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共通ルート
18話 恐怖
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「ありがとうございました」
「ご馳走様でした。また来ますね♡」
「……またお越しくださいませ」
いや、やっぱりまたお越しくださるのは勘弁してください。あなたガチお嬢様なんでしょう? イタリアンが食べたいならホテルの最上階とかにある高級店の方があなたに合っていると思いますよ?
俺の心の声がお客様に届くことはもちろんなく、仮に届いていたとしてもお客様がそれを聞いてくれるはずがなく、そのお客様……つまり花音は満足気な笑顔とともにお店から出ていった。
その様子を見届けてから、俺はお店の端っこにあるお気に入りの席でこちらの様子を見ていた一人の常連客に視線を向けた。
――ニコッ
その常連客は俺と目があった瞬間、嬉しそうにニコリと笑ってくれた。
……よかった。とりあえず今日の段階では特に不穏な空気は感じ取っていないらしい。花音がちょうど食事を終えたくらいの時間帯に彩華さんが来店して、二人の滞在時間がほとんど被らなかったのが不幸中の幸いだったのかもしれない。
いや待ってよ。彩華さんは俺の彼女にはならないと言っている訳だから、仮に俺と花音の今の関係を彩華さんが知ったとしても別に気にしないのかな。
それどころか「どう見ても彼女の方があなたに相応しいから、私たちの『期間限定のパートナー』の関係はここまで」とか言い出す可能性もあり……!?
いやいやいやいや、そんなのダメだ。そうなってはいけない。
やっぱりそろそろ花音のことをどうにかしないと。この二週間、彩華さんと一緒に過ごす時間が幸せすぎて花音の存在をすっかり忘れていた。逆に彩華さんとこういう関係になったからこそ、花音のことを早急になんとかしないといけなかったのに。
でも……何をどうすれば良いんだ? 彼女ができたからもう俺に付きまとうのはやめてほしいとストレートに言う? でも彩華さんは「彼女」ではない訳だから嘘になっちゃうよね。
あと、そう伝えたところで果たして花音が大人しく身を引いてくれるのかという問題もある。逆に花音が彩華さんに対して何かアクションを起こしてさらにややこしいことになったりはしないんだろうか。
別に花音が彩華さんに危害を加えるとは全く思わないけど、彩華さんに接触を試みて「あなたが颯太の彼女さんですか」とか聞いちゃう可能性は否定できない。
それでもし彩華さんが「いや違いますけど?」といった反応でもした日にはそりゃもう面倒なことになるぞ。
……正直、最近は花音のことがちょっと怖いんだよね。今日なんかもどうして彼女が俺のバイト先を知っていたのかが全く分からないし。
俺と花音には高校時代からの共通の友人が多くて、そのほぼ全員が俺たちと同じ大学に進学している訳だから花音が大学での俺のスケジュールをある程度把握しているのはまだ分かる。いくらでも情報源があるからね。
でもバイト先を特定できているのはどう考えてもおかしい。だって俺、自分のバイト先がどこなのかを大学では誰にも言っていないから。いくら共通の友人が多くても、その共通の友人の中に俺のバイト先を知っている人間は一人もいないはずなんだよ。
それなのに花音はなぜか俺のバイト先を知っていて、しかも俺がシフトを入れている時間帯にご来店されてしまった……。
俺のバイト先は花音にとっても地元のお店だから偶然だと思いたいけど、来店中の花音の表情を見る限りそれはなさそう。おそらく彼女は何らかの方法で俺がバイト先を特定して、俺がバイトをしている時間帯を狙って来店している。
……花音さ、いったい裏で何をしてるんだ? どうやって俺のバイト先を特定した? まさかストーカーみたいな真似をしてるってことはないよな? 花音がそんなことをする訳がないよな? 俺の自意識過剰……だよな?
「ご馳走様でした。また来ますね♡」
「……またお越しくださいませ」
いや、やっぱりまたお越しくださるのは勘弁してください。あなたガチお嬢様なんでしょう? イタリアンが食べたいならホテルの最上階とかにある高級店の方があなたに合っていると思いますよ?
俺の心の声がお客様に届くことはもちろんなく、仮に届いていたとしてもお客様がそれを聞いてくれるはずがなく、そのお客様……つまり花音は満足気な笑顔とともにお店から出ていった。
その様子を見届けてから、俺はお店の端っこにあるお気に入りの席でこちらの様子を見ていた一人の常連客に視線を向けた。
――ニコッ
その常連客は俺と目があった瞬間、嬉しそうにニコリと笑ってくれた。
……よかった。とりあえず今日の段階では特に不穏な空気は感じ取っていないらしい。花音がちょうど食事を終えたくらいの時間帯に彩華さんが来店して、二人の滞在時間がほとんど被らなかったのが不幸中の幸いだったのかもしれない。
いや待ってよ。彩華さんは俺の彼女にはならないと言っている訳だから、仮に俺と花音の今の関係を彩華さんが知ったとしても別に気にしないのかな。
それどころか「どう見ても彼女の方があなたに相応しいから、私たちの『期間限定のパートナー』の関係はここまで」とか言い出す可能性もあり……!?
いやいやいやいや、そんなのダメだ。そうなってはいけない。
やっぱりそろそろ花音のことをどうにかしないと。この二週間、彩華さんと一緒に過ごす時間が幸せすぎて花音の存在をすっかり忘れていた。逆に彩華さんとこういう関係になったからこそ、花音のことを早急になんとかしないといけなかったのに。
でも……何をどうすれば良いんだ? 彼女ができたからもう俺に付きまとうのはやめてほしいとストレートに言う? でも彩華さんは「彼女」ではない訳だから嘘になっちゃうよね。
あと、そう伝えたところで果たして花音が大人しく身を引いてくれるのかという問題もある。逆に花音が彩華さんに対して何かアクションを起こしてさらにややこしいことになったりはしないんだろうか。
別に花音が彩華さんに危害を加えるとは全く思わないけど、彩華さんに接触を試みて「あなたが颯太の彼女さんですか」とか聞いちゃう可能性は否定できない。
それでもし彩華さんが「いや違いますけど?」といった反応でもした日にはそりゃもう面倒なことになるぞ。
……正直、最近は花音のことがちょっと怖いんだよね。今日なんかもどうして彼女が俺のバイト先を知っていたのかが全く分からないし。
俺と花音には高校時代からの共通の友人が多くて、そのほぼ全員が俺たちと同じ大学に進学している訳だから花音が大学での俺のスケジュールをある程度把握しているのはまだ分かる。いくらでも情報源があるからね。
でもバイト先を特定できているのはどう考えてもおかしい。だって俺、自分のバイト先がどこなのかを大学では誰にも言っていないから。いくら共通の友人が多くても、その共通の友人の中に俺のバイト先を知っている人間は一人もいないはずなんだよ。
それなのに花音はなぜか俺のバイト先を知っていて、しかも俺がシフトを入れている時間帯にご来店されてしまった……。
俺のバイト先は花音にとっても地元のお店だから偶然だと思いたいけど、来店中の花音の表情を見る限りそれはなさそう。おそらく彼女は何らかの方法で俺がバイト先を特定して、俺がバイトをしている時間帯を狙って来店している。
……花音さ、いったい裏で何をしてるんだ? どうやって俺のバイト先を特定した? まさかストーカーみたいな真似をしてるってことはないよな? 花音がそんなことをする訳がないよな? 俺の自意識過剰……だよな?
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