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フォルグネとの話
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王城の怪しい書庫については進展がないまま数日。
ブルデの協力を煽る良い案はないかとシュワーゼは頭をこねくり回しつつ、勤務に励んでいる。
私は喋る木の生息地を特定できないか模索しているところだ。
喋る木に関する話を聞ける地域はある程度の範囲に限られている。
話し手は伝説や幻などと思って話している者が多いが、喋る木は実在したし現在も生きていると私とシュワーゼは考えている。
どうにかして対面したいものだ。
「おう。ゲルハルト!」
考えながら特区の門をくぐると声をかけられた。
「フォルグネ」
当時4歳のシュワーゼに心酔していた門番、フォルグネである。
「相変わらずシュワーゼさんのところに通ってるんだな。ゲルハルトの顔を見るのは久しぶりだ。シュワーゼさんはお元気そうか?」
立場が偉くなったフォルグネはここ数年、門番として外に立つことはなかった。
それまでは2,3日に1度は必ず顔を合わせていたものである。
当初はライバル視されており目線が厳しかったが、顔を合わせるうちに軟化し、今ではシュワーゼに心酔する同士のように思われている。
不本意ながら。
「ああ、シュワーゼは相変わらず動き回ってるよ。せっかくお前の顔を見ずにすんでたのにな。門番に格下げか?」
「俺は会えて嬉しいぜゲルハルト。残念ながら順調に出世してるよ。今度、門番たちの試験が行われるんだ。それの試験対策でな、門番業務をきちんとできているか、ようは見張りだよ」
「門番に試験とかあるのか。何を試験するんだ?」
「ここで言えるわけないだろ。というか、詳しいことは俺も知らないんだ。試験で重視される点をまとめた書物が王城で管理されてるって話だけど、もっと上の連中じゃないと見れないしな」
シュワーゼが言っていた書庫ではないかと、直感が言う。
「それは王の執務室の近くにある部屋に保管されてるんじゃないか?」
「よく知ってるな。そうさ。治安管理の部が管理してる部屋だ。だから試験内容を決める上層部以外は試験内容はわからない。不正はできないってことさ」
「しっかり不正対策されてるんだな。フォルグネはその試験に通過したのか?」
「もちろん。出世には必須の試験だ。シュワーゼさんにも助力をもらったからな。必死で頑張ったさ」
シュワーゼからの助力がいかに的確だったか、どれだけ他の門番に羨ましがられたか、シュワーゼがいかに素晴らしいかを述べられる。
おそらく門番仲間には話を聞いてもらえないのだろう。
久々に会って、自分同様にシュワーゼと親しい私に口が止まらない様子。
面倒に感じつつ、シュワーゼを褒め称える合間に差し込まれる情報に耳が離せない。
結局、同僚らしき門番に叱られるまでフォルグネの話は続いた。
シュワーゼの部屋に顔を出すと、遅かったねと声がかかる。
今日のシュワーゼは勤務の無い休日だ。
「フォルグネに捕まってたんだよ。話が長い」
「フォルグネ!久しく会ってないなあ。元気だった?聞くまでもないか。その様子だと」
「ああ。相変わらずのシュワーゼ狂だったよ。でもいい話が聞けた」
用意された、蜜を練りこんだビスケットにハーブティーで一息ついてから報告をする。
「今度、門番たちの試験があるらしい」
「ああ。今頃だったね。そういえば。懐かしいな」
フォルグネに助言してた頃を思い出したのか、シュワーゼは目を細める。
「その試験の内容についての書物が、“あの書庫”に置いてあるそうだ」
「書庫に?ふうん。怪しいもの以外もしまわれてるのか。なら、やりようがあるな」
途端に、シュワーゼの瞳がぎらりと燃える。
秘匿すべき情報のみがしまわれている場合、ブルデへの建前をでっちあげるのが難しかった。
しかし、業務で使う情報もしまわれているのならば、建前は作りやすい。
書庫に入れる可能性はぐんと上がる。
「門番試験に関する書物、か。試験関係がしまわれているということか?なら官吏試験の書物も置いてありそうだな。官吏試験はぼくが見てもおかしくはない。うん。いけそう」
ぶつくさと考えを回しては、満足そうに頷く。
ようやく進展するかもしれない。
「いい情報をありがとう。ゲルハルト。喋る木の方はどう?進んでる?」
「いまいちだな。新しい噂やらも聞かなくなったし、難しい」
レゲデの森近辺の村は一通りまわった。
喋る木に直接会ったという人物はあの老婆のみで、それ以外は脚色がされていそうな噂や伝説ばかりだった。
しかし噂や伝説でも、類似点は真実に近い部分だと考えられる。
幅広く話は聞いた。
手がかり程度のことで構わないから何か情報はないかと。
だが聞けるのは、曖昧なものばかりだ。
森のどこかに魔法の地があるらしい。
木々の生い茂る森深くで木が動いた。
場所を特定するには程遠い情報。
喋る木はいったん諦めて、違う地域に調べに行ったほうがいいかもしれない。
「そっか。残念。じゃあ次はぼくが頑張ってくるね。何か新しい情報を持ち帰れるように」
ここしばらくは少し落ち込み気味だったシュワーゼ。
鍵の書庫に入れる可能性が出てきて、やる気が出たようだ。
フォルグネもたまには役に立つ。
それからしばらく、シュワーゼは書庫を出入りする人物を密かに調べ、しまわれている書物の種類をまず推測しているようだ。
今のところ考えられる書庫に入る方法は、ブルデの協力が必須である。
仮にブルデが書庫の中身を知っていて、シュワーゼが話した書庫に入る理由が見当違いだった場合、むしろ障害になる可能性もある。
厳重に管理されている書庫に嘘をついて入ろうとしているのだ。
王城勤務もできなくなるかもしれない。
それは避けたい。
慎重に調べを重ねているところだ。
私はというと、喋る木を中心に調べていたのをいったん諦め、また違う地域に足を延ばしている。
師匠がどのように腕の魔法陣を編み出したのか、それについても調べたいところだ。
調べる時間は飽きるほどにある。
一番調べたい魔王の呪いについて、重点的に調べることはもう困難だ。
あらゆることを調べていって、関連するものが出てくることを祈りたい。
裾野を広く、視野を広く、だ。
ブルデの協力を煽る良い案はないかとシュワーゼは頭をこねくり回しつつ、勤務に励んでいる。
私は喋る木の生息地を特定できないか模索しているところだ。
喋る木に関する話を聞ける地域はある程度の範囲に限られている。
話し手は伝説や幻などと思って話している者が多いが、喋る木は実在したし現在も生きていると私とシュワーゼは考えている。
どうにかして対面したいものだ。
「おう。ゲルハルト!」
考えながら特区の門をくぐると声をかけられた。
「フォルグネ」
当時4歳のシュワーゼに心酔していた門番、フォルグネである。
「相変わらずシュワーゼさんのところに通ってるんだな。ゲルハルトの顔を見るのは久しぶりだ。シュワーゼさんはお元気そうか?」
立場が偉くなったフォルグネはここ数年、門番として外に立つことはなかった。
それまでは2,3日に1度は必ず顔を合わせていたものである。
当初はライバル視されており目線が厳しかったが、顔を合わせるうちに軟化し、今ではシュワーゼに心酔する同士のように思われている。
不本意ながら。
「ああ、シュワーゼは相変わらず動き回ってるよ。せっかくお前の顔を見ずにすんでたのにな。門番に格下げか?」
「俺は会えて嬉しいぜゲルハルト。残念ながら順調に出世してるよ。今度、門番たちの試験が行われるんだ。それの試験対策でな、門番業務をきちんとできているか、ようは見張りだよ」
「門番に試験とかあるのか。何を試験するんだ?」
「ここで言えるわけないだろ。というか、詳しいことは俺も知らないんだ。試験で重視される点をまとめた書物が王城で管理されてるって話だけど、もっと上の連中じゃないと見れないしな」
シュワーゼが言っていた書庫ではないかと、直感が言う。
「それは王の執務室の近くにある部屋に保管されてるんじゃないか?」
「よく知ってるな。そうさ。治安管理の部が管理してる部屋だ。だから試験内容を決める上層部以外は試験内容はわからない。不正はできないってことさ」
「しっかり不正対策されてるんだな。フォルグネはその試験に通過したのか?」
「もちろん。出世には必須の試験だ。シュワーゼさんにも助力をもらったからな。必死で頑張ったさ」
シュワーゼからの助力がいかに的確だったか、どれだけ他の門番に羨ましがられたか、シュワーゼがいかに素晴らしいかを述べられる。
おそらく門番仲間には話を聞いてもらえないのだろう。
久々に会って、自分同様にシュワーゼと親しい私に口が止まらない様子。
面倒に感じつつ、シュワーゼを褒め称える合間に差し込まれる情報に耳が離せない。
結局、同僚らしき門番に叱られるまでフォルグネの話は続いた。
シュワーゼの部屋に顔を出すと、遅かったねと声がかかる。
今日のシュワーゼは勤務の無い休日だ。
「フォルグネに捕まってたんだよ。話が長い」
「フォルグネ!久しく会ってないなあ。元気だった?聞くまでもないか。その様子だと」
「ああ。相変わらずのシュワーゼ狂だったよ。でもいい話が聞けた」
用意された、蜜を練りこんだビスケットにハーブティーで一息ついてから報告をする。
「今度、門番たちの試験があるらしい」
「ああ。今頃だったね。そういえば。懐かしいな」
フォルグネに助言してた頃を思い出したのか、シュワーゼは目を細める。
「その試験の内容についての書物が、“あの書庫”に置いてあるそうだ」
「書庫に?ふうん。怪しいもの以外もしまわれてるのか。なら、やりようがあるな」
途端に、シュワーゼの瞳がぎらりと燃える。
秘匿すべき情報のみがしまわれている場合、ブルデへの建前をでっちあげるのが難しかった。
しかし、業務で使う情報もしまわれているのならば、建前は作りやすい。
書庫に入れる可能性はぐんと上がる。
「門番試験に関する書物、か。試験関係がしまわれているということか?なら官吏試験の書物も置いてありそうだな。官吏試験はぼくが見てもおかしくはない。うん。いけそう」
ぶつくさと考えを回しては、満足そうに頷く。
ようやく進展するかもしれない。
「いい情報をありがとう。ゲルハルト。喋る木の方はどう?進んでる?」
「いまいちだな。新しい噂やらも聞かなくなったし、難しい」
レゲデの森近辺の村は一通りまわった。
喋る木に直接会ったという人物はあの老婆のみで、それ以外は脚色がされていそうな噂や伝説ばかりだった。
しかし噂や伝説でも、類似点は真実に近い部分だと考えられる。
幅広く話は聞いた。
手がかり程度のことで構わないから何か情報はないかと。
だが聞けるのは、曖昧なものばかりだ。
森のどこかに魔法の地があるらしい。
木々の生い茂る森深くで木が動いた。
場所を特定するには程遠い情報。
喋る木はいったん諦めて、違う地域に調べに行ったほうがいいかもしれない。
「そっか。残念。じゃあ次はぼくが頑張ってくるね。何か新しい情報を持ち帰れるように」
ここしばらくは少し落ち込み気味だったシュワーゼ。
鍵の書庫に入れる可能性が出てきて、やる気が出たようだ。
フォルグネもたまには役に立つ。
それからしばらく、シュワーゼは書庫を出入りする人物を密かに調べ、しまわれている書物の種類をまず推測しているようだ。
今のところ考えられる書庫に入る方法は、ブルデの協力が必須である。
仮にブルデが書庫の中身を知っていて、シュワーゼが話した書庫に入る理由が見当違いだった場合、むしろ障害になる可能性もある。
厳重に管理されている書庫に嘘をついて入ろうとしているのだ。
王城勤務もできなくなるかもしれない。
それは避けたい。
慎重に調べを重ねているところだ。
私はというと、喋る木を中心に調べていたのをいったん諦め、また違う地域に足を延ばしている。
師匠がどのように腕の魔法陣を編み出したのか、それについても調べたいところだ。
調べる時間は飽きるほどにある。
一番調べたい魔王の呪いについて、重点的に調べることはもう困難だ。
あらゆることを調べていって、関連するものが出てくることを祈りたい。
裾野を広く、視野を広く、だ。
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