その他大勢でもいいじゃない

音無闇夫

文字の大きさ
2 / 2

第2話この高校生は凶暴につき

しおりを挟む
今日は週一の買い出し日。たまには水やお茶以外のものが飲みたくなる。そんな時は決まって炭酸飲料を買い、飲みながら帰るのだが、コンビニの裏手から不良達が、天文台の職員である田所さんともう一人の片岡さんをカツアゲしていた。この2人は俺の家庭教師をしてくれる。田所さんは、文系のひょろっとした体つきでとてもボディガードには向かない。片岡さんは、理数系のクールビューティーなお姉さん的な存在で世話になっている。不良達は2人を取り囲み、「ねぇねぇお兄さん、俺たち金がなくてさ、ちょっと金貸してくれない?」もう1人の不良は「返せるか分からないけどさ?」笑いながら言った。片岡さん側にいた不良は、片岡さんに対し、いやらしい目線で片岡さんの体を舐め回すように見ながら「このお姉さんいい体してるぜ」と言いながらにじり寄って行く、俺は「田舎の不良って奴はどうしてこうもテンプレセリフで、カツアゲやレイプ紛いな事するかね?」携帯で警察に繋がりながら歩み寄って行った。「あぁ~もしもし聞こえてましたか?こんな状況なんですよ?人数は6人、使用目的不明な武器を持った未成年男性でその内、目測で刃渡り5.5センチメートルを超えている刃物を持ったやつが?えぇと何だよ全員じゃねぇか?危ないな~」と言いながらさらに近寄る「なんだ~てめぇは?」もう一人は「誰に連絡してんだよ?あぁ~!」と威嚇してくる俺は「今スピーカーに変えますね?相手が自分らがやり取りしている相手を知りたいそうなので?」と言ってスピーカーに切り替えた。「おい、あんたらこれでいいか?」不良達にスマホの画面を見せながら、ポケットに手を突っ込んで、どんどん近寄った。そこに表示されていた番号は110だった。「さて、お巡りさん少し待っててくださいね?」警察は「分かりました」と答えた。不良と田所さんと片岡さんの間に割って入り、俺は不良達に「なぁ~、君たちそんな物騒なもの持って人を脅し金や体を要求する行為をこの国は認めていないのだが!その行為をなんて言うか知ってる?」不良グループは「ハッタリかましてるんじゃねえぞ」と言った。もうひとりは、「ポリが怖くて、俺たちが何もしないと思うのか? ごら~!」と言った。俺は「おぉ~怖っ! 僕ちん、おしっこちびりそう」とおどけながら、「そういうの犯罪って言うんだよ?君たちの犯した罪はとりあえず3つ。まずは、正当な理由のない凶器の携帯で軽犯罪法違反ね、恐喝罪及び脅迫罪ね、そっちのお姉さんに対する迷惑防止条例違反、もしかしたらだけど君らが持っている武器が刃渡り6cm以上なら軽犯罪法から銃刀法違反に変わる!しかも刑法213条の私人逮捕権の行使が俺に与えられる!で、合ってますか?お巡りさん?」電話越しの警察官からは「罪状認定ありがとうございます。」俺は「さて、警察官さん、これは現行犯って事でいいんですかね?襲われてる女性の方はナイフのようなものを首に押し付けられてますし?」とやり取りしていると警官が不良達の背後から近寄り、手を後ろに回し手錠をかけた。俺は「警察官さん、茶番に付き合わせて長々とすみませんでした。」その場に居た警官と電話越しの警察官は、「治安維持にご協力ありがとうございました。」と言い、不良達はいつか仕返ししてやると言わんばかりに俺を睨んで、パトカーの中に吸い込まれるように連行されていった。田所さんと片岡さんのところに歩み寄って「大丈夫でしたか?」と聞くと、ホッとしたのか田所さんは地面にへたり込んだ。「助かったよ佐久間君、ありがとう。」と言い、俺は「なんかヤバそうなやつらに絡まれてるのが見えたんで、お巡りさんここですよ~みたいな感じで、やっただけっすよ?」と笑って見せた。片岡さんはまだ震えたままだ。軽く頬に触れ、手を握り「怖かったっすよね?もう、大丈夫ですよ?」気休めにしかならない言葉だが、彼女の怖がり方は尋常ではない。以前にも同じ事があったと見える。「俺が怖いですか?何もしませんよ?震えが止まるまで、俺の家で休みましょう。」コーヒーくらい出しますから。ね?」と言って背負い「田所さん、片岡さんを一旦落ち着くまで家で預かりますが、所長さんに伝言お願いできますか?」田所さんは心配そうにしながらも、「わかったよ、君の所ならセキュリティも、しっかりしてるから」俺は「天文台の方々にはガバガバですけどね。勉強を見てもらっている手前」と笑いながらおぶった片岡さんの強ばりは、相当なものだった。察するに以前あいつらに、手篭めにされた経験があるようだ。しかしお咎めなしで、釈放され金で解決させられたって所だろうな。なら俺がとる行動は一つ、アイツらとその親、アイツらに関わる全てを社会的に抹殺するだけだ!やりようはいくらでもある!頭では考えながら、片岡さんには笑みを絶やさず家路に就き、門を潜り家の鍵を開け、2階の天文室のベッドに寝かす。180°のスクリーンに小さなプラネタリウムを展開させる。俺は1階の台所でハーブティーを淹れて2階の天文室に運ぶ、「片岡さん?分かりますか?俺です。佐久間です。気持ちが落ち着くと言われるハーブティー持ってきました。冷めないうちに飲んで下さい。俺は1階に居ます。何かご用があれば俺に連絡してください。俺がそばに居たら怖いと思いますので。お腹空きませんか?簡単なもので良ければお作りしておきますね。落ち着いたら連絡を。」と優しく声をかけ天文室を後にした。天文室とは、地下通路でつながっており地上からは入れない完全防護の砦と化している。さて、計画を実行するか、まずは情報戦から始めようか?ネット界隈でも有名なハッカーや情報収集の専門家、佐久間家お抱えの弁護士、ありとあらゆる人材を駆使し、情報と状況を分析する。「なるほど国会議員の鳴沢浩司の孫ね?しかも、強制わいせつ罪や婦女暴行事件の常習犯だが高等裁判所で不起訴ね、その被害者の中に当時17歳だった片岡さんの名前もあるな?だからか? あそこまで怯えていたのは?PTSDのフラッシュバック現象か。。定期的に心療内科への通院は、継続中で鳴沢浩司が圧力をかけていたんだな。。となれば…。う~ん、待てよ民正党?ちょっと待てよ。」俺は、PCの隠しファイルに各政党のバックドアを仕掛けていたんだった。内線が鳴る。天文室からだ。すぐに片岡さんのところへ歩いていった。「片岡さん?開けますよ。入ってよいですか?」片岡さんは体を起こし座っていた。片岡さんが語り始めた。「何か? かっこ悪いとこ見せちゃったわね?」俺は「そんなことはありませんよ。誰だってナイフ突きつけられたら怯えるし怖い!俺の頭のネジがぶっ飛んでる、俺がおかしいだけですよ。お食事、喉に通りませんよね?おもゆから少しずつ食べていきましょう。あと、ハーブティーのおかわりお持ちしますね。」片岡さんは「何でこんな女に君は優しくしてくれるのかな?」俺は「そんなに自分を卑下することはありませんよ。片岡さんや田所さんは俺の勉強や新しいガジェット作りを手伝ってくれているじゃないですか?俺みたいなバトルジャンキーが、他の分野で成果を出せたのも天文台の皆さんのおかげです。そのご恩には報いたい、ただそれだけですよ。あっ、あと、田所さんがいつも服用してる薬も渡しました。しばらくは天文台のお仕事も、お休みだと所長さんからの伝言です。通院の際は俺も付き添います。護衛として!これでも腕っ節は立つんですよ?」片岡さんは黙ってしまったので、天文室を後にして、台所でおもゆを作り、ハーブティーを入れ、また戻って行った。俺は「無理せず、ゆっくりで構いません。なにか口にした方が良いですよ?」と、差し出した。実際、調べれば調べるほど、あの鳴沢一族の所行が明らかになっていく。「あぁ~そうだ、しばらく僕、家を空けますね。動けるようでしたら、好きに使ってください!2~3日で戻りますから!それとここの家の鍵は誰が来ても開けないでくださいね。特に佐久間の友人だとかという女が来たらガチで無視してください!その代わり大星博士は、お留守にしていますと伝えてください。あいつマジで取り憑くと疫病神なんで!」片岡さんは「何も聞かないんだね?私がなんでこんなになってるのか?」俺は「聞いて欲しいんですか?誰だって触れられたくない過去なんてざらにあるでしょ?なら触れなきゃ良いんです。話したくなった時に聞きますから、後は、俺に任せてくださいな。荒事には慣れてるんで、この事件は、まるっとそれでいて端的に処理しますのでご安心を!」俺は、別働の仲間に新聞社やマスコミ等に一部情報を開示し、いや、まだやめておこう。1人の人の人生に簡単に足を踏み込むものじゃない。、だが、危険は排除しておくとしますか?俺はコンビニで買い物をし、店を出ると鳴沢と手下が待ち構えていた。鳴沢が「よう、兄さんこの間は、随分なことしてくれたじゃねぇかよ」俺は「なんの事だい?善良な市民が悪~い悪党に絡まれてたから、助けただけだよ?しかし、随分と早く釈放されたもんだね?凄腕の弁護士でも雇ったのかい?」鳴沢が「てめぇ見下してるんじゃねぇ~ぞ俺を誰だと思ってるんだ?誰を相手に、してるのか?わかってんのか?」俺は「知らないね~?知ってるとしたら、頭の中がヒャハーしてる近所のチンピラ!それだけだ?今はそれだけで十分だろう?あと何かあるのかい?」鳴沢!沸点低い奴で良かった。心置きなく本当の恐怖を教えられる俺は殴りかかってきた手下を、ひらりと返しその隙に、確実に膝落を底床で打ち込んだ次々と来る手下達を木の葉のように、また、流れる水のようにかわすと同時に当て身を急所に打ち込んでいく、まるで踊るかのように、「面倒だから全員出来なよ!ちまちまやってるのだるいんだよねぇ~それとも?まさか今のが最後じゃないよね?」と薄ら笑いを浮かべ煽り立てた。「まさか今のが全員なら、俺はただのいじめっ子じゃん?弱いものイジメは、つまらないし、もっと強い奴とやりたいんだよね~?まだいるんだろ?三下をけしかけて、ハイ終わりじゃ寝覚めが悪いんだけど?」鳴沢は家に飾られていたであろう、日本刀を抜いて襲いかかる素人振りは、制しやすい、「お兄さん、まさか、真剣握るの初めて?構えがなってないな~!」と言いつつ一瞬で懐に入り顎、心臓を避けみぞおち、へその下丹田と底床で打ち込んだ「ふう~」と息を吐き日本刀を広い鳴沢の耳の5ミリ横に振り下ろし地面に突き刺した。鳴沢は、「ば、化け物!」と泣きながら涼に言い放った。「心外だな~俺はその他大勢のうちの一人だよ?化け物は、人外の物を指す言葉だ。改めてくれないかな?一応は通りというものを弁えてるつもりだが?いかんせん、戦うことが趣味でね?」鳴沢は、「命だけは助けてくれ!何でもする。金か?名誉か?子分になれというなら喜んでなってやるぞ」と俺は「そう来ましたか?金も名誉もましてやお前みたいな弱い三下を子分にするメリットも無い。ただ野辺山の地に騒動を持ち込まないで欲しいだけだ!悪さしてたら、次は、その命無いものと思え、確実に殺す。社会からも一族諸共、一片の骨も残さず確実にだ。わかったかな?わかったよね?分かりやがれ!返事は!」鳴沢は「わかった、言うことを聞く」と答えた。俺は、「ならこれにサインと拇印を。書類は2枚あるから双方に押して、さらに割印の拇印を押してね?今ここで早く!やれ!」鳴沢は「はい」と返事をし、言われた通りにした。「はい、よくできました。俺の拇印入りの誓約書、片方君に、もう一つは、俺の控えだ。もしこの誓約書の内容を、一つでも守らなかった場合!その命で償ってもらう、良いね?付け加えておくがその誓約書は、お前の手下共にも適用するからよく聞かせておけ!あとこの一帯の街も適用されるから、そのつもりでいろ?」あぁ~喋り疲れた、またコンビニで水分補給しなきゃな?とブツブツ言いながら、「誓約書守ってね、めんどくさいから!」と立ち去っていく俺であった。コンビニの店員さんが「何か外にガラが悪い連中がいましたが平気でしたか?」と聞く。俺は、何も言わずスポーツドリンクを買い、金を払って家路に就いた。シャワーを浴び、部屋着に着替え、弁護士に誓約書をFAXして片岡さんの看病に行った。部屋の戸をノックした。「片岡さん?体調はいかがですか。」と言いながら中に入る。朝のおもゆは綺麗に食べられたみたいだ吐き戻しもないようだ。安堵したのか、ぐっすりと寝ている。あまりジロジロ女性の寝顔を見るものではないな。と思い、一言だけ「安心してください。もう奴らはここら一帯には来ませんから。」そう呟くと一旦自室に戻り荷物を背負いバイクで実家に戻った。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

処理中です...