59 / 136
ただ、そばに居たい(斗亜)
しおりを挟む
あの時、龍士が濁した言葉が妙に気になったが、深く追求する事なく家を出た。
だけど最後に見た龍士がとてもな悲しそうに見えて、今にも消えてしまいそうで、本当は迎えにも来ないんじゃないかって不安で仕方なかった。
「斗亜くん…何か浮かない顔してるね?」
「そう…?」
「悩み事?」
「うん…ちょっとな…」
「恋愛相談なら乗ってあげてもいいよっ!僕ね、とうとう彼女できたんだぁ♡」
バイト中なのに、嬉しそうにニヤニヤと鼻の下を伸ばす真琴。
俺は今、それどころじゃないんだよ…と思いながら上の空で返事を返す。
「へぇ…そうなんだ…」
「ちょっとぉ…何その興味無さそうな感じ…」
「ん…?だって興味ねぇもん…」
「ひっどぉーい!!斗亜くん、そんなんじゃ一生彼女出来ないからねっ!」
「はぁ、彼女ねぇ…」
客のこないコンビニで男子高生二人が話すことと言ったら、下ネタかこんなどうでもいい恋バナ位しかないだろう。
世間一般の男子が持つべきものは彼女…だよな。
でも俺はどうなんだろう…
あれからずっと考えてるけど、俺があっくんや颯太に抱く感情と龍士に対する感情は似て非なるものなのか。
それは颯太が充彦くんに抱く感情と近いんじゃないだろうか…
と言うこと。
でもこんな話、真琴には出来ないしな。
そして、ようやくバイトが終わる頃、時間になっても龍士が来る気配はなくて、俺は何度も携帯を確認しながら仕方なくお店を出ると、店の脇にパーカーのフードを被ったまましゃがみこんでタバコをふかしてる龍士を見つけた。
俺は心底ほっとして胸をなでおろし、龍士のパーカーのフードをずるっと引き剥がした。
「あ"!?」
「…っ、俺だよ」
「あぁ、斗亜か…ごめん」
立ち上がった龍士は思わずビクッとした俺に躊躇したのか、頭に触れようとした手を下げてポケットに突っ込んだ。
「来なくても良かったのに…」
心にも無いことを言った。
本当は来てくれて嬉しかったのに…
「別にいいだろ?」
「何か…あったの?」
「えっ…何で…?」
「何か…変だよ…?いつもと違う…」
「そんなことねぇよ…帰ろ?」
「うん…」
タバコを片手に俺より先を歩く龍士の後ろ姿を見てると、このままどっかに行ってしまいそうで、俺は慌てて龍士の服の裾を引っ張った。
「おっ?」
「早い…」
「あ、ごめん…」
そう言うと龍士は俺の左側に着いて、何事も無かったかのようにタバコをふかしながらゆっくりと歩き出すけど、何故か俺はこの裾を離せないでいた。
すると龍士は右手に持っていたタバコを左手に持ち変え、俺の目の前に手のひらを広げた。
「…手、繋ぐ…?」
「ば、ばかっ!繋がねぇよっ!」
「ははっ、だよなぁ…」
思わず全力で拒否してしまった俺に対してスっと目を逸らし、龍士はすぐにその手をポッケに閉まってしまった。
その反応はいつものふざけた龍士とは違ってて、もしかして傷つけてしまったんじゃないかと凄く苦しくなった。
だから俺は龍士に聞こえるように言い訳を呟いた。
「だって…恥ずいじゃん…」
「誰も見てねぇよ」
何だろう…何でこんなドキドキするんだろう。
龍士は男なのに…
だけどこの手を掴まなかったら、本当に龍士がどっか行っちゃいそうな気がして、俺は龍士のポッケに手を突っ込んで子指を掴んだ。
「えっ…」
「見えないからいい…」
「ふふっ…控えめだな」
「うっせぇ…」
「ちゃんと繋いでも…いい?」
「うん…////」
そして、龍士が広げた手のひらに俺の手のひらを重ね夜道を歩いく…
相変わらずタバコをふかしながら夜空に昇っていく煙と一緒に龍士の横顔を眺めると、手を繋いでるのにも関わらず俺にはやっぱりどこか寂しそうに見えたんだ。
家に着くと、軽くご飯を食べてお風呂に入り髪を乾かしてもらう。
いつもと変わらない夜のルーティーンも、今日は何となく緊張して落ち着かない。
「今日仕事…だよね?」
「ん?…あぁそうだな…」
「何時頃帰ってくる?」
「えっ?あぁ、朝方…かな…」
「そっか…」
ドライヤーの音が止むと、俺は振り返り龍士の目を見た。
龍士の瞳はゆらゆらと揺れていて、それが俺の不安を煽る。
「帰ってくるよね?」
「えっ?あ、あぁ帰るよ…?」
「…龍士」
「ん?」
何だかわからないけど、無性に龍士を抱きしめたい衝動にかられ、俺はソファーに座る龍士に乗っかる形で思いきり龍士を抱きしめた。
「へっ!?ちょ、斗亜…っ///」
「少しだけ…少しだけこうさせて…」
「あ、あぁ…」
だけど最後に見た龍士がとてもな悲しそうに見えて、今にも消えてしまいそうで、本当は迎えにも来ないんじゃないかって不安で仕方なかった。
「斗亜くん…何か浮かない顔してるね?」
「そう…?」
「悩み事?」
「うん…ちょっとな…」
「恋愛相談なら乗ってあげてもいいよっ!僕ね、とうとう彼女できたんだぁ♡」
バイト中なのに、嬉しそうにニヤニヤと鼻の下を伸ばす真琴。
俺は今、それどころじゃないんだよ…と思いながら上の空で返事を返す。
「へぇ…そうなんだ…」
「ちょっとぉ…何その興味無さそうな感じ…」
「ん…?だって興味ねぇもん…」
「ひっどぉーい!!斗亜くん、そんなんじゃ一生彼女出来ないからねっ!」
「はぁ、彼女ねぇ…」
客のこないコンビニで男子高生二人が話すことと言ったら、下ネタかこんなどうでもいい恋バナ位しかないだろう。
世間一般の男子が持つべきものは彼女…だよな。
でも俺はどうなんだろう…
あれからずっと考えてるけど、俺があっくんや颯太に抱く感情と龍士に対する感情は似て非なるものなのか。
それは颯太が充彦くんに抱く感情と近いんじゃないだろうか…
と言うこと。
でもこんな話、真琴には出来ないしな。
そして、ようやくバイトが終わる頃、時間になっても龍士が来る気配はなくて、俺は何度も携帯を確認しながら仕方なくお店を出ると、店の脇にパーカーのフードを被ったまましゃがみこんでタバコをふかしてる龍士を見つけた。
俺は心底ほっとして胸をなでおろし、龍士のパーカーのフードをずるっと引き剥がした。
「あ"!?」
「…っ、俺だよ」
「あぁ、斗亜か…ごめん」
立ち上がった龍士は思わずビクッとした俺に躊躇したのか、頭に触れようとした手を下げてポケットに突っ込んだ。
「来なくても良かったのに…」
心にも無いことを言った。
本当は来てくれて嬉しかったのに…
「別にいいだろ?」
「何か…あったの?」
「えっ…何で…?」
「何か…変だよ…?いつもと違う…」
「そんなことねぇよ…帰ろ?」
「うん…」
タバコを片手に俺より先を歩く龍士の後ろ姿を見てると、このままどっかに行ってしまいそうで、俺は慌てて龍士の服の裾を引っ張った。
「おっ?」
「早い…」
「あ、ごめん…」
そう言うと龍士は俺の左側に着いて、何事も無かったかのようにタバコをふかしながらゆっくりと歩き出すけど、何故か俺はこの裾を離せないでいた。
すると龍士は右手に持っていたタバコを左手に持ち変え、俺の目の前に手のひらを広げた。
「…手、繋ぐ…?」
「ば、ばかっ!繋がねぇよっ!」
「ははっ、だよなぁ…」
思わず全力で拒否してしまった俺に対してスっと目を逸らし、龍士はすぐにその手をポッケに閉まってしまった。
その反応はいつものふざけた龍士とは違ってて、もしかして傷つけてしまったんじゃないかと凄く苦しくなった。
だから俺は龍士に聞こえるように言い訳を呟いた。
「だって…恥ずいじゃん…」
「誰も見てねぇよ」
何だろう…何でこんなドキドキするんだろう。
龍士は男なのに…
だけどこの手を掴まなかったら、本当に龍士がどっか行っちゃいそうな気がして、俺は龍士のポッケに手を突っ込んで子指を掴んだ。
「えっ…」
「見えないからいい…」
「ふふっ…控えめだな」
「うっせぇ…」
「ちゃんと繋いでも…いい?」
「うん…////」
そして、龍士が広げた手のひらに俺の手のひらを重ね夜道を歩いく…
相変わらずタバコをふかしながら夜空に昇っていく煙と一緒に龍士の横顔を眺めると、手を繋いでるのにも関わらず俺にはやっぱりどこか寂しそうに見えたんだ。
家に着くと、軽くご飯を食べてお風呂に入り髪を乾かしてもらう。
いつもと変わらない夜のルーティーンも、今日は何となく緊張して落ち着かない。
「今日仕事…だよね?」
「ん?…あぁそうだな…」
「何時頃帰ってくる?」
「えっ?あぁ、朝方…かな…」
「そっか…」
ドライヤーの音が止むと、俺は振り返り龍士の目を見た。
龍士の瞳はゆらゆらと揺れていて、それが俺の不安を煽る。
「帰ってくるよね?」
「えっ?あ、あぁ帰るよ…?」
「…龍士」
「ん?」
何だかわからないけど、無性に龍士を抱きしめたい衝動にかられ、俺はソファーに座る龍士に乗っかる形で思いきり龍士を抱きしめた。
「へっ!?ちょ、斗亜…っ///」
「少しだけ…少しだけこうさせて…」
「あ、あぁ…」
0
あなたにおすすめの小説
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
Take On Me 2
マン太
BL
大和と岳。二人の新たな生活が始まった三月末。新たな出会いもあり、色々ありながらも、賑やかな日々が過ぎていく。
そんな岳の元に、一本の電話が。それは、昔世話になったヤクザの古山からの呼び出しの電話だった。
岳は仕方なく会うことにするが…。
※絡みの表現は控え目です。
※「エブリスタ」、「小説家になろう」にも投稿しています。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ
零
BL
鍛えられた肉体、高潔な魂――
それは選ばれし“供物”の条件。
山奥の男子校「平坂学園」で、新任教師・高尾雄一は静かに歪み始める。
見えない視線、執着する生徒、触れられる肉体。
誇り高き男は、何に屈し、何に縋るのか。
心と肉体が削がれていく“儀式”が、いま始まる。
うちの鬼上司が僕だけに甘い理由(わけ)
藤吉めぐみ
BL
匠が勤める建築デザイン事務所には、洗練された見た目と完璧な仕事で社員誰もが憧れる一流デザイナーの克彦がいる。しかしとにかく仕事に厳しい姿に、陰で『鬼上司』と呼ばれていた。
そんな克彦が家に帰ると甘く変わることを知っているのは、同棲している恋人の匠だけだった。
けれどこの関係の始まりはお互いに惹かれ合って始めたものではない。
始めは甘やかされることが嬉しかったが、次第に自分の気持ちも克彦の気持ちも分からなくなり、この関係に不安を感じるようになる匠だが――
運命の番ってそんなに溺愛するもんなのぉーーー
白井由紀
BL
【BL作品】(20時30分毎日投稿)
金持ち社長・溺愛&執着 α × 貧乏・平凡&不細工だと思い込んでいる、美形Ω
幼い頃から運命の番に憧れてきたΩのゆき。自覚はしていないが小柄で美形。
ある日、ゆきは夜の街を歩いていたら、ヤンキーに絡まれてしまう。だが、偶然通りかかった運命の番、怜央が助ける。
発情期中の怜央の優しさと溺愛で恋に落ちてしまうが、自己肯定感の低いゆきには、例え、運命の番でも身分差が大きすぎると離れてしまう
離れたあと、ゆきも怜央もお互いを思う気持ちは止められない……。
すれ違っていく2人は結ばれることができるのか……
思い込みが激しいΩとΩを自分に依存させたいαの溺愛、身分差ストーリー
★ハッピーエンド作品です
※この作品は、BL作品です。苦手な方はそっと回れ右してください🙏
※これは創作物です、都合がいいように解釈させていただくことがありますのでご了承くださいm(_ _)m
※フィクション作品です
※誤字脱字は見つけ次第訂正しますが、脳内変換、受け流してくれると幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる