私の前職物語

ハネクリ0831

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検査

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2018年10月、この二ヶ月間で、私の周りは大きく変化していた。

ある日を境に、先輩Fからの嫌がらせがぱったりと消えたかと思えば、その代わりに先輩Hが私に目をつけるようになった。
最初はただの注意だと思った。でも、それはすぐに罵倒へと変わり、毎日のように続く嫌がらせに姿を変えた。

「調子に乗ってんじゃねえよ!」

突然怒鳴られた日のことは、今でも鮮明に覚えている。慣れ始めていた作業が少し楽しくなりかけていた矢先のことだった。
Hの目は鋭く、言葉は冷たい刃のように胸に刺さった。
それ以降、どんなに努力しても、何を言っても彼の言葉は私を否定するだけだった。

「こんな仕事、向いてないんじゃない?」
「さっさと辞めちまえよ」

そんな言葉が日常になった。原因はわからない。頑張ろうとすればするほど嫌がらせが酷くなる。
家に帰れば親は無関心。むしろ「また仕事をサボろうとしているの?」と冷たい言葉が返ってくる。
気がつけば、周囲には誰も味方がいない――事実上の四面楚歌だった。

ある休日、私はとうとう限界を感じ、心療内科の扉を叩いた。
診察室のドアをノックする手は震えていたが、やっとの思いで中へ入る。

「どうぞ、おかけください」
柔らかな声の医師に促され、私は椅子に腰を下ろした。そして、これまでの状況を話し始めた。
言葉が詰まり、泣きそうになりながらも何とか伝えると、医師はじっと私を見つめ、静かに口を開いた。

「発達障害の本格的な検査をしてみませんか?」

「えっ?」
思わぬ提案に戸惑いが顔に出たのか、医師は続けた。

「もし特性があるとわかれば、周囲の人間にも配慮を求めやすくなるかもしれませんよ」

その言葉に少しだけ光を感じた。
「知りたいです、私も。お願いします」
そう答えると、医師は優しく頷いた。

検査は簡単な問診と、いくつかの作業から成り立っていた。

「この木を描いてみてください。そして、実もつけてみましょうか」

指示通りに絵を描く。少し不安だったが、目の前の紙に集中することで心は少し落ち着いた。
それが終わると、いくつかの質問に答えたり、短い作業をこなしたりした。
気がつけば1時間近くが経っていた。

部屋を出る頃、心の中には奇妙な感覚があった。
「これで、少しは何か変わるかもしれない」
そんな期待と、不安の混ざった感情だった。
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