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第五章 特殊保護事例Ⅹ案件~五月雨家へようこそ!
第四十九話 五月雨家へようこそ!
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移動を開始して、隣の武蔵区に入ってから約一時間。多数の大企業が集まり、日本で言う品川区を思わす都市である武蔵区。富裕層も多い地区だが、いわゆる本当の大金持ちと言うべき者達は、中心部に近い高層マンションなどではなく、郊外に居を構えている。
無論、五月雨家も例外ではない。車の窓から敷地の外壁と思われる立派な壁が見え始め、五月が「この壁の向こうがうちの敷地ですの。入り口までもう少しですわね」と言ってから経過することすでに五分。
「おい五月。いったいどこに玄関があんだよ? てか、広すぎじゃねか」
「そうですの? このあたりでしたら、これが普通ですわよ」
「「「へえー」」」
普通ですか、そうですか。返す言葉もない朝日ら三人であった。
しばらくして、やたらと豪勢な造りの門を車に乗ったままくぐりぬける。中に入ると車道以外は、一面の芝生と手入れされた樹木が並ぶ。数分すると、凝った意匠で白壁造りの大きな家屋が見え始める。朝日の目には、中世お城風デザインのホテルに映った。
「うおっ……くっそでけえ家だな。深夜子ん家も寺みてえで大概でけえと思ったけど、スケールが違うな……」
「梅ちゃん。うちは道場、方向性違うし」
「大和さん、こちらはお客様用の別館ですわ。本邸はこのまま十分ほど進んだ所でしてよ」
「おい、何言ってるかさっぱりわかんねぇぞ?」
「それに、そもそも朝日様をこのような粗末な場所に泊まらせるわけには参りませんわ」
「そ、粗末なんだ」
これには朝日も苦笑いである。
「けっ、これだから金持ちは――つっても、まあ……なっ深夜子!」
「梅ちゃん。まさに!」
「「おいしいご飯が出ればオッケー!」」
二人して五月に向けてサムズアップ!
「だから貴女方はそれしか判断材料がありませんのっ!?」
そして、別館に比べ三倍ほどの大きさ、五月雨家本館へと到着した。屋内は内装から家具や調度品、家電製品まで、男性福祉で充実している朝日家ですら、全く比較にならない高級品ばかりであった。やたら広いリビングへと通されてからも、深夜子と梅はもの珍しそうに部屋をうろうろしている。
――待つこと数分、リビング奥側の扉が開いた。
「いらっしゃーい。まってたわー」
間延びするのほほんとした口調で、パタパタとリビングに身長160センチに満たない小柄の女性が入ってくる。
スカート部分は黒を、首もとから胸にかけては白を基調としたゴシックドレスと黒のボレロに身を包み、十字架や蝙蝠を模したアクセサリーで着飾っている。そして、これまた黒と白で、ふんだんにフリルの施されたヘッドドレスが、ウェーブがかった茶髪のツインテールを引き立てる――いわゆるゴスロリファッション姿。
そう、四十四歳にして五月の母。少したれ目で、右目に泣き黒子があるのが印象的な美女。国内有数の大企業『五月雨コーポレーション』の代表取締役CEO『五月雨新月』である。見た目は三十代前半で通用するので、ギリギリセーフなのだ。
「お母様ーーっ!? なっ、なんて格好をされてるのですかっ! 少しはご自分の年齢を考えてくださいませーーっ!!」
せっかく数年ぶりの母娘の対面であろう五月だが、顔を真っ赤にして飛び出し、新月の服装にクレームをつける。
「んもー、五月ちゃんてばー、せっかくー久しぶりにあったのにー。これはーママの最近お気に入りの服ですー。だってー今日は愛しの朝日ちゃんに――」
「よ、け、い、にアウトですわーーっ! ハッ、あ……朝日様? 違っ、こ、これは何かの間違いですのよ!」
「うわー、五月ママ……なんかすごい」
「金持ちってのはよくわかんねーな。つか、なんで家の中で日傘さしてんだ?」
そのインパクトに目を丸くしている朝日たち、五月は混乱気味に新月の前に立って、その姿を隠しつつ必死に言い訳をしている。一方の新月は朝日の姿を見つけると、するっと五月の横を抜け、そそくさと近づいて手を取り、ぎゅっと握しめた。
「んまー、まーまーまー。朝日ちゃーん! 会いたかったわー。ふわー、写真よりもーすっごい、すっごーい可愛いのねー! びっくりしちゃったわー」
「あっ、はい。あの……は、初めまして、神崎朝日……です」
その勢いに少し照れながら挨拶をする朝日を、ニコニコして見つめながら、新月は話を続ける。
「知ってるわー、すっごい遠い国から来てー、迷子になっちゃたのよねー。可哀想ー、いいのよーワタシのことをー、朝日ちゃんのママと思ってもー」
「ちょっ、ちょっとお母様っ! いきなり何を!?」
がっつく新月を五月が静止する。
だが、何よりも気になったのは『遠い国、迷子』のキーワード。どうやら新月は朝日の機密情報も入手済みらしい。そもそも情報収集に置いては、まさに世界トップクラスに君臨する母である。よからぬことを企んでいなければ――五月は警戒心が先に立つ。
しかし、朝日はそんな五月の心配もよそに、逆に自ら新月の手を取り直し、お礼が遅れたことを謝り始めた。これには新月も面を食らい、年甲斐もなく顔を真っ赤にしてあたふたしている。そして、しっかり感謝を伝えた後は、新月の容姿を褒めることも忘れない。
「五月さんのお母さんって、すっごく若々しいですよね。とっても綺麗だし。僕、最初は五月さんのお姉さんかと思っちゃいました!」
「ふっ、ふっ、ふええーーっ!? あっ、あの朝日ちゃん? そっ、そんなー、ちょっとーそんなこと言われちゃうとー困っちゃうわー。もー、こっ、これー養子縁組の書類だからー、ちょーとここにサインを――」
「お母様ああああっーー!?」
油断も隙もない、さすがの新月であった。
さて、夕方での到着だったことあり、時間も午後六時を回っている。そのまま四人は、新月とディナーを共にすることになった。そして――。
「あっ、そうそうー朝日ちゃん。うちの五月ちゃんのー、お婿さんにはーいつなってくれるかなー?」
「ええっ!? おっ、お婿さん?」
「ぶはあーーーっ! おかっ、お母様っ!? んなななな何を突然!?」
「おいおい、いきなりとんでもねーこと口走ってんじゃねーぜ?」
「そう、朝日君は保護男性。まだ早い」
突発的な新月の爆弾発言に、無論三人とも食ってかかる。通常男性であれば禁句に近いテーマだ。それこそ精神的苦痛を受けたと、訴えられてもおかしくない話である。しかし、そこは新月が上手で、五月たちを手玉に取りつつ、自分のペースに巻き込んで行く。
「もーみんなお子ちゃまねー。うふふ、それにー朝日ちゃんだってー。そろそろ、先のこともー考えていいころじゃないかしらー?」
「え? ……あ……僕は……その……」
朝日に対しても、的確な揺さぶりの一言である。
「朝日様、お気になさらないでくださいませ。ごめんなさい……お母様ったら、少し空気が読めないもので……」
「あらあらーごめんなさいねー。アタシったらー、ついつい余計なお世話しちゃいましたー。さ、ともかくー今日はしっかり食事してー、ゆっくり休んでねー」
新月は話題の切り替えも上手く、その後はしばらく歓談が続いた。全員が風呂を交代で済ませたころ、時間は午後十時を回っており、寝室へ案内する流れとなった。新月が五月に部屋の鍵を渡しながら話しかける。
「あらー五月ちゃん。お疲れねー」
「お母様のせいですわっ!」
「あららーでもー、ママは応援してるからー頑張ってねー」
「はぁ……お願いですから、大人しくしてくださいませ……」
かなりお疲れの五月だが、気を取り直して朝日たちを寝室のある階へと案内する。
「お客様向けの寝室は三階から五階ですわ。ええと、私と朝日様は三階で、深夜子さんたちは四階ですわね。こちらのカードキーを使ってくださいませ」
「ホテルかよっ!?」
「もちろん! 春日湊の高級ホテル以上の寝室ですわよ」
「へいへい……なんかすげえわ、お前ん家」
ツッコミを入れる気力も無くなっている梅であった。
「あっ、そだ朝日君。今日はクリーチャーハンターする?」
「うん……あっ、まだ装備作ってないや。んー、できたら下の広間に行くね」
「らじゃ」
「お二人とも、あまりゲームで夜更かしはお控えくださいませ」
「「はーい」」
階段の踊り場で話し終え、それぞれの寝室へと別れる。すると朝日と五月の寝室は、一番奥で隣合わせの部屋になっていた。
「あっ、僕と五月さんの寝室、隣同士なんだね」
(ふう……そうきましたか……お母様の考えそうなことですわ……殿方と寝室を隣にするとか……。まあ、朝日様との生活に慣れている私にとっては――ふふ、甘いですわね、お母様)
そう、朝日との甘い生活は、一般の男性警護とは比べ物にならない誘惑の数々である。それに慣れている五月にとっては些事でしかない。さして気にも止めず、朝日と挨拶をかわしドアにキーをかざす。
「ええ、そのようですわね。それでは、おやすみなさいませ朝日様」
「うん。おやすみなさい五月さん」
朝日と五月、二人とも部屋に入って扉を閉め、電気をつけた瞬間に何か違和感を感じる。そう、部屋が広く感じるのだ。朝日にとって入って左側は、五月の部屋があるから壁のはず、五月も逆に同じだ。
そして、違和感を感じる壁があるべき方向を見ると……。
「あれ!? 五月……さん?」
「はいいっ!?」
入り口は違うが、実は一部屋になっている。つまり、朝日と五月は今、同じ寝室にいる。さらに、嫌な予感が五月の頭をよぎった。
「ちょっと、これは……ハッ、まさかっ!?」
そのまさか、二人の後ろで閉じた扉が、カチャリと音をさせオートロックがかかる。五月が急ぎドアノブを捻るも時すでに遅し! 朝日側五月側、ともに内側から開けることが出来なくなっていた。
「やっ、やっ、やってくれましたわねえええええっ! お母様ああああああッ!!」
どうする五月!!
無論、五月雨家も例外ではない。車の窓から敷地の外壁と思われる立派な壁が見え始め、五月が「この壁の向こうがうちの敷地ですの。入り口までもう少しですわね」と言ってから経過することすでに五分。
「おい五月。いったいどこに玄関があんだよ? てか、広すぎじゃねか」
「そうですの? このあたりでしたら、これが普通ですわよ」
「「「へえー」」」
普通ですか、そうですか。返す言葉もない朝日ら三人であった。
しばらくして、やたらと豪勢な造りの門を車に乗ったままくぐりぬける。中に入ると車道以外は、一面の芝生と手入れされた樹木が並ぶ。数分すると、凝った意匠で白壁造りの大きな家屋が見え始める。朝日の目には、中世お城風デザインのホテルに映った。
「うおっ……くっそでけえ家だな。深夜子ん家も寺みてえで大概でけえと思ったけど、スケールが違うな……」
「梅ちゃん。うちは道場、方向性違うし」
「大和さん、こちらはお客様用の別館ですわ。本邸はこのまま十分ほど進んだ所でしてよ」
「おい、何言ってるかさっぱりわかんねぇぞ?」
「それに、そもそも朝日様をこのような粗末な場所に泊まらせるわけには参りませんわ」
「そ、粗末なんだ」
これには朝日も苦笑いである。
「けっ、これだから金持ちは――つっても、まあ……なっ深夜子!」
「梅ちゃん。まさに!」
「「おいしいご飯が出ればオッケー!」」
二人して五月に向けてサムズアップ!
「だから貴女方はそれしか判断材料がありませんのっ!?」
そして、別館に比べ三倍ほどの大きさ、五月雨家本館へと到着した。屋内は内装から家具や調度品、家電製品まで、男性福祉で充実している朝日家ですら、全く比較にならない高級品ばかりであった。やたら広いリビングへと通されてからも、深夜子と梅はもの珍しそうに部屋をうろうろしている。
――待つこと数分、リビング奥側の扉が開いた。
「いらっしゃーい。まってたわー」
間延びするのほほんとした口調で、パタパタとリビングに身長160センチに満たない小柄の女性が入ってくる。
スカート部分は黒を、首もとから胸にかけては白を基調としたゴシックドレスと黒のボレロに身を包み、十字架や蝙蝠を模したアクセサリーで着飾っている。そして、これまた黒と白で、ふんだんにフリルの施されたヘッドドレスが、ウェーブがかった茶髪のツインテールを引き立てる――いわゆるゴスロリファッション姿。
そう、四十四歳にして五月の母。少したれ目で、右目に泣き黒子があるのが印象的な美女。国内有数の大企業『五月雨コーポレーション』の代表取締役CEO『五月雨新月』である。見た目は三十代前半で通用するので、ギリギリセーフなのだ。
「お母様ーーっ!? なっ、なんて格好をされてるのですかっ! 少しはご自分の年齢を考えてくださいませーーっ!!」
せっかく数年ぶりの母娘の対面であろう五月だが、顔を真っ赤にして飛び出し、新月の服装にクレームをつける。
「んもー、五月ちゃんてばー、せっかくー久しぶりにあったのにー。これはーママの最近お気に入りの服ですー。だってー今日は愛しの朝日ちゃんに――」
「よ、け、い、にアウトですわーーっ! ハッ、あ……朝日様? 違っ、こ、これは何かの間違いですのよ!」
「うわー、五月ママ……なんかすごい」
「金持ちってのはよくわかんねーな。つか、なんで家の中で日傘さしてんだ?」
そのインパクトに目を丸くしている朝日たち、五月は混乱気味に新月の前に立って、その姿を隠しつつ必死に言い訳をしている。一方の新月は朝日の姿を見つけると、するっと五月の横を抜け、そそくさと近づいて手を取り、ぎゅっと握しめた。
「んまー、まーまーまー。朝日ちゃーん! 会いたかったわー。ふわー、写真よりもーすっごい、すっごーい可愛いのねー! びっくりしちゃったわー」
「あっ、はい。あの……は、初めまして、神崎朝日……です」
その勢いに少し照れながら挨拶をする朝日を、ニコニコして見つめながら、新月は話を続ける。
「知ってるわー、すっごい遠い国から来てー、迷子になっちゃたのよねー。可哀想ー、いいのよーワタシのことをー、朝日ちゃんのママと思ってもー」
「ちょっ、ちょっとお母様っ! いきなり何を!?」
がっつく新月を五月が静止する。
だが、何よりも気になったのは『遠い国、迷子』のキーワード。どうやら新月は朝日の機密情報も入手済みらしい。そもそも情報収集に置いては、まさに世界トップクラスに君臨する母である。よからぬことを企んでいなければ――五月は警戒心が先に立つ。
しかし、朝日はそんな五月の心配もよそに、逆に自ら新月の手を取り直し、お礼が遅れたことを謝り始めた。これには新月も面を食らい、年甲斐もなく顔を真っ赤にしてあたふたしている。そして、しっかり感謝を伝えた後は、新月の容姿を褒めることも忘れない。
「五月さんのお母さんって、すっごく若々しいですよね。とっても綺麗だし。僕、最初は五月さんのお姉さんかと思っちゃいました!」
「ふっ、ふっ、ふええーーっ!? あっ、あの朝日ちゃん? そっ、そんなー、ちょっとーそんなこと言われちゃうとー困っちゃうわー。もー、こっ、これー養子縁組の書類だからー、ちょーとここにサインを――」
「お母様ああああっーー!?」
油断も隙もない、さすがの新月であった。
さて、夕方での到着だったことあり、時間も午後六時を回っている。そのまま四人は、新月とディナーを共にすることになった。そして――。
「あっ、そうそうー朝日ちゃん。うちの五月ちゃんのー、お婿さんにはーいつなってくれるかなー?」
「ええっ!? おっ、お婿さん?」
「ぶはあーーーっ! おかっ、お母様っ!? んなななな何を突然!?」
「おいおい、いきなりとんでもねーこと口走ってんじゃねーぜ?」
「そう、朝日君は保護男性。まだ早い」
突発的な新月の爆弾発言に、無論三人とも食ってかかる。通常男性であれば禁句に近いテーマだ。それこそ精神的苦痛を受けたと、訴えられてもおかしくない話である。しかし、そこは新月が上手で、五月たちを手玉に取りつつ、自分のペースに巻き込んで行く。
「もーみんなお子ちゃまねー。うふふ、それにー朝日ちゃんだってー。そろそろ、先のこともー考えていいころじゃないかしらー?」
「え? ……あ……僕は……その……」
朝日に対しても、的確な揺さぶりの一言である。
「朝日様、お気になさらないでくださいませ。ごめんなさい……お母様ったら、少し空気が読めないもので……」
「あらあらーごめんなさいねー。アタシったらー、ついつい余計なお世話しちゃいましたー。さ、ともかくー今日はしっかり食事してー、ゆっくり休んでねー」
新月は話題の切り替えも上手く、その後はしばらく歓談が続いた。全員が風呂を交代で済ませたころ、時間は午後十時を回っており、寝室へ案内する流れとなった。新月が五月に部屋の鍵を渡しながら話しかける。
「あらー五月ちゃん。お疲れねー」
「お母様のせいですわっ!」
「あららーでもー、ママは応援してるからー頑張ってねー」
「はぁ……お願いですから、大人しくしてくださいませ……」
かなりお疲れの五月だが、気を取り直して朝日たちを寝室のある階へと案内する。
「お客様向けの寝室は三階から五階ですわ。ええと、私と朝日様は三階で、深夜子さんたちは四階ですわね。こちらのカードキーを使ってくださいませ」
「ホテルかよっ!?」
「もちろん! 春日湊の高級ホテル以上の寝室ですわよ」
「へいへい……なんかすげえわ、お前ん家」
ツッコミを入れる気力も無くなっている梅であった。
「あっ、そだ朝日君。今日はクリーチャーハンターする?」
「うん……あっ、まだ装備作ってないや。んー、できたら下の広間に行くね」
「らじゃ」
「お二人とも、あまりゲームで夜更かしはお控えくださいませ」
「「はーい」」
階段の踊り場で話し終え、それぞれの寝室へと別れる。すると朝日と五月の寝室は、一番奥で隣合わせの部屋になっていた。
「あっ、僕と五月さんの寝室、隣同士なんだね」
(ふう……そうきましたか……お母様の考えそうなことですわ……殿方と寝室を隣にするとか……。まあ、朝日様との生活に慣れている私にとっては――ふふ、甘いですわね、お母様)
そう、朝日との甘い生活は、一般の男性警護とは比べ物にならない誘惑の数々である。それに慣れている五月にとっては些事でしかない。さして気にも止めず、朝日と挨拶をかわしドアにキーをかざす。
「ええ、そのようですわね。それでは、おやすみなさいませ朝日様」
「うん。おやすみなさい五月さん」
朝日と五月、二人とも部屋に入って扉を閉め、電気をつけた瞬間に何か違和感を感じる。そう、部屋が広く感じるのだ。朝日にとって入って左側は、五月の部屋があるから壁のはず、五月も逆に同じだ。
そして、違和感を感じる壁があるべき方向を見ると……。
「あれ!? 五月……さん?」
「はいいっ!?」
入り口は違うが、実は一部屋になっている。つまり、朝日と五月は今、同じ寝室にいる。さらに、嫌な予感が五月の頭をよぎった。
「ちょっと、これは……ハッ、まさかっ!?」
そのまさか、二人の後ろで閉じた扉が、カチャリと音をさせオートロックがかかる。五月が急ぎドアノブを捻るも時すでに遅し! 朝日側五月側、ともに内側から開けることが出来なくなっていた。
「やっ、やっ、やってくれましたわねえええええっ! お母様ああああああッ!!」
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