異世界から来た美少女達はやたらと僕に懐いてる

3話

「誰ですか？　あなた達は」

「俺達のことなんていいから遊ぼうぜ。なぁ」

ガラの悪い男の人達に絡まれてしまった。フェリスは可愛いからこうなると思っていた。

「本当に可愛いね。てか何歳？」

「約千二百歳です」

「ははは、面白いね君」

フェリス千二百歳だったのか、さすが異世界。

フェリスも困ってるし助け舟を出すか。

「あの、連れが困ってるのでやめてくれませんか？」

「はぁ？　誰お前、邪魔すんなし」

男達は一斉に僕の方を睨む。うう、怖いけどフェリスの為だ。

「だから、連れが困ってるって言ってるじゃないですか」

「お前生意気だな。ちょっと表出ろや」

逆上した男達は僕の腕を取り歩き出す。ショッピングモールを出て、人気の無い路地裏まで連れていかれた。

フェリスも怖いのか黙ってついてきてるし。

「あの、警察呼びますよ？」

警察、その単語を聞き男達は笑いだした。

「ぎゃははははは！　警察なんて怖くないね。それに、呼ぶ前にお前ボコるから、な！」

男が急に殴りかかってきた。

僕は思わず目を瞑り、衝撃に備えた。けど、いつまで経っても衝撃が来ない。恐る恐る目を開けると、

僕に放たれた拳はフェリスが片手で受け止めていた。

「あなた達の事はよく分かりました。今からあなた達の性根を叩き直します！」

受け止めた手を離し、素早く組み付き綺麗に背負い投げを決める。

「ぐわぁ！？」

「「「！？！？」」」

その背負い投げを見た男達は明らかに動揺していた。

「さあ、かかって来なさい！」

手を前に出して指を曲げる、挑発をして相手を煽る。

「う、うおおお！！」

男の一人が突進してきたが、フェリスは冷静に男の顎にハイキックを放つ。

「ゲフッ！？」

顎を蹴られた男は脳震盪を起こし地面に倒れる。

「なめんなよ！　うおおおお！！」

残った男は果敢にもフェリスに殴りかかったが、その拳を受け流しその腕を掴み投げ飛ばした。

「ぐはぁ！？」

三人の男を地面に沈めたフェリスは輝くような笑顔で話しかける。

「琉太さん、私お腹が空きました。ご飯を食べましょう！」

「う、うん！　そうだね」

この時僕はフェリスを怒らせるのはやめようと思った。

駅にあるファミレスに入った僕達はエアコンの聞いた店内で料理が来るのを待っていた。

「ふう、涼しいですねこの店は」

「エアコンが効いてるからね」

「こっちの世界は色々便利ですね。私達の世界は魔法を使わないと涼しくできなかったから」

「あ、やっぱり魔法ってあるんだね」

「ありますよ！　後で見せてあげますよ」

えっ！？　見せてくれるんだ。少し楽しみだな。

話の話題はフェリスの種族についてに変わった。

「フェリスって人間なの？」

「いえ、私は神獣ですよ？　不死鳥って奴です」

やっぱりそうだったんだ。人間では無いと思っていたけど、神獣とは。

「じゃあ、千二百歳ってのも？」

それを聞いたフェリスは頬を膨らませながら僕をジト目で睨んだ。

「むー！　女性に年齢について聞くのはあまり宜しくないですよ」

そうだよな。これはマナー違反だった。

「ごめん、フェリス」

「いいですよー！」

頼んでいたメニューも届き、ご飯を食べる。

フェリスはオムライスを頼んでいた。僕はハンバーグを頼んだ。

「うん！　こっちの世界のご飯はおいしいです！」

「日本の食文化は発展してるからね」

美味しそうにオムライスを頬張るフェリスは、それはもう可愛かった。

ご飯も食べ終わり、電車に乗って帰路に着く。

帰りの電車でもフェリスはハイテンションだった。

「明後日から僕学校がまた始まるけど、僕が学校に行ってる間は何するの？」

「私も学校に行きますよ？」

「え？　マジ？」

「マジです」

フェリスも明後日からの学校に転校するようだ。マジかよ。

なんでも、神様によってフェリスの日本での身分はちゃんと用意されていたそうで、学校に行くための根回しもされていたようだ。

用意周到なこった。

「しかも同じクラスです」

用意周到なこった！！