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第四章
しおりを挟むソードポーは呆然とフォーリンリーフを見つめた。フォーリンリーフは、このあたしがビックフットを殺したと言いたいの?
「フォーリンリーフ、それって.......」
フォーリンリーフは慌てて言った。
「ううん、違うの。わたしがそれを見たのは、夢の中なの。単に悪い獲物を食べてしまって見ただけかもしれないし」
フォーリンリーフはそう言ったが、ソードポーは信じられないでいた。それに、シープクラウドとフォーリンリーフの言っていることが本当なら、辻褄があう。ビックフットを恨みながらネズミを獲ったから、ビックフットは死んだ。
ソードポーは力なくうなだれた。
ビックフット、あたしこんなつもりじゃなかったんです。どうかお許しください.......
次の日から、ソードポーは獲物をとりにいかなくなった。じっと何かに耐えるように、長老たちの世話をしていた。
「悪いね、ソードポー」
レッドストーンが言った。レッドストーンは一門の中でも特に優しい猫で、何事にも感謝する心を持っている。ソードポーはふわふわしたコケをレッドストーンの前足の近くに落とすと、深くお辞儀をした。
「いいえ。今まで一門を守ってくれていたのですから、当然のことです」
ソードポーの青い目から苦悩しているのがわかったようだ。ソードポーが長老部屋をあとにして、立ち去ろうとしたとき、レッドストーンが鳴いた。
「こんなに礼儀正しい見習いはなかなかいないよ。あんたはいつか、大物になる。だから、頑張りなさい」
ソードポーは振り返った。レッドストーンはとても優しい目をしていた。レッドストーンの瞳の色は緑色をしている。レッドストーンは純粋なスカイ一門の血を引いてはいない。ソードポーの中に、希望という考えが浮かんでギクッとした。もうあたしは一門にいられないかもしれない。このことを長に言ったら、絶対に出て行けと言われる。そうソードポーは考えていたのだ。しかし、レッドストーンはソードポーが一門の猫ではないことを知っているかのような口調で言った。それは、ソードポーの励みになった。
「ありがとうございます、レッドストーン。一門のために、全力を尽くします」
知らぬうちに、その言葉をソードポーは述べていた。レッドストーンはサッとしっぽを振ると、新しいコケをくわえて長老部屋の奥へ消えた。
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