王冠の乙女

ボンボンP

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閑話 第3王子 アーサー・インカラナータ

アーサーは疑問に思っていた。
宰相は自分に子爵家の令嬢を薦めたいのか?

いくら僕が側妃の産んだ第3王子とはいえ、子爵家の令嬢を妃に推すつもりなのか?
確かに宰相の派閥で僕と年齢が近いのはあの令嬢ぐらいなのだろうが…

でも僕は自分の婚約者は高位貴族から選ぶつもりでいる。
後ろ盾が欲しいからだ。
それに実母が田舎の伯爵家の出というだけで色々辛い思いをしてきたのに、自分の子供をそんな目で見られたくない…子爵家の養女なんて…。

でも、あの辣腕の宰相が縁談を持ってきたら断るのは難しい。


父王の代になってから国は徐々に荒れてきている。
度々起こる天災、自分だけは不利益を受けたくない貴族達と、高税に喘ぐ平民達。

貴族は出来る限りの策を考え領民を守らなければならないと言うのに、搾取しか考えていない貴族の何と多いことか。

父上は王としては気が弱く、貴族達に言われるがまま書類にサインしてしまうのだ。
臣下に何かいわれる度にその進言を取り入れようとするので政治がブレていくのだ。

貴族たちにとって扱いやすい王であり、民にとっては突然税が上がったり工事に駆り出されたりとある意味怖い王でもあった。

宰相が何とか今の状態を維持しているのだがそれもいつまで持つのだろう。
平民達にはどんどん不満が溜まっていくというのに…そしてその先には…。


王太子である長兄ウイリアムは、隣国の議会制度に強い憧れを抱いている。
貴族と平民の代表が同じ席で施策について話し合うというものだ。

でも僕は時期尚早だと思っている。
我国の平民への教育は制度が整っておらず、議会に参加でき堂々と貴族の前で意見を言える者が一体どれだけいるのだろうか?

次兄のエスカペイドは脳筋で浅慮、あいつが王になれば今よりもきっと悪くなるだろう。
周りの意見は聞いてすぐに流されるくせに、弟の僕の助言には生意気と言うだけでスルーしてしまう。



僕はある意味、血を、身分を重んじている。
王族、貴族でも名門と言われる血筋にはやはりそれだけの知識と歴史と、民を守ろうという矜持があるのだ、根底には国を護るという思いがあるのだ。

ただ、今は矜持を忘れた馬鹿な貴族が多いのだ。
僕は貴族に矜持を思い出させ、貴族が民を守る良い国にしたい。

しかし、いずれは議会制度を取り入れ平民の意見も効かなければいけなくなる、それが世界の本流だ。


でも我国にはまだ早いのだ、次代の王がその基礎を作らなければならない。
平民が勉強できるような仕組みから作らなければならないのだ。




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