転生者の子の英雄記

滝崎空雅

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王立学校編

第22話 冬休み3

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 正座させられていた
それもアイカとテラの目の前に
笑顔のはずなのに目が笑っていない
アイカとテラは精霊まで出して絶対逃さないといっているように
そして契約精霊のレイン、ライト、ウィンはアストの後ろに隠れていた
二人の少女の圧力に負けて無理矢理呼ばれたのだ

「あのーいつまでしていればいいんですか?」
アストは二人の圧力になにか身の危険を感じたのか敬語になっている
その言葉で二人は長い無言からやっと口を開いた

「なんで正座させられているかわかってるの?」
「…………」
アイカの無言の圧力とテラの言葉によって気圧されている

「聞きたいことあるんだけど?」
「は、はい!なんでしょう!?」
「その風の精霊は何かな?」
「神獣精霊です」
「うん。じゃあ三体とも女の子?」
テラから先ほどとは比べ物にならないくらいくらいの圧力を感じ息を呑んだ

「………はい」
「やっぱり」
「なんで神獣精霊を三体と契約できてるの?それにアストから前と違って神獣精霊の魔力も感じるんだけど……なんで?」
「それは「ごまかさないでね」…………はい」

アストはレイン達を見てから正直に話した
「一体化のその上の一心同体ができたんだよ。それも偶然」
アイカは大きく目を見開いた
無理もない
一心同体とは一体化よりも難度が数十倍高くできたとしても自分が死ぬと契約している精霊も死ぬという代償を負うことになるのだ
しかもできるのは世界に数人いるかいないかというくらいなのだ

「一心同体って伝説になってるくらいで偶然でできるようなものじゃないわよ」
テラは呆れた声で言った
「何百年も生きる神獣精霊がよく許可出したよね」
【【【だって好きなんだもん】】】
「「「…………」」」

アストは冷や汗を大量に流しながらアイカとテラを見た
すると二人は微笑んでいた
「そうだ、進級したらこの王都エキドナからアルミス帝国へ遠征があるらしいよ」
「なんで今言ったんだ?」

アイカがいきなり話題を変えたので疑問に思って声をかけたが睨まれてしまいだまった
「その遠征にここの王立学校から選抜で50人選ばれて行くという話が出たの。そのなかには第一王女のレナ·フォン·エキドナがいるらしいわ。それのせいでこの学校の貴族の男子が必死になっていいとこ見せようとしているわけ」
「俺に関係なくね?」
「それがあるのよ。なんかレナ王女が土の神獣精霊と契約してて自分より強い人を探してるの。もしかしたら目をつけられているかもしれないってわけ」

アストは硬直した
王女に目をつけられているかもしれないということは身内を調べられている可能性が出てくる
非常にまずいのだ
(すごい迷惑!!!!!)
アストはそう思った

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