十六夜の月

むらさきおいも

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あっくんと一緒に

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結局その日は龍士りゅうじに会う事は出来ず、あっくんの部屋に泊まる事になった。

何年ぶりだろう、こうやってあっくんの隣で寝るの。

キングサイズのデカいベットとは言え、さすがにこの歳になってこんな近距離で向かい合って寝るなんて恥ずかしすぎるんだが…


「ねぇ…何で部屋いっぱいあんのにここなの?俺、他の部屋で寝るから…」

「いいじゃん、たまにはさぁ?昔はよく一緒に寝ただろ?」

「そ、それは昔の話だろ!?」

「まぁまぁ、聞きたい事もあるからさ…」

「んぅ…////」


俺は別々に寝る事を諦めて、毛布で半分顔を隠しながら仕方なくあっくんの話を聞く事にした。


「何で颯太そうたん家に行こうとしてたの?何かあったならまず俺に言ってよ…」

「だって…龍士の話が本当なら、何であっくんがわざわざ俺を龍士んとこにやったのかとか…考えたら怖かったんだもん」

「そっか、ごめんな…」

「うん…あっくんは知ってたの?龍士の事…」

「あぁ…けど、龍士の事信じてたから」


あっくんのその真っ直ぐな瞳に嘘はなさそうだった。
俺も、あっくんや充彦みつひこくんみたいに龍士の事ちゃんと信じたい…


「充彦から聞いたけど、かなでに聞いたんだって?」

「…うん」

「まったく…」


普段あまり見ないあっくんの険しい表情に不安がよぎる。

本条ほんじょうの事もこの世界の事も良くはわからないけれど、俺が話してしまった事で本条に何か罰があったら…
気分はあまりいいものじゃない。


「…本条どうなるの?あっくん怒ってる?」

「怒ってるよ。噂レベルで話していいような内容じゃないだろ?龍士だって今はまだ斗亜とあに知られたくなかったはずだしな」

「でもっ…あんまり怒らないで…?」

「どうして?斗亜だって嫌な思いしただろ?」

「だって、あっくんが怒ったら本条…どうなっちゃうの?」

「ふふっ…嫌な事されたのに?心配?」

「んぅ…」

「大丈夫、ちょっとお仕置きするだけだから。社会人としてな。斗亜は心配しないで?」


優しく微笑んでそうは言うものの、あっくんの目は全然笑ってないし、一応この組の若頭と呼ばれる人なわけで、ちょっとお仕置と言ってもちょっとの具合が分からない…

もしも、龍士がされたみたいに本条がボコボコに殴られたり酷い事されたら責任感じるし、俺が恨まれないだろうか…


「斗亜は優しいんだな」

「そんな事ない…」

「今日はもう寝な、明日は龍士と話せるだろうから」

「うん…」

「おやすみ、斗亜」

「ん…おやすみ」


目を閉じれば段々と遠のく意識の中で、ふわっと頭を撫でられる感覚がして、安心してあっくんの隣で眠りについた。
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