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01.イベント前夜
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俺の名はエルナンド・アヒム・ダーフィト・フォン・フィアナという。大陸最大の版図を誇るフィアナ皇国の第9皇子にして皇太子である。
我が母は不毛の地を再生させ民に富みを齎した新興国ダルシェナ王国の王女であったカテリーナ・ダルシェナであり、フィアナ皇国の皇后だ。10人の妻妾を持つ我が父皇帝アクドゥル・ユリウス・ガラハド・フォン・フィアナの愛と尊敬を一身に受ける尊き女性である。
母上はその高貴な生まれに相応しく、大変聡明な方だ。ゆえに尊敬を以て『ダルシェナ才人』と呼ばれておられる。その類稀なる美しさのみではなく、尊き聡明さをお持ちの母上は皇国最高の貴婦人であり、そんな妻を持てた父皇帝はなんと幸せな男だろうか。
俺はそんな両親の元、第9皇子として生を受けた。現在は末子となる。だが、8人の兄も6人の姉も所詮は側室腹。唯一の皇后腹である俺が皇太子となるのは当然だった。
いや、俺とて生まれに胡坐をかいているわけではない。だが、俺を含めて9人もの皇子がいて、俺が末子だというのは如何に兄が凡愚で俺が優れているかという証だろう。父皇帝は凡愚な兄たちに満足できず、俺が生まれるのを待っておられたのだ。
生まれながらの優秀な皇子である俺だが、日々勉学と武術鍛練に努め、皇太子として相応しくあろうと努力している。
だが優秀な俺は家庭教師泣かせでもあった。何しろ数か月もすると教師たちは『もうお教えすることが出来ません』と職を辞してしまうのだ。優秀過ぎるがゆえに職を奪ってしまうのは不本意ではあるが仕方のないことだ。
学院に入学する直前には『今更お教えしても無駄かとは存じますが、基本のおさらいでございます』と初歩の初歩を教えるような教師が来たが今更不要だ。だが、俺がこの優れた明晰な頭脳で意見を述べれば教師は恐縮して己の愚かさを嘆き職を辞してしまうだろう。これも皇太子としての務めと割り切って俺は教師の話を聞き流すことで彼の職を全うさせてやった。なんと俺は慈悲深く皇太子に相応しい人格者なのだろう。
父皇帝は俺の慈愛と日々の努力を喜ばれ、俺が学問に集中できるように余計な公務などせずともよいと仰せになっているそうだ。父皇帝は広大な版図を統治するためのお忙しく、年に一度新年の宴でお会いできる程度だから、直接お言葉を賜ったわけではないが。傅役たちがそう言うのだから間違いはない。
ゆえに勉学と鍛練の余暇には貴族たちを掌握するために夜会や狐狩りといった社交もこなしている。
だというのに、兄や姉たちは俺ほどの努力を一切していないではないか。凡愚で愚鈍な所詮は下賤な側室腹だから仕方がないとはいえ、目に余る。皇太子の俺ほどは必要ないにしても、多少は努力すべきではないのか。
全く、皇家の務めをなんと心得ているのか、野蛮で下賤な冒険者などに成り下がっている。日々魔物を狩る野蛮な行為に明け暮れ、治め従わせるべき平民に媚びて仲間と称するなど、高貴なる皇家の面汚しでしかない。
父皇帝は所詮は下賤な妾の子と諦めておいでらしく、彼奴等の蛮行と愚行を黙認し、好きにさせよと放置しておられる。父皇帝もご苦労が絶えないことだ。学院を卒業したら俺が皇位を継ぎ、父皇帝を重責から解放して差し上げねばならぬな。
兄や姉の愚行は生まれながらにして皇太子である俺、しかも初代聖賢帝イディオフィリア陛下の再来と言われるほどに優れた皇帝となる俺がいるから問題はなかろう。
いやしかし、あれでも仮にも皇帝の子、やがては皇帝の兄弟となる者たちだ。いずれは俺を補佐し、皇宮での勤めを果たしてもらわねばならぬ。でなければ皇家の恥となり、肩身の狭い思いをすることだろう。母は違うとはいえ、それは兄弟たちの責ではない。俺は慈悲深いから、愚鈍な兄や姉であっても有効に使ってやろう。
そのためにはきちんと学問を修め、少しは執務を手伝えるようになってもらわねばならぬ。間もなく俺も学院を卒業し、皇太子として父皇帝を補佐し、程なく皇帝として即位することになる。そろそろ自由気ままで我が儘な兄たちにも皇家としての務めを果たさせるために、遊び惚けさせず皇宮に戻らせねばなるまい。
俺は今、皇都ミレシアにある国立ユーラティオ学院に在籍している。
この学院は15歳から18歳の国中の貴族を中心に有能な人材を集めた由緒正しき学院だ。16歳になる年に入学し、3年間様々なことを学び社交界とは違った交流を持つことになる。
地方からやって来る貴族や平民も通っており平等に学ぶ環境を整えるため、学院は全寮制だ。俺も不本意ながら不自由な寮生活を強いられている。次期皇帝たる俺は特別寮を与えられ、皇宮にあるのと同じように従僕や侍女たちが俺の世話をするという栄誉を与えられている。
特別寮には我が側近となる優秀な者も住まわせてやっている。国家の重鎮たる四神公爵家の子息も同学年にあるが、奴らは愚鈍ゆえ傍に置いていない。先祖の功だけで高貴な身分を得ている彼奴等は特権意識ばかり強い佞臣だ。そのような者を傍に置くほど俺は愚かではない。俺が即位したら害しかない四神公爵家など廃さねばならんな。
平民と同じ学び舎にあることに不満はある。何ゆえ高貴なる皇太子である俺や由緒正しき名門貴族の子弟が下賤な平民と同じ場所で学ばねばならぬのかと虫唾が走る。有能な人材を発掘し育成するためなどというが、下賤な平民や無爵位の者に有能な者などいるはずがないではないか。
けれどそれを声高に言うことは出来ぬ。この学院を創設し理念を定めたのは偉大なる聖賢帝イディオフィリア陛下だ。魔を打ち払い国を取り戻し、この大帝国を築き上げた聖賢帝イディオフィリア陛下の為されたことに異を唱えるなど、その末裔である俺に許されることではない。
だが、所詮は千年近くも昔の文明の貧しい時代に生きた理想主義者だ。偉業は偉業としても時代遅れな思想であることに違いはない。この学院も俺が即位したら貴族のみの真に有能な者の集うものに改革せねばならぬ。
今更学ぶべきことなどないと退屈な日々を過ごしていた俺に転機が訪れたのは、最終学年になった日のことだった。その日、俺は運命に出会ったのだ。この学院で俺は真実の愛を見つけた。ああ、この愛に出会うために俺は退屈な学院生活を送って来たのだと知った。
その愛の名はゲアリンデ・フォン・アルホフ。クロンターフの豪商でその優れた手腕によって爵位を得たアルホフ男爵家の令嬢だ。
柔らかな亜麻色の髪、白磁の肌、新緑の瞳、艶やかな薔薇色の唇は甘く瑞々しく俺の口づけを待っている。甘く柔らかく包み込むような肢体は手のひらに吸い付くようだ。全てがこの高貴なる俺の愛を受けるべく形作られたような麗しき乙女、それがゲアリンデだ。常に俺を敬い、案じ、俺の慰めとなる真の理解者。そんな彼女こそが我が妃に、皇后に相応しい。
そう、傲慢でふしだらで身分しか誇るもののない押し付けられた婚約者アレクサンドラなどよりもずっと。
次期皇帝たる俺には政略によって結ばれた婚約者がいる。母上から聞かされ、これも皇太子としての役目と俺は仕方なくそれを受け入れてやっていた。しかし甘やかされて育ったアレクサンドラは自分が愛されるのは当然だと、俺を敬いもしない。呆れるほどに傲慢な女だ。
アレクサンドラは国家の重鎮たるクロンティリス家の令嬢であり、父親は皇帝の信頼厚き宰相だ。俺に言わせれば最大の佞臣であり奸臣なのだが、父皇帝は最大の領地を持ち北の外敵への備えを担うクロンティリス家に配慮なさっておられるのだろう。そのご苦労を思うとお労しくて仕方がない。
そんな傲慢な公爵家の令嬢らしく、己は何も為さず何も成せないにも関わらず、アレクサンドラは傲慢で我が儘で尊大だ。自分が愛されるのは当然だと、他の四神公爵家の子息や高位貴族の子息を侍らせていると聞く。
そしてそんな愚かなアレクサドラは身の程知らずにも我が寵愛を受けるゲアリンデを妬み嫉み、身分の劣るゲアリンデを虐げていたというではないか。健気なゲアリンデはそれに耐え、ただ俺の褥でそっと涙を零すだけだった。
聞けばアレクサンドラの愚行は呆れるばかりのものだった。身分を笠に着てゲアリンデを虐げる。茶会に招かず孤立させ、ドレスを汚し、愛用品を壊し或いは隠し、或いは転ばせて嘲笑う。取り巻きの男どもを使ってゲアリンデの優しさを踏み躙る。しかも先日などはゲアリンデを階段から突き落とし殺そうとしたというのではないか。
俺がゲアリンデを問い質さねば、優しく健気なゲアリンデは1人で耐え続けていたことだろう。だが、もう安心せよ、ゲアリンデ。お前は俺の婚約者、未来の皇后として卒業後は俺の宮殿で侍女に傅かれて、その素晴らしい心根に相応しい暮らしを送ることになるのだ。
明日、全てが終わる。全ての手筈は整った。後は傲慢なアレクサンドラの罪を衆目の許に曝して暴くだけだ。それで解決し、ゲアリンデは俺に相応しい未来の皇后として皆の尊崇を受けるようになるのだ。
明日、学院の卒業記念舞踏会にて、俺はアレクサンドラを裁き、婚約を破棄するのだ。
我が母は不毛の地を再生させ民に富みを齎した新興国ダルシェナ王国の王女であったカテリーナ・ダルシェナであり、フィアナ皇国の皇后だ。10人の妻妾を持つ我が父皇帝アクドゥル・ユリウス・ガラハド・フォン・フィアナの愛と尊敬を一身に受ける尊き女性である。
母上はその高貴な生まれに相応しく、大変聡明な方だ。ゆえに尊敬を以て『ダルシェナ才人』と呼ばれておられる。その類稀なる美しさのみではなく、尊き聡明さをお持ちの母上は皇国最高の貴婦人であり、そんな妻を持てた父皇帝はなんと幸せな男だろうか。
俺はそんな両親の元、第9皇子として生を受けた。現在は末子となる。だが、8人の兄も6人の姉も所詮は側室腹。唯一の皇后腹である俺が皇太子となるのは当然だった。
いや、俺とて生まれに胡坐をかいているわけではない。だが、俺を含めて9人もの皇子がいて、俺が末子だというのは如何に兄が凡愚で俺が優れているかという証だろう。父皇帝は凡愚な兄たちに満足できず、俺が生まれるのを待っておられたのだ。
生まれながらの優秀な皇子である俺だが、日々勉学と武術鍛練に努め、皇太子として相応しくあろうと努力している。
だが優秀な俺は家庭教師泣かせでもあった。何しろ数か月もすると教師たちは『もうお教えすることが出来ません』と職を辞してしまうのだ。優秀過ぎるがゆえに職を奪ってしまうのは不本意ではあるが仕方のないことだ。
学院に入学する直前には『今更お教えしても無駄かとは存じますが、基本のおさらいでございます』と初歩の初歩を教えるような教師が来たが今更不要だ。だが、俺がこの優れた明晰な頭脳で意見を述べれば教師は恐縮して己の愚かさを嘆き職を辞してしまうだろう。これも皇太子としての務めと割り切って俺は教師の話を聞き流すことで彼の職を全うさせてやった。なんと俺は慈悲深く皇太子に相応しい人格者なのだろう。
父皇帝は俺の慈愛と日々の努力を喜ばれ、俺が学問に集中できるように余計な公務などせずともよいと仰せになっているそうだ。父皇帝は広大な版図を統治するためのお忙しく、年に一度新年の宴でお会いできる程度だから、直接お言葉を賜ったわけではないが。傅役たちがそう言うのだから間違いはない。
ゆえに勉学と鍛練の余暇には貴族たちを掌握するために夜会や狐狩りといった社交もこなしている。
だというのに、兄や姉たちは俺ほどの努力を一切していないではないか。凡愚で愚鈍な所詮は下賤な側室腹だから仕方がないとはいえ、目に余る。皇太子の俺ほどは必要ないにしても、多少は努力すべきではないのか。
全く、皇家の務めをなんと心得ているのか、野蛮で下賤な冒険者などに成り下がっている。日々魔物を狩る野蛮な行為に明け暮れ、治め従わせるべき平民に媚びて仲間と称するなど、高貴なる皇家の面汚しでしかない。
父皇帝は所詮は下賤な妾の子と諦めておいでらしく、彼奴等の蛮行と愚行を黙認し、好きにさせよと放置しておられる。父皇帝もご苦労が絶えないことだ。学院を卒業したら俺が皇位を継ぎ、父皇帝を重責から解放して差し上げねばならぬな。
兄や姉の愚行は生まれながらにして皇太子である俺、しかも初代聖賢帝イディオフィリア陛下の再来と言われるほどに優れた皇帝となる俺がいるから問題はなかろう。
いやしかし、あれでも仮にも皇帝の子、やがては皇帝の兄弟となる者たちだ。いずれは俺を補佐し、皇宮での勤めを果たしてもらわねばならぬ。でなければ皇家の恥となり、肩身の狭い思いをすることだろう。母は違うとはいえ、それは兄弟たちの責ではない。俺は慈悲深いから、愚鈍な兄や姉であっても有効に使ってやろう。
そのためにはきちんと学問を修め、少しは執務を手伝えるようになってもらわねばならぬ。間もなく俺も学院を卒業し、皇太子として父皇帝を補佐し、程なく皇帝として即位することになる。そろそろ自由気ままで我が儘な兄たちにも皇家としての務めを果たさせるために、遊び惚けさせず皇宮に戻らせねばなるまい。
俺は今、皇都ミレシアにある国立ユーラティオ学院に在籍している。
この学院は15歳から18歳の国中の貴族を中心に有能な人材を集めた由緒正しき学院だ。16歳になる年に入学し、3年間様々なことを学び社交界とは違った交流を持つことになる。
地方からやって来る貴族や平民も通っており平等に学ぶ環境を整えるため、学院は全寮制だ。俺も不本意ながら不自由な寮生活を強いられている。次期皇帝たる俺は特別寮を与えられ、皇宮にあるのと同じように従僕や侍女たちが俺の世話をするという栄誉を与えられている。
特別寮には我が側近となる優秀な者も住まわせてやっている。国家の重鎮たる四神公爵家の子息も同学年にあるが、奴らは愚鈍ゆえ傍に置いていない。先祖の功だけで高貴な身分を得ている彼奴等は特権意識ばかり強い佞臣だ。そのような者を傍に置くほど俺は愚かではない。俺が即位したら害しかない四神公爵家など廃さねばならんな。
平民と同じ学び舎にあることに不満はある。何ゆえ高貴なる皇太子である俺や由緒正しき名門貴族の子弟が下賤な平民と同じ場所で学ばねばならぬのかと虫唾が走る。有能な人材を発掘し育成するためなどというが、下賤な平民や無爵位の者に有能な者などいるはずがないではないか。
けれどそれを声高に言うことは出来ぬ。この学院を創設し理念を定めたのは偉大なる聖賢帝イディオフィリア陛下だ。魔を打ち払い国を取り戻し、この大帝国を築き上げた聖賢帝イディオフィリア陛下の為されたことに異を唱えるなど、その末裔である俺に許されることではない。
だが、所詮は千年近くも昔の文明の貧しい時代に生きた理想主義者だ。偉業は偉業としても時代遅れな思想であることに違いはない。この学院も俺が即位したら貴族のみの真に有能な者の集うものに改革せねばならぬ。
今更学ぶべきことなどないと退屈な日々を過ごしていた俺に転機が訪れたのは、最終学年になった日のことだった。その日、俺は運命に出会ったのだ。この学院で俺は真実の愛を見つけた。ああ、この愛に出会うために俺は退屈な学院生活を送って来たのだと知った。
その愛の名はゲアリンデ・フォン・アルホフ。クロンターフの豪商でその優れた手腕によって爵位を得たアルホフ男爵家の令嬢だ。
柔らかな亜麻色の髪、白磁の肌、新緑の瞳、艶やかな薔薇色の唇は甘く瑞々しく俺の口づけを待っている。甘く柔らかく包み込むような肢体は手のひらに吸い付くようだ。全てがこの高貴なる俺の愛を受けるべく形作られたような麗しき乙女、それがゲアリンデだ。常に俺を敬い、案じ、俺の慰めとなる真の理解者。そんな彼女こそが我が妃に、皇后に相応しい。
そう、傲慢でふしだらで身分しか誇るもののない押し付けられた婚約者アレクサンドラなどよりもずっと。
次期皇帝たる俺には政略によって結ばれた婚約者がいる。母上から聞かされ、これも皇太子としての役目と俺は仕方なくそれを受け入れてやっていた。しかし甘やかされて育ったアレクサンドラは自分が愛されるのは当然だと、俺を敬いもしない。呆れるほどに傲慢な女だ。
アレクサンドラは国家の重鎮たるクロンティリス家の令嬢であり、父親は皇帝の信頼厚き宰相だ。俺に言わせれば最大の佞臣であり奸臣なのだが、父皇帝は最大の領地を持ち北の外敵への備えを担うクロンティリス家に配慮なさっておられるのだろう。そのご苦労を思うとお労しくて仕方がない。
そんな傲慢な公爵家の令嬢らしく、己は何も為さず何も成せないにも関わらず、アレクサンドラは傲慢で我が儘で尊大だ。自分が愛されるのは当然だと、他の四神公爵家の子息や高位貴族の子息を侍らせていると聞く。
そしてそんな愚かなアレクサドラは身の程知らずにも我が寵愛を受けるゲアリンデを妬み嫉み、身分の劣るゲアリンデを虐げていたというではないか。健気なゲアリンデはそれに耐え、ただ俺の褥でそっと涙を零すだけだった。
聞けばアレクサンドラの愚行は呆れるばかりのものだった。身分を笠に着てゲアリンデを虐げる。茶会に招かず孤立させ、ドレスを汚し、愛用品を壊し或いは隠し、或いは転ばせて嘲笑う。取り巻きの男どもを使ってゲアリンデの優しさを踏み躙る。しかも先日などはゲアリンデを階段から突き落とし殺そうとしたというのではないか。
俺がゲアリンデを問い質さねば、優しく健気なゲアリンデは1人で耐え続けていたことだろう。だが、もう安心せよ、ゲアリンデ。お前は俺の婚約者、未来の皇后として卒業後は俺の宮殿で侍女に傅かれて、その素晴らしい心根に相応しい暮らしを送ることになるのだ。
明日、全てが終わる。全ての手筈は整った。後は傲慢なアレクサンドラの罪を衆目の許に曝して暴くだけだ。それで解決し、ゲアリンデは俺に相応しい未来の皇后として皆の尊崇を受けるようになるのだ。
明日、学院の卒業記念舞踏会にて、俺はアレクサンドラを裁き、婚約を破棄するのだ。
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