魔法世界の綺沙羅

みちづきシモン

文字の大きさ
上 下
13 / 32
綺沙羅続き(仮)

13。魔力学とは

しおりを挟む
 お昼の後、午後は2時間魔力学の時間だった。真那先生が入ってくる。相変わらず水着に日焼け肌である。
「おっおっおっ、やっと私の出番だお」
 独特の笑い方で教壇に立つ真那は、黒板に魔力学と書いた。
「皆は何故魔力が生まれるか知ってるお?」
「ふん、心臓に神様から分け与えられた魔力回路が埋められてるからだろ?」
 陸也の答えに綺沙羅が続いた。
「ここでいう神様は神羅様のことなんですか?」
「正解正解大正解だお! チョベリグー!」
「神羅様は世界中の人々に魔力回路を埋め込み回ったんですか?」
「それは歴史で学ぶお。ここでは、魔力を増やす方法を教えるお。その前に、皆は何故魔力を増やしたいお?」
「そりゃ強力な魔法を使うためだろ?先生だってもっと強くなりたいと思うじゃん?」
「僕は、守る強さが欲しい。そのために、強くなりたいんだ」
「おっおっおっ、いい事だお。でも強力な魔法を使うことだけが強くなることではないお」
「けっ、何言ってやがる!こっちは強力な魔法を身につけたくて魔力学とやらを学ぼうとしてんのによ!」
「ならこれを避けれるお?」
 真那は、陸也に向けて水鉄砲を放った。それも……とてつもなく威力の高い水鉄砲を。後ろの壁にはズドンと大きな穴が空いた。
「これでも威力落としてるお」
「な、なんだよ!今の魔法!」
「ただの水礫だお」
「それがあんな威力出すのか?すげぇな先生!」
「先生何者?あれなら阿沼の時居てくれたら簡単に倒せたんじゃ……」
「その時あたいこの国にいなくて対応できなかったんだおー」
「とにかく魔力学を学べば先生みたいになれるのかな?」
「なれないお」
 五人はずっこけた。立ち上がった五人は、抗議する。
「じゃあ何のための魔力学だ!」
「そもそも魔力学ってなんですか!聞いたことないし!」
「あたいが考えた学問だお」
「お前が考えたのかよ!」
「あたいのようになるのは難しいのは言えるお。あたいは特別だから、おっおっおっ」
「真那先生は、もしかして……」
「おっと綺沙羅ちゃん、それ以上は駄目だお。あたいの正体はトップシークレットだお」
「まぁ、それはええやん。それよかこの学問選んでホンマに良かったんか言うことやろ?」
「魔力が上がるのは間違いないお」
「ふん、それを聞けりゃ満足だ。とっとと始めようぜ」
 真那は、人差し指を立てて一を示した。
「まずはこれをやってもらうお」
そう言うと真那の人差し指の先が光り出す。
「これは純粋な魔力の放出だお。属性を乗せない魔力のみの放出。呪文も唱えないお。これができないと話にならないお」
 五人はどうやってやるのか真那に聞く。真那は、ふふふと笑って言った。
「ぐーっと心臓から魔力をお腹に集めて、にょーんってお腹から魔力を上げていってビッと指に魔力を出すとできるお」
 そこで陸也と優と来夢がこけた。
「おいおい、なんだよそりゃ!」
「その説明じゃ分かりづらいよ」
「もうちょい理論的に言うてくれへん?先生」
 だが、番樹はむむむと唸り指を光らせた。
「こうか?!」
「嘘でしょ、番樹今の説明でわかったの?」
「ふっ、俺が優に勝つ日が来るとはな」
「うっ、悔しいなー!」
 綺沙羅は、
(ワタシに変わって綺沙羅)
 炎羅に主導権を変わり、魔力を指に集中させた。
「あー、駄目だお。炎羅ちゃんが出来るのは当然だお。綺沙羅ちゃんでも出来るようにならないと駄目だお」
「ワタシのこと分かるの?」
「話は少しだけ聞いてるお。愛羅ちゃんの魂を受け継いだことも。とにかく綺沙羅ちゃんに変わるお」
「わかりました」
「綺沙羅ちゃんも加えてあと四人には、この授業中にマスターしてもらうお。番樹ちゃんはコツを教えてあげるお」
「けっ、番樹に教えてもらう必要はねぇ!オレはオレでやる!」
「ウチは先生にもうちょい教えてもらおー」
「僕は綺沙羅と一緒に番樹に教えてもらおう。いいよね?番樹、綺沙羅」
 それぞれが、切磋琢磨し、全員が指を魔力で光らせることに成功した。
「次の教えに移りたいところだけど、もう時間だお」
「クソがっ!結局指光らすだけで終わったじゃねぇか!」
「焦るのは良くないお。皆まだ若いんだから、じっくりやるお。心配しなくても皆強くなるお、あたいは確信してるお」
「真那先生!ありがとうございました!」
「綺沙羅ちゃんは居残りだお」
「え?」
「なんだ?綺沙羅だけか?俺たちは?」
「内緒話だお」
「僕らは聞いちゃいけないんですか?」
「そういうことだお」
 なんだなんだと言いながらも仕方なく帰る綺沙羅以外のメンバー。
しおりを挟む
1 / 4

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

詩「静寂の体の中にある、」

現代文学 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

青春短編集③

青春 / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

【創作BL/SF】ボトルが落ちたその先で

BL / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

夢主、推しグループのメンバーになる。

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:0

人切り以蔵。バトルブラッド

ライト文芸 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

呪法奇伝Trash~森部高校のろい奇譚~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

某カードゲームの転売と潜んできそうな闇バイト

エッセイ・ノンフィクション / 連載中 24h.ポイント:0pt お気に入り:0

処理中です...