9 / 136
大人の話し合い
しおりを挟む
俺が寝てる間に、俺をどうするか親同士で話し合いが行われ、父さんが俺を引き取る事になったらしい。
結局、母さんは新しい家族を選んだんだ。
俺は父さんも好きだし、あっくんと一緒にいられるならこの結果に文句はないけど、母さんのことは許せない…
そして今後、俺がどこに住むかという話し合いをあっくんと派手なお兄さん、子供好きのお兄さんの3人で今まさに行われているところだ。
俺を引き取るとはいえ父さんの家は病院の上の小さな部屋で、俺が住む余裕なんてないらしい。
となると、この屋敷の空いてる部屋を使う事になるのか…
「こっから学校は?通えそう?」
「うん、平気」
「けどここは、組員の出入りもあるしなぁ…」
あっくん的には、組員の出入りがあるこの家は反対みたいだ。
すると、子供好きのお兄さんから一つ新しい案が出た。
「じゃあ、アパート借りるってのは?」
「一人暮らしって事?」
俺が問いかけると、あっくんはまた腕を組み直し頭を悩ませる。
「それも心配だよなぁ」
決して真っ当とは言えない雰囲気の大人3人だが、俺を囲んで俺の事を考えてくれている。
部屋の隅っこの方で震えてた何者でもなかった俺が、何だか急に世界の中心でもてはやされているようなそんな錯覚に陥る。
みんなが俺の事を考えてくれてる、それが凄く嬉しかった。
そして話がなかなか進まない中、ずっと黙ってた派手なお兄さんが思いついたように声を発した。
「なぁ、だったら俺ん家来ればよくね?」
「えっ、龍士んち!?」
驚きを隠せない子供好きのお兄さんと、更に悩むあっくん。
「うーん。龍士の家ねぇ…いいんだけどさぁ」
「なんだよぉ。いい提案じゃん!?なぁ?」
この人といると何だか安心するのは確かで、一緒に住んでみてもいいかなとは思ったが、2人の反応が気になる。
それにほとんど話した事もない赤の他人の家に上がり込み、寝食を共にする事に抵抗がない訳ではない。
でも同じ赤の他人とは言え、あの人達よりはマシなはず。
何かあればあっくんが絶対助けてるれるっていう後ろ盾もある訳だし、俺はこの人の考えに乗ろうと考えた。
「…うん、あっくんが良いって言うなら」
「斗亜は本当にそれでいいのか?」
「うん。悪い人じゃ無さそうだし…助けてくれたし…」
「まぁ、そうだな。ここから通うよりはマシか…」
「おっ!じゃあ決まりな!今日からよろしく、斗亜!」
「…っ、よろしくお願いします…えっと…」
「俺、三上龍士三上龍士。龍士でいいよ」
「龍士…」
「ふふっ、困った事があったらなんでも言えよ!」
「うん」
ポンポンと頭を撫でられるとなんだか照れくさくて、不思議と凄く暖かい気持ちになった。
「じゃあ龍士、しばらく頼むな」
「任せといてぇ~」
「俺の大事な預かり物だってこと自覚してね。あと(死んでも手は出すなよ?)」
「はいはい、分かってますって!」
「ん?手…?」
龍士の耳元であっくんが放った言葉を、何となくと聞き取ってしまった俺は少し動揺した。
手を出すな…とはどういうことだろう…?
まさか暴力とか!?
優しそうなイメージだから安心しきってたけど、この組にいるくらいだからそういう事もあるのか!?
けどそんな人のところ、あっくんが許すとも思えないし…
「あぁ…いや、こっちの話だから。斗亜は心配しなくても大丈夫、な?」
珍しくあっくんが少し動揺しているように見えたけど、子供好きのお兄さんがすかさずフォローに入った。
「大丈夫だよ、龍士は優しいから」
「…あぁ、ほら、じゃあ握手!」
「う、うん…」
信頼の意味を込めて龍士から差し出された手を握ると意外と細くて綺麗な手で、とてもじゃないけど人を殴る様な手には見えなくて、それはそれはとっても暖かい手だった…
結局、母さんは新しい家族を選んだんだ。
俺は父さんも好きだし、あっくんと一緒にいられるならこの結果に文句はないけど、母さんのことは許せない…
そして今後、俺がどこに住むかという話し合いをあっくんと派手なお兄さん、子供好きのお兄さんの3人で今まさに行われているところだ。
俺を引き取るとはいえ父さんの家は病院の上の小さな部屋で、俺が住む余裕なんてないらしい。
となると、この屋敷の空いてる部屋を使う事になるのか…
「こっから学校は?通えそう?」
「うん、平気」
「けどここは、組員の出入りもあるしなぁ…」
あっくん的には、組員の出入りがあるこの家は反対みたいだ。
すると、子供好きのお兄さんから一つ新しい案が出た。
「じゃあ、アパート借りるってのは?」
「一人暮らしって事?」
俺が問いかけると、あっくんはまた腕を組み直し頭を悩ませる。
「それも心配だよなぁ」
決して真っ当とは言えない雰囲気の大人3人だが、俺を囲んで俺の事を考えてくれている。
部屋の隅っこの方で震えてた何者でもなかった俺が、何だか急に世界の中心でもてはやされているようなそんな錯覚に陥る。
みんなが俺の事を考えてくれてる、それが凄く嬉しかった。
そして話がなかなか進まない中、ずっと黙ってた派手なお兄さんが思いついたように声を発した。
「なぁ、だったら俺ん家来ればよくね?」
「えっ、龍士んち!?」
驚きを隠せない子供好きのお兄さんと、更に悩むあっくん。
「うーん。龍士の家ねぇ…いいんだけどさぁ」
「なんだよぉ。いい提案じゃん!?なぁ?」
この人といると何だか安心するのは確かで、一緒に住んでみてもいいかなとは思ったが、2人の反応が気になる。
それにほとんど話した事もない赤の他人の家に上がり込み、寝食を共にする事に抵抗がない訳ではない。
でも同じ赤の他人とは言え、あの人達よりはマシなはず。
何かあればあっくんが絶対助けてるれるっていう後ろ盾もある訳だし、俺はこの人の考えに乗ろうと考えた。
「…うん、あっくんが良いって言うなら」
「斗亜は本当にそれでいいのか?」
「うん。悪い人じゃ無さそうだし…助けてくれたし…」
「まぁ、そうだな。ここから通うよりはマシか…」
「おっ!じゃあ決まりな!今日からよろしく、斗亜!」
「…っ、よろしくお願いします…えっと…」
「俺、三上龍士三上龍士。龍士でいいよ」
「龍士…」
「ふふっ、困った事があったらなんでも言えよ!」
「うん」
ポンポンと頭を撫でられるとなんだか照れくさくて、不思議と凄く暖かい気持ちになった。
「じゃあ龍士、しばらく頼むな」
「任せといてぇ~」
「俺の大事な預かり物だってこと自覚してね。あと(死んでも手は出すなよ?)」
「はいはい、分かってますって!」
「ん?手…?」
龍士の耳元であっくんが放った言葉を、何となくと聞き取ってしまった俺は少し動揺した。
手を出すな…とはどういうことだろう…?
まさか暴力とか!?
優しそうなイメージだから安心しきってたけど、この組にいるくらいだからそういう事もあるのか!?
けどそんな人のところ、あっくんが許すとも思えないし…
「あぁ…いや、こっちの話だから。斗亜は心配しなくても大丈夫、な?」
珍しくあっくんが少し動揺しているように見えたけど、子供好きのお兄さんがすかさずフォローに入った。
「大丈夫だよ、龍士は優しいから」
「…あぁ、ほら、じゃあ握手!」
「う、うん…」
信頼の意味を込めて龍士から差し出された手を握ると意外と細くて綺麗な手で、とてもじゃないけど人を殴る様な手には見えなくて、それはそれはとっても暖かい手だった…
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)
藤吉めぐみ
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。
そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。
けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。
始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる