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第2章
第44話 イスハの公女
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トローザーの外遊の目的は、隣国イスハ王国で、ある令嬢と極秘に見合いをすること。
イスハ王国のメラルダ・サーブリン、年齢は17歳。輝く金と銀の混ざり合った珍しい髪と、ガザリア王族の特徴である水色の瞳を持つ、由緒正しきサーブリン公爵家の美しい令嬢である。
ガザリア国先王の妹姫ミスリミアを祖母に持つメラルダは、トローザーの再従兄妹であり、その出自や家格からも最高の後ろ盾となりうる存在だ。
そしてトローザーが何よりも欲している、ガザリア王族の美しい水色の瞳を持っていた!
初めてメラルダを前にしたトローザーは、心から呟いた。
「なんと美しいご令嬢なのでしょう!夢か幻ではあるまいな」
「第三王子殿下にお気に召していただけましたのなら光栄に存じますわ」
「気に入る?サーブリン公爵令嬢を気に入らない者などこの世にひとりとておりませんでしょう。今日の機会を得ることができた私はなんと果報者なのでしょう。どうか、私のことをトローザーとお呼びくださいませんか」
思わず膝をつき、メラルダの手を取って名を呼ぶよう懇願するほど、一瞬でメラルダの虜になった。
「ではトローザー王子殿下、私のこともメラルダとお呼びくださいませ」
ミスリミアが生前、自分の血族をいずれガザリア王国に嫁がせたいと言った話を聞きつけたキャロラが手を打ち、メラルダは慕っていた祖母の願いを早くも叶えられるならと、ガザリア王族トローザーとの婚約に前向きの姿勢をみせた。それを知ったトローザーは執務をやりくりして急遽外遊の予定を組み入れ、隣国イスハ王国に飛び立ったのだ。
「なんと素晴らしい出逢いなんだ!私は神に感謝する!」
こうしてイスハ王国でトローザーは無事にメラルダと結婚の約束を交わすことができたが、実はもう一つ大きな収穫を得ていた。
珍しいとは聞いていたが、一年以上探しても見つからなかった例の毒物である。
あまりに見つからないので、トローザーも一度は他の毒物を使うことも考えたが、効き始めて結末を迎えるまでに時間がかかることで、毒を飲まされたことが発覚しにくいことが最大の利点だ。
考え直してまた探し始めたところ、イスハ王国への道中に立ち寄った町で、手の者が漸く目的のものを見つけだしたのだった。
「殿下」
「おお、これがそうか!」
「解毒剤も念のために買い取って参りました」
「まあ、使うことはないだろうがな」
そう言うといくつかの、小さな赤と白の油紙の包みを荷物にしまい込ませ、トローザーは微笑みを浮かべたメラルダとの幸せな未来を思い描いた。
イスハ王国のメラルダ・サーブリン、年齢は17歳。輝く金と銀の混ざり合った珍しい髪と、ガザリア王族の特徴である水色の瞳を持つ、由緒正しきサーブリン公爵家の美しい令嬢である。
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そしてトローザーが何よりも欲している、ガザリア王族の美しい水色の瞳を持っていた!
初めてメラルダを前にしたトローザーは、心から呟いた。
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思わず膝をつき、メラルダの手を取って名を呼ぶよう懇願するほど、一瞬でメラルダの虜になった。
「ではトローザー王子殿下、私のこともメラルダとお呼びくださいませ」
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