-絶対復讐ロボ- オルガリオン

聖千選

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第三話「裁ちきる」

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 星にたどり着くと直ちに機体は森のなかに隠した。母星であってもエルの帰還を歓迎する者はいない。
 しかし、どうしたことかこの星に棲息する人々や恐竜たちの姿が見えない。よくみれば山岳地帯の一角が銀色に光っているのがわかる。

 (この星にも蝕んできたか・・・。)

 エルは軽く歯軋りした。

 そんなエルたち一行に投げかける冷ややかな視線があった。

 「お前たち、あの銀の山を討つつもりならやめてもらえないか。」

 老人の声だった。振り返った先に二人の護衛に挟まれた賢者のがいる。エルはその男の姿を覚えていた。かつての戦争でこの地より恐竜部隊を率いて参戦した竜獣団元帥の存在を。賢者のような白いローブと白髭と白髪に覆われているが、そこから覗く黒ゴマのように添えられた瞳は間違えなく自分の星のシアターニュースで目にしたものだ。そしてエルたちの目的を知っていることが一回の人間でない何よりの証拠である。

 エスが老人の居住を尋ねると目指すべき銀の山の前の盆地に集落があった。そこに案内されるが、ひと休みできる宿はない。住むべき建物は打てべ破壊され、人々は瓦礫の中で平穏だった。

 「シーという男を探している。」

 「君たちの同志か。彼は確かにこの地に来ていたが、あの銀の山を討伐に行ったまま戻ってこない。」

 男は再び銀の山を仰ぎ見た。周りの人々もその山を見つめている。人々は笑みを浮かべながら拝む姿勢を見せる。まるでゲノミーに呑まれることを望んでいるかの様だ。

 「わたしはかつての大戦で世界を混乱に招いた。その報いかもしれんな・・・。」

 「ふざけないで下さい。ゲノミーは人のネガティブな思考を狙ってくるんですよ。私たちは行きます!使命を全うするためにね。」

 エスは自分でも思わず激昂して村を飛び出す。エルとアールもそれに続いた。ともかく彼らの向かうべきところは決まっている。

 (星間合体)

 オルガリオンは人々の前に姿を現しそのまま汚染された山に向かった。しかし・・・。

 (山が消えた!?)

 「ゴォォォーーッ。」と地響きとともにゲノミーが山ごと崩れさった。

 向かった先には砂漠と化した大地にはひとつの巨大なる人影が浮かんでいる。それはオルガリオンの持つ三原色の鮮やかさとは異なる白き鎧をまとった兵士のようなロボットであった。すくめるような態勢であったが、顔だけは明らかにエスたちに向けられているのがわかる。

 「ヤツがやったのか?」

 ゲノミーを殲滅したのはその白き機体のようだが、その出でたちはエスたちにとって救世主には見えなかった。その不気味さ は無機質さではないおどろおどろしい悪鬼が充ちていた。

 次の瞬間、白き機体は小柄で軽量な性能を活かして一気にオルガリオンの懐に入りそのまま右手で首を押さえつけた。

 (敵意がある!)

 そう判断したエルは担当する左脚で蹴りあげた。すると、白きロボは鎧を全てパージし、無数のチェーンが絡まって蠢く中身をさらけ出した。チェーンは四方に散らばりゲノミーのようにとらえどころがなく広がっていった。チェーンはエルが蹴りあげた左脚を絡めとり、激しい振動を加えた鎖の触手をガリガリと音をたてて機体を痛めつける。

 (しまった!)

 大気圏内ではプラズマエネルギーを目一杯使うことはできない。チェーンによる摩擦は強力な電流を発生してオルガリオンの自由を奪いその電流を通してコックピットに懐かしい男の声が響いた。

 「オルガリオン・・・我が両親の仇・・・。」

 (シーの声だ!)

 「エス、左足に手を伸ばせ!」

 エルは咄嗟に叫んだ。戸惑いながらも、エスはオルガリオンの腕を左の太腿部にまで持っていくとそのアーマーが開き収納されたナイフが飛び出してくる。
 ナイフを掴んだオルガリオンは自分を縛り付ける鎖を次々と断ち切っていった。

 それはかつて共に戦ってきたシーとの縁を断ち切るかのようだった。
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