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第3章 アレクを狙って
第900話 馬鹿な大臣と毛色の違う宰司様!
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アレク達が乗る船は、賑わいを見せていた船着き場に停泊するのではなく、壁で囲われた停泊場に止まった。
そして、アレク達はコルン先導で船から下りる。
「コルン第三王子様、長旅お疲れ様でした。すぐに休めるよう、湯浴みと部屋を手配しております。馬車にお乗りください」
執事のような人物が、コルンの前に現れて、馬車に乗るよう言う。
そして、いかにも上級貴族といった高い服や装飾品を身に纏った小太りや痩せたおじさん達が、値踏みするかのような視線でアレク達を後方から見ている。
「迎えご苦労。だが、レオは王国の王太子で俺よりも身分が上だ。それに、他の者も伯爵とこちらは魔ノ国の宰相だ。貴賓の方々への挨拶と誘導が先ではないか?」
コルンは、リグリス連邦を出発する前に、最低限の迎えで構わないと話していたのだが、蓋を開けて見ると、大臣達が全員揃い、護衛をぞろぞろ連れてやってきていた。更には、貴賓扱いのアレク達に挨拶の一言もなく、佇む様子に、コルンは嫌味を兼ねて伝えた。
「申し訳ございません。なんと申せばよいやら......」
壮年の執事は、冷や汗を掻きながら、一瞬大臣達を見たあと、言葉を詰まらせる。
「うむ。そういうことか。各大臣には、後ほど話がある。それまでは、城から一歩たりとも出るな!今すで、護衛と共に城へ帰還しろ!いいな?」
コルンは、執事の様子から、無理矢理大臣達に命令されたのだと理解した。しかし、貴賓として招いたアレク達の前で国の羞恥を見せるわけにはいかないので、大臣達を叱りつけることはせず、城に帰そうとする。
「第三王子様、お気に障るような行動を取ってしまい、申し訳ございません。私達は、ただ同盟国となるに相応しい相手なのか、この目で確かめようと参った次第です。ですが、第三王子様の命令ですので、私達はこの場を去りましょう」
小太りの男は、コルンの言葉を理解出来ていないのか、はたまたわざとなのか、コルンに謝りながらも逆鱗に触れるであろう言葉を発し、他の大臣と護衛と共に去っていく。
「レオ、申し訳ない。どうやら、あの者達には、ウズベル王国がどれだけ素晴らしく有益な国なのか伝わっていないらしい。それに、貴賓と言った相手に、軽々しくあのような言葉が出ること自体恥ずかしい」
コルンは、手で顔を覆うようにしながら、落胆した表情を浮かべて謝罪する。
「いやいや、僕は平気だよ。王国でも自分が一番偉いと勘違いしていた貴族は山程いたし、お兄様達も同じような感じだったから」
レオは、一切表情を変えることなく、何もなかったように話す。
「そう言って貰えて感謝しかない。デッド、ライン、大臣達に目を光らせておけ!レオ達に何かあれば、せっかくの機会を失う。それだけは、阻止してくれ」
「ハッ、畏まりました」
「お任せください」
情報漏れの件といい、先程の言動といい、何かしらの妨害や動きがあると感じたコルンは、護衛二人に細心の注意を払うよう言った。
「コルン様~、遅くなってしまい申し訳ございません。他国の対応に追われている隙に、大臣達を逃してしまいました。ん?大臣達がいないようですが、問題はなかったでしょうか?」
話が一段落つくと、馬に乗った人物が慌ててやってきて、馬から下りるなりコルンに謝る。
「大臣達なら、ウズベル王国と魔ノ国に対し見下した態度を取って去っていった。バルサーク、情報漏れの件や他国の動きについて後程報告を頼む。それから、こちらがレオ王太子。そして、こちらが魔ノ国の宰相をしているジキタリス殿だ」
バルサークという人物は、大臣達と同じように高い服を着ているが、柔和な表情ですぐにアレク達の下へ駆け寄り、ズボンで手を拭き握手を求めてきた。
「はぁ、なんということを......大臣達がご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。私は、宰司をしておりますバルサークと申します。レオ王太子様、お目にかかれて光栄でございます。ジキタリス様もよろしくお願いします」
「ちなみに、宰相と宰司は同じ役職だ。バルサーク、魔ノ国がジキタリス殿を送ってきた意味をわかるな?」
バルサークは、大臣達と違ってアレク達を歓迎しているように感じた。そして、レオとジキタリスが挨拶を返そうとしたのが、コルンが割って入る。
「まさか、同じ位だとは......はい!使者ではなく、王太子様と国の実質No.2である宰司を送ってきている時点で、貴賓以上の最高のおもてなしでお迎えしなくてはいけませんね」
大臣達とは違い、コルンの言いたいことを、すぐに理解する。
「その通りだ。バルサークは、すぐに城に戻り、大臣を含めた全員にこのことを再度周知させてくれ。そして、大臣達には俺の執務室に来るよう命令を頼む」
「ハッ!畏まりました。大臣達には、私から言い聞かせておきます。では、失礼致します」
バルサークは、馬に跨り城へと急いで帰っていった。そして、アレク達も馬車に乗って城へと向かうのだった。
そして、アレク達はコルン先導で船から下りる。
「コルン第三王子様、長旅お疲れ様でした。すぐに休めるよう、湯浴みと部屋を手配しております。馬車にお乗りください」
執事のような人物が、コルンの前に現れて、馬車に乗るよう言う。
そして、いかにも上級貴族といった高い服や装飾品を身に纏った小太りや痩せたおじさん達が、値踏みするかのような視線でアレク達を後方から見ている。
「迎えご苦労。だが、レオは王国の王太子で俺よりも身分が上だ。それに、他の者も伯爵とこちらは魔ノ国の宰相だ。貴賓の方々への挨拶と誘導が先ではないか?」
コルンは、リグリス連邦を出発する前に、最低限の迎えで構わないと話していたのだが、蓋を開けて見ると、大臣達が全員揃い、護衛をぞろぞろ連れてやってきていた。更には、貴賓扱いのアレク達に挨拶の一言もなく、佇む様子に、コルンは嫌味を兼ねて伝えた。
「申し訳ございません。なんと申せばよいやら......」
壮年の執事は、冷や汗を掻きながら、一瞬大臣達を見たあと、言葉を詰まらせる。
「うむ。そういうことか。各大臣には、後ほど話がある。それまでは、城から一歩たりとも出るな!今すで、護衛と共に城へ帰還しろ!いいな?」
コルンは、執事の様子から、無理矢理大臣達に命令されたのだと理解した。しかし、貴賓として招いたアレク達の前で国の羞恥を見せるわけにはいかないので、大臣達を叱りつけることはせず、城に帰そうとする。
「第三王子様、お気に障るような行動を取ってしまい、申し訳ございません。私達は、ただ同盟国となるに相応しい相手なのか、この目で確かめようと参った次第です。ですが、第三王子様の命令ですので、私達はこの場を去りましょう」
小太りの男は、コルンの言葉を理解出来ていないのか、はたまたわざとなのか、コルンに謝りながらも逆鱗に触れるであろう言葉を発し、他の大臣と護衛と共に去っていく。
「レオ、申し訳ない。どうやら、あの者達には、ウズベル王国がどれだけ素晴らしく有益な国なのか伝わっていないらしい。それに、貴賓と言った相手に、軽々しくあのような言葉が出ること自体恥ずかしい」
コルンは、手で顔を覆うようにしながら、落胆した表情を浮かべて謝罪する。
「いやいや、僕は平気だよ。王国でも自分が一番偉いと勘違いしていた貴族は山程いたし、お兄様達も同じような感じだったから」
レオは、一切表情を変えることなく、何もなかったように話す。
「そう言って貰えて感謝しかない。デッド、ライン、大臣達に目を光らせておけ!レオ達に何かあれば、せっかくの機会を失う。それだけは、阻止してくれ」
「ハッ、畏まりました」
「お任せください」
情報漏れの件といい、先程の言動といい、何かしらの妨害や動きがあると感じたコルンは、護衛二人に細心の注意を払うよう言った。
「コルン様~、遅くなってしまい申し訳ございません。他国の対応に追われている隙に、大臣達を逃してしまいました。ん?大臣達がいないようですが、問題はなかったでしょうか?」
話が一段落つくと、馬に乗った人物が慌ててやってきて、馬から下りるなりコルンに謝る。
「大臣達なら、ウズベル王国と魔ノ国に対し見下した態度を取って去っていった。バルサーク、情報漏れの件や他国の動きについて後程報告を頼む。それから、こちらがレオ王太子。そして、こちらが魔ノ国の宰相をしているジキタリス殿だ」
バルサークという人物は、大臣達と同じように高い服を着ているが、柔和な表情ですぐにアレク達の下へ駆け寄り、ズボンで手を拭き握手を求めてきた。
「はぁ、なんということを......大臣達がご迷惑をおかけして大変申し訳ございません。私は、宰司をしておりますバルサークと申します。レオ王太子様、お目にかかれて光栄でございます。ジキタリス様もよろしくお願いします」
「ちなみに、宰相と宰司は同じ役職だ。バルサーク、魔ノ国がジキタリス殿を送ってきた意味をわかるな?」
バルサークは、大臣達と違ってアレク達を歓迎しているように感じた。そして、レオとジキタリスが挨拶を返そうとしたのが、コルンが割って入る。
「まさか、同じ位だとは......はい!使者ではなく、王太子様と国の実質No.2である宰司を送ってきている時点で、貴賓以上の最高のおもてなしでお迎えしなくてはいけませんね」
大臣達とは違い、コルンの言いたいことを、すぐに理解する。
「その通りだ。バルサークは、すぐに城に戻り、大臣を含めた全員にこのことを再度周知させてくれ。そして、大臣達には俺の執務室に来るよう命令を頼む」
「ハッ!畏まりました。大臣達には、私から言い聞かせておきます。では、失礼致します」
バルサークは、馬に跨り城へと急いで帰っていった。そして、アレク達も馬車に乗って城へと向かうのだった。
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