異世界屋台経営-料理一本で異世界へ

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第1章 リルの村

第4話 鶏そぼろ丼とトンボが仲間になる!

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トンボが、なんとか誤魔化して住人を追い返した後、家に戻って今後のことを話し合うのであった。

「マサトは、これからどうするんだ?」

「う~ん!?せっかくだから世界を回ってみたいかな。でも、魔物がいるからどうしようかなって...」

「俺に妙案があるんだが...俺を雇わねぇか?これでも、狩りには自身があるからな。どうだ?」

真人は、どうするか考えたが、今頼れるのはトンボしかいないので、即決するのであった。

「俺からしたら願ってもない提案だよ。でも、この土地を離れて平気なのか?あと、何故知り合ったばかりの俺を助けてくれるんだ?」

「あぁ~俺もいつか旅に出たいと思っていたからな。何故かって?そりゃ異世界からの勇者様に同行したいじゃねぇか。それに、飯がうめぇからな。まだまだマサトの料理が食いてぇ」

ガハハハと大笑いしながら言う。
真人は、トンボのある言葉に引っかかる。

「わかった。トンボ頼む!それと、稼いだら払うから金は待ってくれないか?それよりもだ。勇者ってなんだ?俺にそんな力はないぞ」

トンボは、ニカと笑って「任せろ。金はいつでもいいぜ」と言い、厚い胸板を叩く!

「ん?勇者か?勇者は異世界から召喚された者のことを差すんだ。聞いた話だと王に見初められたやつが、王城で働いてると聞いたな。後はS級冒険者になったとか聞いたぞ」

「待て待て!じゃあ俺以外にも転移者がいるのか?」

「転移者も転生者もいるって話だ。俺も爺ちゃんから聞いた話と、ここに来る商人から聞いた話しか知らねぇからな」

まさかの、同郷がいる可能性が出てきたことで、より王都や色んな場所に行きたいと思うのであった。

「そうか...ありがとう。いつか同郷に会えるのを楽しみにしながら世界を回ろうと思う」

「いいんじゃねぇか?俺は、うまいもんを食いながら世界を回ることが夢だな。それを叶えてくれるのは、マサトしかいねぇ。楽しい旅にしようじゃねぇか。俺は早速だが、別れの挨拶と旅の準備をしてくるわ」

「じゃあ、俺は旅の間の飯を作っておくな。魔物がいるなら、おいそれと屋台は出せないだろうから」

「あ!それもそうだな。うまい飯を期待してるぜ。じゃあ行ってくる」

そう言ってトンボは、家を飛び出して行った。
真人は、家の中で屋台を召喚して、何を作ろうか暫し悩む。

「ごちゃごちゃしたのより、簡単に食べられるスープ系を基準に考えるか。あとは、サンドイッチとかがいいかな」

そう言って、旅の食事の準備をする真人。少し多めに6品くらい作ったあたりで、今日の夕飯を作り始める。

まず、炊飯器でご飯を炊いて準備をする。
鍋に鶏ひき肉 200gと砂糖 大さじ2と料理酒 大さじ2としょうゆ 大さじ2を入れて、菜箸を4本持ち、鶏ひき肉の固まりがなくなるまで、よく混ぜ合わせる。そして中火にかけ、菜箸で全体を大きくかき混ぜながら加熱していく。鶏ひき肉の色が変わり始めたら、菜箸を手早くかき混ぜ、中火でぽろぽろになるまで炒めて、鶏ひき肉に火が通り煮汁が1/3量程になったら火から下ろして、バットに移して粗熱を取る。ボウルに卵を割ってから入れてよく溶きほぐして、別の鍋にさっきの溶いた卵と料理酒 大さじ1と砂糖 大さじ1と塩 少々を入れて弱火にかけ、菜箸を4本持ち、全体を大きく混ぜながら加熱する。そして半熟状になったら、弱火で焦がさないように、菜箸で手早くかき混ぜて卵に火が通ったら火を止め、よくかき混ぜて細かなそぼろ状に仕上げ、バットに移して粗熱を取る。ごはんを盛った器に鶏そぼろと卵を盛り付け、中央に三つ葉をのせて完成させる。

ちょうど出来上がったと同時に、トンボが帰ってくる。

「外までいい匂いがしやがるぞ。家の前に着いた瞬間、腹の虫が治まらねぇ」

腹を押さえ、大きな体を縮こませながら家に入ってくる。

「座ってくれ。今日は、鶏そぼろ丼だ。早速食べよう」

トンボは、待ってましたと云わんばかりに、丼を手に持ってスプーンを掴み、なんの躊躇もなく食べ始める。そして、両ほっぺたをパンパンに膨らませて真人を見ながらウンウンと頷く。

「マサト、うめぇ~よ!うますぎる!茶色いやつは甘辛い味で、黄色のは優しい味で食感はふわふわしていて、白いのは噛む度に甘みが出てきて茶色いやつの濃さを程よく調和して絶品にさせていやがる。腹にガツンと来るし、こいつは最高だ」

「そりゃよかった。白いのは、ご飯...米と言って俺達日本人にとっては欠かせない食べ物なんだ。最高にうまいだろ?おかわりいるか?」

トンボは、あっという間に全てを平らげてしまう。しかし、表情を見るとまだ物足りなさそうにしていた。

「おっ!いいのか?食べてぇ」

トンボは、目を輝かせて見てくる。うまそうに食べる姿とあまりの喜びように真人は嬉しくなるのだった。
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