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敦史の覚悟
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そして、次の日になっても龍士からの連絡はなく、斗亜は塞ぎ込んだまま学校にも行かず部屋から一歩も出てこない。
心配した敦史が様子を見に来たついでに、少し話をした。
「斗亜、どう?」
「うん、ずっと塞ぎ込んでて…」
「そうか。斗亜から話…聞いた?」
「うん、龍士の話は少し…」
「自分の話は…?する訳ないか…」
「やっぱり…斗亜も何かされたの!?」
「あぁ、最低なヤツだ。俺は絶対許さない」
その後、敦史から斗亜がされた事を聞かされた。
高校生に…ましてや龍士の前で、そんな事…っ。
なんて卑劣なヤツ…おれもそんなやつ許せない!
斗亜が受けた心の傷は計り知れないと思う。
俺にもっと力とか強さがあったら…
「例のやつ、充彦も見たっていう首の刺青の男。そいつの所在さえ掴めれば…」
「何とかならないかな、早いとこ龍士を見つけないと刺された所も心配だし…昨日の場所には?」
「何人か行かせてみたんだが、もぬけの殻だったらしい…こうなったら俺が直接上に乗り込むしかないと思ってる」
「えっ、そんな事して大丈夫なの?」
「手は打っとくよ。大丈夫、心配しないで?遅かれ早かれやらなきゃいけなかったんだ。けど、もし俺になんかあったら…斗亜の事、頼むな」
「縁起でもない事言わないでよっ…」
今までずっと迷っていた俺の手は今、素直に敦史に触れている…
そしてそれに応えてくれるように、敦史が俺を包み込んで強く抱き締めてくれた。
敦史に何かあったらなんて考えたくないけど…
でも、もし万が一にでもそんな事があったら、俺が必ず助けてみせるから。
優しい時間が流れたのはほんの束の間。
小さくノックされた扉の音に、敦史が返事を返し俺が扉を開けると、そこには青ざめた顔の奏がいた。
「奏?どうしたの?」
「あっ、先生……今の話…ほんとなん…?」
「今の…って?」
「龍くんの傷とか…斗亜くんの…っ、全部俺のせいや!」
「違う、奏が悪いわけじゃ…」
今回の事と奏が口を滑らせた件とは、多分本当に関係は無い。
だけど龍士が突然いなくなって事件に巻き込まれたとなっては、奏も気がきじゃないだろう。
まして、斗亜にまで―――
「俺がっ、俺のせいで龍くんいなくなったんやったら、俺が龍くんに謝って龍くん助けるっ!」
「落ち着け、奏。別にお前のせいじゃない」
「けど怪我しとるんやろ!?ほっとけるわけないやん!それに俺、たぶん知ってんねん。そいつの居場所…」
「奏、知ってるのか…?」
「あぁ、よく知っとる。首に蛇の刺青の男やろ…あんな卑劣な事する奴、アイツしかおらん。たぶん、前に俺がいた場所や」
奏は前に大輝が拾ってきた子で、前にいた所では酷い扱いを受けてたと聞いた事がある。
でも、じゃあ元々龍士と奏は同じ組織にいたって事!?
それは…偶然なの?と、俺は思わず敦史と視線を合わせた。
「奏は龍士が前に向こうにいたって知ってたのか?」
「ううん、知らんかった。俺は組の人間やないし、ただのAVのサクラやったから。知ったのは最近や。あの組の下部組織はめちゃくちゃで、人を人だと思っとらん。俺が入る前にも一人、使われるだけ使われて死んでった奴がおったって聞いたんよ…」
「それが龍士の可愛がってた後輩か…」
「恐らくそうや、あそこの事なら俺がよう知っとる」
奏が言ってる事に嘘はなさそうだけど、敦史の顔は至って厳しいし、信じてないのか…それとも…!?
「敦史さん!俺が行くわ、行って龍くん助ける!」
「ダメだ。お前を行かせる事は出来ない」
「…せやな、分かっとるよ。俺なんか信用出来んもんな」
「そうじゃないっ、二度とあんな所に行かせられるか!俺の大事な仲間を!」
「…っ、敦史さん…っ」
「わかったな。くれぐれも絶対勝手な行動はするなよ?」
「…うん、わかった」
敦史は奏を心配してたんだ。
せっかく抜け出せた所にまた舞い戻ってしまえば、今度は本当に抜け出せなくなってしまうかもしれない。
敦史は今回、本当にカタを付ける気だ。
どうか、どうか無事で戻ってきて―――
心配した敦史が様子を見に来たついでに、少し話をした。
「斗亜、どう?」
「うん、ずっと塞ぎ込んでて…」
「そうか。斗亜から話…聞いた?」
「うん、龍士の話は少し…」
「自分の話は…?する訳ないか…」
「やっぱり…斗亜も何かされたの!?」
「あぁ、最低なヤツだ。俺は絶対許さない」
その後、敦史から斗亜がされた事を聞かされた。
高校生に…ましてや龍士の前で、そんな事…っ。
なんて卑劣なヤツ…おれもそんなやつ許せない!
斗亜が受けた心の傷は計り知れないと思う。
俺にもっと力とか強さがあったら…
「例のやつ、充彦も見たっていう首の刺青の男。そいつの所在さえ掴めれば…」
「何とかならないかな、早いとこ龍士を見つけないと刺された所も心配だし…昨日の場所には?」
「何人か行かせてみたんだが、もぬけの殻だったらしい…こうなったら俺が直接上に乗り込むしかないと思ってる」
「えっ、そんな事して大丈夫なの?」
「手は打っとくよ。大丈夫、心配しないで?遅かれ早かれやらなきゃいけなかったんだ。けど、もし俺になんかあったら…斗亜の事、頼むな」
「縁起でもない事言わないでよっ…」
今までずっと迷っていた俺の手は今、素直に敦史に触れている…
そしてそれに応えてくれるように、敦史が俺を包み込んで強く抱き締めてくれた。
敦史に何かあったらなんて考えたくないけど…
でも、もし万が一にでもそんな事があったら、俺が必ず助けてみせるから。
優しい時間が流れたのはほんの束の間。
小さくノックされた扉の音に、敦史が返事を返し俺が扉を開けると、そこには青ざめた顔の奏がいた。
「奏?どうしたの?」
「あっ、先生……今の話…ほんとなん…?」
「今の…って?」
「龍くんの傷とか…斗亜くんの…っ、全部俺のせいや!」
「違う、奏が悪いわけじゃ…」
今回の事と奏が口を滑らせた件とは、多分本当に関係は無い。
だけど龍士が突然いなくなって事件に巻き込まれたとなっては、奏も気がきじゃないだろう。
まして、斗亜にまで―――
「俺がっ、俺のせいで龍くんいなくなったんやったら、俺が龍くんに謝って龍くん助けるっ!」
「落ち着け、奏。別にお前のせいじゃない」
「けど怪我しとるんやろ!?ほっとけるわけないやん!それに俺、たぶん知ってんねん。そいつの居場所…」
「奏、知ってるのか…?」
「あぁ、よく知っとる。首に蛇の刺青の男やろ…あんな卑劣な事する奴、アイツしかおらん。たぶん、前に俺がいた場所や」
奏は前に大輝が拾ってきた子で、前にいた所では酷い扱いを受けてたと聞いた事がある。
でも、じゃあ元々龍士と奏は同じ組織にいたって事!?
それは…偶然なの?と、俺は思わず敦史と視線を合わせた。
「奏は龍士が前に向こうにいたって知ってたのか?」
「ううん、知らんかった。俺は組の人間やないし、ただのAVのサクラやったから。知ったのは最近や。あの組の下部組織はめちゃくちゃで、人を人だと思っとらん。俺が入る前にも一人、使われるだけ使われて死んでった奴がおったって聞いたんよ…」
「それが龍士の可愛がってた後輩か…」
「恐らくそうや、あそこの事なら俺がよう知っとる」
奏が言ってる事に嘘はなさそうだけど、敦史の顔は至って厳しいし、信じてないのか…それとも…!?
「敦史さん!俺が行くわ、行って龍くん助ける!」
「ダメだ。お前を行かせる事は出来ない」
「…せやな、分かっとるよ。俺なんか信用出来んもんな」
「そうじゃないっ、二度とあんな所に行かせられるか!俺の大事な仲間を!」
「…っ、敦史さん…っ」
「わかったな。くれぐれも絶対勝手な行動はするなよ?」
「…うん、わかった」
敦史は奏を心配してたんだ。
せっかく抜け出せた所にまた舞い戻ってしまえば、今度は本当に抜け出せなくなってしまうかもしれない。
敦史は今回、本当にカタを付ける気だ。
どうか、どうか無事で戻ってきて―――
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