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第3話 伴侶候補その2、東郷 楓
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ふぅ。案外長かったな。
ようやくゴゼンのジュギョウとやらが終わった。今は昼の休憩時間だ。
ジュギョウの途中でどれくらいジュギョウをやるのかスミレに聞いてみたところ「午前の授業は3時間続けてだからね。長くて大変だけど頑張ろうね」と言われた。
確かに長いな。それに何を言ってるのかわからん。
まず字が読めない。魔道具で会話は出来るが、文字に関してはさっぱりだ。だがセンセイが喋っている内容と文字を比較することで少しは文字の理解も出来た。
次にスウガク。数字は魔界にも似たようなものが存在するからまだいいが、ケイサン? なんだそれ。生きていく上で必要なのか?
ここは魔法を教育する場所だと聞いていたが、どうやら魔法だけを教えるわけではないらしい。
まぁ速攻で魔界に帰る俺には不要だな。
ということで飯の時間だ。
「リエン君はお昼はどうするの? 私は弁当だけど」
「ベントウ? なんだそれは」
「あ、そうだよね。あんまり馴染みないよね。弁当っていうのはね、これだよ」
そう言ってスミレは小さな箱を取り出した。どうやらこの箱がベントウらしい。
スミレはそのまま蓋を開ける。すると、ベントウの中からは香ばしい匂いが漂ってきた。中に入っているのは、食料か?
「な、なんだこれは? 食料か?」
「ふふふ、うん。食料だよ。こうやって食料を持ち運ぶことを弁当って言うの」
「携帯食料のようなものか。だがこんなに鮮度を保ったまま食料を持ち運べるのか?」
「鮮度っていっても朝からお昼にかけてだからね。それに保冷剤もあるし」
「ホレイザイ? 新種の魔法か?」
「フフフ、魔法じゃないよ。ほら、これ」
今度はベントウが入っていた袋から小さな小袋を取り出すスミレ。それを俺に手渡してきた。
「冷たっ!! なんだこれは!! 氷か!?」
「保冷剤は世界中にあると思ってたけどそうでもないんだね」
「何故ベントウの袋に氷をいれるのだ!?」
「鮮度が落ちないようにするための工夫だよ。食料は温度が高いと腐っちゃうからね」
なに!? そうだったのか!?
衝撃の事実だ! と思ったが、俺は腐っている肉を食っても問題ないのであまり身になる情報ではないな。
「お楽しみのところ悪いがリエン君よぉ、ちょっと面貸せや」
「あなた達……」
「スミレさんは大丈夫ですよ、そのままお昼を食べててくださいね」
「何、飯を食ってないから食堂を案内してやるだけさ。そんな怖い顔するなよスミレ」
何やらスミレと男達が会話している。俺はベントウに夢中なんだ。少し黙っててくれ。これ、うまそうだな……
「おい、お前話聞いてんのか?」
と思ったら三人いるうちの一人の男に胸のあたりを掴まれた。
あれ? 俺に話してたのか?
「シカトしようなんざいい度胸じゃねぇか。おもしれぇ。ここでの礼儀ってやつを教えてやるよ!!」
「逃げんなよ、着いてこい」
勢いよく胸を押され拘束が解かれた。そのまま振り返って立ち去る男達。
なんだったんだ一体……日本語はよくわからんな。
「なぁ、これ食べてもいいか?」
「え? い、いいけど……」
「本当か!? それじゃ、貰うぜ——」
「「「って付いてこいよ!!!」」」
あれ、立ち去った三人組が戻ってきた。
あ、俺も行かなきゃいけなかったのね?? なんだよちゃんと言ってくれよ。
「気をつけてね……リエン君……」
気をつける? 何をだ?
**************
三人組に付いてきた俺はガッコウの外にある庭らしきところに来ていた。
三人組とは対峙している形だ。
「スミレに声をかけていいのはクラス内ランク5位以内までって決まってんだよ」
「わかるか? スミレさんはお前が声をかけていい相手じゃない!」
「しっかりお仕置きしねぇとな」
言葉はよくわからないが、雰囲気でなんとなくわかる。こいつら、やる気だな。
しかしどうしたものか。魔法を使えないのは問題ないにしても、俺は人間を殺してはいけないらしい。
その加減がわからん。半殺しはいいのか? 怪我をさせるのは? 殺さなきゃいいのか?
親父はその辺が適当で、後になって「え? そうなの? 早くいえよ!!」となることが多い。
であれば今は一旦様子見して、最悪気絶でもさせればいいだろう。
だが、一つ問題がある。
「おいおい、こんな昼間から"魔法戦"でもやるのか!?」
「はっは! いいじゃねぇか今年の一年は威勢がよくて!!」
「いいぞぉ~!! お前らやれぇ!!」
建物から近いせいか、多くの人間がこちらを見ている。
だからこっそり処理することも出来ない。何故こんな人目のつくところでやるんだ……
まぁいい。適当に遊んでやるか。
「それじゃ始めるぜ……デュエル!!」
「デュエル!!」
「デュエル!!」
「……」
……
なんだ?
「お前も言えよ!!」
は!? 俺も言うのか? なんかダセェな……
「デ、デュエル……」
『デュエルの宣言を確認しました。これより、魔法戦を開始いたします』
うぉうぉうぉ!?!? なんだこれ!?
周りが魔法の障壁で囲まれていく。空間を区切っているのか?
なるほど、限定的な空間で戦闘を行う訓練のようなものか。面白い。
『デュエル、スタート』
変な声が聞こえる。それと共に三人から魔力を感じる。どうやら始まったようだ。
「消えろ、火炎球!!」
「このコンビネーションに耐えれるかな? 風昇!!」
「逃しはしないぜ!! 土腕!!」
お、土の魔法で足を掴んだか。それに風? こんな風で何をするんだ?
と思ったらそこに火の魔法が注がれると、火の大きさでは考えられない程の勢いで燃え始めた。
へぇ、風と火でこんなことが出来るなんてな。
迫り来る火の風。もちろん俺は避けない。
「なっ!? あいつ直撃だぞ!?」
「相当いい威力なはずだ。生きてるか?」
「わからん、魔法障壁は張っていないようだが……」
建物から叫び声が聞こえる。何を言ってるかわからないが、どうやら盛り上がっているみたいだ。
「はっ、口ほどにもないな」
「このコンビネーションを受けて立ってられる者はいない」
「馬鹿め!! 調子に乗りやがって!!」
三人も何かを言っている。声色から勝ち誇っているのがわかるな。
よし、そろそろ力の差を教えてやろう。
俺に纏わりつく火の風を、腕で振り払う。すると、火の風は元から何も無かったかのように消えた。
「は?」
「え?」
「な……」
「終わりか?」
「うぉぉおぉぉぉおおお!?」
歓声の勢いが増す。なんだというのだ。あの程度どうってことないだろ。
さて、次は何を見せてくれるのかな? もっと見せてくれよ、ニホンの魔法をな。
「そこまでですっ!!」
『風紀権限により、デュエルが中断されました』
あれ? 周りの障壁が消えていく。
そして一人の女が姿を表した。
「風紀委員の東郷 楓です。昼時間のデュエルは校則により禁止されていますが、何をしているのですか?」
「ちっ……風紀委員か……」
「邪魔が入ったな……」
「いやいやすみません、新入生でよくわからなかったもので。以後気をつけます」
「今回は被害がなかったので不問にしますが次はありません。あなたも、いいですね?」
と言いながらこちらを見る女。
「名前、もう一回教えてくれねぇか」
「名前ですか? 東郷 楓ですが」
「トウゴウ カエデか。覚えておく」
「は、はぁ……あなたも今後デュエルをする際は場所とタイミングに気をつけてください。いいですね」
「……」
そう言い残してこの場を去るカエデ。
俺はカエデの容姿が気になって仕方がなかった。
母上に似ている、カエデの容姿が。
ようやくゴゼンのジュギョウとやらが終わった。今は昼の休憩時間だ。
ジュギョウの途中でどれくらいジュギョウをやるのかスミレに聞いてみたところ「午前の授業は3時間続けてだからね。長くて大変だけど頑張ろうね」と言われた。
確かに長いな。それに何を言ってるのかわからん。
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ここは魔法を教育する場所だと聞いていたが、どうやら魔法だけを教えるわけではないらしい。
まぁ速攻で魔界に帰る俺には不要だな。
ということで飯の時間だ。
「リエン君はお昼はどうするの? 私は弁当だけど」
「ベントウ? なんだそれは」
「あ、そうだよね。あんまり馴染みないよね。弁当っていうのはね、これだよ」
そう言ってスミレは小さな箱を取り出した。どうやらこの箱がベントウらしい。
スミレはそのまま蓋を開ける。すると、ベントウの中からは香ばしい匂いが漂ってきた。中に入っているのは、食料か?
「な、なんだこれは? 食料か?」
「ふふふ、うん。食料だよ。こうやって食料を持ち運ぶことを弁当って言うの」
「携帯食料のようなものか。だがこんなに鮮度を保ったまま食料を持ち運べるのか?」
「鮮度っていっても朝からお昼にかけてだからね。それに保冷剤もあるし」
「ホレイザイ? 新種の魔法か?」
「フフフ、魔法じゃないよ。ほら、これ」
今度はベントウが入っていた袋から小さな小袋を取り出すスミレ。それを俺に手渡してきた。
「冷たっ!! なんだこれは!! 氷か!?」
「保冷剤は世界中にあると思ってたけどそうでもないんだね」
「何故ベントウの袋に氷をいれるのだ!?」
「鮮度が落ちないようにするための工夫だよ。食料は温度が高いと腐っちゃうからね」
なに!? そうだったのか!?
衝撃の事実だ! と思ったが、俺は腐っている肉を食っても問題ないのであまり身になる情報ではないな。
「お楽しみのところ悪いがリエン君よぉ、ちょっと面貸せや」
「あなた達……」
「スミレさんは大丈夫ですよ、そのままお昼を食べててくださいね」
「何、飯を食ってないから食堂を案内してやるだけさ。そんな怖い顔するなよスミレ」
何やらスミレと男達が会話している。俺はベントウに夢中なんだ。少し黙っててくれ。これ、うまそうだな……
「おい、お前話聞いてんのか?」
と思ったら三人いるうちの一人の男に胸のあたりを掴まれた。
あれ? 俺に話してたのか?
「シカトしようなんざいい度胸じゃねぇか。おもしれぇ。ここでの礼儀ってやつを教えてやるよ!!」
「逃げんなよ、着いてこい」
勢いよく胸を押され拘束が解かれた。そのまま振り返って立ち去る男達。
なんだったんだ一体……日本語はよくわからんな。
「なぁ、これ食べてもいいか?」
「え? い、いいけど……」
「本当か!? それじゃ、貰うぜ——」
「「「って付いてこいよ!!!」」」
あれ、立ち去った三人組が戻ってきた。
あ、俺も行かなきゃいけなかったのね?? なんだよちゃんと言ってくれよ。
「気をつけてね……リエン君……」
気をつける? 何をだ?
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三人組に付いてきた俺はガッコウの外にある庭らしきところに来ていた。
三人組とは対峙している形だ。
「スミレに声をかけていいのはクラス内ランク5位以内までって決まってんだよ」
「わかるか? スミレさんはお前が声をかけていい相手じゃない!」
「しっかりお仕置きしねぇとな」
言葉はよくわからないが、雰囲気でなんとなくわかる。こいつら、やる気だな。
しかしどうしたものか。魔法を使えないのは問題ないにしても、俺は人間を殺してはいけないらしい。
その加減がわからん。半殺しはいいのか? 怪我をさせるのは? 殺さなきゃいいのか?
親父はその辺が適当で、後になって「え? そうなの? 早くいえよ!!」となることが多い。
であれば今は一旦様子見して、最悪気絶でもさせればいいだろう。
だが、一つ問題がある。
「おいおい、こんな昼間から"魔法戦"でもやるのか!?」
「はっは! いいじゃねぇか今年の一年は威勢がよくて!!」
「いいぞぉ~!! お前らやれぇ!!」
建物から近いせいか、多くの人間がこちらを見ている。
だからこっそり処理することも出来ない。何故こんな人目のつくところでやるんだ……
まぁいい。適当に遊んでやるか。
「それじゃ始めるぜ……デュエル!!」
「デュエル!!」
「デュエル!!」
「……」
……
なんだ?
「お前も言えよ!!」
は!? 俺も言うのか? なんかダセェな……
「デ、デュエル……」
『デュエルの宣言を確認しました。これより、魔法戦を開始いたします』
うぉうぉうぉ!?!? なんだこれ!?
周りが魔法の障壁で囲まれていく。空間を区切っているのか?
なるほど、限定的な空間で戦闘を行う訓練のようなものか。面白い。
『デュエル、スタート』
変な声が聞こえる。それと共に三人から魔力を感じる。どうやら始まったようだ。
「消えろ、火炎球!!」
「このコンビネーションに耐えれるかな? 風昇!!」
「逃しはしないぜ!! 土腕!!」
お、土の魔法で足を掴んだか。それに風? こんな風で何をするんだ?
と思ったらそこに火の魔法が注がれると、火の大きさでは考えられない程の勢いで燃え始めた。
へぇ、風と火でこんなことが出来るなんてな。
迫り来る火の風。もちろん俺は避けない。
「なっ!? あいつ直撃だぞ!?」
「相当いい威力なはずだ。生きてるか?」
「わからん、魔法障壁は張っていないようだが……」
建物から叫び声が聞こえる。何を言ってるかわからないが、どうやら盛り上がっているみたいだ。
「はっ、口ほどにもないな」
「このコンビネーションを受けて立ってられる者はいない」
「馬鹿め!! 調子に乗りやがって!!」
三人も何かを言っている。声色から勝ち誇っているのがわかるな。
よし、そろそろ力の差を教えてやろう。
俺に纏わりつく火の風を、腕で振り払う。すると、火の風は元から何も無かったかのように消えた。
「は?」
「え?」
「な……」
「終わりか?」
「うぉぉおぉぉぉおおお!?」
歓声の勢いが増す。なんだというのだ。あの程度どうってことないだろ。
さて、次は何を見せてくれるのかな? もっと見せてくれよ、ニホンの魔法をな。
「そこまでですっ!!」
『風紀権限により、デュエルが中断されました』
あれ? 周りの障壁が消えていく。
そして一人の女が姿を表した。
「風紀委員の東郷 楓です。昼時間のデュエルは校則により禁止されていますが、何をしているのですか?」
「ちっ……風紀委員か……」
「邪魔が入ったな……」
「いやいやすみません、新入生でよくわからなかったもので。以後気をつけます」
「今回は被害がなかったので不問にしますが次はありません。あなたも、いいですね?」
と言いながらこちらを見る女。
「名前、もう一回教えてくれねぇか」
「名前ですか? 東郷 楓ですが」
「トウゴウ カエデか。覚えておく」
「は、はぁ……あなたも今後デュエルをする際は場所とタイミングに気をつけてください。いいですね」
「……」
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母上に似ている、カエデの容姿が。
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