神様?おかしいのでは?

鵜海 喨

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始まり

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 神経を直接触れるって事は、あそこの神経を直接触って。

「聞いてますか?」
「ごめん。聞いてませんでした」
「はぁ。また足音がしたんですよ」
 え?

 貴方から通知。音声を感知。言語、日本語にして再生します。

「ここがあの忌々しいヴィッチの家か。これから戦闘になるぞ。気を引き締めろ!」
「抱き枕さんよ。この世界の言語が分かるのか?」
「え? あ、はい」
「そして、少し体を貸してもらって良いか?」
「はい。大丈夫ですけど」
 てい!

 その掛け声と共に、彼女の胸に飛び込む。自身の体と同じ位の乳房は、体を受け入れ俺はその中に入り込む。

「ヴィッチ観念しろ! って人間?」
 剣を向けてきた爽やかな戦士は、困惑した顔をした。

「ふんっ情報と違うが、その装備からして、魔女だろ? ここで何をしている?」
「え? あ。寝泊まり?」
「はっ。何、寝言を言っている。その鍋に入っているのは、人間の肉だろう。もしや貴様。悪魔なんて呼び出そうとしたんじゃないだろうな?」
「私知らないです!」
「嘘を言え! その装備は地竜の鱗が使われている。なんな品物を所持している人間が一般人を演じてもバレバレだ」
「そんな事言われても」
「とにかく我が国まで来てくれ!」
「え、えぇ!」

 まぁうん。ごめん。抱き枕。
 うん仕方ない。うんうん。
 だって、こんな魔女のような人間が精霊と言うか妖精とかと、話してたらもっと怪しくなるし。
 まぁ本音は丸投げです。
 うんうん。

 それにしても。胸の中は柔らかくて気持ちがいい。
 温かいし、ずっと居たい。
 ここでゆったりとするか。

 数日後。

 ん?
 どうやら、国に着いたようだ。
「お前は、ここに居ろ!」
 そう聞こえて、居場所に衝撃が走る。
「抱き枕! どうした!」
「いたた。ちょっとコケただけです。えっと、ここは牢屋ですね」
「牢屋!?」
「ちょっとよく分からないです」
「なんでぇ!」
「嘘嘘。分かるって。でも、これはまずい事になったな」
「まずいって?」
「下手したら。死刑だぞ?」
「え?」
「まぁうん。どんまい」

「その女が魔女か?」
 そんな声が牢屋の外から聞こえる。
「これはパウダ様。左様でございます」
「そうか。この形相からして、転生者だろう。スキル鑑定」
 そう言って、俺らの事を見る。
「これは。王に報告しろ。彼女らは魔女ではないと。だがかなりの力を秘めている。これは戦力になるぞ」
 そう言って、去って行った。

「抱き枕。どうした?」
 抱き枕の様子がおかしい。
「いえ、なんでも無いです。大丈夫です」
 なら良いんだが。

 そして、裁判の日。
「王よ。無礼承知で発言いたします。その者は私の名に誓って魔女ではありません。しかし、まだ開放はされていませんが、内に膨大な力を秘めています。処分するのは勿体ないかと」
「パウダよ。それは真か?」
「左様です」
「なるほど分かった。この王、直々に判決を下す。貴様はパウダの監視下の上で開放する。これにて閉廷!」

 変な汗がドバドバ出たな。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫です」
「おい。貴様。着いてこい!」
「おい!呼ばれてるぞ」
「あ、はい!」

 そう言って、生活感丸出しの部屋に連れて行かれた。
「ここは、我の部屋だ。という喋り方も疲れたから、崩していいか?」
「え、はい」
「良かった。で、君も転生者でしょ? いきなりあんな森に飛ばされて大変だっただろうに」
 そう言って話すのは、若い魔法使いの男。
「何ていうのか。私はその転生者のコピーです」
「コピー? それにはスキル生命起源と人格が必要なはずだけど。それをどこで? もしかしてヴィッチの本から?」
「いえ、これは言っても良いのかな?」

 スキル環境把握。
 スキル貴方より通知。この者、パウダは敵対人物ではありません。

「多分大丈夫だぞ」
「え? あ、はい。えぇっと。スキル貴方から、剥離を使ってコピー剥離しました」
「スキル貴方? 知らないスキルだな。どんなスキルなんだ?」
「えーっと。説明出来ないです。思考残留から、スキルを作ったり出来ます」
「ほう。残留思考から。実は私も転生者なんだ」
「そうなんですか」
「転生者は、特殊なスキルを持ち合わせて産まれて来るんだ。僕で言うと、スキル管理みたいに」
「管理ですか」
「対象の行動を制限したり出来るんだ。まぁアナタにはそこまで束縛はしないけど、魔法だけは封じさせてもらったよ」
「正直関係ないな」
「ですね」
「所で、誰と話しているんだ?」
「え?! あ、主体の方と」
「私だよ!」
 そう言って、胸から飛び出す!
「ほう。これは驚いた」
「まぁうん。だろうな」
「で、これが、転生者か。リトルフェアリーとは運が悪いね」
「これでも進化した後なんだがね」
「ほう。もしかして精霊からか?」
「そうそう」
「で、なぜアナタはレベル上限に制限がかかってるのかな?」
「それは俺も知らないんだよね」
「もしかして、マザーが」
「ちょっと私を置いて話しないでよ!」
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