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第1章
【番外編・陽視点 ー 先輩への返事】
蓮に、告白の返事を早くしたかった。
そのためには、まず先輩に――。
『俺、ちゃんと先輩のこと考えたので、返事を聞いてください』
そうメッセージを送ったのは、登校前の朝。
登校中に返ってきた返信には、
『分かった。じゃあ、昼休みに会おう』とあった。
これで先輩に返事を伝えられたら、次は蓮に、俺の気持ちを……。
そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
****
「ここじゃ人が多いから、少し移動しようか」と先輩の後をついて、渡り廊下を歩く。
着いたのは静かな中庭だった。
先輩は「ここで良いか」とつぶやくと、俺の方に振り返った。
先輩が悲しそうな笑みで俺を見るが、言わないと…!
「あの、告白の返事を、聞いてほしいです。」
「はぁ、きちゃったか…」
先輩に告白された翌日、俺は気持ちに応えられないと伝えようとしていた。
でも、その時は先輩に言葉を遮られた。
『返事はすぐじゃなくていいから。もう少し考えてみて』
そう言われて――そのままになっていた。
「俺やっぱり先輩の気持ちには応えられません。
先輩は凄く良い人で、面白くてカッコイイです。でも、俺は好きな人がいて…」
「知ってるよ。見てれば分かる。
いつも一緒に登下校してる、あいつだろ?」
「…え?」
「一緒にいるとこ見たら分かるよ。陽くんの“好き”って気持ち、めっちゃ出てるもん」
「えっ……⁉」
思わず顔が熱くなる。は、恥ずかしい…!
俺、そんなに分かりやすかったか!?
「俺がそういう顔をさせたいなって、思ってたんだけどね…。ダメだったかぁ…」
「先輩…」
「ごめんね。返事を後にしてもらっちゃって。
少しでも俺のこと、考えてほしかったんだ。」
気持ちには応えられない。
でも、先輩の悲しそうな顔に、なんとなく申し訳ない気持ちになる。
先輩が手を伸ばして、俺の髪に触れた。
「先輩?」
「これぐらいは良いだろ。
そいつも俺の匂いに悩めばいい」
「せ、先輩っ……!」
俺は意味が分かって、先輩の手を急いでどけようとした。
けれど、逆に手を掴まれてしまう。
「あ、あの……」
「……うん」
先輩が手を掴んだまま微笑む。どこか、寂しげだった。
その時、予鈴が鳴った。
「先輩、そろそろ、…行かないと」
「そうだな。じゃあ、またな」
そう言って、先輩は歩き出した。
もう、振り返らなかった。
そのためには、まず先輩に――。
『俺、ちゃんと先輩のこと考えたので、返事を聞いてください』
そうメッセージを送ったのは、登校前の朝。
登校中に返ってきた返信には、
『分かった。じゃあ、昼休みに会おう』とあった。
これで先輩に返事を伝えられたら、次は蓮に、俺の気持ちを……。
そう思うと、自然と笑みがこぼれた。
****
「ここじゃ人が多いから、少し移動しようか」と先輩の後をついて、渡り廊下を歩く。
着いたのは静かな中庭だった。
先輩は「ここで良いか」とつぶやくと、俺の方に振り返った。
先輩が悲しそうな笑みで俺を見るが、言わないと…!
「あの、告白の返事を、聞いてほしいです。」
「はぁ、きちゃったか…」
先輩に告白された翌日、俺は気持ちに応えられないと伝えようとしていた。
でも、その時は先輩に言葉を遮られた。
『返事はすぐじゃなくていいから。もう少し考えてみて』
そう言われて――そのままになっていた。
「俺やっぱり先輩の気持ちには応えられません。
先輩は凄く良い人で、面白くてカッコイイです。でも、俺は好きな人がいて…」
「知ってるよ。見てれば分かる。
いつも一緒に登下校してる、あいつだろ?」
「…え?」
「一緒にいるとこ見たら分かるよ。陽くんの“好き”って気持ち、めっちゃ出てるもん」
「えっ……⁉」
思わず顔が熱くなる。は、恥ずかしい…!
俺、そんなに分かりやすかったか!?
「俺がそういう顔をさせたいなって、思ってたんだけどね…。ダメだったかぁ…」
「先輩…」
「ごめんね。返事を後にしてもらっちゃって。
少しでも俺のこと、考えてほしかったんだ。」
気持ちには応えられない。
でも、先輩の悲しそうな顔に、なんとなく申し訳ない気持ちになる。
先輩が手を伸ばして、俺の髪に触れた。
「先輩?」
「これぐらいは良いだろ。
そいつも俺の匂いに悩めばいい」
「せ、先輩っ……!」
俺は意味が分かって、先輩の手を急いでどけようとした。
けれど、逆に手を掴まれてしまう。
「あ、あの……」
「……うん」
先輩が手を掴んだまま微笑む。どこか、寂しげだった。
その時、予鈴が鳴った。
「先輩、そろそろ、…行かないと」
「そうだな。じゃあ、またな」
そう言って、先輩は歩き出した。
もう、振り返らなかった。
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