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第三章
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真っ暗な空間にいた。
寒くもなく暑くもなく、何もない空間。
ぴちょんと水音のようなものが響いて、闇に溶けるように消えていく。
自分の両手を見ようにも、光源一つないこの空間では形をなぞることは出来ない。
自分がそこにいる確証がもてない。
それがどれだけ恐ろしいことか、春太は初めて思い知った。
ここはどこなのだろう。
自分はたしかにヤナギやハクと共に森の奥へと進んでいたはずだ。
何か不気味な声がして、振り返ろうとした。
そうしたらヤナギが血相変えて手を伸ばしてきて…。
(だめだ、その先からの記憶がない)
春太は首を左右にふる。
顔に手を当ててようやく、自分の実体そのものが今ここにあることを体感として確認できた。
たったそれだけのことでもたらされる安心感に春太自身が一番戸惑っていた。
(どうしよう、早くヤナギたちと合流しなきゃ。…でも、どうやって?)
なんせ自分の置かれた状況がまるで分かっていない。
(そもそもここはどこなんだ?)
疑問は次から次へと生まれていくのに解決の糸口は一向に見えない。
先の見えない不安は確実に春太の心を蝕んでいく。
「助けて、ヤナギ…」
春太は立ちすくんだまま、唇を噛み締めた。
すると、目の前にぽうっと何かの光が見えた。
罠かもしれないとも思ったが、このままじっとしているわけにもいかない。
春太はとりあえずその光の方に進んでみることにした。
近付いてみて、ハッとした。
その光は映像だった。プロジェクターでスクリーンに投影されるような映像。
そこに映し出されていたのは、ヤナギとハクだ。
「師匠、やっと厄介払いできましたね。すいません、面倒なもん拾ってきてしまって」
「ヤナギは優しいからな、仕方ないさ。でもまあ、今回だけはあいつに感謝だな。上手く仕事をしてくれた。これで森も少しの間は大人しくなるだろう。今のうちに進もう」
「春太には悪いけど、これも仕方ないですよね。ここは弱肉強食の世界だから」
(なんだ…これ)
知らず知らずのうちに春太は後退りしていた。
二人とはまだ出会って間もない。
それにお互いの素性だってしれない。
だけど、信用していいのだと思えた。
大丈夫だって思えた。
ヤナギは絶対にこんな顔で笑わないし、こんなことを言わない。
それだけはハッキリと確信を持って言えた。
しばらくすると映像は途切れた。
ふうと息を吐くと、また別の場所に光が宿った。
本音を言えばもう見たくはないのだが、音は嫌でも聞こえてしまう。
次に流れた映像からは基樹の声がした。
春太はハッとして、思わずその映像のもとに駆け寄った。
映像に映る基樹は大学の友人達と居酒屋にいた。春太も知っている顔ぶれだ。たしか基樹のゼミ仲間のはず。
「そういや最近あいつ見ないな。えっと名前、なんだっけ?あの…ほら、もっさんと同じ高校の」
「ああ、春太?」
「そうそう、前まではほら、雪帆といつも一緒にいたじゃん。雪帆も見てねえけど」
「痴話喧嘩の最中らしいぞ。この前春太が泣きながら俺んとこ来た」
「え、なに?あいつらマジでデキてんの?野郎同士でイチャついてんのかよキッショ」
ゲラゲラと笑う声に春太は凍りついた。
もっさんはこんな風に場を盛り上げるために俺らのことを話したりしない。
でも、外野の声は妙にリアルで、俺のいない場所でならあり得ることなんじゃ…という考えがちらりと脳裏をよぎる。
「バカ、ありえないだろ、そんなこと」
自分自身に言い聞かせるように春太は頭を振り、耳を塞いだ。
目の前の映像を見ないように目を瞑り、立っているのもしんどくなってしゃがみ込む。
絶対にありえないと頭ではわかっているはずなのに、悪い方にばかり思考が傾き、つい目の前の光景を信じてしまいそうになる。
闇にのまれる。
侵食されていく。
怖い、怖い、怖いーー。
「もう嫌だ…助けて…誰か…」
そう呟いた時、閉じた瞼の向こうにうっすらと光を感じた。
恐る恐る目を開けると、今度は映像なんかじゃなく、人影が立っていた。
「……雪帆?」
顔を上げてまじまじと見上げる。
やはり、そこにいるのは雪帆だった。
「雪帆…どうしてこんなところに…」
ふらふらと立ち上がり、春太は雪帆のもとに歩み寄る。目の前に立つと懐かしい眼差しが向けられる。
春太は力一杯雪帆に抱きついた。
「会いたかった…!雪帆…っ!!」
冷たい体をしていた。
この森はとても寒い。
ずっと一人でこんな暗闇の中を彷徨っていたのだろうか。
「春太、俺も会いたかった」
雪帆の腕が春太を優しく抱く。
春太は雪帆の胸に顔を埋めるようにして泣いた。
何度も雪帆の名前を呼び、そのたびに雪帆は律儀に返事をする。
「俺、ずっとここに閉じ込められていたんだ。この森に来てから、ずっと。真っ暗で、怖くて、どうにかなりそうだった。そんな時に…春太も見たかな?映像が映し出された。そこには春太が映ってたんだ。俺を追ってきてくれたんだろう?すごく嬉しかった」
「雪帆に会いたかったんだ。どうしても。急に黙っていなくなるから、諦めきれなかった。追っていいのか分からなかったけど、俺、来てよかったんだね?」
「当たり前だろ?俺は最初から春太と離れるつもりなんてなかったんだから」
春太はやっと安堵した。
追ってきてよかったのだと雪帆に認めてもらえたことに。ずっと不安だったのだ。本当に自分の選択肢は正しかったのかと。
「…でも、こっちに来て、春太は変わっちゃったね」
雪帆の声が急に悲しげな色を帯びた。
春太は慌てて身を離し、雪帆の顔を覗き込んだ。
泣きそうな顔をしていた。
ズキンと胸が痛んだ。
「春太、あのヤナギって人に出会ってから、すごく楽しそうに見えた。俺を探してるんだって言いながら、俺のことなんて忘れちゃったみたいに」
「そんなことない!俺が雪帆を忘れたことなんて一秒たりともないよ!」
雪帆は春太から目を背けた。
春太はその行為に少なからずショックを受けた。
「信じて。本当に…俺はずっと雪帆に会いたくて…」
「本当かな。じゃあ、今でも春太の中では俺が一番にいるの?」
雪帆はヤナギに嫉妬しているのだろうか?
雪帆はもともとそういう感情を強く出すタイプではなかったけれど、こんな状況に追い込まれたら誰だって変わってしまうものかもしれない。
春太はうなずき、雪帆の頬に手を当てる。
「もちろん、いつだって俺の中の一番は雪帆だよ」
雪帆は頬に当てられた春太の手に自分の手を重ねる。じっと春太を見つめる目はまだその言葉を信じていいものかと悩んでいるようにも見えた。
「どうしたら、信じてくれるの?」
春太は雪帆に尋ねた。
雪帆は口元にうっすらと笑みを浮かべている。
まるで薄氷のような、儚く冷たい笑みだ。
それは今まで見たこともないようなゾクリとする表情で、春太は雪帆から視線を逸らすことが出来なくなった。そのままゆっくりと雪帆の唇が動き、言葉を形成していく。
「それじゃ証拠を見せて。春太が本気だって証拠」
「証拠?」
雪帆が言葉を紡ぐたび、段々と霞がかかったように頭が白くなっていく。
(だめだ、何も考えられない…)
春太はいつのまにか身動きも取れなくなっていた。指先すらも動かせないほどの重い倦怠感に苛まれる。
「あのヤナギって人は、俺たちの仲をきっと邪魔する。だから、あの人を消して。春太がそうしてくれたら、俺たちはこのままずっと一緒にいられる」
「ずっと…一緒に…?」
雪帆は微笑んで頷く。
「そうだよ。ねえ春太、もしも本当に俺のことを一番に想っているのなら、これからも俺だけを見ていて。他の誰の言葉にも耳を貸しちゃいけない。どこにも行かないで。ずっと、俺と一緒にいて」
体がますます重く沈むような感覚がした。
春太はひどい眠気に襲われて目を開けていられなくなる。
「…うん、わかった。俺は雪帆のそばにいるよ。だから…」
雪帆が笑う声が聞こえた。
「約束だよ、春太」
そのまま春太は深い眠りに堕ちていった。
寒くもなく暑くもなく、何もない空間。
ぴちょんと水音のようなものが響いて、闇に溶けるように消えていく。
自分の両手を見ようにも、光源一つないこの空間では形をなぞることは出来ない。
自分がそこにいる確証がもてない。
それがどれだけ恐ろしいことか、春太は初めて思い知った。
ここはどこなのだろう。
自分はたしかにヤナギやハクと共に森の奥へと進んでいたはずだ。
何か不気味な声がして、振り返ろうとした。
そうしたらヤナギが血相変えて手を伸ばしてきて…。
(だめだ、その先からの記憶がない)
春太は首を左右にふる。
顔に手を当ててようやく、自分の実体そのものが今ここにあることを体感として確認できた。
たったそれだけのことでもたらされる安心感に春太自身が一番戸惑っていた。
(どうしよう、早くヤナギたちと合流しなきゃ。…でも、どうやって?)
なんせ自分の置かれた状況がまるで分かっていない。
(そもそもここはどこなんだ?)
疑問は次から次へと生まれていくのに解決の糸口は一向に見えない。
先の見えない不安は確実に春太の心を蝕んでいく。
「助けて、ヤナギ…」
春太は立ちすくんだまま、唇を噛み締めた。
すると、目の前にぽうっと何かの光が見えた。
罠かもしれないとも思ったが、このままじっとしているわけにもいかない。
春太はとりあえずその光の方に進んでみることにした。
近付いてみて、ハッとした。
その光は映像だった。プロジェクターでスクリーンに投影されるような映像。
そこに映し出されていたのは、ヤナギとハクだ。
「師匠、やっと厄介払いできましたね。すいません、面倒なもん拾ってきてしまって」
「ヤナギは優しいからな、仕方ないさ。でもまあ、今回だけはあいつに感謝だな。上手く仕事をしてくれた。これで森も少しの間は大人しくなるだろう。今のうちに進もう」
「春太には悪いけど、これも仕方ないですよね。ここは弱肉強食の世界だから」
(なんだ…これ)
知らず知らずのうちに春太は後退りしていた。
二人とはまだ出会って間もない。
それにお互いの素性だってしれない。
だけど、信用していいのだと思えた。
大丈夫だって思えた。
ヤナギは絶対にこんな顔で笑わないし、こんなことを言わない。
それだけはハッキリと確信を持って言えた。
しばらくすると映像は途切れた。
ふうと息を吐くと、また別の場所に光が宿った。
本音を言えばもう見たくはないのだが、音は嫌でも聞こえてしまう。
次に流れた映像からは基樹の声がした。
春太はハッとして、思わずその映像のもとに駆け寄った。
映像に映る基樹は大学の友人達と居酒屋にいた。春太も知っている顔ぶれだ。たしか基樹のゼミ仲間のはず。
「そういや最近あいつ見ないな。えっと名前、なんだっけ?あの…ほら、もっさんと同じ高校の」
「ああ、春太?」
「そうそう、前まではほら、雪帆といつも一緒にいたじゃん。雪帆も見てねえけど」
「痴話喧嘩の最中らしいぞ。この前春太が泣きながら俺んとこ来た」
「え、なに?あいつらマジでデキてんの?野郎同士でイチャついてんのかよキッショ」
ゲラゲラと笑う声に春太は凍りついた。
もっさんはこんな風に場を盛り上げるために俺らのことを話したりしない。
でも、外野の声は妙にリアルで、俺のいない場所でならあり得ることなんじゃ…という考えがちらりと脳裏をよぎる。
「バカ、ありえないだろ、そんなこと」
自分自身に言い聞かせるように春太は頭を振り、耳を塞いだ。
目の前の映像を見ないように目を瞑り、立っているのもしんどくなってしゃがみ込む。
絶対にありえないと頭ではわかっているはずなのに、悪い方にばかり思考が傾き、つい目の前の光景を信じてしまいそうになる。
闇にのまれる。
侵食されていく。
怖い、怖い、怖いーー。
「もう嫌だ…助けて…誰か…」
そう呟いた時、閉じた瞼の向こうにうっすらと光を感じた。
恐る恐る目を開けると、今度は映像なんかじゃなく、人影が立っていた。
「……雪帆?」
顔を上げてまじまじと見上げる。
やはり、そこにいるのは雪帆だった。
「雪帆…どうしてこんなところに…」
ふらふらと立ち上がり、春太は雪帆のもとに歩み寄る。目の前に立つと懐かしい眼差しが向けられる。
春太は力一杯雪帆に抱きついた。
「会いたかった…!雪帆…っ!!」
冷たい体をしていた。
この森はとても寒い。
ずっと一人でこんな暗闇の中を彷徨っていたのだろうか。
「春太、俺も会いたかった」
雪帆の腕が春太を優しく抱く。
春太は雪帆の胸に顔を埋めるようにして泣いた。
何度も雪帆の名前を呼び、そのたびに雪帆は律儀に返事をする。
「俺、ずっとここに閉じ込められていたんだ。この森に来てから、ずっと。真っ暗で、怖くて、どうにかなりそうだった。そんな時に…春太も見たかな?映像が映し出された。そこには春太が映ってたんだ。俺を追ってきてくれたんだろう?すごく嬉しかった」
「雪帆に会いたかったんだ。どうしても。急に黙っていなくなるから、諦めきれなかった。追っていいのか分からなかったけど、俺、来てよかったんだね?」
「当たり前だろ?俺は最初から春太と離れるつもりなんてなかったんだから」
春太はやっと安堵した。
追ってきてよかったのだと雪帆に認めてもらえたことに。ずっと不安だったのだ。本当に自分の選択肢は正しかったのかと。
「…でも、こっちに来て、春太は変わっちゃったね」
雪帆の声が急に悲しげな色を帯びた。
春太は慌てて身を離し、雪帆の顔を覗き込んだ。
泣きそうな顔をしていた。
ズキンと胸が痛んだ。
「春太、あのヤナギって人に出会ってから、すごく楽しそうに見えた。俺を探してるんだって言いながら、俺のことなんて忘れちゃったみたいに」
「そんなことない!俺が雪帆を忘れたことなんて一秒たりともないよ!」
雪帆は春太から目を背けた。
春太はその行為に少なからずショックを受けた。
「信じて。本当に…俺はずっと雪帆に会いたくて…」
「本当かな。じゃあ、今でも春太の中では俺が一番にいるの?」
雪帆はヤナギに嫉妬しているのだろうか?
雪帆はもともとそういう感情を強く出すタイプではなかったけれど、こんな状況に追い込まれたら誰だって変わってしまうものかもしれない。
春太はうなずき、雪帆の頬に手を当てる。
「もちろん、いつだって俺の中の一番は雪帆だよ」
雪帆は頬に当てられた春太の手に自分の手を重ねる。じっと春太を見つめる目はまだその言葉を信じていいものかと悩んでいるようにも見えた。
「どうしたら、信じてくれるの?」
春太は雪帆に尋ねた。
雪帆は口元にうっすらと笑みを浮かべている。
まるで薄氷のような、儚く冷たい笑みだ。
それは今まで見たこともないようなゾクリとする表情で、春太は雪帆から視線を逸らすことが出来なくなった。そのままゆっくりと雪帆の唇が動き、言葉を形成していく。
「それじゃ証拠を見せて。春太が本気だって証拠」
「証拠?」
雪帆が言葉を紡ぐたび、段々と霞がかかったように頭が白くなっていく。
(だめだ、何も考えられない…)
春太はいつのまにか身動きも取れなくなっていた。指先すらも動かせないほどの重い倦怠感に苛まれる。
「あのヤナギって人は、俺たちの仲をきっと邪魔する。だから、あの人を消して。春太がそうしてくれたら、俺たちはこのままずっと一緒にいられる」
「ずっと…一緒に…?」
雪帆は微笑んで頷く。
「そうだよ。ねえ春太、もしも本当に俺のことを一番に想っているのなら、これからも俺だけを見ていて。他の誰の言葉にも耳を貸しちゃいけない。どこにも行かないで。ずっと、俺と一緒にいて」
体がますます重く沈むような感覚がした。
春太はひどい眠気に襲われて目を開けていられなくなる。
「…うん、わかった。俺は雪帆のそばにいるよ。だから…」
雪帆が笑う声が聞こえた。
「約束だよ、春太」
そのまま春太は深い眠りに堕ちていった。
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