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第一章 事務長、初仕事で豪傑と美女の激闘を見る
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ミレイアにとって狂喜狂乱の謁見から、数日が過ぎた。
その間に、ミレイアは文官としての通常任務を同僚に引き継ぎ、新たな任務である遊撃小隊事務長職の準備をした。
リンガーメル王城の傍には、独身の文官たちが住む宿舎がある。ミレイアもここで暮らしており、ここから王城へと通勤している。
が、それは昨日までの話だ。今日からは違う。既に書物や身の回り品などの運び込みは済ませた。今日からは、同じ城下町の中ではあるが、違う場所で生活するのである。
まだ、他の皆は出勤してきていない早朝。馴染んだ宿舎に別れを告げて、ミレイアは城を出た。そのまま歩いて、新天地へと向かう。
「……」
城下町をてくてく歩くミレイアの表情は、複雑だった。
新設の、外部の者による隊に対する、現職の、騎士たちからの反発を防ぐ配慮は充分にしたつもりだった。だが、それでは足りないと判断されて。
遊撃小隊は、城下町の隅っこの小さな詰め所を拠点とすることになった。街中にたくさんある、騎士団の詰め所と変わらない規模の建物だ。
城の深部にお勤めして、高位の騎士様とお近づきに……というミレイアの夢は、木っ端微塵に打ち砕かれたのである。いや、もちろん第一の夢は出世であり、そちらは一応果たされているのだが。
しかし、それもちょっと怪しくなってきている。騎士の家系でない者による新設部隊、もちろん実績ゼロという状態では、設立が精一杯であり予算はロクに確保できなかったのだ。
というわけで今、ミレイア以外の隊員は一人。事務長であるミレイアは非戦闘員なので、戦えるのはその一人だけだ。
将来的には、予算も人員も増やしていけるよう取り計らう、とセルシアーヌは言ってくれた。だがもちろん、早急に実績を、手柄を立てていかないと厳しいだろう。
そんな中で一つだけ、ミレイアにとって有利というか有難いこともあった。城勤めをして騎士との交流があったとはいえ、ミレイアは騎士ではない。そんな彼女が、小なりとはいえ騎士の隊を纏めていくというのは、やはり無理がある。
そのことについてセルシアーヌと騎士団上層部とで相談し、騎士・騎士団のなんたるかをミレイアに教えることができる人材を一人、見繕ってくれたのだ。それが前述の、ミレイア以外の唯一の隊員である。ただ、目ぼしい上位騎士は全て覚えているはずのミレイアにとって、覚えのない名前だったのが少し不安だが。しかし、考えてみればこういう扱いの新設小隊に、高位の騎士が(たとえ期間限定などであったとしても)配属されることは考えにくい。
つまり、教えてくれる騎士、と言ってもおそらくはまだ若い、位の低い者であろう。
『まあ、でも、それはそれでいいわよね。あんまり偉い人と二人っきりっていうのは気疲れもするでしょうし』
それに、若いというのはいいことだ。それだけ、美形度に期待が持てる。
リンガーメルの騎士団は本当に、どういうわけか、美形率が高いのである。その中での若手なのだから、見目麗しさへの期待はしてもいいだろう。
『新しい部隊の立ち上げ業務を、未熟な美少年騎士とわたしと、二人で苦労して。その中で絆を深めながら、手柄を立てて認められて出世していって。やがて、わたしと苦楽を共にした少年が、立派な青年騎士に成長して三人目の騎士団長の地位に……うん、悪くないわ』
もちろん、その時には自分も相応の地位にいるだろう。そうなれば、ミレイアにとっては正に至福。公私両面の夢が叶うというものだ。
スタート地点は少々苦しいが、何とか頑張ろう。
そう決意を固めたところで、ちょうどミレイアは目的地に到着した。大通りからは少し距離のある、ちょっとした空き地にぽつんと立てられた、石造りの平屋。ごく普通の民家よりは大きいが、質素極まる外観の、みすぼらしいと言っていい建物である。
だが、それでいいのだ。これは貴族の別荘ではない。騎士団の詰め所、いや、新設団の本拠。中枢。事務所なのだから。
「さて。今日からここがわたしの家、兼職場ね」
荷物の運び込みで一度来ているので、勝手はわかっている。もちろん鍵も持っている。早速入ろう、とミレイアは正面入口に向かって歩き出した。
建物の、向かって右手の角を曲がって奥に行けば裏庭があり、そこには古い井戸がある。生活用水はそこで……と思い出していたミレイアの耳に、音が聞こえた。ハチの羽音ではない。水の音だ。水が地面に落ちる音、水撒きのような音が聞こえる。裏庭の井戸からだ。
例の、唯一の隊員かなと思って、ミレイアは見に行く。そこで目に入ったのは、
「……え」
肉。巨大な肉の壁だった。縦にも横にも、そして厚みも、あまりに巨大過ぎたので、人間の体だとすぐには理解できなかった。だが人間の体、そう、男性の背中だ。ちょっと普通ではないほどの、高くて広くて大きくて分厚い、見上げんばかりの断崖絶壁の如き背中であり、背筋である。もちろん背中だけでなく、長い手も足も生えている。
井戸から汲み上げられた水を浴びたばかりなのだろう、水滴が滴って、斜めに差し込む朝日にキラキラと光っている。尋常ではない長身、巨体の、並外れた分量の筋肉が、瑞々しく輝いている。
こんな巨漢、いや巨人が、あちこちに何人もいるとは思えない。もしや先日の……
「誰だ?」
背中の主が振り向いた。巨大な背中の、その巨大さに見合う、高いところにあった頭部が回って、顔がこちらを向く。続いて、全身がこちらを向く。その顔はやはり、あの暴れ牛事件の戦士のものであったが、ミレイアはそれどころではなかった。
裸の背中を晒していた彼は、全身が裸だった。水浴びをしていたのだから当然といえば当然だが。そして当然のこととして、裸の全身がミレイアの方を向くということは、
「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ミレイアの絶叫は、商店街からの喧騒が全く届かないほどに距離があるこの場所から放たれたにも関わらず、大通りの隅々まで響き渡ったという。
その間に、ミレイアは文官としての通常任務を同僚に引き継ぎ、新たな任務である遊撃小隊事務長職の準備をした。
リンガーメル王城の傍には、独身の文官たちが住む宿舎がある。ミレイアもここで暮らしており、ここから王城へと通勤している。
が、それは昨日までの話だ。今日からは違う。既に書物や身の回り品などの運び込みは済ませた。今日からは、同じ城下町の中ではあるが、違う場所で生活するのである。
まだ、他の皆は出勤してきていない早朝。馴染んだ宿舎に別れを告げて、ミレイアは城を出た。そのまま歩いて、新天地へと向かう。
「……」
城下町をてくてく歩くミレイアの表情は、複雑だった。
新設の、外部の者による隊に対する、現職の、騎士たちからの反発を防ぐ配慮は充分にしたつもりだった。だが、それでは足りないと判断されて。
遊撃小隊は、城下町の隅っこの小さな詰め所を拠点とすることになった。街中にたくさんある、騎士団の詰め所と変わらない規模の建物だ。
城の深部にお勤めして、高位の騎士様とお近づきに……というミレイアの夢は、木っ端微塵に打ち砕かれたのである。いや、もちろん第一の夢は出世であり、そちらは一応果たされているのだが。
しかし、それもちょっと怪しくなってきている。騎士の家系でない者による新設部隊、もちろん実績ゼロという状態では、設立が精一杯であり予算はロクに確保できなかったのだ。
というわけで今、ミレイア以外の隊員は一人。事務長であるミレイアは非戦闘員なので、戦えるのはその一人だけだ。
将来的には、予算も人員も増やしていけるよう取り計らう、とセルシアーヌは言ってくれた。だがもちろん、早急に実績を、手柄を立てていかないと厳しいだろう。
そんな中で一つだけ、ミレイアにとって有利というか有難いこともあった。城勤めをして騎士との交流があったとはいえ、ミレイアは騎士ではない。そんな彼女が、小なりとはいえ騎士の隊を纏めていくというのは、やはり無理がある。
そのことについてセルシアーヌと騎士団上層部とで相談し、騎士・騎士団のなんたるかをミレイアに教えることができる人材を一人、見繕ってくれたのだ。それが前述の、ミレイア以外の唯一の隊員である。ただ、目ぼしい上位騎士は全て覚えているはずのミレイアにとって、覚えのない名前だったのが少し不安だが。しかし、考えてみればこういう扱いの新設小隊に、高位の騎士が(たとえ期間限定などであったとしても)配属されることは考えにくい。
つまり、教えてくれる騎士、と言ってもおそらくはまだ若い、位の低い者であろう。
『まあ、でも、それはそれでいいわよね。あんまり偉い人と二人っきりっていうのは気疲れもするでしょうし』
それに、若いというのはいいことだ。それだけ、美形度に期待が持てる。
リンガーメルの騎士団は本当に、どういうわけか、美形率が高いのである。その中での若手なのだから、見目麗しさへの期待はしてもいいだろう。
『新しい部隊の立ち上げ業務を、未熟な美少年騎士とわたしと、二人で苦労して。その中で絆を深めながら、手柄を立てて認められて出世していって。やがて、わたしと苦楽を共にした少年が、立派な青年騎士に成長して三人目の騎士団長の地位に……うん、悪くないわ』
もちろん、その時には自分も相応の地位にいるだろう。そうなれば、ミレイアにとっては正に至福。公私両面の夢が叶うというものだ。
スタート地点は少々苦しいが、何とか頑張ろう。
そう決意を固めたところで、ちょうどミレイアは目的地に到着した。大通りからは少し距離のある、ちょっとした空き地にぽつんと立てられた、石造りの平屋。ごく普通の民家よりは大きいが、質素極まる外観の、みすぼらしいと言っていい建物である。
だが、それでいいのだ。これは貴族の別荘ではない。騎士団の詰め所、いや、新設団の本拠。中枢。事務所なのだから。
「さて。今日からここがわたしの家、兼職場ね」
荷物の運び込みで一度来ているので、勝手はわかっている。もちろん鍵も持っている。早速入ろう、とミレイアは正面入口に向かって歩き出した。
建物の、向かって右手の角を曲がって奥に行けば裏庭があり、そこには古い井戸がある。生活用水はそこで……と思い出していたミレイアの耳に、音が聞こえた。ハチの羽音ではない。水の音だ。水が地面に落ちる音、水撒きのような音が聞こえる。裏庭の井戸からだ。
例の、唯一の隊員かなと思って、ミレイアは見に行く。そこで目に入ったのは、
「……え」
肉。巨大な肉の壁だった。縦にも横にも、そして厚みも、あまりに巨大過ぎたので、人間の体だとすぐには理解できなかった。だが人間の体、そう、男性の背中だ。ちょっと普通ではないほどの、高くて広くて大きくて分厚い、見上げんばかりの断崖絶壁の如き背中であり、背筋である。もちろん背中だけでなく、長い手も足も生えている。
井戸から汲み上げられた水を浴びたばかりなのだろう、水滴が滴って、斜めに差し込む朝日にキラキラと光っている。尋常ではない長身、巨体の、並外れた分量の筋肉が、瑞々しく輝いている。
こんな巨漢、いや巨人が、あちこちに何人もいるとは思えない。もしや先日の……
「誰だ?」
背中の主が振り向いた。巨大な背中の、その巨大さに見合う、高いところにあった頭部が回って、顔がこちらを向く。続いて、全身がこちらを向く。その顔はやはり、あの暴れ牛事件の戦士のものであったが、ミレイアはそれどころではなかった。
裸の背中を晒していた彼は、全身が裸だった。水浴びをしていたのだから当然といえば当然だが。そして当然のこととして、裸の全身がミレイアの方を向くということは、
「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ミレイアの絶叫は、商店街からの喧騒が全く届かないほどに距離があるこの場所から放たれたにも関わらず、大通りの隅々まで響き渡ったという。
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