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ヘフテとダモンの引っ越し
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ヘフテとダモンが、自分たちの家を持つことになった。
長い間、森に会った元私の根城で共同生活を送っていた。
孤児たちと交流を深め、人間と魔物と、混ざった者たちの共存を進めるために。
現在、共存は半ば達成されたと言っていい状況だった。
魔物が働く姿は国中で見られるようになった。
魔物との関わりを避け、厭う視線を送る者もいるが、その数は少ない。
人間と魔物の血が混ざった者も、国を点在するようになった。
ヌーウェとその周辺に多く集まっているが、その他の町村にも定住している。
既存住民との交流を持てず苦労した地域もあったようだが、現在は穏やかに暮らしている。
人と魔物の共存を一部地域だけでなく、国中に推し進めるため、地道に行動していたヘフテとダモン。
目標はおおよそ達成された。
最近のダモンは面を付けたり外したり、相手によって対応を変えていた。
それも終わりにして、根を張って面無しの生活をしようとなったのだ。
新居へ手っ取り早く引っ越したいと転移を頼まれ、荷物とともに根城から新居へ移動する。
荷物の整理を手伝うとマーツェも来ていた。
「2人が家を持つとはねえ。成長したもんだ。感慨深いよ。ゲルハルトに抱っこせがんだりしてたのにね」
「マーツェおばさんくさ~い!」
「もう成人したからね。マーツェこそもっと落ち着いた生活しなよ」
ヘフテに笑われ、ダモンに言葉で刺されるマーツェ。
思いのほか心にきたようで、胸を押さえて眉をしかめている。
「ゲルハルトとマーツェは家買わないの?今は割とお金持ってるでしょ?」
荷物を家に運び入れながらヘフテが言う。
私とマーツェは長いこと転々としていた。
王の声明が出るまでは同じ宿屋に留まっていた。
しかし声明が出て共存に向けて歩き出してからは、民の様子を調べるために各地を飛び回る日々。
転移で行き来することも可能だが、客として出入りして初めて知れる情報もある。
調査に伴って宿屋も頻繁に変えていた。
現在は孤児たちを保護していた根城に戻っている。
大勢の子を入れるため増築していた根城。
無駄に広い家になってしまった。
掃除が面倒なため、そのうち余分を壊して縮小しようと思っている。
「うん。買うお金はあるけどね。まだいいかな。見て回ってたいんだ。変わってく世の中を」
「私も買う気はないな。根城で十分だ」
そう返答すると、ヘフテが驚きの声を上げた。
「えっ!あそこに住み続けるの?不便じゃない?」
「ゲルハルトは転移できるからね。問題ないんでしょ」
「ああ、そっか。ならどこでも問題ないね。いいな~。ヘフテも転移使いたい」
言いながら、ヘフテとダモンは2人で大きな箱を持ち上げる。
もともと荷物の少ないヘフテとダモン。
それを4人で運んでいるのだ。
もう3箱ほど運べば終わりだった。
「…避けたいからか?」
「何がだ」
「人との関わりを避けたいから?だから根城に留まるのか?」
少し沈んだ調子のマーツェの言葉。
いや、と言いかけて、以前の私ならそうだったなと思う。
それは呪いのせいでもあり、憎しみのせいでもある。
森奥深くの、滅多に人が立ち入らない場所で1人、誰にも会わない生活を選択しただろう。
しかし呪いは解けた。
人とはもう、うんざりするほど関わった後だ。
今更接触を断ったところで、誰かしらが会いに来そうな気がする。
「いいや、違う。単純に落ち着くからだ」
森に囲まれた静けさ。
長年住み続けた親しさ。
それらを捨てて新たな家を探そうという気にはならない。
「そう。そっか。よかった。ゲルハルト柔らかくなったもんね。ちょっと変わった」
残りの荷を抱えて家に入ると、ヘフテとダモンは荷解きを始めていた。
「人と会うのに億劫な顔しない。頼まれごとも割と引き受けるし。今日もね。良いことだと思う。ゲルハルトには人と関わっててほしいと思うよ。私は」
「どうしてだ」
「だって、根が優しいでしょ。ゲルハルト」
「は?」
マーツェは何を言っているのだ。
思ったよりも大きく出た声にヘフテが振り向いた。
マーツェは私の顔を見て笑う。
「ノーラの時から思ってたよ。根は優しい人だって。見ず知らずの私を助けてくれた。見捨てても良かったのにね」
「あれは気まぐれだ」
「そう?心無い人なら見向きもしないよ。ただの背景だ。それに、怒っても暴力に訴えない。警告が挟まるよね。それ以上するとただじゃおかないぞって。引き返す機会をくれる。なんだかんだ優しい。人間を憎んでいても」
「労力を割くのが面倒だっただけだ」
「そうかな。優しさだと思うんだけど。まあいいさ。どっちでも。とにかく、そんなゲルハルトだから、人と関わっていてほしいな。皆に知ってほしい。分かってほしいと、思うよ。私は」
理解できなくて顔がしかむ。
私の評価は一先ず置いておく。
実態はどうであれ、マーツェはそう感じたのだろう。
不本意だがそれはまあいい。
しかし、それを人に知ってほしいとはどういう感情だ。
そうしたとしてマーツェに何の得がある。
「ヘフテも、ゲルハルトは優しいと思うよ」
二の句の出てこない私にヘフテが言う。
「ゲルハルトはねえ、不器用だよね。優しいのに、優しくないって自分では思ってる。人からの好意も苦手だよね。でも、人の気持ちをよく考えてるよ。だから皆、ゲルハルトを慕ってるんだ。エヌケルさんも、官吏たちも、ワイセも、みんな」
「何なんだ一体」
話の流れが、言いたいことが、理解できない。
この間ワイセに叱られたかと思えば、今度はマーツェとヘフテのこの言葉か。
ヘフテの荷解きの手は止まっていた。
「幸せになってほしいの。独りにならないでほしいんだよ」
「そう。そうなんだ。ゲルハルトには幸せになってほしい。押しつけなのはわかってるんだけど。ヘフテもそう思う?」
「うん。ゲルハルトって、自分から幸せを否定してく感じあるもん。ほっとけないよ。長い間お世話になってて、第2の家族みたいなものだしね」
付いて行けない私を置いて、マーツェとヘフテが盛り上がる。
黙々と荷解きをしていたダモンが手を止めて口を開いた。
「大事な人には、幸せでいてほしいんだよ。ゲルハルトにはそれが難しそうだから、周りが手を引かないとでしょ」
「そう!そういうこと。ダモンにも言われてるじゃないか。皆思ってるんだよ。ゲルハルトのことを。ゲルハルトの幸せを」
ヘフテと盛り上がっていたくせに、唐突に話に戻ってきたマーツェ。
途中で言葉が途切れたかと思うと、ふと表情が陰る。
「…難しい?人が憎いゲルハルトには、難しいのか?」
「…ああ、憎いな」
私を殺そうとした奴らのことは、憎い。
思い出せば簡単に点る、怒りの炎。
項垂れるマーツェに向けて言葉を繋げる。
「だが、整理はついた」
恨み憎しみと折り合いをつけ、前へと歩む魔王やマーツェ。
憎しみは消えないと、人間との関わりを拒んだダモンの村。
治癒を施してきた人たち。
情報を聞いてきた人たち。
協力を要請した魔物たち。
様々な人間、魔物、両方の血が混ざった者たちと関わってきた。
「許す日は来ない。私は一生奴らを憎む。だが、人間全てを憎むのは間違っていると、思った」
魔物にも人間にも、良質なものもいれば悪質なものもいる。
恩を忘れて私を殺そうとしてきた奴ら。
私の力を恐れて忌避した奴ら。
化け物だと蔑んできた奴。
魔物被害を私に擦り付けた奴。
詐欺話を持ち掛けてきた奴。
捻り潰してやりたい。
やればよかった。
そんな奴らと嫌になるほど遭遇した。
しかし良くしてくれる者も確かにいたのだ。
食事を分けてくれた者。
肉の捌き方を教えてくれた者。
私の身を案じてくれた者。
私を育ててくれた、人。
その人たちもひっくるめてしまうのは、失礼ではないか。
大きな括りでまとめてしまうのは、傲慢で浅はかではないか。
あの絶望は忘れられない。
憎しみは消せない。
けれど。
「全てを憎むのは間違っているし、全てを愛す必要もないと、そう思えた。…人として、人と関わって、残りを生きていくさ」
“残り”と言えるようになった、喜びを噛みしめて。
「…そう。そっか。そう思えたんだね」
「ああ」
さっさと荷解きを終わらせよう。
止まっていた手を再開させる。
「マーツェ泣いてる~!」
「ヘフテ!うるさいよ!そこは見て見ぬふりだ!見ないふりしてよ!」
手元に落としていた目線を上げると、マーツェの目からは雫が落ちていた。
「…どうして泣くんだ」
「成長したね。ゲルハルト。始めは無視ばっかだったのに。舌打ちも多くて。行方暗ますし。野生動物より気難しい感じだったのに。人と関わろうと、思えるようになったんだね」
「…お前また私を年下扱いしてるな」
「年上なのはわかってるけどさ。下っぽいから。精神的に」
「同感だね。確実にマーツェの方が精神的に大人でしょ」
「ヘフテもそう思う~!」
涙を流しながら笑うマーツェ。
変わらず平静なダモン。
元気よく笑うヘフテ。
ヘフテとダモンの引っ越しは騒がしく終わった。
長い間、森に会った元私の根城で共同生活を送っていた。
孤児たちと交流を深め、人間と魔物と、混ざった者たちの共存を進めるために。
現在、共存は半ば達成されたと言っていい状況だった。
魔物が働く姿は国中で見られるようになった。
魔物との関わりを避け、厭う視線を送る者もいるが、その数は少ない。
人間と魔物の血が混ざった者も、国を点在するようになった。
ヌーウェとその周辺に多く集まっているが、その他の町村にも定住している。
既存住民との交流を持てず苦労した地域もあったようだが、現在は穏やかに暮らしている。
人と魔物の共存を一部地域だけでなく、国中に推し進めるため、地道に行動していたヘフテとダモン。
目標はおおよそ達成された。
最近のダモンは面を付けたり外したり、相手によって対応を変えていた。
それも終わりにして、根を張って面無しの生活をしようとなったのだ。
新居へ手っ取り早く引っ越したいと転移を頼まれ、荷物とともに根城から新居へ移動する。
荷物の整理を手伝うとマーツェも来ていた。
「2人が家を持つとはねえ。成長したもんだ。感慨深いよ。ゲルハルトに抱っこせがんだりしてたのにね」
「マーツェおばさんくさ~い!」
「もう成人したからね。マーツェこそもっと落ち着いた生活しなよ」
ヘフテに笑われ、ダモンに言葉で刺されるマーツェ。
思いのほか心にきたようで、胸を押さえて眉をしかめている。
「ゲルハルトとマーツェは家買わないの?今は割とお金持ってるでしょ?」
荷物を家に運び入れながらヘフテが言う。
私とマーツェは長いこと転々としていた。
王の声明が出るまでは同じ宿屋に留まっていた。
しかし声明が出て共存に向けて歩き出してからは、民の様子を調べるために各地を飛び回る日々。
転移で行き来することも可能だが、客として出入りして初めて知れる情報もある。
調査に伴って宿屋も頻繁に変えていた。
現在は孤児たちを保護していた根城に戻っている。
大勢の子を入れるため増築していた根城。
無駄に広い家になってしまった。
掃除が面倒なため、そのうち余分を壊して縮小しようと思っている。
「うん。買うお金はあるけどね。まだいいかな。見て回ってたいんだ。変わってく世の中を」
「私も買う気はないな。根城で十分だ」
そう返答すると、ヘフテが驚きの声を上げた。
「えっ!あそこに住み続けるの?不便じゃない?」
「ゲルハルトは転移できるからね。問題ないんでしょ」
「ああ、そっか。ならどこでも問題ないね。いいな~。ヘフテも転移使いたい」
言いながら、ヘフテとダモンは2人で大きな箱を持ち上げる。
もともと荷物の少ないヘフテとダモン。
それを4人で運んでいるのだ。
もう3箱ほど運べば終わりだった。
「…避けたいからか?」
「何がだ」
「人との関わりを避けたいから?だから根城に留まるのか?」
少し沈んだ調子のマーツェの言葉。
いや、と言いかけて、以前の私ならそうだったなと思う。
それは呪いのせいでもあり、憎しみのせいでもある。
森奥深くの、滅多に人が立ち入らない場所で1人、誰にも会わない生活を選択しただろう。
しかし呪いは解けた。
人とはもう、うんざりするほど関わった後だ。
今更接触を断ったところで、誰かしらが会いに来そうな気がする。
「いいや、違う。単純に落ち着くからだ」
森に囲まれた静けさ。
長年住み続けた親しさ。
それらを捨てて新たな家を探そうという気にはならない。
「そう。そっか。よかった。ゲルハルト柔らかくなったもんね。ちょっと変わった」
残りの荷を抱えて家に入ると、ヘフテとダモンは荷解きを始めていた。
「人と会うのに億劫な顔しない。頼まれごとも割と引き受けるし。今日もね。良いことだと思う。ゲルハルトには人と関わっててほしいと思うよ。私は」
「どうしてだ」
「だって、根が優しいでしょ。ゲルハルト」
「は?」
マーツェは何を言っているのだ。
思ったよりも大きく出た声にヘフテが振り向いた。
マーツェは私の顔を見て笑う。
「ノーラの時から思ってたよ。根は優しい人だって。見ず知らずの私を助けてくれた。見捨てても良かったのにね」
「あれは気まぐれだ」
「そう?心無い人なら見向きもしないよ。ただの背景だ。それに、怒っても暴力に訴えない。警告が挟まるよね。それ以上するとただじゃおかないぞって。引き返す機会をくれる。なんだかんだ優しい。人間を憎んでいても」
「労力を割くのが面倒だっただけだ」
「そうかな。優しさだと思うんだけど。まあいいさ。どっちでも。とにかく、そんなゲルハルトだから、人と関わっていてほしいな。皆に知ってほしい。分かってほしいと、思うよ。私は」
理解できなくて顔がしかむ。
私の評価は一先ず置いておく。
実態はどうであれ、マーツェはそう感じたのだろう。
不本意だがそれはまあいい。
しかし、それを人に知ってほしいとはどういう感情だ。
そうしたとしてマーツェに何の得がある。
「ヘフテも、ゲルハルトは優しいと思うよ」
二の句の出てこない私にヘフテが言う。
「ゲルハルトはねえ、不器用だよね。優しいのに、優しくないって自分では思ってる。人からの好意も苦手だよね。でも、人の気持ちをよく考えてるよ。だから皆、ゲルハルトを慕ってるんだ。エヌケルさんも、官吏たちも、ワイセも、みんな」
「何なんだ一体」
話の流れが、言いたいことが、理解できない。
この間ワイセに叱られたかと思えば、今度はマーツェとヘフテのこの言葉か。
ヘフテの荷解きの手は止まっていた。
「幸せになってほしいの。独りにならないでほしいんだよ」
「そう。そうなんだ。ゲルハルトには幸せになってほしい。押しつけなのはわかってるんだけど。ヘフテもそう思う?」
「うん。ゲルハルトって、自分から幸せを否定してく感じあるもん。ほっとけないよ。長い間お世話になってて、第2の家族みたいなものだしね」
付いて行けない私を置いて、マーツェとヘフテが盛り上がる。
黙々と荷解きをしていたダモンが手を止めて口を開いた。
「大事な人には、幸せでいてほしいんだよ。ゲルハルトにはそれが難しそうだから、周りが手を引かないとでしょ」
「そう!そういうこと。ダモンにも言われてるじゃないか。皆思ってるんだよ。ゲルハルトのことを。ゲルハルトの幸せを」
ヘフテと盛り上がっていたくせに、唐突に話に戻ってきたマーツェ。
途中で言葉が途切れたかと思うと、ふと表情が陰る。
「…難しい?人が憎いゲルハルトには、難しいのか?」
「…ああ、憎いな」
私を殺そうとした奴らのことは、憎い。
思い出せば簡単に点る、怒りの炎。
項垂れるマーツェに向けて言葉を繋げる。
「だが、整理はついた」
恨み憎しみと折り合いをつけ、前へと歩む魔王やマーツェ。
憎しみは消えないと、人間との関わりを拒んだダモンの村。
治癒を施してきた人たち。
情報を聞いてきた人たち。
協力を要請した魔物たち。
様々な人間、魔物、両方の血が混ざった者たちと関わってきた。
「許す日は来ない。私は一生奴らを憎む。だが、人間全てを憎むのは間違っていると、思った」
魔物にも人間にも、良質なものもいれば悪質なものもいる。
恩を忘れて私を殺そうとしてきた奴ら。
私の力を恐れて忌避した奴ら。
化け物だと蔑んできた奴。
魔物被害を私に擦り付けた奴。
詐欺話を持ち掛けてきた奴。
捻り潰してやりたい。
やればよかった。
そんな奴らと嫌になるほど遭遇した。
しかし良くしてくれる者も確かにいたのだ。
食事を分けてくれた者。
肉の捌き方を教えてくれた者。
私の身を案じてくれた者。
私を育ててくれた、人。
その人たちもひっくるめてしまうのは、失礼ではないか。
大きな括りでまとめてしまうのは、傲慢で浅はかではないか。
あの絶望は忘れられない。
憎しみは消せない。
けれど。
「全てを憎むのは間違っているし、全てを愛す必要もないと、そう思えた。…人として、人と関わって、残りを生きていくさ」
“残り”と言えるようになった、喜びを噛みしめて。
「…そう。そっか。そう思えたんだね」
「ああ」
さっさと荷解きを終わらせよう。
止まっていた手を再開させる。
「マーツェ泣いてる~!」
「ヘフテ!うるさいよ!そこは見て見ぬふりだ!見ないふりしてよ!」
手元に落としていた目線を上げると、マーツェの目からは雫が落ちていた。
「…どうして泣くんだ」
「成長したね。ゲルハルト。始めは無視ばっかだったのに。舌打ちも多くて。行方暗ますし。野生動物より気難しい感じだったのに。人と関わろうと、思えるようになったんだね」
「…お前また私を年下扱いしてるな」
「年上なのはわかってるけどさ。下っぽいから。精神的に」
「同感だね。確実にマーツェの方が精神的に大人でしょ」
「ヘフテもそう思う~!」
涙を流しながら笑うマーツェ。
変わらず平静なダモン。
元気よく笑うヘフテ。
ヘフテとダモンの引っ越しは騒がしく終わった。
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