不死の魔法使いは鍵をにぎる

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魔力の確認

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出発前の顔出しを済ませたくせに再び顔を出した私に、ベスツァフ達は目を丸くする。



「ゲルハルトどうしたんだ?」

「忘れてたことがあったんだ。異なる魔力を移動させれば植物が育ちやすくなると教えただろう。できるようになったか?」

「いや、まだ苦手だ」

「そうか。もう村に来ることはないかもしれない。最後に教えといてやる」

「本当か?」


ベスツァフが喜色満面に顔を輝かせる。





「腕を出してくれ」



私の言葉に、前のめりに差し出された腕。
差し出されたベスツァフの手首を掴む。



「普段通りに魔力を練ってみろ」





手のひらへと魔力が集まってくる。
動きは悪くないが、まとまりが悪い。

指の間から砂が零れ落ちるように、まとまりきらず散らばる魔力が多い。



「魔力は動かせているが、集約できていないんだな。わかるか?糸をより集めるように、粘土を捏ねてくっつけるように、魔力を絡めてまとめていくんだ」




魔力を流し込み、散らばるベスツァフの魔力をまとめながら、私は何とも言えない気持ちになっていた。












ベスツァフの魔力は、人間とも魔物とも判別しがたい感覚を受ける。

柔らかな液体のようでいて、混ざるざらつき。
粒子のような質感。




匂い、色、質感、人によって魔力の質は違う。
感じ方は違う。

人間と魔物の魔力は全くの別物であり、大別すれば人間は液体、魔物は粒子のようだと私は捉えていた。

それは私の勘違いか?
どちらとも取れない、いや、どちらとも取れるベスツァフの魔力。


そして、脳裏にユーゲンの魔力もよぎった。



ユーゲンの魔力は複雑で、生まれ変わってきたそれぞれの人物の魔力が混ざりあい、1人の人間としては有り得ない質感の魔力をしていた。

とろみがあるような、さらりとしているような、粘りがあるような、まだらに存在する質感。
総じて液体と言える魔力の中に、小石のような質感の魔力が混ざる。


複数の魔力の合わさった気色悪さが勝って気づいていなかったが、あれは魔物のざらついた魔力に似たものがあった。




混乱が深まる。






そうだ。
ユーゲンは褐色肌だった。


どこかで褐色肌の村、ベスツァフ達一族と血の繋がりがあったのだろうか。

彼ら一族の褐色肌には、わかる者にだけわかる、一部が人よりも少し大きい又は小さいといった特徴がある。
思えばユーゲンは年齢の割に背が高く、力も割と強かった。












混乱しながら考えをめぐらす私には気づかず、ベスツァフは魔力をまとめることに集中している。
隙間から零れ落ちるようだった魔力が、少しずつまとまりを得ていく。



「こんな感じか?」

「ああ。同じような感覚で、植物の不要な魔力を練ればいい。ベスツァフは魔力を全然集約できていなかったのが原因で、移動させられなかったのだと思う」



ある程度魔力をまとめることができたのでベスツァフから手を離した。
ベスツァフは早速そこらに生えている雑草へと手を伸ばし、魔力移動を試している。



「ちょっとわかったかも!まだ時間かかるけど、できるようになる気がするよ!ありがとうゲルハルト」

「それはよかった」



簡単に言葉を交わしてから根城に戻った。
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