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第5話 伴侶候補との決戦
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「戻ってこないと思ったらそういうことだったんだね。私も気が回らなくてごめんね」
「いや、俺の不注意だった。まさかこの建物がここまで複雑な構造をしているとはな」
ニホンの建物は基本的に通路が狭いし入り組みすぎだ。といってもまだこのガッコウくらいにしか訪れたことはないが。
「でも見つかってよかった。午後の授業も始まってるから急ご! 午後は魔法の訓練だよ!」
ほう、ゴゴとやらはついにこのニホンの魔法が見れるのか。
ゴゼンはよくわからん話で飽き飽きしていたからな。魔法であれば俺の専門だ。
先程見た星術のように、面白いものが見れるのを期待しよう。
そう思いながらスミレの後を付いていく。今日は誰かの後ろを付いていってばかりだな。
スミレは階段を降って訪れたことがない場所へと向かっていく。どうやら魔法の訓練はキョウシツではない場所で行うようだ。
しばらく歩いていくと、先程までいた建物とは別の建物に辿り着いた。
「ここが訓練場だよ」
そういってスミレが建物のドアを開く。
まず目に入ったのは、広い空間と上部に浮かぶ謎の板だ。そこには、何かの光景が映し出されている。
「あれはなんだ??」
板を見えるのは戦闘の光景のようだった。
「あれはモニターだけど……モニターも知らないの??」
「知らんな。初めて見たぞ」
「へぇ……リエン君ってどの国から来たの?」
「魔国だが?」
「マコク?? ごめん知らないや」
まぁ知らないのも無理はないだろう。違う世界だし。というか俺が別の世界から来たことは伏せておいた方がいいのか? まぁ自分からわざわざ言うほどの話でもないか。
「あれは興味深いな」
「たぶん今訓練場内で行われている訓練が映し出されてるんだよ。リアルタイムでね」
「りあるたいむ? なるほど」
よくわからん。だがニュアンス的には今の戦闘が見れるという意味なのだろう。
千里眼の魔法に近いか。あれは距離に関係なく起きていることを見ることが出来る魔法だからな。その光景を映し出すとは。本当に興味深いものばかりだ。
「何という魔法なのだ? 千里眼か?」
「千里眼? そんな便利な魔法無いよ。あれは科学の力って言えばいいのかな?」
カガク? また知らない言葉だ。魔法とは違う何かか?
本当に面白いところだな。今までは魔国のことしか知らなかったが、こうして外に出てみると自分がどれだけ狭い世界で生きていたのかを実感した。
まさか親父はこれを狙っていたのか? だったら先に言えばいいものを……
少し伴侶を探す以外にも楽しみが出来たな。
「とりあえず早く向かお。もう授業も始まってるしね」
そう言って再び歩き出すスミレ。いよいよ魔法の訓練か。
脇の通路を抜けてさらに扉を開く。すると、そこは闘技場のような構造の開けた空間だった。
そこではキョウシツで一緒にジュギョウをしていた面々が魔法で戦闘訓練を行なっている。
うむ。少しみたところでは目ぼしい魔法は見当たらないな。魔法は期待外れか?
「やっと来たかリエン。西園、雑用をさせて悪かったな」
「いえ、編入したての生徒のフォローも生徒会のお仕事ですから」
「そう言ってもらえると助かる。お前はどこにいってたんだ?」
「迷った」
「はぁ……まぁ編入初日だから仕方ないが、今後校内を出歩く時は覚えるまで西園に付いて来て貰え。今回は不問にするが次はないぞ」
「すまない。それで、魔法の訓練は何をするのだ? センセイよ」
「ったく調子のいい奴だな。見ての通り、今日は戦闘訓練だ。リエンも魔法は使えるだろ?」
「使え……使えない」
「は?」
「え? そうなの? 魔法には詳しそうだったけど……」
「いや、正確には使える。だが使えない理由があるのだ」
「とはいってもここは魔法を学ぶ場所だぞ? 魔法が使えないは通らないんだがな」
ふむ。確かにいう通りではある。だが使えないものは使えないのだ。
使うなと言われているのだから。
そうだ、いいことを思いついた。
「わかった。魔法を使うべきときが来たら使おう。俺は相当強い。恐らくここにいる誰が相手でも魔法など使わずに勝てるだろう」
その時、空間内の空気が一変する。
「へぇ……面白いじゃねぇか」
「先生、俺にやらせてくださいよ」
「魔法を使わせてみろってか? 舐めるのも大概にしろよ編入生!!」
おぉ、煽るつもりはなかったが結果的にはそうなってしまったか。だが、この程度の煽りで火がつくとはまだまだだな。
「ほう、俺を楽しませてくれるのか?」
「待って」
こうなってしまった以上、もう少し煽って全力を出させようと画策していたときにスミレが声を上げる。
「私が相手になるよ、リエン君」
「ふっ。手加減は不要だぞ、スミレ」
「うん。胸を借りるつもりで、全力でやらせて貰うよ」
伴侶候補との決戦か。悪いが優しくはしてやれんぞ。
「いや、俺の不注意だった。まさかこの建物がここまで複雑な構造をしているとはな」
ニホンの建物は基本的に通路が狭いし入り組みすぎだ。といってもまだこのガッコウくらいにしか訪れたことはないが。
「でも見つかってよかった。午後の授業も始まってるから急ご! 午後は魔法の訓練だよ!」
ほう、ゴゴとやらはついにこのニホンの魔法が見れるのか。
ゴゼンはよくわからん話で飽き飽きしていたからな。魔法であれば俺の専門だ。
先程見た星術のように、面白いものが見れるのを期待しよう。
そう思いながらスミレの後を付いていく。今日は誰かの後ろを付いていってばかりだな。
スミレは階段を降って訪れたことがない場所へと向かっていく。どうやら魔法の訓練はキョウシツではない場所で行うようだ。
しばらく歩いていくと、先程までいた建物とは別の建物に辿り着いた。
「ここが訓練場だよ」
そういってスミレが建物のドアを開く。
まず目に入ったのは、広い空間と上部に浮かぶ謎の板だ。そこには、何かの光景が映し出されている。
「あれはなんだ??」
板を見えるのは戦闘の光景のようだった。
「あれはモニターだけど……モニターも知らないの??」
「知らんな。初めて見たぞ」
「へぇ……リエン君ってどの国から来たの?」
「魔国だが?」
「マコク?? ごめん知らないや」
まぁ知らないのも無理はないだろう。違う世界だし。というか俺が別の世界から来たことは伏せておいた方がいいのか? まぁ自分からわざわざ言うほどの話でもないか。
「あれは興味深いな」
「たぶん今訓練場内で行われている訓練が映し出されてるんだよ。リアルタイムでね」
「りあるたいむ? なるほど」
よくわからん。だがニュアンス的には今の戦闘が見れるという意味なのだろう。
千里眼の魔法に近いか。あれは距離に関係なく起きていることを見ることが出来る魔法だからな。その光景を映し出すとは。本当に興味深いものばかりだ。
「何という魔法なのだ? 千里眼か?」
「千里眼? そんな便利な魔法無いよ。あれは科学の力って言えばいいのかな?」
カガク? また知らない言葉だ。魔法とは違う何かか?
本当に面白いところだな。今までは魔国のことしか知らなかったが、こうして外に出てみると自分がどれだけ狭い世界で生きていたのかを実感した。
まさか親父はこれを狙っていたのか? だったら先に言えばいいものを……
少し伴侶を探す以外にも楽しみが出来たな。
「とりあえず早く向かお。もう授業も始まってるしね」
そう言って再び歩き出すスミレ。いよいよ魔法の訓練か。
脇の通路を抜けてさらに扉を開く。すると、そこは闘技場のような構造の開けた空間だった。
そこではキョウシツで一緒にジュギョウをしていた面々が魔法で戦闘訓練を行なっている。
うむ。少しみたところでは目ぼしい魔法は見当たらないな。魔法は期待外れか?
「やっと来たかリエン。西園、雑用をさせて悪かったな」
「いえ、編入したての生徒のフォローも生徒会のお仕事ですから」
「そう言ってもらえると助かる。お前はどこにいってたんだ?」
「迷った」
「はぁ……まぁ編入初日だから仕方ないが、今後校内を出歩く時は覚えるまで西園に付いて来て貰え。今回は不問にするが次はないぞ」
「すまない。それで、魔法の訓練は何をするのだ? センセイよ」
「ったく調子のいい奴だな。見ての通り、今日は戦闘訓練だ。リエンも魔法は使えるだろ?」
「使え……使えない」
「は?」
「え? そうなの? 魔法には詳しそうだったけど……」
「いや、正確には使える。だが使えない理由があるのだ」
「とはいってもここは魔法を学ぶ場所だぞ? 魔法が使えないは通らないんだがな」
ふむ。確かにいう通りではある。だが使えないものは使えないのだ。
使うなと言われているのだから。
そうだ、いいことを思いついた。
「わかった。魔法を使うべきときが来たら使おう。俺は相当強い。恐らくここにいる誰が相手でも魔法など使わずに勝てるだろう」
その時、空間内の空気が一変する。
「へぇ……面白いじゃねぇか」
「先生、俺にやらせてくださいよ」
「魔法を使わせてみろってか? 舐めるのも大概にしろよ編入生!!」
おぉ、煽るつもりはなかったが結果的にはそうなってしまったか。だが、この程度の煽りで火がつくとはまだまだだな。
「ほう、俺を楽しませてくれるのか?」
「待って」
こうなってしまった以上、もう少し煽って全力を出させようと画策していたときにスミレが声を上げる。
「私が相手になるよ、リエン君」
「ふっ。手加減は不要だぞ、スミレ」
「うん。胸を借りるつもりで、全力でやらせて貰うよ」
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