10 / 16
第10話 バトルロワイヤル
しおりを挟む
「よし、それじゃ午後の合同訓練を行う! 今回は1-Aと1-Bの合同訓練だ。既にフルパデュエルは経験しているが新入りがいるからもう一度説明するぞ」
ゴゼンのジュギョウの内容は相変わらず何を言っているのかわからなかった。おかしい。昨日にほんごを学んできたというのに。
ひらがなは覚えたがどうやらニホンではカンジといわれる文字も使っているらしい。ややこしいな。
「各チームは3つのフルパデュエルステージに分かれてもらう。今回はそれぞれのステージに9チームでフルパデュエルを行って貰うぞ。ここまではいいな、リエン」
ん? あぁ。新入りとは俺のことか。
「大丈夫だ」
「よし。戦闘形式は通常のバトルロワイヤルだ。9チームで最後まで一人でも残存していたチームの勝利。フルパデュエルのルールに則りHPを設定してある。全ての攻撃はHPへのダメージへ変換され、HPが無くなると戦闘不能となる仕組みだ」
なるほど。全くわからん。
「あとはチームメイトに聞いてくれ。それでは角ステージへの振り分けを発表する。フルパデュエルステージAには1-AからA班、C班、E班——」
「ソウタロウ、よくわからなかった」
「ん? あぁフルパデュエルのルールか。まぁ一緒にやりながら教えていくから今は深く考えなくて良いぞ」
「そうだね。僕も初めてのときは難しくてわからなかったよ」
そうか。まぁ俺としてもあれこれ説明されるより体で覚えた方が早いから助かる。
**************
「はい、それじゃステージCの班は集合して」
センセイの話があった後、俺とソウタロウとサクはステージシーという建物に移動して来た。
今は周りに俺たちを含めて27人いる。こいつらと競うのか。
その中に一人、見覚えのある女がいる。
トウゴウカエデだ。
母上の面影がある女。彼女の顔から目が離せないでいた。
「リエン、どうした? 楓さんが気になるのか?」
「知っているのかソウタロウ」
「そりゃもちろん。有名人だからな」
「ユウメイジン?」
「有名人はね、ん~と、みんな知っている人って意味だよ!」
なるほど。サクは説明が上手いな。
「何故ユウメイジンなんだ?」
「そりゃ……楓さんがこの学年で一番最強だからだよ」
ほう……スミレよりも強いのか。
「楓さんとフルパデュエルでやるなんてなぁ……俺ら不運だぜ」
「でもリエン君はスミレさんの攻撃を受け切ったよね!」
「サクちゃん、フルパデュエルはHP管理だよ……」
「ちゃんはやめてよ! ってそっか……」
ん? 二人が落ち込んでいる。それほど楓が怖いのか?
「何をそんなに気落ちしているんだ?」
「リエンが打たれ強くても楓さんには敵わないってことを嘆いていたのさ」
「何故?」
「HP管理ってのはね、攻撃の威力を数値化してHPを削っていくから打たれ強さは関係ないんだよね。だからリエン君がいくら打たれ強くてもHPが0になったら戦闘不能になっちゃうんだ」
なるほど。よくわからないが、攻撃を受けなければ良いということだな?
「であれば問題ない。魔法を受けてみたい気持ちはあるが今回は避ければいいのだな」
「受けたいって……マゾかよ……」
「マゾ?」
「知らなくていいよリエン君……」
「お前ら楓さんとやる気か?」
三人で話をしているとき、見知った三人組に声を掛けられる。
昨日俺にデュエルを申し込んできた三人だ。
「まさかそんなわけねぇよな? あまり者の弱小二人に硬いだけが取り柄の外人一人。しかも今回のフルパデュエルに硬さは関係ねぇ!」
「それで楓さんと接敵するまで生き残れると思ってんのか? 脳内お花畑だな!」
「せいぜい最初に倒されないように尻尾巻いて逃げ続けるんだな!」
何を言っているのかはいまいちわからん。だがこちらを蔑んでいるのはわかる。
三人は言いたいことを言ってどこかへ歩いていった。
「っち。なんだあいつら」
「まぁまぁ仕方ないよ……実際楓さんと戦うまで生き残れるかはわからないし……」
「リエンがいればなんとかなるよな! な!?」
なんとかなるか。
曖昧な言葉だ。
俺は魔王子として生まれてそれなりの修羅場を潜って来た。大半は……クソ親父のせいだけどな。その中にはどうにもならないと思われる瞬間ももちろんあった。
それでも俺はなんとかして来た。
なんとかしなければ……死ぬからだ。
自分の命が懸かっているのに、なんとかなるで行動なんて絶対にしない。
全てをなんとかするくらいの気概がなければ、生きていけない。
そういう世界で俺は生き抜いて来た。
であればここで答えるべき答えは——
「"かんたん"だな」
昨日覚えたにほんごがここで役に立つとはな。
ゴゼンのジュギョウの内容は相変わらず何を言っているのかわからなかった。おかしい。昨日にほんごを学んできたというのに。
ひらがなは覚えたがどうやらニホンではカンジといわれる文字も使っているらしい。ややこしいな。
「各チームは3つのフルパデュエルステージに分かれてもらう。今回はそれぞれのステージに9チームでフルパデュエルを行って貰うぞ。ここまではいいな、リエン」
ん? あぁ。新入りとは俺のことか。
「大丈夫だ」
「よし。戦闘形式は通常のバトルロワイヤルだ。9チームで最後まで一人でも残存していたチームの勝利。フルパデュエルのルールに則りHPを設定してある。全ての攻撃はHPへのダメージへ変換され、HPが無くなると戦闘不能となる仕組みだ」
なるほど。全くわからん。
「あとはチームメイトに聞いてくれ。それでは角ステージへの振り分けを発表する。フルパデュエルステージAには1-AからA班、C班、E班——」
「ソウタロウ、よくわからなかった」
「ん? あぁフルパデュエルのルールか。まぁ一緒にやりながら教えていくから今は深く考えなくて良いぞ」
「そうだね。僕も初めてのときは難しくてわからなかったよ」
そうか。まぁ俺としてもあれこれ説明されるより体で覚えた方が早いから助かる。
**************
「はい、それじゃステージCの班は集合して」
センセイの話があった後、俺とソウタロウとサクはステージシーという建物に移動して来た。
今は周りに俺たちを含めて27人いる。こいつらと競うのか。
その中に一人、見覚えのある女がいる。
トウゴウカエデだ。
母上の面影がある女。彼女の顔から目が離せないでいた。
「リエン、どうした? 楓さんが気になるのか?」
「知っているのかソウタロウ」
「そりゃもちろん。有名人だからな」
「ユウメイジン?」
「有名人はね、ん~と、みんな知っている人って意味だよ!」
なるほど。サクは説明が上手いな。
「何故ユウメイジンなんだ?」
「そりゃ……楓さんがこの学年で一番最強だからだよ」
ほう……スミレよりも強いのか。
「楓さんとフルパデュエルでやるなんてなぁ……俺ら不運だぜ」
「でもリエン君はスミレさんの攻撃を受け切ったよね!」
「サクちゃん、フルパデュエルはHP管理だよ……」
「ちゃんはやめてよ! ってそっか……」
ん? 二人が落ち込んでいる。それほど楓が怖いのか?
「何をそんなに気落ちしているんだ?」
「リエンが打たれ強くても楓さんには敵わないってことを嘆いていたのさ」
「何故?」
「HP管理ってのはね、攻撃の威力を数値化してHPを削っていくから打たれ強さは関係ないんだよね。だからリエン君がいくら打たれ強くてもHPが0になったら戦闘不能になっちゃうんだ」
なるほど。よくわからないが、攻撃を受けなければ良いということだな?
「であれば問題ない。魔法を受けてみたい気持ちはあるが今回は避ければいいのだな」
「受けたいって……マゾかよ……」
「マゾ?」
「知らなくていいよリエン君……」
「お前ら楓さんとやる気か?」
三人で話をしているとき、見知った三人組に声を掛けられる。
昨日俺にデュエルを申し込んできた三人だ。
「まさかそんなわけねぇよな? あまり者の弱小二人に硬いだけが取り柄の外人一人。しかも今回のフルパデュエルに硬さは関係ねぇ!」
「それで楓さんと接敵するまで生き残れると思ってんのか? 脳内お花畑だな!」
「せいぜい最初に倒されないように尻尾巻いて逃げ続けるんだな!」
何を言っているのかはいまいちわからん。だがこちらを蔑んでいるのはわかる。
三人は言いたいことを言ってどこかへ歩いていった。
「っち。なんだあいつら」
「まぁまぁ仕方ないよ……実際楓さんと戦うまで生き残れるかはわからないし……」
「リエンがいればなんとかなるよな! な!?」
なんとかなるか。
曖昧な言葉だ。
俺は魔王子として生まれてそれなりの修羅場を潜って来た。大半は……クソ親父のせいだけどな。その中にはどうにもならないと思われる瞬間ももちろんあった。
それでも俺はなんとかして来た。
なんとかしなければ……死ぬからだ。
自分の命が懸かっているのに、なんとかなるで行動なんて絶対にしない。
全てをなんとかするくらいの気概がなければ、生きていけない。
そういう世界で俺は生き抜いて来た。
であればここで答えるべき答えは——
「"かんたん"だな」
昨日覚えたにほんごがここで役に立つとはな。
0
あなたにおすすめの小説
『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!
たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。
新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。
※※※※※
1億年の試練。
そして、神をもしのぐ力。
それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。
すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。
だが、もはや生きることに飽きていた。
『違う選択肢もあるぞ?』
創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、
その“策略”にまんまと引っかかる。
――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。
確かに神は嘘をついていない。
けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!!
そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、
神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。
記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。
それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。
だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。
くどいようだが、俺の望みはスローライフ。
……のはずだったのに。
呪いのような“女難の相”が炸裂し、
気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。
どうしてこうなった!?
異世界転生した女子高校生は辺境伯令嬢になりましたが
初
ファンタジー
車に轢かれそうだった少女を庇って死んだ女性主人公、優華は異世界の辺境伯の三女、ミュカナとして転生する。ミュカナはこのスキルや魔法、剣のありふれた異世界で多くの仲間と出会う。そんなミュカナの異世界生活はどうなるのか。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
出来損ない貴族の三男は、謎スキル【サブスク】で世界最強へと成り上がる〜今日も僕は、無能を演じながら能力を徴収する〜
シマセイ
ファンタジー
実力至上主義の貴族家に転生したものの、何の才能も持たない三男のルキウスは、「出来損ない」として優秀な兄たちから虐げられる日々を送っていた。
起死回生を願った五歳の「スキルの儀」で彼が授かったのは、【サブスクリプション】という誰も聞いたことのない謎のスキル。
その結果、彼の立場はさらに悪化。完全な「クズ」の烙印を押され、家族から存在しない者として扱われるようになってしまう。
絶望の淵で彼に寄り添うのは、心優しき専属メイドただ一人。
役立たずと蔑まれたこの謎のスキルが、やがて少年の運命を、そして世界を静かに揺るがしていくことを、まだ誰も知らない。
家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~
北条新九郎
ファンタジー
三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。
父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。
ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。
彼の職業は………………ただの門番である。
そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。
二月から週二回更新になります。お気に入り・感想、宜しくお願いします。
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。
不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。
14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。
異世界に転生した俺は英雄の身体強化魔法を使って無双する。~無詠唱の身体強化魔法と無詠唱のマジックドレインは異世界最強~
北条氏成
ファンタジー
宮本 英二(みやもと えいじ)高校生3年生。
実家は江戸時代から続く剣道の道場をしている。そこの次男に生まれ、優秀な兄に道場の跡取りを任せて英二は剣術、槍術、柔道、空手など様々な武道をやってきた。
そんなある日、トラックに轢かれて死んだ英二は異世界へと転生させられる。
グランベルン王国のエイデル公爵の長男として生まれた英二はリオン・エイデルとして生きる事に・・・
しかし、リオンは貴族でありながらまさかの魔力が200しかなかった。貴族であれば魔力が1000はあるのが普通の世界でリオンは初期魔法すら使えないレベル。だが、リオンには神話で邪悪なドラゴンを倒した魔剣士リュウジと同じ身体強化魔法を持っていたのだ。
これは魔法が殆ど使えない代わりに、最強の英雄の魔法である身体強化魔法を使いながら無双する物語りである。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる