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複雑な気持ち
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窓から射す西日が強くなってきた頃、仕事も片付きベットの将吾の様子を伺おうと、そっとカーテンを開ける。
枕にしがみつきすやすや眠る姿は、高3とは言えまだまだ子供だ。
金髪に染めた柔らかい髪をふわっと避けて、おでこに手を当て体調を確認する。
熱は無いか、怪我はないか、いつの間にか将吾の体調管理が日課になってしまっていた。
今日も特に問題は無さそうだ。
「…んぅ」
「はよ…」
「今、何時ぃ…?」
「もうすぐ5時」
「あ…マジ?…加野っち、もう帰る?」
「あぁ、そろそろなぁ」
「…そっか」
またそんな顔する…
将吾は寂しそうに俯き唇を巻き込みながら、ギュッと布団を握った。
俺には何も出来ないけど、でもせめて学校にいる時くらいは楽しい思いをさせてやりたい。
「なぁ…」
「ん?」
「いつもの…して?」
「ん…いいよ」
いつものように将吾を抱え込み抱きしめると、将吾も俺にぎゅっとしがみついてくる。
ただの生徒として以上に、俺は将吾の事…
再びふっと頭に過った邪念を払って体を離すと、名残惜し惜しそうに俺を見上げる将吾に俺の気持ちも揺れ動く…
「…これだけ?」
「ん、今日はもう終わり…」
「さっき…女紹介してとか言ってたのに…?」
「あれは健太が勝手に…っ、それにもしそうでも将吾には関係ないだろ…」
「俺の気持ち…知ってるくせに…」
「…っ、それは…っ」
ムスッと不貞腐れた将吾の言葉を、ぐっと飲み込み言い訳をしようとしたその時、将吾が俺の白衣の襟元を掴んで引き寄せられ、唇と唇が重なった。
「ん、う…っ、将吾っ!」
「キスくらいいいだろ…っ///」
「良くないだろ…っ」
「うるせぇ…させろよ…」
ダメだって頭では分かってたって、気持ちが止められない…
されるがままだったキスから、次第に舌が絡み合い一つになれば、その感情に飲み込まれそうになり蕩けてしまいそう…
だけど離れ難い気持ちをグッと抑え、将吾をそっと引き離した。
「…っ、そろそろ…帰ろ?なっ?」
「んぅ…」
俺は曲がりなりにも先生、生徒に手を出すなんて、ましてや男の子になんてもってのほか。
それに俺は―――
過去の出来事と今の感情が複雑に絡み合い、モヤモヤとした気持ちを切り替え、帰り支度を終えると、俯く将吾の頭をポンポンと撫でて一緒に保健室を出た。
枕にしがみつきすやすや眠る姿は、高3とは言えまだまだ子供だ。
金髪に染めた柔らかい髪をふわっと避けて、おでこに手を当て体調を確認する。
熱は無いか、怪我はないか、いつの間にか将吾の体調管理が日課になってしまっていた。
今日も特に問題は無さそうだ。
「…んぅ」
「はよ…」
「今、何時ぃ…?」
「もうすぐ5時」
「あ…マジ?…加野っち、もう帰る?」
「あぁ、そろそろなぁ」
「…そっか」
またそんな顔する…
将吾は寂しそうに俯き唇を巻き込みながら、ギュッと布団を握った。
俺には何も出来ないけど、でもせめて学校にいる時くらいは楽しい思いをさせてやりたい。
「なぁ…」
「ん?」
「いつもの…して?」
「ん…いいよ」
いつものように将吾を抱え込み抱きしめると、将吾も俺にぎゅっとしがみついてくる。
ただの生徒として以上に、俺は将吾の事…
再びふっと頭に過った邪念を払って体を離すと、名残惜し惜しそうに俺を見上げる将吾に俺の気持ちも揺れ動く…
「…これだけ?」
「ん、今日はもう終わり…」
「さっき…女紹介してとか言ってたのに…?」
「あれは健太が勝手に…っ、それにもしそうでも将吾には関係ないだろ…」
「俺の気持ち…知ってるくせに…」
「…っ、それは…っ」
ムスッと不貞腐れた将吾の言葉を、ぐっと飲み込み言い訳をしようとしたその時、将吾が俺の白衣の襟元を掴んで引き寄せられ、唇と唇が重なった。
「ん、う…っ、将吾っ!」
「キスくらいいいだろ…っ///」
「良くないだろ…っ」
「うるせぇ…させろよ…」
ダメだって頭では分かってたって、気持ちが止められない…
されるがままだったキスから、次第に舌が絡み合い一つになれば、その感情に飲み込まれそうになり蕩けてしまいそう…
だけど離れ難い気持ちをグッと抑え、将吾をそっと引き離した。
「…っ、そろそろ…帰ろ?なっ?」
「んぅ…」
俺は曲がりなりにも先生、生徒に手を出すなんて、ましてや男の子になんてもってのほか。
それに俺は―――
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