転生者の子の英雄記

滝崎空雅

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王立学校編

第18話 奪われない為に2

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「劣等生が俺を止められるとでも?神獣精霊じゃなきゃ無理だね!死ね!!!」
キースはまだアストの精霊が神獣精霊と気づいていない
「『風激連斬』!」

アストに向かって荒々しい風の斬撃が切り刻もうと迫ってきた
「『雷速脚』」
足に雷が集まり龍の足のような形を成した

見えない風の斬撃を一体化したことで魔力を見えるようになっていたアストは目を閉じて避け始めた
(クソっ!なんで当たんないんだよ!!劣等生が避けられるはずがないんだ!!精霊も弱いくせに目を閉じて避けやがって気に食わねえ!!)

「いい加減諦めて切り刻まれろや!!!」
キースは焦り始めた
アストが自分の最高の技を目を閉じながら避けていることに

「しつこい人ですね。もう終わらせましょう」
「はっ!やっと諦める気になったのかよ!!」
「いや、諦めるのはあんただ。俺を殺そうとしたんだし死んでも恨むなよ」
体に黒い雷を纏った
「『黒雷鎧』」
そして
アストは雷を手のひらに圧縮し始めた
「行きます。『覇雷獄滅』」

漆黒の雷が手のひらに集まりリンゴくらいになった
一瞬にしてキースの懐に飛び込んだ
その姿は金と黒の流星のようで見る人を魅了した

「いろんな色に変化して戦い、人を魅了するなんて。私も見入るほど美しいわ」
レナはこの瞬間を見逃すものかと瞬きをせずに眺めていた

「あなたの負けだ。寝ててもらうぞ」
「劣等生があぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
アストは手のひらの黒い雷をそのままキースの腹にぶつけた
あたった直後、圧縮していたエネルギーが暴発しキースを包み込んだ
そして雷が消えると精霊が何処かへ居なくなった
キースは今まで一緒にいた精霊との契約が消えていることとなる
また探して契約しなければいけないという事だ
気絶したキースに向かって
「あんたと戦った精霊は神獣精霊だ。考えればわかることだったのに残念だな」

言い終わると、
「もう終わりました。俺の勝ちです」
と言った
「勝者、アストさんです」

興奮してなのか観客席からいろいろな声が聞こえる
それを無視してアストは二人の側に行った

「終わりましたよ。怒ったのを見せてすみません」
「なんで謝るの?」
「私達の為に怒ってくれたのに、嬉しったんだよ?」
「そうですか」
アストはやっと一体化と武装を解除した

その直後アイカとテラはアストに抱きついた

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