異世界で神が認めたシェフになる

ジェル

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第3章

王家の定め4

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「みんな、とりあえず市場に行ってみようか。」

俺たちは朝食の後、ラパンでの営業のため食材を買いに市場へ行くことにした。

「ソラ、お客に出す料理は決まってるの?」

「まあな、鉄板焼きハンバーグを出すつもりだ。」

「兄さん、それはいいアイデアね」

アリアとセリアはきょとんとしている。

「何ですか。ハンバーグって?」

「それはね、柔らかいお肉みたいなものよ。」

「ああ、お肉って言ったらステーキとかだけど、子供とかお年寄りは噛みきれないこともあるだろっ?だから、より食べやすく作ったステーキがハンバーグステーキっていうものなんだ。」

「なるほど、でもどうやって柔らかくするのよ」

「肉を細かくして、練るんだよ」

「わざわざ肉を細かくするのっ!」

「そうよ、セリア。あとで手伝ってもらうからね」

「とりあえず市場に向かうぞ。」

俺たちは、肉屋さんを探して歩いた。

が、問題が発生した。

まず、生肉が売ってない。
野菜や乾物などの日持ちするものはあるのだが、生肉が売ってない。

これでは話にならないので、宿に戻って女将さんに聞いた。

「女将さん、すいません。昨日の肉の塊ってどこに売ってるんですか。」

「ん?ああ、あれは精肉店だから、市場にはないよ。大通りの脇の店に行ってみな。ここから近いからね」

…なるほど、たしかによく考えれば生肉を外で並べてるわけないな。

俺たちはまた行こうとしたら、新たな問題が起きた。
それは、

「ソラ、あの…恥ずかしいのですが///、昨日、いっぱい注いでもらった…ソラのが、た、垂れてきてしまって…///」

と、小さな声でアリアが言ってきた。

…は?
なんで今頃なの?
たしかにいっぱい出したけど、そんなに長く中に残るもんなのか?

「…わかった。アリアは休んでていいぞ。」

「兄さん、私も休むから…」

「ソラ、私も休むわよ。1人でいけるわよね?」

なんか、シロとセリアまでアリアと休むみたいだ。

…絶対、なんか意図があるな。

「わかった…。俺だけで行ってくるよ。」

そう言って俺は精肉店に向かった。
以外とすぐにそれらしき店が見つかり、中に入った。

「すいません。ここって精肉店ですか?」

「ん?ああ、そうだよ。何か買いに来たのか?」

店の奥で捌いていたのか、血の付いたエプロンでやってきた筋肉バッキバキのオヤジさんが出てきた。

「オヤジさんが、店長さんですか?」

「誰がオヤジさんだっ!俺はザック。この店の店長だよ。」

「俺はソラっていいます。多分これからお世話になるので、よろしくお願いします。」

「おう、礼儀正しいな。こっちこそ頼むな。」

「ザックさん、早速ですが、牛の肩ロースを10キロと脂身を1キロほど売ってください。」

「…お前さん、そんなに食べるのか?いくらなんでも悪くなるぞ。」

「いえ、店で出すんですよ。それにおれ、アイテムボックスがあるので平気です。」

「アイテムボックスがあるのか。それはたしかに大丈夫だなぁ。でも、どこで店を開くんだ?新しくできたなんて聞いてないぞ。」

「ああ、いまはラパンというところで働いてます。もしよければ食べに来てください。」

「何っ!?レムばぁのところでか?」

…女将さんはレムさんっていうらしい。

「女将さんはレムさんって言うんですね。」

「なんで知らねーんだよっ!そうだみんなレムばぁって呼ぶが、あそこの料理はうまいから人気なんだ。
そのばぁさんが雇うってことはお前…」

「…とりあえず、肉はもらいますね。俺、夜の支度があるので帰ります…。」

そう言って俺は肉を受け取り、銀貨20枚を出した。

「ソラ、つりはいいのか。」

「俺の見立てでは1万ゴールドくらいでしょうか。いいですよ。お近づきの印ということで…。
そのかわりこれからも美味しい肉を売ってください…。それじゃっ」

俺はザックさんからおつりを受け取らず、店のドアの開けた。

(ソラって言ったか…。面白いやつじゃねーか。)

こうして俺は肉をアイテムボックスに入れ、ザックの店を後にした。




店を出た俺が宿に戻る道を歩いていると、城のある方からフードを被った人がすごい速さで走ってきて、俺の背中にぶつかった。

いや、正確には衝突された。
俺の腰あたりから鈍い音がして、冷や汗が出てくる。

…こ、これがギックリ腰ってやつか?痛いっていうよりはヤバイって感じがしたな。この歳でギックリ腰とか笑えねぇっ!

と、思っていると意外にも30秒ほどもしたら動けるようになった。

何がぶつかったんだと思い、腰をさすりながら振り返った。

すると、フードが外れて長い銀髪と綺麗な顔が露わになっている胸の豊かな美女がそこにいた。

意識がないのか眼をつむったまま動かない。
仕方なく俺は抱きかかえ、大通りから入れる脇道に入り、壁により掛けさせた。

放置するわけにもいかず、フードをかぶせてやり、起きるのを待った。

10分ほど経った頃だろうか。なにやら大通りの方を衛兵さんたちが忙しそうに走り回っていたが、ようやくフードを被った女性が目を覚ました。

「ん…?私たしか…。」

「おはよう、気分はどう?」

「えっ!?あ、あなたは誰ですか。私をどうするつもりですか。」

「いや、どうもしないけど…。」

…むしろ、あんたから突っ込んできたんじゃないか。

「嘘をつかないでください。私に近づいてくる人はみんな…」

と言いかけたとき、その女性のお腹が可愛らしく鳴った。

「………」

「…お腹すいてるのか?」

「んっ!!///し、仕方ないでしょうっ!朝から何も口にしていませんでしたから。」

「なら、ちょっと俺に付き合ってくれないか。俺の作る料理の味見役ということで。」

「わ、私が毒味役をでしょうか…?」

「ん?まあ、毒はないが…そういうことだ。あ、紹介が遅れたな。俺はソラだ。」

「クレア…です。」

「なら、クレア。行こうぜっ」

俺はクレアの手を掴んで立たせ、そのままラパンへと向かった。



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