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第3章
第58話 王も動き始める
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「ゴルディ、部屋に戻る前にベーチェットを呼んでくれ」
王は扉の前にいるだろう侍従長を呼ぶよう王子に頼むと、ゴールダイン王子を退出させた。
「陛下、お呼びとうかがいました」
「ああ。庭番のアラメーをこれに」
「畏まりました」
庭番とは、所謂影の隠語である。
呼ばれたアラメーは王家の影をまとめる男で、トローザーに与えた影たちも元はアラメーの部下なのだ。
「陛下、お呼びとうかがい罷り越しました、アラメーにございます」
「うむ。折り入って聞きたいことがある」
手招きして近寄らせると、小声で切り出した。
「トローザーにつけた三人の影はどうしている?」
「はい、殿下に与えられて以来見かけませんので、潜入でもしているかと」
「動向を把握していないのか?」
「主を持てば必然的に主が最優先となりますから」
「そうか・・・。トローザーの影の動きを調査できるだろうか?」
「はい、もちろんでございます」
「急いで調べてくれ」
アラメーはすぐに探索の計画を立てた。
まずはトローザー王子が何を指示したかを探らねばならない。執務室を不在にしている時に忍び込んで探すも、これと言うものは何処にもなかった。
しかし王が見せてくれたナイジェルス王子からの書状から、手の者を事件現場とソイスト侯爵邸に差し向ける。
するとソイスト侯爵邸に向かった者から、トローザーの影を見つけたと連絡が来た。天井裏で次女を見張っているらしいとのこと。
「ユートリー嬢を害そうとした愚か者を?」
トローザーが影に何をさせたか、王は既に読み解いていた。
罪を問うためには証拠がいる。
故に自分の影に、息子を探らせることとなった。苦渋の決断だが、王族でありながら超えてはならない一線を超えたのはトローザーなのだ。
「なんとなく、こうなる気はしていたのだよ。愚かなくせに野心と自信だけがある。もっと早くに外に出すべきであったな」
王はそばに控えるベーチェットに、語るとも語らないともわからない独り言を溢し、冷たい酒を口に含んだ。
ナイジェルスの事件現場に向かった影も、その翌日に報告に戻ってきた。
「陛下、探しものを見つけました」
「うむご苦労であった」
「はっ、ありがたき幸せ」
ナイジェルスを探していたときは気づかなかったが、探すものを変えたらあっという間に見つけられたのだ。
トローザーの影は、事件現場でトローザーの放った刺客を探していた。川沿いに少しづつ移動してはまた探すをくり返している不審な男。
影は捕縛されても主から与えられた任務を話すことはないので、何かを見つけたらそれを奪い取ることに決めて、辛抱強く離れたところから監視していた。
王は扉の前にいるだろう侍従長を呼ぶよう王子に頼むと、ゴールダイン王子を退出させた。
「陛下、お呼びとうかがいました」
「ああ。庭番のアラメーをこれに」
「畏まりました」
庭番とは、所謂影の隠語である。
呼ばれたアラメーは王家の影をまとめる男で、トローザーに与えた影たちも元はアラメーの部下なのだ。
「陛下、お呼びとうかがい罷り越しました、アラメーにございます」
「うむ。折り入って聞きたいことがある」
手招きして近寄らせると、小声で切り出した。
「トローザーにつけた三人の影はどうしている?」
「はい、殿下に与えられて以来見かけませんので、潜入でもしているかと」
「動向を把握していないのか?」
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「そうか・・・。トローザーの影の動きを調査できるだろうか?」
「はい、もちろんでございます」
「急いで調べてくれ」
アラメーはすぐに探索の計画を立てた。
まずはトローザー王子が何を指示したかを探らねばならない。執務室を不在にしている時に忍び込んで探すも、これと言うものは何処にもなかった。
しかし王が見せてくれたナイジェルス王子からの書状から、手の者を事件現場とソイスト侯爵邸に差し向ける。
するとソイスト侯爵邸に向かった者から、トローザーの影を見つけたと連絡が来た。天井裏で次女を見張っているらしいとのこと。
「ユートリー嬢を害そうとした愚か者を?」
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罪を問うためには証拠がいる。
故に自分の影に、息子を探らせることとなった。苦渋の決断だが、王族でありながら超えてはならない一線を超えたのはトローザーなのだ。
「なんとなく、こうなる気はしていたのだよ。愚かなくせに野心と自信だけがある。もっと早くに外に出すべきであったな」
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影は捕縛されても主から与えられた任務を話すことはないので、何かを見つけたらそれを奪い取ることに決めて、辛抱強く離れたところから監視していた。
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