不死の魔法使いは鍵をにぎる

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魔王へ協力要請

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そうして、森の根城と町の拠点を行き来する日々が始まった。


起きたらまずジーグを根城に転移させる。

10数人分の食事を作るのだ。
ある程度時間がかかるため、早めに送らなければならない。


同時に、修理代価に受け取った食材なども移動させる。
起床してきた順に朝餉準備を手伝わせ、全員揃ったら朝餉。
後片付けをし、ワイセやヘフテらを情報収集に送り出す。


私とマーツェは同じ町で情報収集する日もあれば、違う場へ行くこともある。







この間に、ジーグは新しい6人の子どもに教育をしていく。
炊事や洗濯、文字に計算、現在の歴史認識と本来の歴史。

炊事には積極的だが、その他は学ぶ意欲をあまり見せないらしい。


1人で6人もの子供を見るのは大変だろうが、頑張ってもらいたい。






陽が傾いてきたら、ヘフテらを回収して根城に戻す。
大抵はこの段階で私とマーツェは治癒と修理の対応に当たる。

根城に戻ったら全員で夕餉。


食事と同時に情報共有も行う。
基本は大人組とヘフテ・ダモン・ワイセの6人での話し合いとなる。
が、たまにアンテルとシュグリが口を挟む。

あれをやった、これをやった、と自分も関わったことを主張してくるのだ。



夕餉が終われば就寝準備だ。
ワイセに湯浴みなど面倒を任せ、大人組は宿屋に戻る。
足りなかった部分を再度話し合う場合もある。

各自の部屋に分かれ、引き受けた修理品を直したら1日が終わりだ。





ダモンとジーグは、根城の結界内では面を外して過ごすようになった。
新しい6人は始め驚いていたが、アンテルとシュグリが仲良くじゃれついているのを見て、気にしなくなったようだ。

夕餉を済ませ大人組が去った後、皆で仲良く騒いでいるとワイセから報告を受けている。




数日たって、6人も外へ出たいと騒ぐようになった。

全員を外に連れ出すのは疲れる。
ジーグからの教育も滞る。


よって、2人ずつ交代で外に連れ出すことにした。
アンテルとシュグリを留守番に回し、代わりに外へ行く形だ。


その際はワイセがお目付け役となって、連れ出した2人を管理することになる。
ヘフテたちと行動を共にするとは限らず、ワイセら3人、ヘフテ・ダモン、私とマーツェと3組に分かれて行動する日もあった。

夕方の回収が面倒である。






夕餉の時間だけでは情報共有が足りず、1日を費やして話し合うときもある。
ヘフテとダモンが飽きるため、何度かに区切ってはいるが。











そんななか、魔王に協力を頼むため、再び魔王城を訪れた。


念のため褐色肌に変異し、仲間か確かめる小さな魔法陣も身に付けている。
途中ダモンが知り合いらしき魔物に話しかけられつつ、魔王の居る部屋まで向かった。





「魔王様」

「ああ、ダモン。それに勇者らも」



“勇者”の言葉に周りの魔物が反応したが、魔王が手振りでそれを静める。



「お前らの行動は報告を受けている。動き回っているみたいだな」

「うん。呪いを解きたいからね。頑張ってるよ。そのために話がある。協力を頼みたいんだ」




前回と違い、立場を対等とする口調。
緩く笑い、魔王は返答をする。




「いいぞ。何の話だ?」







その場で考えを話した。

歴史認識を正すため、まずは下地作りをしていること。
下地作りとして、ダモンなど混ざり者の他、魔物と交流する時間が欲しいこと。
人間の言葉が話せる魔物、もしくはお互いの意思疎通を図れる魔具と共に魔物を協力者として貸し出してほしいこと。



話している間に、ヘフテ気に入りの果実を魔物が持ってきていた。
ヘフテが空いている椅子にダモンを連れて座り、2人で食べている。




「ふむ。要求はわかった。そうだな」




魔王は少し考え込み、理解できない言語で何かを発する。
結構な大声だった。

聞きつけた魔物が数人駆けつけてくる。






「人間の言葉を介せるものらだ。何人必要だ?」



5つの目玉。
2つの首。
3本の尻尾。
軟体の体。

様々な特徴を持った魔物が部屋に集まった。




「ええと。追加は可能か?今は2人でいい。それで十分だ。でも増やすつもりなんだ。子供の数はもっと。たくさん。そうしたら魔物の協力ももっと欲しい。後から数を増やすことはできるか?」

「いいぞ。追加も対応する。なら今は2人選ぶといい。追加はまた考えよう」





また人数が欲しくなったら魔王城まで来る。
連れていく魔物を選び、森の根城に戻った。
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