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第二章
しおりを挟むソードポーは眠そうにキャンプから出ていった。長老の話は本当なのだろう。なぜか、信じることができた。
「おいのろま。早くしないとお前の食料はないからな。」
ビックフットが意地悪そうに言った。冗談とはいえ、真面目なソードポーは腹が立った。ビックフットは狩りや戦いは上手いが、すぐ相手を貶すから人気はあまりない。ソードポーもビックフットのことは嫌いだった。ソードポーはビックフットの言葉を無視すると、ビックフットの入った茂みとは別の茂みに潜むことにした。
ネズミが木の根の上で木の実をかじっている。ソードポーはそっと近づき.......ネズミの首目掛けてしっかり噛み付いた。そのとき、耳を破壊するかと思うような悲鳴が響き渡った。ソードポーはゾッとした。一瞬噛み付かれたネズミの悲鳴かと思ったが、ネズミはこんな恐ろしい悲鳴はあげない。
「大変だ!ビックフット!」
自分の指導者のシープクラウドが叫んだ。ソードポーはサッとネズミに土をかけて隠すと、シープクラウドのところへ急いだ。
そこには、首から血を流したビックフットが転がっていた。ビックフットの首には、とても大きな牙のあとがついていた。ソードポーはゾッとした。こんな巨大な牙を持つものがビックフットを襲ったのだろうか?
「ビックフット!しっかりしてくれ、ビックフット」
シープクラウドは必死にビックフットに呼びかけたが、ビックフットの光のない青い目は、空を見上げていた。
「ビックフット.......」
ソードポーは静かに呟いた。すると、今まで聞いたことがないような、恨めしそうな声が耳にそっと響いた。
「ソードポー.......まさかお前に.......されるとは.......いつか.......ぬぞ。恨み.......って.......っ気をつけろよ.......これで終わりだと思うなよ.......!」
ビックフットの声は途切れ途切れで、よく聞こえなかったが、ソードポーはビックフットの言いたいことが自然とわかった。ビックフットは、少なからず自分を恨んでいる。しかし、なぜ恨まれないといけないのだろうか。ただ、あたしは ネズミを獲っただけなのに.......
シープクラウドはビックフットの亡骸を咥えると、しっぽを引きずってキャンプへ向かった。ソードポーはしばらく血のついた草を見つめたあと、さっき仕留めたネズミを咥えてシープクラウドのあとをついて行った。
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