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5話
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午前の授業もあっという間に終わり、昼休みに入る。
相変わらずフェリスの周りには人が沢山いる。
僕は佐藤くんと話すようになった。佐藤くんはとても良い奴で話しやすい。
初めて友達と言える人が出来て嬉しい。フェリスも友達ができるといいな。
「琉太さん。一緒にご飯食べに行きませんか?」
フェリスからご飯の誘いが来た。僕としては全然いいけど、いいのかな?
「いいの? クラスのみんなとご飯食べなくて」
「いいんですよ、私は琉太さんと食べたいんですから」
「じゃあ、俺も琉太と食べようかな」
「佐藤くん」
「学食だろ? 俺も行くぜ」
クラスの男子からの嫉妬の視線がヤバいけど、フェリスと佐藤くんとご飯を食べに食堂に行く。
「へー、ここが学食かー。安価なメニューが多いですね」
「そうなんだよ。生徒の財布にも優しいの良いよな」
「僕はいつも学食だけど佐藤くんも?」
「俺も基本は学食だな」
フェリスは豚肉の生姜焼きを、僕はうどんを注文した。
佐藤くんもうどんを注文したようで、一緒の席に着く。
「そうそう、ここの学食は安いだけじゃなくてちゃんと美味しいのが自慢だな」
佐藤くんの言う通り。学食は普通に美味しい。
食堂でもフェリスはとても目立つ。
「誰あの子?」
「超可愛い!」
などと言われ、注目を集めてしまっている。
「ごめんなさい。私のせいで注目されてしまって」
フェリスはとても申し訳なさそうにしている。僕としては気にしなくていいのに。
「気にしないでフェリス。目立つのは仕方ないと思うから」
「ですが・・・・・・」
「いいの! フェリスが可愛いって言われると僕も自慢したくなるからね」
「琉太さん・・・・・・!!」
「仲がいいんだな。本当に」
佐藤くんも何処か嬉しそうに笑っている。
「佐藤さん、嬉しそうですね」
フェリスはそこを指摘する。言ってやるなフェリス。
「だって、中島がこんなに面白い奴とは思わなかったからな。話してみるもんだな」
「僕もそれには同意だね。佐藤くんと仲良くなれて嬉しいよ」
「琉太さんに友達ができて、私も嬉しいです」
三人で和気あいあいと食事を楽しんでいると、ガタイのいい男の人四人組が机を蹴り上げながら怒鳴ってきた。
「お前か! 一昨日、うちのもんをボコったって言うのは!!」
その四人のうち三人をよく見ると一昨日フェリスに絡んできてぶっ飛ばされた人達だった。
うちの高校だったんだ、あの人達・・・・・・。
「ああ、あの時の人達ですか・・・・・・」
「お前、放課後校舎裏に来い! ぶち犯してやるからな!」
僕と佐藤くんが固まっている間に男たちは食堂を出ていった。
「フェリスさん何やらかしたんだ? 尋常じゃないくらい怒ってたけど」
「あの男達が絡んできたからボコボコにしただけですが?」
フェリスは何を言ってるんだ当然だろ、と言わんばかりだ。
「フェリスって案外喧嘩早いよね」
「私なんてまだまだですよ、もっとえげつない人とかたくさんいますからね」
それは異世界基準なんじゃ、と思ったが心の奥底にしまう。
「ヤバいよフェリスさん、あの男は田中聖人って言ってここら辺を支配している暴走族の幹部だよ」
佐藤くん詳しいな。そんな連中に目をつけられたら怖いよな。フェリスを除いて。
「何がヤバいんです? アイツらならまたボコすだけですよ」
フェリスは何が怖いんだと言わんばかりにキョトンとしている。
「だから暴走族で・・・・・・」
「私からしたら暴走族だろうがドラゴンだろうと関係ない。ただの敵だ。敵はぶっ飛ばす」
フェリスは口角を吊り上げ、不敵に笑う。
その姿を見て僕は思った。フェリスは本当に血の気が多いなと。
案外バーサーカーなんだよな。普段の姿からは想像できない。
「警察呼んだ方がいいかな?」
佐藤くんも流石に怖いのか警察を呼ぶことを勧める。
「その必要はないですよ。私が全員ボコりますから。あ、佐藤さんも一緒に来てください」
「え!? なんでよ!?」
フェリスは説明した。佐藤くんは僕達と一緒にいるところを見られたから一人になった時に拉致されて人質にされたら面倒だから、と。
長い間葛藤した佐藤くんはやがて大きなため息を吐いた。
「はぁー、分かった。俺もその場に同席するよ」
「ありがとうございます。今度は二度とは向かう気が起きないように念入りにボコります!」
相変わらずフェリスの周りには人が沢山いる。
僕は佐藤くんと話すようになった。佐藤くんはとても良い奴で話しやすい。
初めて友達と言える人が出来て嬉しい。フェリスも友達ができるといいな。
「琉太さん。一緒にご飯食べに行きませんか?」
フェリスからご飯の誘いが来た。僕としては全然いいけど、いいのかな?
「いいの? クラスのみんなとご飯食べなくて」
「いいんですよ、私は琉太さんと食べたいんですから」
「じゃあ、俺も琉太と食べようかな」
「佐藤くん」
「学食だろ? 俺も行くぜ」
クラスの男子からの嫉妬の視線がヤバいけど、フェリスと佐藤くんとご飯を食べに食堂に行く。
「へー、ここが学食かー。安価なメニューが多いですね」
「そうなんだよ。生徒の財布にも優しいの良いよな」
「僕はいつも学食だけど佐藤くんも?」
「俺も基本は学食だな」
フェリスは豚肉の生姜焼きを、僕はうどんを注文した。
佐藤くんもうどんを注文したようで、一緒の席に着く。
「そうそう、ここの学食は安いだけじゃなくてちゃんと美味しいのが自慢だな」
佐藤くんの言う通り。学食は普通に美味しい。
食堂でもフェリスはとても目立つ。
「誰あの子?」
「超可愛い!」
などと言われ、注目を集めてしまっている。
「ごめんなさい。私のせいで注目されてしまって」
フェリスはとても申し訳なさそうにしている。僕としては気にしなくていいのに。
「気にしないでフェリス。目立つのは仕方ないと思うから」
「ですが・・・・・・」
「いいの! フェリスが可愛いって言われると僕も自慢したくなるからね」
「琉太さん・・・・・・!!」
「仲がいいんだな。本当に」
佐藤くんも何処か嬉しそうに笑っている。
「佐藤さん、嬉しそうですね」
フェリスはそこを指摘する。言ってやるなフェリス。
「だって、中島がこんなに面白い奴とは思わなかったからな。話してみるもんだな」
「僕もそれには同意だね。佐藤くんと仲良くなれて嬉しいよ」
「琉太さんに友達ができて、私も嬉しいです」
三人で和気あいあいと食事を楽しんでいると、ガタイのいい男の人四人組が机を蹴り上げながら怒鳴ってきた。
「お前か! 一昨日、うちのもんをボコったって言うのは!!」
その四人のうち三人をよく見ると一昨日フェリスに絡んできてぶっ飛ばされた人達だった。
うちの高校だったんだ、あの人達・・・・・・。
「ああ、あの時の人達ですか・・・・・・」
「お前、放課後校舎裏に来い! ぶち犯してやるからな!」
僕と佐藤くんが固まっている間に男たちは食堂を出ていった。
「フェリスさん何やらかしたんだ? 尋常じゃないくらい怒ってたけど」
「あの男達が絡んできたからボコボコにしただけですが?」
フェリスは何を言ってるんだ当然だろ、と言わんばかりだ。
「フェリスって案外喧嘩早いよね」
「私なんてまだまだですよ、もっとえげつない人とかたくさんいますからね」
それは異世界基準なんじゃ、と思ったが心の奥底にしまう。
「ヤバいよフェリスさん、あの男は田中聖人って言ってここら辺を支配している暴走族の幹部だよ」
佐藤くん詳しいな。そんな連中に目をつけられたら怖いよな。フェリスを除いて。
「何がヤバいんです? アイツらならまたボコすだけですよ」
フェリスは何が怖いんだと言わんばかりにキョトンとしている。
「だから暴走族で・・・・・・」
「私からしたら暴走族だろうがドラゴンだろうと関係ない。ただの敵だ。敵はぶっ飛ばす」
フェリスは口角を吊り上げ、不敵に笑う。
その姿を見て僕は思った。フェリスは本当に血の気が多いなと。
案外バーサーカーなんだよな。普段の姿からは想像できない。
「警察呼んだ方がいいかな?」
佐藤くんも流石に怖いのか警察を呼ぶことを勧める。
「その必要はないですよ。私が全員ボコりますから。あ、佐藤さんも一緒に来てください」
「え!? なんでよ!?」
フェリスは説明した。佐藤くんは僕達と一緒にいるところを見られたから一人になった時に拉致されて人質にされたら面倒だから、と。
長い間葛藤した佐藤くんはやがて大きなため息を吐いた。
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「ありがとうございます。今度は二度とは向かう気が起きないように念入りにボコります!」
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