再利用率が見える俺の異世界工房〜再利用チートで村も町も豊かにします〜

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ゴミ捨て場から始まる仕事

第4話 小さな工房

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ボルフに案内された空き小屋は、村はずれの畑道の途中にあった。

「ここだ」

木の扉は少し傾き、壁にはところどころ隙間がある。
だが、屋根はしっかりしていて、雨風は十分しのげそうだ。
レントは中を覗き込み、小さく息を吐いた。

「悪くない」

広さはそれほどない。作業台を置けば、2、3人入るのがやっとだろう。
それでも、今の自分にとっては十分すぎる場所だった。

「しばらく使われてねえから、掃除は必要だがな」

ボルフが言うと、リーナがすぐに袖をまくった。

「じゃあ、まず掃除しましょう!」

「いや、俺が――」

「一緒にやれば早いです!」

はっきりそう言い切られ、レントは苦笑するしかなかった。

3人で小屋の中に入り、古い箱や壊れた棚を外へ運び出す。
埃が舞い、少し咳き込んだが、不思議と嫌な気分にはならない。
ここが、仕事場になる。そう思うと、胸の奥が少しだけ高鳴った。

「俺は畑に戻る。小屋のことは、あとで村長に話しとく」

掃除が一段落したころに、ボルフが言った。

「助かる」

「その代わり、鍬の修理、頼んだぞ」

軽く手を上げ、ボルフは去っていった。
小屋の中には、レントとリーナの二人だけが残る。
リーナは窓を開け、空気を入れ替えながら言った。

「本当に工房になりそうですね」

「まだ作業台もないけどな」

「作りましょう!」

行動力まっしぐらのリーナは、即答だった。
レントは少し驚き、その行動力に笑った。

「材料があればな」

「廃材が、いっぱいあるじゃないですか」

リーナが外の方を指差す。
確かに、村のあちこちに壊れた棚や板材が捨てられている。
レントは少し考え、頷いた。

「やれるかもしれない」

二人で村の裏手を回り、使えそうな板や木材を集めてくる。
視線を向けるたびに、数字が浮かび上がった。

【木材(歪み)】
再利用効率:61%

【板材(欠け)】
再利用効率:74%

完全な新品ではない。だが、補強すれば使える。
小屋へ戻り、レントは板を組み合わせ、簡単な作業台を作り始めた。
釘は曲がったものを叩き直して再利用する。
コン、コン、と小屋に音が響く。
リーナはその様子を興味深そうに見ていたが、やがて外へ出て戻ってきた。

「水、持ってきました」

差し出された木のコップを受け取り、レントは軽く礼を言った。

「ありがとう」

「それと......」

リーナは少し照れたように言う。

「帳簿も持ってきました。以来、整理した方がいいと思って」

「もう用意したのか?」

「雑貨屋で余ってた紙です」

得意げに笑う。
その行動の速さに、レントは感心した。
作業台が形になった頃、外から声がした。

「ここで道具を直してるって聞いたんだが」

振り向くと、村人が2人、小屋の前に立っていた。
手には欠けた包丁と、歪んだ鍋を持っている。
リーナがすぐに前へ出る。

「はい、修理受付してます!」

リーナの適応の早さに、レントは思わず苦笑したが、村人の方へ歩み寄った。

包丁を受け取ろうとしたとき、村人が少し遠慮がちに言った。

「代金は、どうすればいい?」

レントは一瞬考え、答えた。

「最初は、直せた分だけ何かで払ってくれればいい。野菜でも薪でも」

それを聞いたリーナが帳簿を開く。

「では、代価も一緒に記録しておきます」

村人はほっとしたように頷いた。

「お名前は?」

村人が少し戸惑いながら名乗る。
その様子を見て、レントは本当に仕事になりそうだと胸の奥で何かが動くのを感じた。
包丁を受け取り、状態を確認する。

【包丁(欠け)】
再利用効率:82%
修復推定成功率:71%

レントは、直せるのを確認し、作業台の前に立ち、研ぎ始めた。
まだ道具は十分ではないが、やれることはある。
削る音が、小屋に静かに響く。
しばらくして、整えた包丁を渡すと、村人は目を丸くした。

「おお......切れ味が全然違うな」

その反応に、リーナが嬉しそうに笑う。

「ちゃんと直るんですよ!」

鍋も仮補修し、村人たちは何度も礼を言って帰っていった。
小屋の中に静けさが戻る。
リーナが帳簿を閉じながら言った。

「最初のお客さんですね」

「そうだな」

レントは、自分の手を見た。
少しだけ木くずがつき、指先が白くなっている。
前世でも、同じように手を汚して働いていた。だが今は、その感触が少し違う。
ここで、生きていくのかもしれないと、そう思った瞬間、胸の奥に小さな実感が生まれた。
そのとき、小屋の入口に影が落ちた。

「ここで何をしている」

低い声が小屋に響いた。
振り向くと、大柄な男が立っていた。
腕の太さ、煤の匂い、革のエプロン。
一目で分かる。鍛冶屋だ。
男は小屋の中をゆっくり見回し、最後にレントを見据えた。

「村の道具を、勝手にいじってるのはお前か」

空気が、わずかに張り詰める。
リーナが小さく息を飲んだ。
レントは手袋を外し、男に向き直る。

「直してるだけだ」

男の目が細くなる。

「そうか」

短い言葉を発すると、許可もなく一歩小屋の中へ踏み込んできた。
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