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訓練施設の仕掛け
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「…報告は、結界張の記録で全部か」
「ううん。まだあるよ。訓練施設の仕掛けについて。続けても大丈夫?」
「ああ」
沈む気持ちを切り替えて、冷静に報告を頭に入れていく。
仕掛けは、簡単に言ってしまえば魔法陣で違いなかった。
ただ、単純に魔法陣を地面に書けばいいというものではない。
結界の効力を外したい範囲の中央に魔法陣を描き。
陣を描かず、指向性を持たせずに魔力で結晶化した魔石を各所に埋め込む。
効力を発動させるには、埋め込んだ魔石、中央の魔法陣に同時に魔力を流す。
一回発動させてしまえば、魔石の力で永続的に効果は続くらしい。
結界の効力を外す範囲の広さによって、必要な魔石の数は変わり、埋め込むべき場所も変わる。
施設を建造する場所に加えて、魔石はいくつ必要か、どこに埋め込むのか、というのが役人の間で議論になっているようだ。
「詳しい魔石の数や配置がわからないんだよね。口頭伝承だったみたい。記録にはいくつかの配置例が残ってるだけ。いま必死に法則を見つけてるところだよ」
シュワーゼ宅の訓練小屋の壁に沿って、何かが埋められた跡があったのを思い出す。
埋められた跡は、魔石だったということだ。
「仕掛けについて調べて、気になる点がある。大きく二つだ。
訓練施設や訓練小屋は昔からある。歴4.500年のころから建てられてるんだ。王都ではそんな前から魔法陣が使われてた。にも拘わらず、どうして魔具の研究は遅れていたのか。
そして、どうして魔法陣を禁忌の術としていたのか。魔法陣の有用性は理解してたはずだ。研究に乗り出せば、魔法技術はきっと早くから発展してた」
王族は何かを隠してる、とシュワーゼは語る。
「黒色肌が役人に多い理由はわかったのか」
「それはこれから。その資料にまで手を出す時間はなくてね。明日以降調べるよ。訓練施設のおかげでまだまだあの書庫に出入りするからね。機会は多くある」
やる気に満ちた声だ。
熱中しすぎて怪しまれなければいいが。
「僕の報告は以上かな。ゲルハルトは?何か成果はあった?」
ここ数日は師匠について調べていた。
シュワーゼと重複する部分が多い。
「結界張について調べているという研究者に会った。師匠についてはシュワーゼと被る部分もある」
歴代の中で特に実力があった結界張の話。
結界張として職務についていた間に起こした師匠の問題行動。
最強といわれる統括者から逃げ出した結界張として伝説になっている話。
シュワーゼの報告と被らない部分を中心に報告する。
頷きながら聞いていたシュワーゼが、ふと疑問を口にした。
「そういえば聞いてなかった。ゲルハルトとお師匠さんはいつ知り合ったんだ?」
「結界張を逃げ出したあと、おそらく十数年後だ」
結界張の任を放り出した後に私と師匠は出会う。
そこからは私の知っている師匠だ。
「制御の陣については?ゲルハルトと居るときに研究してたのか?」
「いや、私といるときに研究らしきことはしてなかった。ただひたすら、私が教わることばかりだったな」
色あせていた世界では、師匠から教わる知識が光のように眩しかった。
夢中にかき集めて、逃さないように、なくさないように、大事に抱きこんだ、あの頃。
「そっか。じゃあすでに研究は終えてたんだね。ゲルハルトと会う前に。ふうん」
私の腕を見つめながら黙り込むシュワーゼ。
衣服で隠しているが、目線の先はおそらく制御の陣だ。
「ねえ。腕の陣見せてよ。魔法陣、観察したいな。前から気になってたんだよね」
そういえばユーゲンのときにも、腕の魔法陣を探ろうとしていたな。
服をまくって陣を露わにすると、シュワーゼは食い入るように魔法陣を見る。
「すごい。肘まで繋がってるんだね。緻密な陣だ。四大元素の要素が詰め込まれてる。書くの大変だっただろうな」
書かれるのも大変だったぞ。
脳裏をよぎる魔法陣完成までの苦しみ。
シュワーゼは陣をなぞるように、手の甲部分から空で指を動かしていく。
「このまま魔力練ってくれないか?陣が動く様を見たい」
注文が多い。
言われた通りに魔力を練れば、反応して魔法陣が淡く発光していく。
通常なら有り得ない速度で、かなりゆっくりと練っているため、肘から手の甲にかけて光が広がっていく様子が見てとれる。
手の甲まで広がりきり、手の中で魔力を塊にしていく。
魔法陣に見入って思考に耽るシュワーゼ。
しばらく待ってみるが、思考の終わりが見えない。
魔力を霧散させて強制的に終わらせる。
発光が消える最後まで魔法陣の反応を凝視してから、シュワーゼは顔を上げた。
「ありがとうゲルハルト。見たことのない魔法陣だ。魔力との反応も他と違う気がする。興味深いね。面白いよ。ますます気になるな。お師匠さんがどう研究してたのか」
シュワーゼは興奮を滲ませる。
「1000年前だ。今よりずっと厳しかった。魔法陣の存在を知ることすら難しかった。研究してると知れたら即処罰だ。証拠不十分だったのは気を付けてたからだろうね。きっと。処罰されないようにしてたんだ。ああ、気になるなあ。お師匠さんはどこで魔法陣と出会ったんだろうね」
いつだろうか。
結界張の調査資料によると、師匠が魔法研究に没頭するのは魔法学校卒業してからだ。
在学時に魔法陣の存在を知り、卒業後から研究を始めたのか。
卒業後に魔法研究をしているうちに魔法陣にたどり着いたのか。
そして、シュワーゼは気にしていないようだが、私はもう一つ疑問がある。
なぜ制御の魔法陣を知るに至ったか。
もしくは、なぜ開発するに至ったか、だ。
師匠に制御の魔法陣など必要なかった。
高度な技術で魔力を操り、上級魔法もお手の物だった。
必要のない魔法陣。
必要とする“誰か”がいたのだろうか。
「ううん。まだあるよ。訓練施設の仕掛けについて。続けても大丈夫?」
「ああ」
沈む気持ちを切り替えて、冷静に報告を頭に入れていく。
仕掛けは、簡単に言ってしまえば魔法陣で違いなかった。
ただ、単純に魔法陣を地面に書けばいいというものではない。
結界の効力を外したい範囲の中央に魔法陣を描き。
陣を描かず、指向性を持たせずに魔力で結晶化した魔石を各所に埋め込む。
効力を発動させるには、埋め込んだ魔石、中央の魔法陣に同時に魔力を流す。
一回発動させてしまえば、魔石の力で永続的に効果は続くらしい。
結界の効力を外す範囲の広さによって、必要な魔石の数は変わり、埋め込むべき場所も変わる。
施設を建造する場所に加えて、魔石はいくつ必要か、どこに埋め込むのか、というのが役人の間で議論になっているようだ。
「詳しい魔石の数や配置がわからないんだよね。口頭伝承だったみたい。記録にはいくつかの配置例が残ってるだけ。いま必死に法則を見つけてるところだよ」
シュワーゼ宅の訓練小屋の壁に沿って、何かが埋められた跡があったのを思い出す。
埋められた跡は、魔石だったということだ。
「仕掛けについて調べて、気になる点がある。大きく二つだ。
訓練施設や訓練小屋は昔からある。歴4.500年のころから建てられてるんだ。王都ではそんな前から魔法陣が使われてた。にも拘わらず、どうして魔具の研究は遅れていたのか。
そして、どうして魔法陣を禁忌の術としていたのか。魔法陣の有用性は理解してたはずだ。研究に乗り出せば、魔法技術はきっと早くから発展してた」
王族は何かを隠してる、とシュワーゼは語る。
「黒色肌が役人に多い理由はわかったのか」
「それはこれから。その資料にまで手を出す時間はなくてね。明日以降調べるよ。訓練施設のおかげでまだまだあの書庫に出入りするからね。機会は多くある」
やる気に満ちた声だ。
熱中しすぎて怪しまれなければいいが。
「僕の報告は以上かな。ゲルハルトは?何か成果はあった?」
ここ数日は師匠について調べていた。
シュワーゼと重複する部分が多い。
「結界張について調べているという研究者に会った。師匠についてはシュワーゼと被る部分もある」
歴代の中で特に実力があった結界張の話。
結界張として職務についていた間に起こした師匠の問題行動。
最強といわれる統括者から逃げ出した結界張として伝説になっている話。
シュワーゼの報告と被らない部分を中心に報告する。
頷きながら聞いていたシュワーゼが、ふと疑問を口にした。
「そういえば聞いてなかった。ゲルハルトとお師匠さんはいつ知り合ったんだ?」
「結界張を逃げ出したあと、おそらく十数年後だ」
結界張の任を放り出した後に私と師匠は出会う。
そこからは私の知っている師匠だ。
「制御の陣については?ゲルハルトと居るときに研究してたのか?」
「いや、私といるときに研究らしきことはしてなかった。ただひたすら、私が教わることばかりだったな」
色あせていた世界では、師匠から教わる知識が光のように眩しかった。
夢中にかき集めて、逃さないように、なくさないように、大事に抱きこんだ、あの頃。
「そっか。じゃあすでに研究は終えてたんだね。ゲルハルトと会う前に。ふうん」
私の腕を見つめながら黙り込むシュワーゼ。
衣服で隠しているが、目線の先はおそらく制御の陣だ。
「ねえ。腕の陣見せてよ。魔法陣、観察したいな。前から気になってたんだよね」
そういえばユーゲンのときにも、腕の魔法陣を探ろうとしていたな。
服をまくって陣を露わにすると、シュワーゼは食い入るように魔法陣を見る。
「すごい。肘まで繋がってるんだね。緻密な陣だ。四大元素の要素が詰め込まれてる。書くの大変だっただろうな」
書かれるのも大変だったぞ。
脳裏をよぎる魔法陣完成までの苦しみ。
シュワーゼは陣をなぞるように、手の甲部分から空で指を動かしていく。
「このまま魔力練ってくれないか?陣が動く様を見たい」
注文が多い。
言われた通りに魔力を練れば、反応して魔法陣が淡く発光していく。
通常なら有り得ない速度で、かなりゆっくりと練っているため、肘から手の甲にかけて光が広がっていく様子が見てとれる。
手の甲まで広がりきり、手の中で魔力を塊にしていく。
魔法陣に見入って思考に耽るシュワーゼ。
しばらく待ってみるが、思考の終わりが見えない。
魔力を霧散させて強制的に終わらせる。
発光が消える最後まで魔法陣の反応を凝視してから、シュワーゼは顔を上げた。
「ありがとうゲルハルト。見たことのない魔法陣だ。魔力との反応も他と違う気がする。興味深いね。面白いよ。ますます気になるな。お師匠さんがどう研究してたのか」
シュワーゼは興奮を滲ませる。
「1000年前だ。今よりずっと厳しかった。魔法陣の存在を知ることすら難しかった。研究してると知れたら即処罰だ。証拠不十分だったのは気を付けてたからだろうね。きっと。処罰されないようにしてたんだ。ああ、気になるなあ。お師匠さんはどこで魔法陣と出会ったんだろうね」
いつだろうか。
結界張の調査資料によると、師匠が魔法研究に没頭するのは魔法学校卒業してからだ。
在学時に魔法陣の存在を知り、卒業後から研究を始めたのか。
卒業後に魔法研究をしているうちに魔法陣にたどり着いたのか。
そして、シュワーゼは気にしていないようだが、私はもう一つ疑問がある。
なぜ制御の魔法陣を知るに至ったか。
もしくは、なぜ開発するに至ったか、だ。
師匠に制御の魔法陣など必要なかった。
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必要のない魔法陣。
必要とする“誰か”がいたのだろうか。
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