26 / 100
第三章 男事不介入案件~闘え!男性保護特務警護官
第二十五話 大和梅、大いに怒る!
しおりを挟む
――朝日を宥める三十分が経過する間に、春日湊のMaps駐在所へ到着。急ぎ通信の準備を整える。梅にはGPS通信のピアス型インカムを装着させている。会話のみでなく、居場所の検出もバッチリである。
五月はヘッドセットを装着して、ノートパソコンを操作。深夜子がメインインカムでナビ担当。――梅からの通信を待つこと数分。
「ん! 梅ちゃんから信号入った」
それを聞いた五月がすぐさま所在検索をかける。
「……場所は武蔵区の倉庫街。建物は……海土路造船倉庫F号倉庫ですわね」
「もしもーし、梅ちゃん。大丈夫?」
『あん? 別にどーってことねえよ。とりあえず落ちた振りをしてやってたからな。今は倉庫の隅に転がされてんぜ』
心配そうに朝日が見ているので、簡単に状況を伝え安心させる深夜子。五月は代わって状況確認を続ける。
「大和さん。拘束されて問題はありませんの?」
『ん? ああ、脚をビニールロープで縛られて、腕は普通のスチール手錠だな。問題ねえよ。こいつら、これで俺を拘束したつもりとか舐めてやがんな』
「それを問題ないと言えるのが問題ですわよっ!」
梅を拘束したい場合は、最低でも極太のスチールワイヤーを準備するべきである。
『しっかし肩透かしだぜ。雑魚しかいやしねえ』
「ハズレ?」
朝日に説明を終えた深夜子が会話に戻る。
『ざっと雑魚が十人位か? 例のデカ蛇女たちは、お前らを呼び出してから来るんだとよ。そっちに脅迫掛けんのに、俺を痛めつけるビデオを先に撮るだのなんだの言って準備してやがるな』
「!? う、梅ちゃん。その時は『やめて! 俺に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!』って言うのが礼儀」
何故か嬉しそうにテンションがあがる深夜子。
『知るかっ!? 言うかっ!! ……てかよ。黙ってやられんのも腹立つし、もうやっちまっていいか?』
「ええ、もう位置情報は本部へ転送済みですわ。万一の時には応援申請を出しますので……大和さん、御武運を」
「らじゃ。ところで梅ちゃんやる気イマイチっぽい? もしやテンション低い」
『まあな、最初からデカ蛇女たちとやる気だったかんよ。雑魚が相手じゃ、ちっとばかしテンション上がんねえな。ま、準備運動くらいにはなんだろ?』
「らじゃ。じゃあこれでテンション上げる」
すると、深夜子がポケットから個人のスマホを取り出し、インカムに向けて何やら録音したらしき音声を流す。
【うわあああああああっ! う、梅ちゃん? 梅ちゃんが……やだ、やだよ。 や、やめてよっ!! ねえ、五月さん! 深夜子さん! 梅ちゃんを、梅ちゃんを助けてよ。どうして? 車を止めて! 戻して! ねえ、はや――】
【ちょっ、ちょっと朝日様! 大丈夫ですわっ! これは、作戦ですから、大丈夫なので落ち着いてくださいませ】
【そう。朝日君、わざと】
【そんな、やだ。梅ちゃんが……殴られ……連れて……あ、ああっ、ひぐっ……ううっ、誰か……誰か助け――】
流れる音声を聞いて、血相を変えた朝日が深夜子に飛び付く。
「ちょおおおっとぉっ!? 深夜子さん? なんてもの録音してるのさっ? やっ、ヤメテェーーっ!!」
「ふっ、朝日君マイスターとして当然の嗜み」
サムズアップして、キランと歯を輝かせる深夜子。とてもウザい。
「な、何が当然なのさーっ!?」
「で、梅ちゃん。少しはやる気でた? え? ぶっ殺す? ……梅ちゃん? 相手殺しちゃダメだよ? って、あれ? おーい……通信切れた。んー、…………これは殺る気スイッチ入ちゃったかも?」
「「ええええええっ!?」」
――海土路造船倉庫F号倉庫。
海土路造船所有の鉄筋コンクリート造りの平屋建て倉庫である。倉庫はコンテナトラックなどが通る部分は電動シャッターで閉鎖されており、出入口は作業員が出入りする為に大型の引き戸のみ機能している状態となっている。また、倉庫内にはコンテナがあちこちに積まれて防音の役割も果たしており、拉致監禁には持ってこいの場所と言えよう。
現在、通信が途切れた梅がいる倉庫内には、タクティクスの中でも腕に覚えのある者達が待機していた。総勢十二名。今は五月たちに向けた脅迫用のビデオ撮影準備の真っ最中である。しかし……。
突然、倉庫内に太いゴムが切れたかのような音、続けて金属が弾ける音が響く。音の出所は、先ほど彼女たちが捉えてきた獲物を転がしているコンテナの影からだ。
何事か? と雑談していた者、タバコを吸っていた者、カメラの準備をしていた者。全員が手を止めて、その方向に注目する。
すると、コンテナの物陰からふらりと小さい影が現れた。パーカートレーナーのポケットに両手を入れ、フードを下ろしているので表情は見えない。だのに、その姿を見た途端、全員が不思議と背中に悪寒を覚えた。そして、小柄な姿相応の可愛らしい声が冷たく静かに倉庫内に響き渡る。
「ふん……ひいふうみい……ここの雑魚はお前ら十二人で全部か?」
「「「「「雑魚ぉ!?」」」」」
雑魚の二文字。武闘派警護官として歴戦の猛者も少なくないタクティクスメンバーに看過できない言葉である。数名はすでに額や眉間に血管を浮かべ、世紀末の無法者もかくやの表情で梅を睨みつけている。
「まあまあ、皆さん落ち着いて」
メンバーの後方から野太い声が響いた。彼女らをかき分けるように、一際大きな体格の女性が姿をあらわし、ゆっくりと梅の前に進みでる。『丸大公子』、タクティクス古参メンバーの一人で身長は203センチ、体重に至っては梅の四倍以上はあろうかと言う女傑だ。
「ふおっほっほっほ。どうやって縄と手錠をはずして来たかは知りませんが、逃げずに堂々と出てくるとは面白い冗談です。それに、少しばかりお行儀の悪いオチビちゃんですね~。言葉遣いは大切ですよ?」
丸々としたお腹をポンポンと軽く叩きつつ、スキンヘッドながら、人のよさそうな笑顔で余裕たっぷりに梅に話しかける。
「ああん? チャーシューはチャーシューらしく、ラーメンの上にでも乗ってろ」
「ちゃっ!? ちゃっ、ちゃちゃ、チャーシュー!?」
ピキピキっと、顔は一気に赤くなり、丸大公子のこめかみに数本の血管が浮かび上がる。人のよさそうなえびす顔も般若の如く、怒りの表情へと変わって行く。
「おいおい、あのチビ死んだわ。丸大さんを挑発するとか馬鹿なの?」
「いや、そもそもどうして逃げないの?」
「冗談抜きで殺されるわよ……いったい何考えてんのよ?」
この状況に全く理解が追い付かない面々が戸惑いの言葉を口にする。そして、怒り浸透と言った感じの丸大公子だったが、無理矢理にひきつった笑顔を作り梅の真正面に立つ。そして、ゆっくりと右拳を振り上げた。
「ふ……ふっ、ふおっほっほっ……どうやら、礼儀知らずのオチビちゃんには躾が必要な様ですねっ! ふうんっ!!」
打ち下ろしの右。
218キロの全体重を乗せた、丸大公子必殺の拳が梅の頭上から襲い掛かる!
「へっ!」
ニヤリと口元を歪め、鼻で笑う。その一瞬に梅の取った行動はわずか二つ。
左足を数センチ後ろにずらして踵を上げ、脅威の動体視力でもって丸大公子の拳が自分の額に当たるように合わせる。それだけ――――しかし。
肉と骨がぶつかり合う嫌な音が周囲に響き、誰もが梅が潰されたと確信した瞬間。
「ぎゃあああっ! いっ、いてぇよぉ~~~っ!!!」
丸大公子が激痛にのた打ち回る姿がそこにあった。
数本の指から所々折れた骨が飛び出し、あり得ない方向に曲がった右手首を左手で押さえ、涙とよだれを撒き散らしながら悶絶している。
「「「「「えっ?」」」」」
その異様な光景に呆然と立ちすくむ者達。梅は丸大公子に目もくれない。つかつかと、この倉庫にあるたった一つの出入口へと向かう。
拳を受けた衝撃もあって、途中ぱさりとフードが取れて梅の顔が現れた。だが、いつもよりも赤みを増して見える髪は、まるで燃えるように揺らめいて見える。猫科を思わす可愛らしい瞳は瞳孔が収縮し、獲物を狙う獰猛な獣のそれを思わせる。日頃はチャームポイントの八重歯も正に肉食獣の牙になったかのようだ。
ただならぬ雰囲気にごくりと唾を飲み込み、声の出ないタクティクスメンバーたち。そして、梅はスチール製の閂になっている大型引き戸の前に立つ。扉の閂を留め金に通すと、その小さな手で留め金部分を閂ごと握る。
「朝日はよ……いっつもニコニコ笑ってんだ……優しくってよう、お人好しでよう……。それを……それをてめえらっ……よくも……よくも朝日を泣かせやがったな!!」
スチール製の閂と留め金が嫌な音を立てぐにゃりと曲がる! 内側から扉は封印された。
「…………だ」
「な、何言ってんだ、アイツ」
「鉄の留め金を素手で曲げた……う、嘘でしょ?」
動揺が走る面々に何かを呟いた梅の声は届かない。しかし、次は呟きではなかった。
「挽き肉だ!!」
「「「「「はあっ!?」」」」」
「てめえら全員っ、挽き肉にしてやるっつってんだああああああああああっ!!」
SランクMaps大和梅――猫では無い。血に飢えた虎の咆哮が倉庫内に響き渡った。
五月はヘッドセットを装着して、ノートパソコンを操作。深夜子がメインインカムでナビ担当。――梅からの通信を待つこと数分。
「ん! 梅ちゃんから信号入った」
それを聞いた五月がすぐさま所在検索をかける。
「……場所は武蔵区の倉庫街。建物は……海土路造船倉庫F号倉庫ですわね」
「もしもーし、梅ちゃん。大丈夫?」
『あん? 別にどーってことねえよ。とりあえず落ちた振りをしてやってたからな。今は倉庫の隅に転がされてんぜ』
心配そうに朝日が見ているので、簡単に状況を伝え安心させる深夜子。五月は代わって状況確認を続ける。
「大和さん。拘束されて問題はありませんの?」
『ん? ああ、脚をビニールロープで縛られて、腕は普通のスチール手錠だな。問題ねえよ。こいつら、これで俺を拘束したつもりとか舐めてやがんな』
「それを問題ないと言えるのが問題ですわよっ!」
梅を拘束したい場合は、最低でも極太のスチールワイヤーを準備するべきである。
『しっかし肩透かしだぜ。雑魚しかいやしねえ』
「ハズレ?」
朝日に説明を終えた深夜子が会話に戻る。
『ざっと雑魚が十人位か? 例のデカ蛇女たちは、お前らを呼び出してから来るんだとよ。そっちに脅迫掛けんのに、俺を痛めつけるビデオを先に撮るだのなんだの言って準備してやがるな』
「!? う、梅ちゃん。その時は『やめて! 俺に乱暴する気でしょう? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!』って言うのが礼儀」
何故か嬉しそうにテンションがあがる深夜子。
『知るかっ!? 言うかっ!! ……てかよ。黙ってやられんのも腹立つし、もうやっちまっていいか?』
「ええ、もう位置情報は本部へ転送済みですわ。万一の時には応援申請を出しますので……大和さん、御武運を」
「らじゃ。ところで梅ちゃんやる気イマイチっぽい? もしやテンション低い」
『まあな、最初からデカ蛇女たちとやる気だったかんよ。雑魚が相手じゃ、ちっとばかしテンション上がんねえな。ま、準備運動くらいにはなんだろ?』
「らじゃ。じゃあこれでテンション上げる」
すると、深夜子がポケットから個人のスマホを取り出し、インカムに向けて何やら録音したらしき音声を流す。
【うわあああああああっ! う、梅ちゃん? 梅ちゃんが……やだ、やだよ。 や、やめてよっ!! ねえ、五月さん! 深夜子さん! 梅ちゃんを、梅ちゃんを助けてよ。どうして? 車を止めて! 戻して! ねえ、はや――】
【ちょっ、ちょっと朝日様! 大丈夫ですわっ! これは、作戦ですから、大丈夫なので落ち着いてくださいませ】
【そう。朝日君、わざと】
【そんな、やだ。梅ちゃんが……殴られ……連れて……あ、ああっ、ひぐっ……ううっ、誰か……誰か助け――】
流れる音声を聞いて、血相を変えた朝日が深夜子に飛び付く。
「ちょおおおっとぉっ!? 深夜子さん? なんてもの録音してるのさっ? やっ、ヤメテェーーっ!!」
「ふっ、朝日君マイスターとして当然の嗜み」
サムズアップして、キランと歯を輝かせる深夜子。とてもウザい。
「な、何が当然なのさーっ!?」
「で、梅ちゃん。少しはやる気でた? え? ぶっ殺す? ……梅ちゃん? 相手殺しちゃダメだよ? って、あれ? おーい……通信切れた。んー、…………これは殺る気スイッチ入ちゃったかも?」
「「ええええええっ!?」」
――海土路造船倉庫F号倉庫。
海土路造船所有の鉄筋コンクリート造りの平屋建て倉庫である。倉庫はコンテナトラックなどが通る部分は電動シャッターで閉鎖されており、出入口は作業員が出入りする為に大型の引き戸のみ機能している状態となっている。また、倉庫内にはコンテナがあちこちに積まれて防音の役割も果たしており、拉致監禁には持ってこいの場所と言えよう。
現在、通信が途切れた梅がいる倉庫内には、タクティクスの中でも腕に覚えのある者達が待機していた。総勢十二名。今は五月たちに向けた脅迫用のビデオ撮影準備の真っ最中である。しかし……。
突然、倉庫内に太いゴムが切れたかのような音、続けて金属が弾ける音が響く。音の出所は、先ほど彼女たちが捉えてきた獲物を転がしているコンテナの影からだ。
何事か? と雑談していた者、タバコを吸っていた者、カメラの準備をしていた者。全員が手を止めて、その方向に注目する。
すると、コンテナの物陰からふらりと小さい影が現れた。パーカートレーナーのポケットに両手を入れ、フードを下ろしているので表情は見えない。だのに、その姿を見た途端、全員が不思議と背中に悪寒を覚えた。そして、小柄な姿相応の可愛らしい声が冷たく静かに倉庫内に響き渡る。
「ふん……ひいふうみい……ここの雑魚はお前ら十二人で全部か?」
「「「「「雑魚ぉ!?」」」」」
雑魚の二文字。武闘派警護官として歴戦の猛者も少なくないタクティクスメンバーに看過できない言葉である。数名はすでに額や眉間に血管を浮かべ、世紀末の無法者もかくやの表情で梅を睨みつけている。
「まあまあ、皆さん落ち着いて」
メンバーの後方から野太い声が響いた。彼女らをかき分けるように、一際大きな体格の女性が姿をあらわし、ゆっくりと梅の前に進みでる。『丸大公子』、タクティクス古参メンバーの一人で身長は203センチ、体重に至っては梅の四倍以上はあろうかと言う女傑だ。
「ふおっほっほっほ。どうやって縄と手錠をはずして来たかは知りませんが、逃げずに堂々と出てくるとは面白い冗談です。それに、少しばかりお行儀の悪いオチビちゃんですね~。言葉遣いは大切ですよ?」
丸々としたお腹をポンポンと軽く叩きつつ、スキンヘッドながら、人のよさそうな笑顔で余裕たっぷりに梅に話しかける。
「ああん? チャーシューはチャーシューらしく、ラーメンの上にでも乗ってろ」
「ちゃっ!? ちゃっ、ちゃちゃ、チャーシュー!?」
ピキピキっと、顔は一気に赤くなり、丸大公子のこめかみに数本の血管が浮かび上がる。人のよさそうなえびす顔も般若の如く、怒りの表情へと変わって行く。
「おいおい、あのチビ死んだわ。丸大さんを挑発するとか馬鹿なの?」
「いや、そもそもどうして逃げないの?」
「冗談抜きで殺されるわよ……いったい何考えてんのよ?」
この状況に全く理解が追い付かない面々が戸惑いの言葉を口にする。そして、怒り浸透と言った感じの丸大公子だったが、無理矢理にひきつった笑顔を作り梅の真正面に立つ。そして、ゆっくりと右拳を振り上げた。
「ふ……ふっ、ふおっほっほっ……どうやら、礼儀知らずのオチビちゃんには躾が必要な様ですねっ! ふうんっ!!」
打ち下ろしの右。
218キロの全体重を乗せた、丸大公子必殺の拳が梅の頭上から襲い掛かる!
「へっ!」
ニヤリと口元を歪め、鼻で笑う。その一瞬に梅の取った行動はわずか二つ。
左足を数センチ後ろにずらして踵を上げ、脅威の動体視力でもって丸大公子の拳が自分の額に当たるように合わせる。それだけ――――しかし。
肉と骨がぶつかり合う嫌な音が周囲に響き、誰もが梅が潰されたと確信した瞬間。
「ぎゃあああっ! いっ、いてぇよぉ~~~っ!!!」
丸大公子が激痛にのた打ち回る姿がそこにあった。
数本の指から所々折れた骨が飛び出し、あり得ない方向に曲がった右手首を左手で押さえ、涙とよだれを撒き散らしながら悶絶している。
「「「「「えっ?」」」」」
その異様な光景に呆然と立ちすくむ者達。梅は丸大公子に目もくれない。つかつかと、この倉庫にあるたった一つの出入口へと向かう。
拳を受けた衝撃もあって、途中ぱさりとフードが取れて梅の顔が現れた。だが、いつもよりも赤みを増して見える髪は、まるで燃えるように揺らめいて見える。猫科を思わす可愛らしい瞳は瞳孔が収縮し、獲物を狙う獰猛な獣のそれを思わせる。日頃はチャームポイントの八重歯も正に肉食獣の牙になったかのようだ。
ただならぬ雰囲気にごくりと唾を飲み込み、声の出ないタクティクスメンバーたち。そして、梅はスチール製の閂になっている大型引き戸の前に立つ。扉の閂を留め金に通すと、その小さな手で留め金部分を閂ごと握る。
「朝日はよ……いっつもニコニコ笑ってんだ……優しくってよう、お人好しでよう……。それを……それをてめえらっ……よくも……よくも朝日を泣かせやがったな!!」
スチール製の閂と留め金が嫌な音を立てぐにゃりと曲がる! 内側から扉は封印された。
「…………だ」
「な、何言ってんだ、アイツ」
「鉄の留め金を素手で曲げた……う、嘘でしょ?」
動揺が走る面々に何かを呟いた梅の声は届かない。しかし、次は呟きではなかった。
「挽き肉だ!!」
「「「「「はあっ!?」」」」」
「てめえら全員っ、挽き肉にしてやるっつってんだああああああああああっ!!」
SランクMaps大和梅――猫では無い。血に飢えた虎の咆哮が倉庫内に響き渡った。
0
あなたにおすすめの小説
まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編7が完結しました!(2026.1.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる
まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」
父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。
清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。
なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。
学校では誰もが憧れる高嶺の花。
家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。
しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。
「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」
秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。
彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。
「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」
これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。
完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。
『著者より』
もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について
のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。
だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。
「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」
ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。
だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。
その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!?
仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、
「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」
「中の人、彼氏か?」
視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!?
しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して――
同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!?
「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」
代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!
迷子を助けたら生徒会長の婚約者兼女の子のパパになったけど別れたはずの彼女もなぜか近づいてくる
九戸政景
恋愛
新年に初詣に来た父川冬矢は、迷子になっていた頼母木茉莉を助け、従姉妹の田母神真夏と知り合う。その後、真夏と再会した冬矢は真夏の婚約者兼茉莉の父親になってほしいと頼まれる。
※こちらは、カクヨムやエブリスタでも公開している作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる