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第四話、若かれし頃の昴その4
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第1戦から順調に這い上がるチームミスズの面々。プライベーター参戦のダートキングこと中島昴は、いよいよ第六戦、昴にとって因縁の館山戦だったこのコースは万年雪のコースで、乗鞍、館山スカイラインの区間を使う雪上レースとなる。昴は「監督、今回の第六戦は、ビギナーにとっては、見送った方がいいかと。」泉川さんは「私も同じ意見だね。」監督は「理由は?」昴は、「2mの雪壁が両側にありますが山側なのか谷側なのか分からなくなり下手をすれば人命に関わります。いちばん怖いのは、その壁が厚いのか?薄いのか?によります。特に乗鞍から岐阜方面に今回は下るルートです。アイスバーンが酷く4駆である事が仇となります。WRCパイロットなら兎に角全日本のレベルではトップドライバーでも普段より慎重を期します。それだけの難コースです。」泉川さんは、「補足するならレッキなんか役に立たなくなるし、標高が高い分転落となれば真っ逆さまだ。いちばん身に染みているやつが言うんだ、今回は辞退した方がいいさ、そうだね。昴っちが言いたいのは、」監督は、「走るか走らないかは泉川君と添田君が決めることだし?」昴は、「そうですか?なら、このビデオ置いていきます。参考にはならないでしょうが、」と、そっと机の上においた。そして、監督室のドアを強く閉めて行った。泉川さんは、「あたしの弟は、ここで死んだのさ。あいつはまだそれを引きずってる。その怖さを一番身に染みて知ってるからもう反対してるのさ。あいつがレースに復帰するまで、半年の辛いリハビリをして、ダートに戻ってきたしかしラリーは、もうやらないと、決めたのさ。もしここでまた、大事な仲間を無くしたらもうあいつは、ラリーだけでなく車自体嫌いになるだろうね弟の命日には、必ずあの子は、花束を捧げに行くんだよ。日坂や青柳は、まだしも添田雪子は、雪上の恐ろしさを知らないから普段通りはしっちまうだろうね?その先に待つのは、栄光か、死かどちらかだあたしも今回だけは降りるよ。悪いけど、予備のナビが居るんならそいつにやらせな!」とビデオを見つめながら監督室を去る泉川さんだった。ロッカールームにうずくまる昴がいた泉川一彩は、抱きしめながら、「あんたのせいじゃないさあれは、偶然のハプニングだったんだレッキ通りに走らせて崖から落ちた怖かったよな健二が死んで辛かったよな、何回も、何回も、ビデオ見たけど、あんたは、悪くない、悪くないんだ。」歯を食いしばりながら監督を説得できなかった昴は、自分を呪うかのように唇を噛み締め血を流し目からこぼれんばかりの涙を流し声を殺し膝を抱えうずくまった。
日坂さんと青柳さんがロッカロッカールームに入る。やっぱり日坂さんは「やっぱりあいつのセッティングは、しっくりくるな」と言った。青柳さんは「日坂さん、あれ?」と指を指し日坂さんは「あれ?昴っちどうした。」と言った。泉川さんが「あんたら少し出てな!」と言った。青柳さん「まさか?雪姫の件ですか?」「二度は言わないよ!」と泉川さんは、怒鳴った。昴は「俺荷物まとめますね?あと、一緒に監督を説得してくれてありがとうございます。後、雪さんの事よろしくお願いします。」「私はナビをおりたよ。」と泉川さんは言った。「それでも、もし何かあったらアドバイスしてやってください」と深々と頭を下げた床に落ちる涙が自分の無力さを表していた。昴は、弱々しくそして静かにロッカーを閉めロッカールームを出ていったその後に真逆に強く荒々しくロッカーを閉め、ロッカールームを出て二人を睨みつけて、「空いたよ、待たせたね」と言って立ち去った。青柳さんが「まさかとは思いますが、今回、二号車出す、つもりなんですかね?」日坂さんは、「まさかだろ。ルーキー殺しの、あのコースだぜ。俺が監督ならまず出さないし、出しても流す程度でいいと言うさ。生きて帰るのがルーキーの仕事。その分ベテランがカバーすればいいだけさ。」青柳さんは、「しかしさっきの姉さんの顔と言い昴君の落ち込みようといい」と言った。日坂さんは、「確かに尋常じゃなかったな?」とロッカールームに入り昴のロッカーを開けた。日坂さんは、「おいマジか?」青柳さんは、「どうしたんですか?」と尋ねた。日坂さんは「いつも貼ってある相棒の写真がない!それに私物もなくなってる」と言った。青柳さんは、「まさか、冗談は、・・・止めてく・だ・さ・い・よ?」と言った。一号車ペアは、呆然とした。青柳さんは「なんの冗談ですか?これ?」と言った。日坂さんは泉川さんのロッカーも見る。凹んで半開きになったロッカーは、貸与されたスーツ以外空だった。日坂さんは「おいおいおいおい冗談になってねぇぞ!俺はあいつら追いかける」と言った。青柳さんは、「自分は監督に確認とってきます」慌てる二人に雪子は「お疲れ様です」と言ったが「おう」とだけ挨拶が返ってきただけで、素通りされた雪子は、そのままロッカールームに向かい、初めて二人の慌てる理由がわかった。半開きになった泉川さんのロッカー、反対側の昴のロッカーには何も無い。ただスーツとグローブが置いてあるだけだった。雪の積もる館山乗鞍スカイラインの中程に、昴は車を止め、ハザードを焚き、花束を持って立っていた。泉川さんは、後を追ってきたのか?同じように、横に立つ。「一彩さん、俺たちはね、あのコーナーから立ち上げようとしてねアクセルをゆっくりほんの少し踏んでね、そしたらあそこのアイスバーンにタイヤ取られてね、スピンしてね、あの崖下に落ちたんですよ屋根から落ちてもフロントから落ちてもおしまいだったんですよ」と泣きながら当時の状況を、こくこくと説明していた。レッキ帳には無かったのに本番の時には、あったんですよ。日陰で凍ってるの見えなくて。雪壁を掘り小さな皿を置き、その上に線香炊いてそっと置いた。手を合わせながら花束を雪に刺すようにガードレールと雪壁の間に置いて涙を拭いながら、ひたすらごめんな、ごめんなさいと、謝り続けた。それを見てるだけしかできない一彩さんだった。「そろそろ帰ろう。ズボン、こんなに、濡らしちまって、体も、こんなに、冷え切っちまって、馬鹿だね。昴は、もう、あんたを、責める、やつなんか、いないと、言うのにさ。毎年毎年ここに来ちゃって、そうやって自分を責めて、本当に馬鹿だ!でも、ありがとうね。」昴は、「罵ってくださいよ!俺はあそこのコーナーのアイスバーンを見落として、」一彩は平手打ちをして、その後優しく撫でながら「もうおやめ。ビンタする方だって痛いんだよ手だけじゃなく心まで。わかるかい?悪くも無い相手にビンタして、それであんたの気持ちが晴れるなら幾らでもしてやるさ。だけどね?健二は戻ってきちゃこないだろ?あんたは、自分のせいだって言うけどね、健二も気づかなかったお互い様って思わないかい?」日坂さんは、「あの時ああしてれば、あの時こうしていれば、あの時、あの時、て責めちまう。俺だって沢山あったさ昴よ。俺たちラリー屋なんてな、そんなのの繰り返しだ逃げても辞めても付いてきちまうんだよ姉さんだって経験してるんだ。当時二号車のドライバーは姉さんの旦那で、俺の師匠だった泉川翔ナビシートには姉さん、一号車のマシントラブルが、あってな、二号車に乗ったんだ。泉川ペアは、俺らは予備車でな」青柳さんは、「自分ら初の雪上レースだったからドンジリ走って、やっぱりアイスバーンにタイヤ持ってかれて、でも遅かったから山側に突っ込んでリタイア、泉川ペアは、そのままちょうどこのコーナーでしたよね。」一彩は、目を閉じて「そうだね、なんの因果なんだろうね?あの人は弟まで連れて行っちまったんだろうね?しかもそれが一昨日が命日なんだから、たまったもんじゃないよだからさ、私が、あんたを、昴の意見に同調したのは…。でなんで一号車ペアがここにいるんだい」日坂さんは、「たまには、懺悔に浸りたい時もあるんですぜ姉さん!」青柳さん「自分もこのコースと知った時は、流石に気が滅入るんですよ」日坂さんは「毎年、草津ルートなのになんで今年はこのコースなんだよって感じでさあ」監督と添田雪子が、後から来た、「俺だってやだよ、このコースをみんなに走らせるのは、しかし、チームミスズは、本社の決定に従うしかないあと、オフィシャルからは、4駆参戦が多い為このコースにしたんだとさ。」添田雪子は、「皆さんの過去を知りこのコースを、今、直に見て私には無理と判断します。でも、社命で走らなきゃダメなら、私の条件は、泉川一彩さんにナビシートにいてほしいと思っています代わりは、いません。」泉川は、「雪ちゃん、1つ条件がある。ドンジリでもいいから安全マージンを大きく取って、走って欲しい。約束できるかな?本社のオーダーなんて無視して!それが守れるなら、私も腹を括る。」昴は、「健二、頼む、雪子さんと一彩さんを守ってくれそっちに連れていかないでくれ!」と、祈った!そして、昴は、「監督、1発殴っていいですか?テストドライバー辞める口実が欲しいので?」監督は、「このレースの結果次第じゃだめか?」昴は、「それでもいいですが、一人でも欠ける結果になった時一発じゃ済まない気がしますので?」監督は「それは俺の責任だからな好きなだけ殴ればいいよ。それでお前の気が晴れるならな。」昴は「晴れませんよ。一生、ここらに残ります。それでも殴ってしまうかもしれません?車自体が嫌いになります。ライセンスも免許証も返上して、静かに消えますよ。だからみんなを無事に返してください。今回俺はセッティングしません。意味がないからです。」監督は、「わかった。その代わりサポートカーに乗ってくれ」昴は、「俺の車をサポートカーにしませんか?あれなら荷物の積載量や、簡単な修理部品なら詰め込めますから。それにAEDも装備してますし、あと雪さん、このコーナーがいちばんの山場です。ルーキー殺しの魔のコーナー。大抵ここで新人は崖から落ちます。だからこのコーナーだけは減速してください。泉川さんも徹底させて下さい。」一彩は、「必ず、徹底させるさ。」と言って一同は帰ることにした。レース当日、ブリーフィング。昴は、「何度も言いますが、二号車は、慣らし運転のつもりで、お願いします。一号車は、無理のない様に行けるポイントは何箇所か有ります。そこでアタックしてください。今回は、生存率を上げること順位は二の次でお願いします。僕からは以上です。」監督は「コマンドポストから指示を出すが、一号車だけアタックをかけろ二号車は、レッキ帳を当てにせず慎重に走れ。無理ならリタイアも選択肢に入れておくように。サポートマシンは昴のマシンを使うが、もう1台用意しておく。全員、特に新人は、要注意だ。わかったか?」一同は、「ハイ!」と返信をし、昴は「日坂さん、久々の富山側から岐阜までの区間、長丁場です。無理せず、区間を意識して下さい。日坂さんは、「あいよ。なんせ隣に口うるさい相棒がいるからな」青柳さんは、「聞こえてますよ、日坂さん!終わったら殴りましょうか?それとも直で正座がいいですか?ゴールまでに考えておいてくださいね?」日坂さんは、「こえ~、これでわかったろ?」昴は「了解です。お気をつけて」と言って二号車に向かった。昴は、「お二人とも寒くないですか?まだお茶を飲む時間はあります。」と二人に手渡した。泉川さんは、「あんたの言いたいことはわかってるよ」昴は「お願いします。」更に昴は「雪さん、前に新人が走っていても絶対に安全マージンは3車両分は開けてください下手すればレッドフラッグもありますから。」雪さんは、「後ろからパッシングされたら?」昴は「道を譲ってください。一号車と情報やコマンドポストとの連携を密にお願いします。」二人は、「了解!」前には、各メーカーの4駆マシンがぞろぞろ続く。日坂ペアが先行し、そのすぐ後に添田ペアが続く。最初のTC区間はゆるいワインディングロードで、SSセクションは、乗鞍の中盤からとなる。昴はSS4セクションの辺りで待機する。魔のカーブは、SS3とSS4の中間地点だからだ。ほかのサポートカーは、SS5地点に待機している。ダウンのロングコートでも寒いがメカニカルピットに比べればまだ、マシだ。「コマンドポスト。こちらSS4、サポートカー及びメカニック、スタンバイできてます。」監督から「コマンドポストから各セクション、今、全車スタートした。逐一報告よろしく。」オペレーターは、「了解です。」と一斉に返事をした。昴は「サポート一号車いつでもいけます。」メカニックリーダーサポート「二号車準備万端です。」監督は、「コマンドポスト了解だ!」隊列を組んで、最初の峠駆け上がる上りはトルク勝負となるこの場合排気量のでかい車に有利となるが、凍結した路面には、余り意味がない凍結した路面は摩擦抵抗が減り空転してしまいタイヤの摩耗が激しくなる。ウィンターブロックタイヤでも、同様なのだだからチェーンを巻き食い付きをよくする一昔前なら、スパイクタイヤが主流だったのだが、平地の凍結してない所だと粉塵障害を起こすとの事で廃止となったタイヤメーカーは、こぞってスパイクタイヤに変わるタイヤの開発に取り組み、スタッドレスタイヤが開発された。しかし、それでもアイスバーンに有効なのはチェーンとの組み合わせが最適解となっており、ラリーでも、スタッドレスタイヤと、チェーンの組み合わせで、走る、ベテラン勢と、スタッドレスタイヤを過信して、チェーンを巻かないチームも多くなった。しかも四駆は、スタッドレスタイヤだけの、チームが、多い、用心に、越したことは、ないのだ。インカムから、一号車と二号車が無事TC区間を通過したと知らせが入る。しかし、まだやっとSSのスタートラインに着いただけで、これからが本番なのだと、昴も日坂ペアも泉川も知っているまだ序盤も始まってはいないのだ。
日坂さんと青柳さんがロッカロッカールームに入る。やっぱり日坂さんは「やっぱりあいつのセッティングは、しっくりくるな」と言った。青柳さんは「日坂さん、あれ?」と指を指し日坂さんは「あれ?昴っちどうした。」と言った。泉川さんが「あんたら少し出てな!」と言った。青柳さん「まさか?雪姫の件ですか?」「二度は言わないよ!」と泉川さんは、怒鳴った。昴は「俺荷物まとめますね?あと、一緒に監督を説得してくれてありがとうございます。後、雪さんの事よろしくお願いします。」「私はナビをおりたよ。」と泉川さんは言った。「それでも、もし何かあったらアドバイスしてやってください」と深々と頭を下げた床に落ちる涙が自分の無力さを表していた。昴は、弱々しくそして静かにロッカーを閉めロッカールームを出ていったその後に真逆に強く荒々しくロッカーを閉め、ロッカールームを出て二人を睨みつけて、「空いたよ、待たせたね」と言って立ち去った。青柳さんが「まさかとは思いますが、今回、二号車出す、つもりなんですかね?」日坂さんは、「まさかだろ。ルーキー殺しの、あのコースだぜ。俺が監督ならまず出さないし、出しても流す程度でいいと言うさ。生きて帰るのがルーキーの仕事。その分ベテランがカバーすればいいだけさ。」青柳さんは、「しかしさっきの姉さんの顔と言い昴君の落ち込みようといい」と言った。日坂さんは、「確かに尋常じゃなかったな?」とロッカールームに入り昴のロッカーを開けた。日坂さんは、「おいマジか?」青柳さんは、「どうしたんですか?」と尋ねた。日坂さんは「いつも貼ってある相棒の写真がない!それに私物もなくなってる」と言った。青柳さんは、「まさか、冗談は、・・・止めてく・だ・さ・い・よ?」と言った。一号車ペアは、呆然とした。青柳さんは「なんの冗談ですか?これ?」と言った。日坂さんは泉川さんのロッカーも見る。凹んで半開きになったロッカーは、貸与されたスーツ以外空だった。日坂さんは「おいおいおいおい冗談になってねぇぞ!俺はあいつら追いかける」と言った。青柳さんは、「自分は監督に確認とってきます」慌てる二人に雪子は「お疲れ様です」と言ったが「おう」とだけ挨拶が返ってきただけで、素通りされた雪子は、そのままロッカールームに向かい、初めて二人の慌てる理由がわかった。半開きになった泉川さんのロッカー、反対側の昴のロッカーには何も無い。ただスーツとグローブが置いてあるだけだった。雪の積もる館山乗鞍スカイラインの中程に、昴は車を止め、ハザードを焚き、花束を持って立っていた。泉川さんは、後を追ってきたのか?同じように、横に立つ。「一彩さん、俺たちはね、あのコーナーから立ち上げようとしてねアクセルをゆっくりほんの少し踏んでね、そしたらあそこのアイスバーンにタイヤ取られてね、スピンしてね、あの崖下に落ちたんですよ屋根から落ちてもフロントから落ちてもおしまいだったんですよ」と泣きながら当時の状況を、こくこくと説明していた。レッキ帳には無かったのに本番の時には、あったんですよ。日陰で凍ってるの見えなくて。雪壁を掘り小さな皿を置き、その上に線香炊いてそっと置いた。手を合わせながら花束を雪に刺すようにガードレールと雪壁の間に置いて涙を拭いながら、ひたすらごめんな、ごめんなさいと、謝り続けた。それを見てるだけしかできない一彩さんだった。「そろそろ帰ろう。ズボン、こんなに、濡らしちまって、体も、こんなに、冷え切っちまって、馬鹿だね。昴は、もう、あんたを、責める、やつなんか、いないと、言うのにさ。毎年毎年ここに来ちゃって、そうやって自分を責めて、本当に馬鹿だ!でも、ありがとうね。」昴は、「罵ってくださいよ!俺はあそこのコーナーのアイスバーンを見落として、」一彩は平手打ちをして、その後優しく撫でながら「もうおやめ。ビンタする方だって痛いんだよ手だけじゃなく心まで。わかるかい?悪くも無い相手にビンタして、それであんたの気持ちが晴れるなら幾らでもしてやるさ。だけどね?健二は戻ってきちゃこないだろ?あんたは、自分のせいだって言うけどね、健二も気づかなかったお互い様って思わないかい?」日坂さんは、「あの時ああしてれば、あの時こうしていれば、あの時、あの時、て責めちまう。俺だって沢山あったさ昴よ。俺たちラリー屋なんてな、そんなのの繰り返しだ逃げても辞めても付いてきちまうんだよ姉さんだって経験してるんだ。当時二号車のドライバーは姉さんの旦那で、俺の師匠だった泉川翔ナビシートには姉さん、一号車のマシントラブルが、あってな、二号車に乗ったんだ。泉川ペアは、俺らは予備車でな」青柳さんは、「自分ら初の雪上レースだったからドンジリ走って、やっぱりアイスバーンにタイヤ持ってかれて、でも遅かったから山側に突っ込んでリタイア、泉川ペアは、そのままちょうどこのコーナーでしたよね。」一彩は、目を閉じて「そうだね、なんの因果なんだろうね?あの人は弟まで連れて行っちまったんだろうね?しかもそれが一昨日が命日なんだから、たまったもんじゃないよだからさ、私が、あんたを、昴の意見に同調したのは…。でなんで一号車ペアがここにいるんだい」日坂さんは、「たまには、懺悔に浸りたい時もあるんですぜ姉さん!」青柳さん「自分もこのコースと知った時は、流石に気が滅入るんですよ」日坂さんは「毎年、草津ルートなのになんで今年はこのコースなんだよって感じでさあ」監督と添田雪子が、後から来た、「俺だってやだよ、このコースをみんなに走らせるのは、しかし、チームミスズは、本社の決定に従うしかないあと、オフィシャルからは、4駆参戦が多い為このコースにしたんだとさ。」添田雪子は、「皆さんの過去を知りこのコースを、今、直に見て私には無理と判断します。でも、社命で走らなきゃダメなら、私の条件は、泉川一彩さんにナビシートにいてほしいと思っています代わりは、いません。」泉川は、「雪ちゃん、1つ条件がある。ドンジリでもいいから安全マージンを大きく取って、走って欲しい。約束できるかな?本社のオーダーなんて無視して!それが守れるなら、私も腹を括る。」昴は、「健二、頼む、雪子さんと一彩さんを守ってくれそっちに連れていかないでくれ!」と、祈った!そして、昴は、「監督、1発殴っていいですか?テストドライバー辞める口実が欲しいので?」監督は、「このレースの結果次第じゃだめか?」昴は、「それでもいいですが、一人でも欠ける結果になった時一発じゃ済まない気がしますので?」監督は「それは俺の責任だからな好きなだけ殴ればいいよ。それでお前の気が晴れるならな。」昴は「晴れませんよ。一生、ここらに残ります。それでも殴ってしまうかもしれません?車自体が嫌いになります。ライセンスも免許証も返上して、静かに消えますよ。だからみんなを無事に返してください。今回俺はセッティングしません。意味がないからです。」監督は、「わかった。その代わりサポートカーに乗ってくれ」昴は、「俺の車をサポートカーにしませんか?あれなら荷物の積載量や、簡単な修理部品なら詰め込めますから。それにAEDも装備してますし、あと雪さん、このコーナーがいちばんの山場です。ルーキー殺しの魔のコーナー。大抵ここで新人は崖から落ちます。だからこのコーナーだけは減速してください。泉川さんも徹底させて下さい。」一彩は、「必ず、徹底させるさ。」と言って一同は帰ることにした。レース当日、ブリーフィング。昴は、「何度も言いますが、二号車は、慣らし運転のつもりで、お願いします。一号車は、無理のない様に行けるポイントは何箇所か有ります。そこでアタックしてください。今回は、生存率を上げること順位は二の次でお願いします。僕からは以上です。」監督は「コマンドポストから指示を出すが、一号車だけアタックをかけろ二号車は、レッキ帳を当てにせず慎重に走れ。無理ならリタイアも選択肢に入れておくように。サポートマシンは昴のマシンを使うが、もう1台用意しておく。全員、特に新人は、要注意だ。わかったか?」一同は、「ハイ!」と返信をし、昴は「日坂さん、久々の富山側から岐阜までの区間、長丁場です。無理せず、区間を意識して下さい。日坂さんは、「あいよ。なんせ隣に口うるさい相棒がいるからな」青柳さんは、「聞こえてますよ、日坂さん!終わったら殴りましょうか?それとも直で正座がいいですか?ゴールまでに考えておいてくださいね?」日坂さんは、「こえ~、これでわかったろ?」昴は「了解です。お気をつけて」と言って二号車に向かった。昴は、「お二人とも寒くないですか?まだお茶を飲む時間はあります。」と二人に手渡した。泉川さんは、「あんたの言いたいことはわかってるよ」昴は「お願いします。」更に昴は「雪さん、前に新人が走っていても絶対に安全マージンは3車両分は開けてください下手すればレッドフラッグもありますから。」雪さんは、「後ろからパッシングされたら?」昴は「道を譲ってください。一号車と情報やコマンドポストとの連携を密にお願いします。」二人は、「了解!」前には、各メーカーの4駆マシンがぞろぞろ続く。日坂ペアが先行し、そのすぐ後に添田ペアが続く。最初のTC区間はゆるいワインディングロードで、SSセクションは、乗鞍の中盤からとなる。昴はSS4セクションの辺りで待機する。魔のカーブは、SS3とSS4の中間地点だからだ。ほかのサポートカーは、SS5地点に待機している。ダウンのロングコートでも寒いがメカニカルピットに比べればまだ、マシだ。「コマンドポスト。こちらSS4、サポートカー及びメカニック、スタンバイできてます。」監督から「コマンドポストから各セクション、今、全車スタートした。逐一報告よろしく。」オペレーターは、「了解です。」と一斉に返事をした。昴は「サポート一号車いつでもいけます。」メカニックリーダーサポート「二号車準備万端です。」監督は、「コマンドポスト了解だ!」隊列を組んで、最初の峠駆け上がる上りはトルク勝負となるこの場合排気量のでかい車に有利となるが、凍結した路面には、余り意味がない凍結した路面は摩擦抵抗が減り空転してしまいタイヤの摩耗が激しくなる。ウィンターブロックタイヤでも、同様なのだだからチェーンを巻き食い付きをよくする一昔前なら、スパイクタイヤが主流だったのだが、平地の凍結してない所だと粉塵障害を起こすとの事で廃止となったタイヤメーカーは、こぞってスパイクタイヤに変わるタイヤの開発に取り組み、スタッドレスタイヤが開発された。しかし、それでもアイスバーンに有効なのはチェーンとの組み合わせが最適解となっており、ラリーでも、スタッドレスタイヤと、チェーンの組み合わせで、走る、ベテラン勢と、スタッドレスタイヤを過信して、チェーンを巻かないチームも多くなった。しかも四駆は、スタッドレスタイヤだけの、チームが、多い、用心に、越したことは、ないのだ。インカムから、一号車と二号車が無事TC区間を通過したと知らせが入る。しかし、まだやっとSSのスタートラインに着いただけで、これからが本番なのだと、昴も日坂ペアも泉川も知っているまだ序盤も始まってはいないのだ。
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