ペア・ティックリング

文字の大きさ
3 / 3

三人のティックリング・ハーモニー

しおりを挟む
その夜、私たちはふたりではなかった。

ティルの手が、ソフィアの腰に触れる。
ミレーユの指が、ソフィアの背中を撫でる。

「くすぐった……ふふっ……あぁ……ふたりとも……やさしく、て……っ、ふふっ……!」

笑いが、ソフィアの口から溢れた瞬間、
ティルとミレーユは目を合わせ、まるで合図のように指先の舞を深めた。

だが、それは決して責めではなかった。
そこにあるのは――共に“開かれていく”ための儀式。

ティルの手はしっかりとした導き。
ミレーユの手は柔らかく寄り添う慈しみ。

そしてソフィアの身体が、笑いと快感で揺れながらも、
どこかでそのふたりを信じ切っているように見えた。

「ねえ、ソフィア……次は、わたしたちのことも、知ってもらっていい?」

ミレーユのその言葉に、ソフィアは驚いたように目を開けた。
そして、微笑んだ。涙のような笑いの余韻を残したまま。

「うん……私も、ふたりに触れたい。私のくすぐりも、受け取って……?」

そのとき、三人は輪になって、互いに触れ合い、
まるで楽器が調律されるように――くすぐりの共鳴が始まった。

ティルがミレーユの脇腹を探り、
ソフィアがティルの足首から膝裏を愛撫し、
ミレーユがソフィアの鎖骨から耳の後ろへと優しい指を這わせる。

笑いが交錯し、ため息が混ざり、時折甘い呼吸がもれる。
そこにあるのは、羞恥ではなく、祝福された“解放”だった。

「なんて、くすぐったくて……なんて、幸せ……」

「ソフィアの手……あったかい……」

「ふたりとも、可愛い……君たちにくすぐられるのが、こんなにも満ちるなんて……」

三人の身体は触れ合い、笑い、震え、
やがて境界を溶かすように、心が重なっていった。

ティルの低く甘い声、
ミレーユの透明な笑い声、
ソフィアの潤んだ囁きが、重なって――

くすぐりが言葉になり、言葉が愛になった。

それは一夜の出来事では終わらなかった。
それぞれが互いに手を伸ばすたび、
新しい笑いと愛のかたちが、生まれてゆく――

しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!

霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。 でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。 けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。 同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。 そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?

完全なる飼育

浅野浩二
恋愛
完全なる飼育です。

巨乳すぎる新入社員が社内で〇〇されちゃった件

ナッツアーモンド
恋愛
中高生の時から巨乳すぎることがコンプレックスで悩んでいる、相模S子。新入社員として入った会社でS子を待ち受ける運命とは....。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

処理中です...