも五月の介抱を始める梅であった。
――なんとか意識を取り戻した五月であったが『アサヒサマのチクビのルシがパージでコクーンでしたわ……』などと呟きながら、ほうほうのていで自室へと戻っていった。その夜は何かと捗ったようである。
「ちっ、五月のヤロー。結局俺が片付けるハメになっちまったじゃねぇか……」
ぶつぶつと愚痴りながら、残された梅は仕方なく五月の代わりに中途半端になっていた片付けを始める。するとそこに運良くと言うべきか、悪くと言うべきか、風呂を済ませた朝日が戻ってきた。
「あれっ、梅ちゃん。戻って来てたんだ? もう、せっかく僕といっしょにお風呂に入ろうって言ったのに逃げちゃうんだから」
背後から、冗談まじりでお兄ちゃんを演じる朝日の声が聞こえた。これは絶対わかって楽しんでいるな、と梅はため息をついて振り返る。
「はああ……あのなあ、朝日。お前、風呂風呂って俺はガキじゃねーつって――――はひいっ!?」
振り返った先には、上半身裸でボディタオルを首にかけただけの朝日再び! やはり習慣とは恐ろしいもので、先ほど五月に注意されてはいたが、思いっきり頭から抜けている朝日であった。
「ぬわああああああっ! 朝日なんてカッコしてやがんだっ、ちょっ、待て、それはやべえ――ゴクリ」
そうは言いながら、美少年のあられもない姿をついつい凝視してまう梅。
「えっ、あっ!? そうだった。ごめん梅ちゃん。五月さんにも言われてたっけ、す、すぐに上を着てくるか――あっ!」
五月の言葉を思い出し、シャツを着るために部屋から出ようと急ぎ踵を返した朝日。焦っていたせいか、スリッパのせいか、滑ってこけそうになってしまう。
「朝日危ねえっ!!」
「うわああああっ!!」
朝日が床に打ち付けられないように、梅が滑り込み自らをクッションがわりに受け止める。結果、二人は重なるように床に崩れ、ボディタオルはふわりと宙を舞った。
「あっ、梅ちゃん大丈夫? ごめんね、痛くなかった?」
ちょうど馬乗りに近い状態になっている朝日。その両腕は、梅の顔をまたぐように立てられている。つまりは――。
「ん、え? あれ、これ、なんで……ん、いいにおい――でなくてっ! ふおわああっ!? こここれ、ももももしかかかかかかして、あああ朝日のむむむむむ胸がががが――――ふうっ」
梅、失神! 真っ白に萌え尽きている。
「えええっ、ちょっと梅ちゃん。どしたの? もしかして頭でも打ったの? ねえ、大丈夫? だ、誰かぁーーーーっ!!」
朝日が呼ぶが早いか、廊下から猛ダッシュで近づいてくる足音が一つ。ずざあああっ、と言わんばかりの勢いで部屋へと滑り込んで来た。
「パンパカパーン! 呼ばなくてもあたしのこと呼んだ朝日君? もしや、やっぱり、あたしとお風呂に――ふへっ?」
「深夜子さん、ちょうど良かった。ちょっと梅ちゃんが気絶しちゃって……あっ!」
だから上半身裸ですってばよ。
「「………………」」
「ぷっしゅううううううう」
深夜子、轟沈! 部屋に入ってわずか五秒の早業。
「みっ、深夜子さーーーーん!?」
――とまあ、昨夜を思い出しながら三人とも何か感じるところがあり、大きなため息をつく。明日へ向けての準備を進めながら、不安が募る一方だ。
「俺……このままだとお嫁に行けねー身体にされそうだわ」
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