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新しい町を
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王の声明と書物が行き渡ったことは確認し、魔王に報告も済ませている。
魔王側も魔物に確認をさせたと言っていた。
いざ解呪だと私とマーツェが魔王城へ行くのに、王が付いてきた形だ。
「本題はそうです。ですが、貴方と今後について話し合いたいと思い、勇者に同行しました」
正しい事実が書かれた書物を民は目にした。
しかし共存に対して懐疑的な者もまだまだ多い。
魔物と、魔王と、協力体制を築きたい。
「ふむ。そうだな。しかしどうする?私たちが行けば怖がる者も多かろう?」
「魔物に恐怖心を抱かない者を、勇者が育てています。その者たちと魔物を集めて、一つの町を作りましょう」
私とマーツェが保護した孤児たちは問題なく移せる。
それ以外に魔物を恐れる必要はないと教育できた者たちは、生活困窮者が多い。
新たな町に移住すれば仕事にありつける、となれば喜んで生活拠点を移すだろう。
町と外を区切る塀作り。
新しい家の建造。
道の整備。
王が町を作ると言っているのだ。
それらの賃金は王城から出される。
魔王が立って以来、慢性的に流れていた先の見えない不安感も、これで晴れるかもしれない。
そこにいくらかの魔物も移り住み、共同体を作っていく。
共存のための、大きな一歩。
「なるほど。土地の候補は?どれくらいの規模でお考えだ?」
魔王は地図を持ってこさせ、王と詳細を詰めていく。
想定している町の位置。
予想される住民の人数。
どんな仕事を設け、どう支払っていくか。
魔物とはどう関わらせていくか。
ただ同じ土地に住まわせるだけでは効果が半減してしまう。
1つの町を共同で運営することが望ましい。
「魔物、と一口に括っても様々だ。人型を取れる者もいれば、四足歩行の者もいる。何かさせられそうなことはあるだろうか?」
「魔王城ではどのようなことを担当していますか?」
「人の営みとは異なるだろうが、そうだな。食料の確保。仲間の状況調査。以前は人を襲ったりもしていたが…、今は情報収集か。それくらいだ。基本各自自由に過ごしている」
「では、食料調達は全面的に頼りましょう。畑を耕しても、食べられるようになるまで時間がかかります。あとは力仕事を任せられますか?塀や道、家を作るための資材を運んでもらいます」
「わかった。それにふさわしい仲間を選出しよう」
いつから町に移住させるか。
伝達方法に移住方法。
考えられる問題点、
それの対応策。
頭2人が顔を合わせて話しているため、軽快に話を詰めていく。
恐怖による緊張も始めは見られたが、話しているうちに落ち着いたようだ。
人間の何倍とある体躯に、毒々しささえ感じる毛並みを持つ魔王。
そんな恐ろしい見た目だが、きちんと話は通じる。
冷静に、利口に、以外にも温和に、言葉は返ってくる。
その様子を見て兵士も緊張を解いたようだった。
魔物側も王の真摯な態度を見て警戒を緩めている。
良い関係を築けそうである。
詰められるだけ詰めて、魔王は私とマーツェに顔を向けた。
「待たせたな。では、約束通りに呪いを解こう」
椅子から降り、段下にいる私とマーツェの元まで歩いてくる。
ゆっくりとした足取り。
一歩魔王が近づくごとに、心臓が高鳴る気がした。
先ほどまで至極冷静に周りを観察していたというのに。
俄かに緊張が走る。
ようやく。
ようやっと。
解放される。
自分を置いて変わりゆく世界。
痛みは感じるくせに死ねない体。
終わりなき地獄。
師匠のいないこの世。
魔王側も魔物に確認をさせたと言っていた。
いざ解呪だと私とマーツェが魔王城へ行くのに、王が付いてきた形だ。
「本題はそうです。ですが、貴方と今後について話し合いたいと思い、勇者に同行しました」
正しい事実が書かれた書物を民は目にした。
しかし共存に対して懐疑的な者もまだまだ多い。
魔物と、魔王と、協力体制を築きたい。
「ふむ。そうだな。しかしどうする?私たちが行けば怖がる者も多かろう?」
「魔物に恐怖心を抱かない者を、勇者が育てています。その者たちと魔物を集めて、一つの町を作りましょう」
私とマーツェが保護した孤児たちは問題なく移せる。
それ以外に魔物を恐れる必要はないと教育できた者たちは、生活困窮者が多い。
新たな町に移住すれば仕事にありつける、となれば喜んで生活拠点を移すだろう。
町と外を区切る塀作り。
新しい家の建造。
道の整備。
王が町を作ると言っているのだ。
それらの賃金は王城から出される。
魔王が立って以来、慢性的に流れていた先の見えない不安感も、これで晴れるかもしれない。
そこにいくらかの魔物も移り住み、共同体を作っていく。
共存のための、大きな一歩。
「なるほど。土地の候補は?どれくらいの規模でお考えだ?」
魔王は地図を持ってこさせ、王と詳細を詰めていく。
想定している町の位置。
予想される住民の人数。
どんな仕事を設け、どう支払っていくか。
魔物とはどう関わらせていくか。
ただ同じ土地に住まわせるだけでは効果が半減してしまう。
1つの町を共同で運営することが望ましい。
「魔物、と一口に括っても様々だ。人型を取れる者もいれば、四足歩行の者もいる。何かさせられそうなことはあるだろうか?」
「魔王城ではどのようなことを担当していますか?」
「人の営みとは異なるだろうが、そうだな。食料の確保。仲間の状況調査。以前は人を襲ったりもしていたが…、今は情報収集か。それくらいだ。基本各自自由に過ごしている」
「では、食料調達は全面的に頼りましょう。畑を耕しても、食べられるようになるまで時間がかかります。あとは力仕事を任せられますか?塀や道、家を作るための資材を運んでもらいます」
「わかった。それにふさわしい仲間を選出しよう」
いつから町に移住させるか。
伝達方法に移住方法。
考えられる問題点、
それの対応策。
頭2人が顔を合わせて話しているため、軽快に話を詰めていく。
恐怖による緊張も始めは見られたが、話しているうちに落ち着いたようだ。
人間の何倍とある体躯に、毒々しささえ感じる毛並みを持つ魔王。
そんな恐ろしい見た目だが、きちんと話は通じる。
冷静に、利口に、以外にも温和に、言葉は返ってくる。
その様子を見て兵士も緊張を解いたようだった。
魔物側も王の真摯な態度を見て警戒を緩めている。
良い関係を築けそうである。
詰められるだけ詰めて、魔王は私とマーツェに顔を向けた。
「待たせたな。では、約束通りに呪いを解こう」
椅子から降り、段下にいる私とマーツェの元まで歩いてくる。
ゆっくりとした足取り。
一歩魔王が近づくごとに、心臓が高鳴る気がした。
先ほどまで至極冷静に周りを観察していたというのに。
俄かに緊張が走る。
ようやく。
ようやっと。
解放される。
自分を置いて変わりゆく世界。
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終わりなき地獄。
師匠のいないこの世。
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