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第1章
小さな村の大きな問題1
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ここはユグドラシルという世界、その世界の中でも1番発展していると言われるディーン王国からはるか西に50km進んだところにある森の中を1組の男女が歩いていた。
「兄さん、ここどこ?」
「シロ、俺も分からん。」
昨日、神様から転移させられた俺たちがいたのは、見たことない植物に囲まれた異界の森だった。この世界は魔物がいると聞いていたが、なぜか俺たちは出会うことがなかった。
しかし、魔物がいる事は間違いないのだろう。
昨夜、俺たちが歩き疲れて休んでいる時、地球にいた頃には聞いたことも無い、地の底から響いてくるような凄まじい声を聞いた。
流石のシロも怖くなったのか、休んでいる間、俺がなんとか起こした焚火に2人で肩を寄せ合ってあたった。
その夜、その魔物の声が止むことはなく、俺とシロのお腹の虫も泣き出すのだった。
そして朝になり、今に至るというわけだ。
向かう場所は決まっておらず、森の出口さえわからない。いわば迷子の状態だ。
しかし、その場に止まるわけにいかず、ただ日が昇る東へと歩みを進めた。
「兄さん、あれも食べられると思う。あと、向こうの木の根元になっているのも大丈夫ねっ!」
「よし、取ってくるわ。お前は別のもないか探してみてくれ。」
「任せてよ。そのかわり、美味しいご飯をお願いねっ!」
幸い、食べ物には困らなさそうだった。
シロの化け物じみた嗅覚が食べられる物の香りを識別する。
さっきから的確に色の地味なキノコなどを見つける。
キノコは基本的に派手なものは食べられないので、多分、シロの言う通りこれらは食べられるのだろう。
そんなこんなで、お昼まで見つけたキノコなどをアイテムボックスに詰め込みまくった。
お昼ごろになると、シロがあるものに反応した。
「兄さん、向こうからとれたての牛乳を野菜と一緒に煮込んだような匂いがする。」
「おまえ、ホントにどんな嗅覚してんだよ…」
シロのいう方向に向かって歩くこと20分ほど、そこには、大きな木の柵に囲まれた村が姿を現した。
「どう?兄さん、私を褒めてもいいのよ。」
「そうだなぁ、お前のおかげだよ…」
とりあえず、シロの頭を撫でといた。
「べ、別に撫でてなんて言ってないっ!」
「わ、悪い。流石に無神経だった。俺の手、汚いしな。」
…流石に、こんな歳になって、子供扱いはないよな。
俺の手はキズ跡やマメができてて、キレイじゃないし。
「……兄さんのにぶちんっ…。」
「ん?いまなんて…」
「い、いいからいこっ!」
そうして俺たちは村へと向かった。
「すいませ~ん。助けてくれませんか。」
俺たちは村の木でできた門の前にいた。どう見ても、僕たちでは開けられそうにないので声を出して呼びかける。
すると、村の中から僕らと変わらないくらいの女の子が出てきた。
「おふたりはご夫婦でしょうか。この村に何の用ですか。あいにく今、村では他人を気にするほどの余裕がないのですが…」
…余裕がない?ああ、貧しいということか。
「ふ、夫婦じゃないわっ///。たしかにそれ以上に信頼してるけど…」
「シロ、うるさいぞ。
申し訳ありません。確かにそう見えるかもしれませんが、俺たちは兄妹です。
俺たち、迷ってしまったんですけど、どうか助けてくれませんか。迷惑はなるべくかけませんし、食べ物もいりません。
どうにか中に入れてくれませんか。」
「…そういうことなら、仕方ないですね。では、私の家まで来てください。好きに使ってくれてかまいません。どうせ、私はもう…。」
…ん?何かいいかけたけど、よく聞こえないな。
「すいません。紹介がおくれました。
おれはソラで、こいつがシロっていいます。」
「シロです。よろしくお願いします。」
「そう、ソラさんにシロさんですね…。
私はアリアと言います。では、案内するのでついてきてください。」
そう言って俺たちを村へと入れてくれた。
「兄さん、ここの人たち…」
「ああ、なんか変だ…」
村の中は何か居心地の悪さを感じた。村人の表情は暗く、生気が感じられない。
まるで、死んでいるのではないかというほどに空気が重かった。
そんな村を横目に見ながら俺たちはアリアさんの家に着いた。
見た目はどこにでもある小さなお家だった。
「兄さん、この家から、さっきの森まで漂ってきたご飯の匂いがする。」
「ええっ!?森までですか?
私のご飯といえば、ミルク煮でしょうか?」
「こいつの事は気にしないでください。前世は犬なんで…」
「だれが犬よっ!!」
「ふふっ。変な人たちですね。では、入ってください。この村にいるときは好きにこの家にいてくださっていいですから。」
そうして、俺たちは家の中に入れてもらった。
この世界に来て、初めて笑った顔を見せてくれたのがアリアさんだった。
しかし、俺もシロも見逃さなかった。
その笑顔はたしかに楽しげで、そして何より…
…悲しみを含んでいた。
「兄さん、ここどこ?」
「シロ、俺も分からん。」
昨日、神様から転移させられた俺たちがいたのは、見たことない植物に囲まれた異界の森だった。この世界は魔物がいると聞いていたが、なぜか俺たちは出会うことがなかった。
しかし、魔物がいる事は間違いないのだろう。
昨夜、俺たちが歩き疲れて休んでいる時、地球にいた頃には聞いたことも無い、地の底から響いてくるような凄まじい声を聞いた。
流石のシロも怖くなったのか、休んでいる間、俺がなんとか起こした焚火に2人で肩を寄せ合ってあたった。
その夜、その魔物の声が止むことはなく、俺とシロのお腹の虫も泣き出すのだった。
そして朝になり、今に至るというわけだ。
向かう場所は決まっておらず、森の出口さえわからない。いわば迷子の状態だ。
しかし、その場に止まるわけにいかず、ただ日が昇る東へと歩みを進めた。
「兄さん、あれも食べられると思う。あと、向こうの木の根元になっているのも大丈夫ねっ!」
「よし、取ってくるわ。お前は別のもないか探してみてくれ。」
「任せてよ。そのかわり、美味しいご飯をお願いねっ!」
幸い、食べ物には困らなさそうだった。
シロの化け物じみた嗅覚が食べられる物の香りを識別する。
さっきから的確に色の地味なキノコなどを見つける。
キノコは基本的に派手なものは食べられないので、多分、シロの言う通りこれらは食べられるのだろう。
そんなこんなで、お昼まで見つけたキノコなどをアイテムボックスに詰め込みまくった。
お昼ごろになると、シロがあるものに反応した。
「兄さん、向こうからとれたての牛乳を野菜と一緒に煮込んだような匂いがする。」
「おまえ、ホントにどんな嗅覚してんだよ…」
シロのいう方向に向かって歩くこと20分ほど、そこには、大きな木の柵に囲まれた村が姿を現した。
「どう?兄さん、私を褒めてもいいのよ。」
「そうだなぁ、お前のおかげだよ…」
とりあえず、シロの頭を撫でといた。
「べ、別に撫でてなんて言ってないっ!」
「わ、悪い。流石に無神経だった。俺の手、汚いしな。」
…流石に、こんな歳になって、子供扱いはないよな。
俺の手はキズ跡やマメができてて、キレイじゃないし。
「……兄さんのにぶちんっ…。」
「ん?いまなんて…」
「い、いいからいこっ!」
そうして俺たちは村へと向かった。
「すいませ~ん。助けてくれませんか。」
俺たちは村の木でできた門の前にいた。どう見ても、僕たちでは開けられそうにないので声を出して呼びかける。
すると、村の中から僕らと変わらないくらいの女の子が出てきた。
「おふたりはご夫婦でしょうか。この村に何の用ですか。あいにく今、村では他人を気にするほどの余裕がないのですが…」
…余裕がない?ああ、貧しいということか。
「ふ、夫婦じゃないわっ///。たしかにそれ以上に信頼してるけど…」
「シロ、うるさいぞ。
申し訳ありません。確かにそう見えるかもしれませんが、俺たちは兄妹です。
俺たち、迷ってしまったんですけど、どうか助けてくれませんか。迷惑はなるべくかけませんし、食べ物もいりません。
どうにか中に入れてくれませんか。」
「…そういうことなら、仕方ないですね。では、私の家まで来てください。好きに使ってくれてかまいません。どうせ、私はもう…。」
…ん?何かいいかけたけど、よく聞こえないな。
「すいません。紹介がおくれました。
おれはソラで、こいつがシロっていいます。」
「シロです。よろしくお願いします。」
「そう、ソラさんにシロさんですね…。
私はアリアと言います。では、案内するのでついてきてください。」
そう言って俺たちを村へと入れてくれた。
「兄さん、ここの人たち…」
「ああ、なんか変だ…」
村の中は何か居心地の悪さを感じた。村人の表情は暗く、生気が感じられない。
まるで、死んでいるのではないかというほどに空気が重かった。
そんな村を横目に見ながら俺たちはアリアさんの家に着いた。
見た目はどこにでもある小さなお家だった。
「兄さん、この家から、さっきの森まで漂ってきたご飯の匂いがする。」
「ええっ!?森までですか?
私のご飯といえば、ミルク煮でしょうか?」
「こいつの事は気にしないでください。前世は犬なんで…」
「だれが犬よっ!!」
「ふふっ。変な人たちですね。では、入ってください。この村にいるときは好きにこの家にいてくださっていいですから。」
そうして、俺たちは家の中に入れてもらった。
この世界に来て、初めて笑った顔を見せてくれたのがアリアさんだった。
しかし、俺もシロも見逃さなかった。
その笑顔はたしかに楽しげで、そして何より…
…悲しみを含んでいた。
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