くすぐりピアニストの秘密のレッスン

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足の裏を舌先でなんて聞いてない

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ーテンが閉ざされた音楽室。
ピアノの上には一輪の白い花、そして、エレナ様の纏う薄衣が、
まるで夜風のようにかすかに揺れている。

「今宵は、“震音”――
 微細で、持続するくすぐりを中心に、“美しい音”の輪郭を探ってまいります」

ラフィエルの声は低く、
まるで楽譜に注ぐ指揮者のまなざしのように、深く、優しい。

彼はエレナ様を、深紅のソファに横たえさせる。
目を閉じ、呼吸を整えると、指先がまず――
**肋骨の下縁(ろっこつのかえん)**をそっとなぞる。

そこは――笑いを誘う最も繊細な場所の一つ。
そこに“震音”、つまり――

持続する、微細でやわらかい、震えるようなくすぐりを加えていく。

人差し指と中指の腹をわずかに曲げて、
震わせるように、くるくると同じ円を描きながら、
肋骨の間を、一本一本、丁寧にたどっていく。

「ふ、ふふっ……そこ、だめっ……止まらない、笑いが……ふふふっ♡」

エレナ様の身体が、ふわりと宙に浮くように反応する。
けれど――ラフィエルはその反応を見て、くすぐりの速度も、圧も、ほんのわずかに緩める。

決して、暴力的に責め立てることはしない。
あくまでも――音楽のように、緩急と陰影を持って、感覚を“溶かす”。

そして――
くすぐりは徐々に、内ももへと滑り落ちていく。

「ここも、あなたの高音域……聴かせていただけますか?」

彼の指は今、エレナ様の右の内もも――
肌と空気の温度差が、最も敏感に感じられる場所へと、すっと触れる。

一本の指だけ。
他の指はすべて浮かせ、繊細な音のように――

「……ッふ……ひゃ、ぁ……ん……ふふっ……そ、こ……そこは……♡」

その反応に、ラフィエルは目を細めて微笑む。

「……まだ、ほんの序章です。
 ですが、今宵こそ――エレナ様という楽器が持つ“真の響き”を、探り当てましょう」

そして――
彼はそっと、エレナ様の両足首を交差させて抱え、
ゆるやかに足裏へとくちづけを。

そのまま、舌先を――
親指の付け根から、土踏まずへ、そして小指の下へと、
リズムを刻むように、そっとなぞる。

「ひゃっ……ふ、ふふふっ、ダメぇ……そんな、ぺろぺろ……されると……♡」

エレナ様の甘い吐息と笑いが重なり、
音楽室に満ちていく。
それはまるで、二重奏。
奏者と楽器ではなく、ふたりで奏でる“快感の旋律”。
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