チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!

芽狐@書籍発売中

文字の大きさ
716 / 811
第3章 アレクを狙って

第866話 行商人の正体と気付けば大繁盛!?

しおりを挟む
行商人の男は、開門の時間を迎えると足早に門を出てストレンの街をあとにした。
そして、ある程度街から離れた場所で、男の真後ろを歩いていた二人組と歩調を合わせて自然と合流する。

「第三王子様、ご無事で何よりです。それで、収穫は何かございましたでしょうか?」

「ここでは、コルンと呼んでくれないか?まだ王国内だ。誰が聞いているかわからない。デッド、ライン、あの飲食店は凄いぞ。未知の魔道具に未知の調理法で作られた料理。そして、魔法を使い宙を舞う赤ん坊。それに、我々が知らない知識を持った少年がいた」

どこかの国の第三王子であるコルンは、アレク達のラーメン屋で見た出来事を話す。そして、やはり大樹の存在には少なからず驚いていたようだ。

「はい?コルン様、幻術にかかっているとかはないですよね?赤ん坊が、魔法を使い宙を舞うことなどありえません。それに、未知の魔道具と未知の調理法とはなんですか?本当ならば、詳しくお聞かせください」

デッドとラインは、それぞれ黒いフードを深々と被っており、顔を窺うことはできないが、デッドの方が体格もよく身長も高い。そして、コルンと話しているのはデッドである。

「幻術にかかっているならラインが気付いていると思うが。それに信じなくてもいいが、全て事実なんだ。未知の魔道具は、リアルな絵を映し出し指で押すだけで注文が出来る魔道具。未知の調理法は、教えてもらえるわけがないのだから分かるはずがないだろ」

コルンは、幻術にかかっていないことを証明してほしそうな目でラインを見ると、ラインは首を大きく振って幻術にかかっていないことをデッドに伝える。

「はぁ~、寧ろ幻術であって欲しかったですよ。王都に行く途中で、ウスベル王を見かけてしまったばかりに......」

コルン達は、王都に向かう道中でストレンの街に滞在していた。そこで、偶々お忍びで来ていた陛下がラーメン屋に入っていくのを見つけて、何があるのかとコルンが調査に出向いたのだ。

「いや、大きな収穫だと思う。もし、これだけの技術力を有した王国と国交を結ぶことが出来れば、連邦を統一出来るかもしれない。あとは、武力がいかほどのものか調べる必要があるがな」

マンテ爺の読み通り、面倒事に巻き込まれそうな雰囲気ではあるが、コルン自体は王国との国交を望んでいるようなので、まだアレクが巻き込まれる心配はなさそうだ。

「ではコルン様、当初の予定通り、王都へ向かうということでよろしいですか?」

「そうだな。王都に行き情報を収集する必要があるだろう。だが、もう一番ストレンの街には戻ってくるぞ。どうしても、あのラーメンをもう一度食べたい。ハァァ、うまかった」

コルンは、本音を言うと王都行きよりも、暫くはストレンの街に滞在をしてラーメン屋に通いたいと考えていた。

「俺も食べたかった......です」

ラインは、お忍びの陛下を見かけた時に、ラーメン屋に近付いて情報収集しようとしたがうまく行かずに諦めていた。しかし、その時に嗅いでいたラーメン屋から漂うおいしそうなにおいを忘れられずにいて、思わず小さな声だが呟いてしまう。

「ラインが、自ら話すのは珍しい。よし、調査を早急に終わらせてラーメン屋に全員で行こう。なら、善は急げだ!行くぞ」

「ハァ~、二人共ラーメンしか頭にありませんね。こうなった二人は、聞く耳を持ちませんから仕方ありませんか。二人共、そんなに急ぐと転ぶので気をつけてください」

コルンとラインは、ただ急いでいるだけなのだが、雪が積もっているせいで、そこを走る姿は、まるで子供が大はしゃぎしているのではないかと錯覚してしまう感じになっていた。





その頃、ラーメン屋は閉店間際にも関わらず、先程の静けさから一転して大忙しになっていた。
理由は、雪が止み動き出した冒険者達が、灯りとラーメン屋から漂ういいにおいに釣られて続々と現れた。

「うめぇ~!お前ら、俺はまだ食うぞ!」

「依頼なんか後回しでいいんだよ!今は、ビールと餃子とラーメンを食えるだけ食うだけだ」

「ぷはぁ~、朝からビール最高~!私も、今日は飲み明かすわ」

冒険者は、男女問わず朝からビールを何杯もお代わりしてテンションが上がり上がってしまい、収拾がつかなくなり始めている。

「マンテ爺、餃子が追いつかないかも。ラーメンを先に出せるかな?」

「ワシの方も限界じゃ。味玉も麺も残り少なくなっとるわい。そろそろ、冒険者に依頼へ行けと追い出せんか?」

閉店間際に、こんなにも冒険者が押し寄せるとは思っていなかったアレクとマンテ爺は、てんやわんやになっていた。

「ブッハ、お客様を追い出せるわけないでしょ。あと何人前くらいありそうかな?」

「10食分じゃな。ヘルミーナと大樹にも伝えて、アレクが閉店の知らせを客にしてくれんか?その間、餃子はやっておくわい」

アレクは、マンテ爺に餃子を任せてホールにいる冒険者へ説明に行くのだった。
しおりを挟む
感想 2,239

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

没落した貴族家に拾われたので恩返しで復興させます

六山葵
ファンタジー
生まれて間も無く、山の中に捨てられていた赤子レオン・ハートフィリア。 彼を拾ったのは没落して平民になった貴族達だった。 優しい両親に育てられ、可愛い弟と共にすくすくと成長したレオンは不思議な夢を見るようになる。 それは過去の記憶なのか、あるいは前世の記憶か。 その夢のおかげで魔法を学んだレオンは愛する両親を再び貴族にするために魔法学院で魔法を学ぶことを決意した。 しかし、学院でレオンを待っていたのは酷い平民差別。そしてそこにレオンの夢の謎も交わって、彼の運命は大きく変わっていくことになるのだった。 ※2025/12/31に書籍五巻以降の話を非公開に変更する予定です。 詳細は近況ボードをご覧ください。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣で最強すぎて困る

マーラッシュ
ファンタジー
旧題:狙って勇者パーティーを追放されて猫を拾ったら聖獣で犬を拾ったら神獣だった。そして人間を拾ったら・・・ 何かを拾う度にトラブルに巻き込まれるけど、結果成り上がってしまう。 異世界転生者のユートは、バルトフェル帝国の山奥に一人で住んでいた。  ある日、盗賊に襲われている公爵令嬢を助けたことによって、勇者パーティーに推薦されることになる。  断ると角が立つと思い仕方なしに引き受けるが、このパーティーが最悪だった。  勇者ギアベルは皇帝の息子でやりたい放題。活躍すれば咎められ、上手く行かなければユートのせいにされ、パーティーに入った初日から後悔するのだった。そして他の仲間達は全て女性で、ギアベルに絶対服従していたため、味方は誰もいない。  ユートはすぐにでもパーティーを抜けるため、情報屋に金を払い噂を流すことにした。  勇者パーティーはユートがいなければ何も出来ない集団だという内容でだ。  プライドが高いギアベルは、噂を聞いてすぐに「貴様のような役立たずは勇者パーティーには必要ない!」と公衆の面前で追放してくれた。  しかし晴れて自由の身になったが、一つだけ誤算があった。  それはギアベルの怒りを買いすぎたせいで、帝国を追放されてしまったのだ。  そしてユートは荷物を取りに行くため自宅に戻ると、そこには腹をすかした猫が、道端には怪我をした犬が、さらに船の中には女の子が倒れていたが、それぞれの正体はとんでもないものであった。  これは自重できない異世界転生者が色々なものを拾った結果、トラブルに巻き込まれ解決していき成り上がり、幸せな異世界ライフを満喫する物語である。

御家騒動なんて真っ平ごめんです〜捨てられた双子の片割れは平凡な人生を歩みたい〜

伽羅
ファンタジー
【幼少期】 双子の弟に殺された…と思ったら、何故か赤ん坊に生まれ変わっていた。 ここはもしかして異世界か?  だが、そこでも双子だったため、後継者争いを懸念する親に孤児院の前に捨てられてしまう。 ようやく里親が見つかり、平和に暮らせると思っていたが…。 【学院期】 学院に通い出すとそこには双子の片割れのエドワード王子も通っていた。 周りに双子だとバレないように学院生活を送っていたが、何故かエドワード王子の影武者をする事になり…。  

異世界で目覚めたら、もふもふ騎士団に保護されてました ~ちびっ子だけど、獣人たちの平穏のためお世話係がんばります!!~

ありぽん
ファンタジー
神のミスで命を落とした芽依は、お詫びとして大好きな異世界へ転生させてもらえることに。だが転生の際、またしても神のミスで、森の奥地に幼女の姿で送られてしまい。転生の反動で眠っていた瞳は、気づかないうちに魔獣たちに囲まれてしまう。 しかしそんな危機的状況の中、森を巡回していた、獣人だけで構成された獣騎士団が駆け付けてくれ、芽依はどうにかこの窮地を切り抜けることができたのだった。 やがて目を覚ました芽依は、初めは混乱したものの、すぐに現状を受け入れ。またその後、同じ種族の人間側で保護する案も出たが、ある事情により、芽依はそのまま獣騎士団の宿舎で暮らすことに。 そこで芽依は、助けてくれた獣騎士たちに恩を返すため、そして日々厳しい任務に向かう獣人たちが少しでも平穏に過ごせるようにと、お世話係を買って出る。 そんな芽依に、当初は不安だった獣人たちだったが、元気で明るい瞳の存在は、次第に獣人たちの力となっていくのだった。 これはちびっ子転生者の芽依が、獣人や魔獣たちのために奮闘し、癒しとなっていく。そんな、ほっこりまったり? な物語。

家族転生 ~父、勇者 母、大魔導師 兄、宰相 姉、公爵夫人 弟、S級暗殺者 妹、宮廷薬師 ……俺、門番~

北条新九郎
ファンタジー
 三好家は一家揃って全滅し、そして一家揃って異世界転生を果たしていた。  父は勇者として、母は大魔導師として異世界で名声を博し、現地人の期待に応えて魔王討伐に旅立つ。またその子供たちも兄は宰相、姉は公爵夫人、弟はS級暗殺者、妹は宮廷薬師として異世界を謳歌していた。  ただ、三好家第三子の神太郎だけは異世界において冴えない立場だった。  彼の職業は………………ただの門番である。  そして、そんな彼の目的はスローライフを送りつつ、異世界ハーレムを作ることだった。  お気に入り・感想、宜しくお願いします。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。